債務整理 弁護士コラム

個人再生の5つのデメリットとは? デメリットを回避する方法も紹介

2022年02月15日
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個人再生の5つのデメリットとは? デメリットを回避する方法も紹介

個人再生は、基本的に財産を手放すことなく借金の大幅減額が可能な債務整理の方法です。一定の条件を満たせば、住宅ローンが残っている家を手元に残すことも可能で、非常にメリットの大きい手続きといえます。

しかし、その一方で手続きの内容や利用条件が法律で厳格に定められているため、いくつかのデメリットもあります。

そこで今回は、個人再生のデメリットと、デメリットを回避して債務整理をする方法などについて解説します。

1、個人再生とは〜デメリットについて知る前に

まずは、個人再生がどのような手続きなのかを確認しておきましょう。

  1. (1)個人再生の仕組み

    個人再生は、裁判所を介して借金を減額した上で、3年~5年をかけて分割返済をする手続きです。民事再生法に基づいて手続きが行われ、裁判所の決定をもって借金総額が原則として5分の1(最大で10分の1)にまで減額されます。

    個人再生には、主に自営業者向けの「小規模個人再生」と、主に会社員向けの「給与所得者等再生」の2種類があります。

    裁判所の決定には債権者も従わなければならないため、強制的に借金を減額することが可能です。ただし、小規模個人再生では債権者の多数が反対意見を出すと、裁判所が借金を減額する決定を出すことはできません。

  2. (2)個人再生を利用できる条件

    個人再生を利用するには、次の条件を全て満たす必要があります。

    • 支払不能、またはそのおそれがあること
    • 債務総額が5000万円以下であること(住宅ローンを除く)
    • 継続的または反復して収入を得る見込みがあること
    • 債権者の多数が反対しないこと(小規模個人再生の場合)
    • 収入が変動する幅が小さいこと(給与所得者等再生の場合)
    • 過去7年以内に借金の免責を受けていないこと(給与所得者等再生の場合)


    ひとつでも条件が欠ける場合は、他の債務整理を検討する必要があります。

  3. (3)個人再生のメリット

    個人再生には、他の債務整理と比較すると次のようなメリットがあります。

    • 借金が元金も含めて大幅に減額される
    • ギャンブルや浪費で作った借金も減額できる
    • 財産を処分する必要がない
    • 住宅ローン特則を利用すれば家を残せる
    • 資格や職業に制限を受けない

2、個人再生の5つのデメリット

個人再生のデメリットとしては、主に5つあげられます。

  1. (1)継続的な安定収入が必要

    個人再生は借金を減額した上で継続的に返済していく手続きなので、返済可能と客観的に認められるだけの継続した安定収入がなければ利用できません。
    ただし、現在は収入が足りなくても、返済開始時までに継続した安定収入が得られるようになる見込みがあれば、利用可能です。

    また、年金収入や親族等からの援助でも、確実に返済可能と見込まれる場合は個人再生を利用できる可能性があります。

  2. (2)信用情報機関の事故情報(ブラックリスト)として登録される

    個人再生をすると、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)として登録されてしまいます。事故情報が登録されると、新たな借り入れやクレジットカードの利用はできなくなります。

    ただし、再生計画案の認可決定が確定してから10年が経過すると事故情報は削除され、その後は再び借り入れやクレジットカードを利用することができます
    なお、この点は任意整理や自己破産といった別の債務整理手続きを利用しても同じですので、個人再生に限ったデメリットというわけではありません。

  3. (3)官報に掲載される

    個人再生をすると、氏名や住所などが官報に掲載されます。つまり、個人再生をしたことが実名で公表されてしまうのです。

    ただし、官報を一般の方が目にすることはほとんどありません。したがって、官報に掲載されたことで周囲の人に個人再生をしたことを知られるのではないかという心配はほぼ不要です。

  4. (4)手続きが複雑で時間と費用がかかる

    個人再生は債務整理の中でも、もっとも手続きが複雑なため、弁護士に依頼をしなければ正確に行うことは難しいでしょう。

    必要書類も数多く、申し立ての準備だけで数か月かかることも少なくありません。申し立て後、返済開始までの手続きには半年以上かかり、その後に3年~5年と返済を継続する必要があります。

    裁判所に納める手続き費用は数万円程度ですが、その他にも次のような費用を負担しなければいけません。

    • 弁護士に依頼した場合の費用
    • 個人再生委員の報酬(個人再生委員がつくか否かは各地方裁判所の運用や事案によります)
  5. (5)保証人に迷惑がかかることがある

    個人再生では、任意整理とは異なり、保証人がついている借金を除外して他の債務のみを整理することはできません。そのため、保証人がいる場合に個人再生をすると、保証人が返済の請求を受けてしまいます
    これは、個人再生が裁判所の決定によって強制的に借金を減額する手続きであることから、全ての債権者を平等に扱わなければならないという決まり(債権者平等の原則)があることによります。

    個人再生をする場合は、保証人がついている借金も含めて全ての債権者を手続きの対象とする必要があります。

3、個人再生のデメリットを回避して債務整理をする方法

個人再生のデメリットを回避しつつ借金を整理するには、状況に応じて他の債務整理も検討する必要があるでしょう。

  1. (1)返済にあてる収入が足りない場合は自己破産

    個人再生で借金が減額されても、3年~5年では返済ができない場合には、自己破産を申し立てることが考えられます。

    自己破産は全ての借金の返済義務が免除される手続きなので、収入の有無は問われません。無収入の方でも自己破産で借金を整理することが可能です。

  2. (2)信用情報機関に事故情報として登録されないためには

    債務整理をすると、どの手続きでも信用情報機関に事故情報として登録されますが、登録期間は手続きによって異なります。個人再生では再生計画案の認可決定の確定から10年、自己破産でも免責決定の確定から10年ですが、任意整理では完済から5年で事故情報が削除されます

    事故情報が登録されることによるデメリットを最小限に抑えるには、任意整理を選択して早めに完済するとよいでしょう。

  3. (3)官報に掲載されないためには

    官報への掲載を避けたい場合は、任意整理を選択しましょう。任意整理は裁判所を介さず債権者と直接交渉する手続きなので、利用しても官報に掲載されることはありません。

    官公庁や金融機関に勤務している方など一部の方は官報を日々確認しているので、知り合いの方などが官報を見る可能性がある場合には任意整理を選択するとよいでしょう。

  4. (4)手間と費用を抑えるには

    手続きにかかる手間と費用を抑えたい場合も、任意整理が適しています。裁判所を通さないため必要書類はほとんどなく、手続きは債権者と交渉して和解書を交わすだけです。

    自分で任意整理をする場合、ほとんど費用はかからず、たとえ弁護士に依頼した場合でも個人再生や自己破産の場合に比べると少ない費用で済む傾向にあります。

  5. (5)保証人がいる場合

    保証人がついている借金があり、その保証人に迷惑をかけたくない場合も、任意整理が適しています。
    任意整理の手続きには裁判所が関わらないので、債権者平等の原則は適用されません。したがって、保証人がついている借金を除外して、他の借金のみを任意整理することも可能です。

4、個人再生の手続きの流れと注意点

個人再生をするときには、その他にも注意すべき点があります。手続き全体の流れとあわせて確認していきましょう。

  1. (1)個人再生の流れ

    個人再生の手続きは、一般的に次のような流れで進められます。ただし、裁判所によって一部異なることもあります。

    • 弁護士への相談、依頼
    • 受任通知の送付
    • 債権調査
    • 必要書類の準備
    • 申し立て
    • 個人再生委員との面談
    • 履行テスト
    • 再生計画案の提出
    • 債権者による書面決議(小規模個人再生の場合)
    • 債権者からの意見聴取(小規模個人再生の場合)
    • 再生計画案の認可決定
    • 返済開始
  2. (2)税金など減額されない債務もある

    債務の中には、個人再生をしても減額されないものもあるので、注意が必要です。

    次にあげる債務は、借金を整理したうえで支払っていく必要があります。

    • 税金や社会保険料
    • 刑事罰としての罰金
    • 民事上の損害賠償債務(内容による)
    • 養育費
    • 婚姻費用
  3. (3)財産があると返済額が高くなることがある

    個人再生では、所有財産の総額以上の金額を返済しなければならないという決まり(清算価値保障の原則)があります。そのため、100万円以上の財産を所有している場合には、個人再生による返済額が高くなる可能性があります

  4. (4)小規模個人再生では債権者の意向に左右される

    小規模個人再生の場合、債権者総数の過半数、または議決権総額の過半数を有する債権者が反対した場合には、再生計画案が認可されません。
    もっとも貸金業者が反対意見を出すことはあまりないので、過度に気にする必要はありません。

5、まとめ

個人再生には大きなメリットがある反面で、見逃せないデメリットもあります。申し立て前にデメリットを理解しておかなければ、手続きに失敗することにもなりかねません。

ベリーベスト法律事務所では、債務整理に関するご相談は何度でも無料で承っています。わからないことや不安なことがあるときは、お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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