債務整理 弁護士コラム
国民年金保険料を滞納すると、年金事務所から「特別催告状」が届くことがあります。
とはいえ、生活費に余裕がなく、未納の保険料を支払えない状況にある方もいることでしょう。あるいは、「将来に年金がもらえるかどうかがわからない」といった不安感などから、国民年金保険料を支払いたくないとお考えの方もいるかもしれません。
しかし、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の方にはすべて、国民年金保険料の納付が法律で義務付けられています。そのため、国民年金保険料を未納のままにしておくと深刻な事態に陥ることがあることに、注意が必要です。
本コラムでは、国民年金の特別催告状を無視するとどうなるのか、どうしても保険料を支払えないときはどうすればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
この記事で分かること
年金の特別催告状は、国民年金保険料を滞納している人に対して、年金事務所が納付を請求するために送付する書面のひとつです。
保険料を滞納すると、その翌月末までにまず「催告状」が届きます。催告状に記載されている期限までに未納保険料を納付しない場合に、改めて送付されるのが特別催告状です。
滞納を続けていると特別催告状が3回にわたって届き、封筒の色が青色から黄色、赤(ピンク)色へと変化していきます。後になるほど警告の意味合いが強まり、記載内容も厳しいものになっていきます。
国民年金保険料を払わないままにしておくと、以下のように深刻なデメリットが生じます。
滞納を続けていると、未納の保険料に加えて延滞金の納付義務が発生します。ただし、延滞金がかかり始めるのは特別催告状よりも後に届けられる「督促状」で指定される納付期限の翌日からです。
国税庁が公表する「延滞税の割合」のデータによると、延滞金の利率は年によって変動します。
国民年金(老齢基礎年金)の支給額は年によって変動します。ただし満額を受給するためには、20歳から60歳までの40年間(480か月)、保険料を全額支払い続けることが条件とされています。そのため、未納があると将来受給できる年金額が減らされてしまいます。
保険料を納付した期間が10年に満たない場合は受給資格を満たさないため、1円も年金を受け取れなくなることに注意が必要です。保険料の免除や納付猶予を受けた期間は受給資格期間に算入されますが、全額納付した場合よりも受給額は減額されます。
特別催告状や督促状を無視していると「滞納処分」が行われ、最終的に財産を差し押さえられることになります。
差し押さえを受けやすいのは、給料と預金口座です。給料は全額が差し押さえとなるわけではありませんが、一部が差し引かれるために生活費に支障をきたす可能性が高いでしょう。預金口座を差し押さえられた場合は、預金全額が突然なくなる可能性があるので、当座の生活費も不足するおそれがあります。
その他にも、車や不動産、有価証券、生命保険、自営業をしている方なら売掛金などが差し押さえられることもあるので、注意が必要です。

特別催告状が届いても、すぐに差し押さえを受けるわけではありません。ここでは、特別催告状が届いてから実際に差し押さえを受けるまでの流れをご紹介します。
国民年金保険料の滞納が発生すると、滞納処分が行われる前に何度も納付の要求を受けます。具体的には、年金事務所(日本年金機構)から以下の順でハガキや封書が送られてきます。
この他にも、年金事務所が委託した民間事業者の担当者から、電話や自宅訪問、文書の送付によって納付を要求されます。
そして、督促状で指定された納付期限までに未納保険料を支払わなければ、滞納処分が開始されます。ただ、その後も当面の間は、電話や自宅訪問、文書の送付による納付要求が繰り返されます。
再三にわたる納付要求を無視していると、いよいよ差し押さえに向けた本格的な準備が始まります。
まず行われるのは「財産調査」です。これは、差し押さえの目的となるものを特定するための調査です。財産調査では、まず年金事務所が官公署や金融機関、法務局などへ情報提供を求め、勤務先や預金口座、所有不動産の有無などを調べます。
その上で必要があれば、担当者が滞納者の自宅に訪問して事情を尋ねたり、資料の提供を求めたりします。それだけでなく、家族や勤務先、取引先に対する聴き取り調査が行われることもあるので注意が必要です。財産の有無と内容を、徹底的に調べられることを覚悟しておかなければなりません。
財産調査が終了すると、日本年金機構から差押予告通知書が届きます。
ただ、差押予告通知書が届いても、まだすぐに差し押さえが行われるわけではありません。この通知書にも未納保険料と延滞金の金額と納付期限が記載されており、その期限までに納付すれば差し押さえを回避できます。
差押予告通知書には、最終の警告書という意味合いもあるのです。
差押予告通知書も無視すると、実際に差し押さえが行われます。その後に届く書類が「差押通知書」です。
差し押さえられた財産は換価され、未納保険料と延滞金に充当されます。給料が差し押さえられた場合は、手取り額の4分の1の金額が勤務先から日本年金機構へ支払われます。
預金口座が差し押さえられた場合は、未納保険料と延滞金の合計額を上限として、預金が金融機関から日本年金機構へ支払われるという仕組みです。
自動車などの動産や自宅などの不動産を差し押さえられた場合は、換価(売却)されるまでにある程度の時間がかかります。速やかに滞納を解消すれば、差し押さえを解除することも可能です。しかし、放置すると換価され、その財産を失うことになります。

差し押さえを回避するためには、滞納を解消しなければなりません。ただ、毎月の年金保険料の支払いに加えて未納保険料や延滞金を一度に支払うことは難しい場合も多いでしょう。そんなときには、以下の対処法があります。
まずは、年金事務所に連絡することです。
事情を伝えて相談すれば、未納保険料の分割払いが認められる可能性があります。そのためには、滞納したことを反省するとともに、毎月いくらずつなら支払えるのかという納付計画を提案するなどして、納付に対する誠実な意思を示すことが重要です。
分割払いの相談は差し押さえが実行されるまで可能ですが、早ければ早いほど柔軟に対応してもらえる可能性が高くなります。そのため、遅くとも赤(ピンク)色の特別催告状が届いた時点で年金事務所に連絡した方がよいでしょう。
一定の条件を満たす場合には、年金事務所に申請することにより、保険料の免除や納付猶予が受けられます。
保険料の免除は、前年所得(1月~6月に申請する場合は前々年所得)が一定の基準以下の場合に、保険料の納付が免除される制度です。所得(世帯主と配偶者の所得も含みます)に応じて、全部または一部の納付が免除されます。
納付猶予は、20歳以上50歳未満の人について、所得に関する条件を満たす場合に納付が猶予される制度です。
これらの申請が承認されても未納保険料や延滞金は免除されませんが、毎月の保険料が免除・猶予されることで未納分を支払いやすくなるでしょう。
借金の返済に追われて年金保険料の納付が難しい場合には、債務整理が有効です。年金保険料は債務整理の対象外ですが、借金返済の負担を減免することで、毎月の年金保険料や未納分の納付が容易となるでしょう。
債務整理には、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」という3種類の手続きがあります。状況に合った手続きを選択することが、スムーズに借金問題を解決するためのポイントです。
なお、債務整理には適切な手続きの進め方やメリット・デメリットがあるため、詳しくは弁護士にご相談ください。
年金保険料を滞納し、特別催告状が届いたということは、差し押さえに向けた手続きが進行しつつあることを意味しています。特別催告状が届き次第、滞納分の料金を支払うなど、早めに対応することが必要です。
借金を抱えて支払いに困っているときには、弁護士に相談して、債務整理で借金問題を解決することをおすすめします。
弁護士は、状況に合った最適な手続きについてアドバイスをするだけでなく、複雑な手続きをすべて代行することが可能です。
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