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【夫婦で自己破産】家族で多額の借金を抱えたときの解決方法

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更新日:2024年11月06日 公開日:2021年03月18日

【夫婦で自己破産】家族で多額の借金を抱えたときの解決方法

借金問題は、誰にでも降りかかる可能性のあるトラブルのひとつです。夫婦が同時に多額の借金を抱えてしまうことも、珍しくありません。

夫婦とはいえ、金銭的な話をしていなかったことで、配偶者の借金に全く気付いていなかったというケースもしばしば見受けられます。

夫婦で多額の借金があると発覚してから、自己破産などの債務整理を検討している方もいるでしょう。借金は生活に関わってくる問題であるため、早期に正しく対応することが特に重要です。

本コラムでは、夫婦がそろって借金を抱えてしまった場合の解決方法と重要なポイントなどについて、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。

1、夫婦で返せなくなった借金を解決する3つの方法

借金を返すことが難しくなった場合には、債務整理をすることによって、借金の負担を減らすことができます。債務整理には、3つの方法がありますので、まずはその概略について確認しておきましょう。

  1. (1)任意整理

    任意整理は、個別の債権者と直接交渉をすることで、今までもよりも負担が軽くなるように返済条件を見直してもらう手続きです。

    【① 任意整理すると借金はどうなるのか】
    一般的な任意整理では、次の2つの方法で借金返済の負担を軽くしてもらえるよう債権者と交渉します。

    ・今後の利息を完全に免除してもらう
    ・返済期間を再設定してもらう(3年~5年の期間が目安)


    カードローンなどの借金がある場合には、毎月の利息の負担が返済のネックとなっていることが少なくないため、任意整理をすることで大幅に負担が減るケースも珍しくありません。
    また、すでに長期間の滞納で一括請求されている場合でも、債権者との和解によって分割払いを再開させることができるようになります。

    【② 任意整理の長所・短所】
    任意整理は、裁判所を介さずに債権者と直接交渉するという点がもっとも大きな特徴です。そのため、他の手続きと比べて次の点で優れているといえます。
    ・複雑な書類を作成する必要がない
    ・期日などに出席する必要がない
    ・プライバシーが手厚く保護される
    ・費用を安く抑えられる


    その反面、裁判所を介さずに手続きを行うことから、次の点では他の債務整理に劣ってしまいます。
    ・債権者との合意がなければ手続きを進められない
    ・借金の元金について免除を受けられない
    ・債権者が提起した民事訴訟・差し押さえなどをストップさせられない


    したがって、長期の滞納などを理由に債権者との関係がかなり悪化しているケースでは、話し合いのテーブルについてもらえない可能性があります。また、借金の額が大きすぎるときには、利息免除だけでは返済可能とならないこともあるでしょう。

  2. (2)個人再生

    個人再生は、裁判所に認可してもらった借金の分割返済案(再生計画)にしたがって借金の一部を返済することで、残額の免除を得られる仕組みです。

    たとえば、借金が500万円あるというケースでは、最大で400万円の減額となる可能性もあり、多額の借金が返せなくなった場合でも自己破産せずに解決できることがあります。また、自己破産とは異なり財産の処分が不要という点でもメリットの大きい手続きです。

    【① 住宅ローンにも適用可能】
    個人再生の最大の特徴は、住宅ローンの返済が苦しい場合に、マイホームを差し押さえられることなく、返済条件の見直しができる点にあります(いわゆる住宅ローン特則を適用した場合)。

    夫婦が共に借金を抱えてしまうケースは、住宅ローンの負担が背景事情になっている場合も少なくないため、個人再生は非常に有効な方法です。

    【② 個人再生できない場合】
    個人再生では、財産の処分がない代わりに、債務者の今後の収入から借金の一部を返済していく必要があります。そのため、専業主婦は原則として個人再生はできません。パート収入であっても継続的な収入があれば、個人再生をすることはできますが、借金の額が大きすぎる場合には、収入が追いつかないため個人再生ができないこともあるでしょう。

    また、ローンが支払い終わったマイホームなどの高額な資産を持っている場合には、債務超過にならずに個人再生ができないということもあり得ます。

  3. (3)自己破産

    自己破産は、債務者の負債と財産を強制的に清算するための裁判所の手続きです。清算後に残った借金は、裁判所から免責を認めてもらうことで返済義務が完全になくなります。

    自己破産の最大のメリットは、借金の返済義務が完全になくなるということです。したがって、自己破産の申し立て後は一切の返済が不要となるので、家計を早く回復させることが可能となります。

    他方で、自己破産をした場合には、債権者への配当に充てるために財産処分の必要が生じる場合があります。しかし、自己破産をした場合でも、今後の生活に欠かせない財産(一般的な家具や家電)は差し押さえの対象とはならず、99万円までの現金も手元に残すことが認められています。

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2、夫婦そろって自己破産した方がよい3つのケース

夫婦がそろって多額の借金を抱えてしまったという場合には、夫婦共に自己破産をすることで借金を一挙に解決することも選択肢のひとつとなります。

特に次のようなケースでは、夫婦が同時に自己破産することを積極的に検討した方がよいといえるでしょう。

  1. (1)夫婦の収入よりもはるかに多額な借金がある

    夫婦で商売を営んでいる場合のように、事業に関係する借金があるケースでは、その金額もかなり高額になってしまうことが珍しくありません。

    たとえば、借金の総額が夫婦の合計年収を超えるようなケースでは、任意整理・個人再生による解決よりも、自己破産で完全な免除を受けた方がよい場合が多いといえます。

  2. (2)夫婦がお互いに連帯保証人になっている

    次に、夫婦がお互いの借金について連帯保証人となっている場合も自己破産で解決した方がよいといえます。
    片方だけの自己破産では、自己破産した側の連帯保証人となっている配偶者に、債権者から一括請求がきてしまうことになるからです。

  3. (3)1日も早く家計を建て直したい

    自己破産を申し立てた場合には、その後の借金返済は一切不要となります。任意整理や個人再生の手続き方法は数年間の分割返済期間がありますが、もっとも早く借金と縁を切れるために精神的負担も大きく軽減できる点は、自己破産のメリットです。

    また、若年層の夫婦などのようにマイホームなどの高額資産を持っていないケースでは、自己破産をしても、何も差し押さえられない可能性も高いといえます。

    特に、将来マイホームの購入を念頭においている場合には、1日でも早く自己破産をして家計を建て直し、それまで借金返済に充てていた金額を頭金の積み立てに回した方がよいケースも多いでしょう。

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3、夫婦が別々の債務整理を選択することも可能

夫婦が共に借金を抱えているという場合でも、借金それ自体は個別の問題として取り扱われるのが原則です。したがって、夫婦が別々の債務整理を選択したり、片方だけが自己破産をしたりして、他方は債務整理(自己破産)せずに借金の返済を続けるという選択をすることができます。

以下では、夫婦が別々の債務整理を選択した場合の具体例や注意点などについて解説を加えます。

  1. (1)夫婦が異なる債務整理をする場合の具体例

    【ケース1】
    45歳 会社員42歳 パート勤め
    年収500万円年収60万円
    負債1000万円(住宅ローン残700万円、
    カードローン300万円)
    負債60万円(リボ払い残額など)

    このケースにおける借金解決方法は、夫は住宅ローン特則付きの個人再生を利用し、妻は任意整理することが考えられます。

    夫の借金については、個人再生をすることによって、住宅ローン以外が100万円まで減額される可能性があり、住宅ローンについても返済期限の延長などで毎月の返済額を減額させることが可能です。

    妻の借金については、任意整理をすることで、毎月1万円ずつといったパート収入でも返済可能な金額に圧縮できる可能性があります。

    【ケース2】
    30歳 会社員28歳 専業主婦(出産のため退職)
    年収300万円年収0万円
    負債60万円(カードローン)負債300万円(カードローン・リボ払い残額など)

    こちらのケースでは、妻の借金は自己破産で解決した上で、夫は債務整理せずにカードローンを返済していく(もしくは任意整理する)ことも可能なケースといえます。

    「自己破産すると、子どもの将来に悪影響が出るのではないか」と不安に感じる人も多いかもしれませんが、自己破産をしても戸籍や住民票に記録が残ることはないため、子どもに直接の悪影響が生じることはありません。

    将来のマイホーム購入については、若いご夫婦の場合には早期に借金を解決し、家計の回復を優先させた方がよい結果になる場合も多いと考えられます。自己破産による信用情報の悪化は一時的なものにすぎず、一生記録が残るというわけではないからです。

  2. (2)夫婦の一方だけが自己破産する場合の注意点

    家計が一緒という場合でも夫婦が別々の債務整理を選択したり、片方だけが自己破産したりすることも可能です。片方しか自己破産をしていないために、申し立てが認められないということはありません。

    しかし、夫婦は共有の財産(どちらの所有物であるか明確ではない財産)を保有している場合も多いため、自己破産の申し立てに際しては、慎重に対応する必要があります。自己破産を申し立てる際には、保有する財産の一覧表(財産目録)を作成し、裁判所に提出しなければならないからです。

    安易な気持ちで財産の名義変更などを行ってしまえば、虚偽申告や財産隠しを疑われてしまい、破産手続きで問題となる可能性も低くありません。

    また、虚偽申告・財産隠しが疑われる場合には、破産管財人による調査が行われることがあり、自己破産の手続き期間が長くなる可能性や、費用が増加してしまう可能性が考えられます。

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4、まとめ

夫婦がそろって多額の借金を抱えてしまったケースでは、借金を抱えた背景事情なども複雑になっている場合が多くあるでしょう。

借金問題を解決するための債務整理の方法は、それぞれ一長一短があり、向いているケース・適さないケースにも違いがあります。

夫婦の借金のことでお悩みを抱えている方は、弁護士にご相談いただければ、今後の結婚生活や将来設計も見据えながら、最善の解決方法をご提案させていただくことが可能です。

ベリーベスト法律事務所では、債務整理専門チームの知見豊富な弁護士がご希望なども踏まえながら、親身になってお話しを伺います。また、借金問題に関する相談は何度でも無料で承っておりますので、お困りの際には安心してベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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