債務整理 弁護士コラム
簡単な手続きで即日現金が調達できる手段として「給与ファクタリング」に注目が集まっています。しかし、「借金ではないから大丈夫」、「金融ブラックでもOK」などの誘い文句で、法外な手数料を請求する悪徳なファクタリング業者が問題になっているのも事実です。
この記事では、「お金を工面したいけど、給与ファクタリングを利用してトラブルになるのが心配」という方に向けて、給与ファクタリングの仕組みから「実際に利用するとしたら何に注意すればいいのか?」という疑問まで詳しく説明していきます。
給与ファクタリングにより急ぎでお金を工面したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
給与ファクタリングとは、「会社から給料を受け取る権利」をファクタリング業者が買い取り、早期現金化する金融サービスです。
もともとファクタリングは、主に中小企業が入金待ちの商品やサービスの請求書を他企業に買い取ってもらい、資金調達をする手段として広まっていました。
これを個人向けに当てはめたのが、給与ファクタリングです。
給与ファクタリングには、
といったメリットがある一方で、
といったデメリットもあります。
給与ファクタリングは、イメージとしては「給料の前借り」に近いといえます。
本来給料の前借りは、企業が従業員に対して行うものです。
しかし、常に企業から給料を前借りできるとは限りませんし、仮にそのような制度があったとしても、前借りを行うには気まずい気持ちが強く働く場合もあります。
そこで、そのような人は業者を通じて、実質的に給料の前借りをする給与ファクタリングの利用を検討するというわけです。
しかし、給与ファクタリングの場合、手数料は非常に高くなるという問題があります。
5%~20%前後の手数料をとる業者が多く見られ、中には45%以上の手数料をとる業者も存在します。
たとえば、給料20万円分を借りようとするとき
の手数料を取られることになります。
手数料20%の給与ファクタリングの場合、取引の流れは以下のとおりです。
つまり、利用者は翌月分の給料(20万円)から手数料(4万円)を差し引いた現金(16万円)をファクタリング業者から実質的に前借りすることができます。
このように給与ファクタリングは給料の前借りと実質的には同じですが、手数料が高額になるため注意が必要です。
ファクタリング業者は利用者からの手数料で利益を得ています。
手数料の金額は業者によってさまざまです。
手数料の相場は5%〜20%ですが、2020年11月現在、給与ファクタリング業者の提示する手数料が法外であるとして問題になっています。
2020年3月、金融庁は「金融庁における法的解釈に係る照会」への回答で「給与ファクタリング業者と労働者の資金の返還・回収の流れは貸金業にあたる」と発表しました。
貸金業にあたる場合、出資法で定められた上限年利は20%です。
これを超えて貸し付けを行うことは出資法違反となり、刑事罰の対象となります。
たとえば返済期間が1か月のケースで40%の手数料をとっていた場合、年利に換算すると480%となり、出資法の上限金利を大きく超過します。
しかし実際には、出資法の上限金利を大きく超過する水準の手数料をとる悪質なファクタリング業者も数多く存在します。
法外な手数料を要求してくる悪徳業者には十分注意してください。
結論からいえば、給与ファクタリングを利用したことが勤務先にバレることは基本的にありません。
給与ファクタリングは、業者と利用者の2者間で行われる取引であり、金銭の授受も業者・利用者の間でのみ行われるためです。
なお、個人向け給与ファクタリングの場合、ファクタリング業者が利用者の企業から直接給与を回収することはできません。
これは労働基準法第24条第1項「直接払いの原則」により、労働者の勤め先は労働者本人に直接給料を支払う義務があるからです。
ただし、返済が遅れたり業者からの連絡を無視したりした場合には、業者から勤務先に連絡されることがあるので注意が必要です。
給与ファクタリングについては、特に最近になって貸金業該当性の問題がクローズアップされています。
東京地裁において令和2年3月24日にいい渡された2件の判決では、いずれも給与ファクタリングが貸金業に該当するという判示がなされました。
また、同時期に金融庁からも、給与ファクタリングは貸金業に該当するという見解が表明されています。
給与ファクタリングが貸金業に該当することにより問題となるのは、大きく分けて①貸金業の登録と②出資法の上限金利の2点です。
給与ファクタリングが貸金業に該当することを前提とすると、給与ファクタリングサービス業者は貸金業の登録を受ける必要があります(貸金業法第3条第1項)。
そのため、貸金業者としての登録がない給与ファクタリング業者は違法な悪徳業者ということになります。
貸金業登録の有無は、金融庁WEBサイト(登録貸金業者情報検索サービス)から検索することができるので、給与ファクタリングを利用する際には事前に登録の有無を必ず確認しましょう。
登録貸金業者情報検索入力ページ
給与ファクタリングが貸金業に該当するならば、金銭の貸し付けに関する金利などを規制する出資法の規制対象となります。
出資法では金銭の貸し付けをする際に借り主へ請求する利息について、以下のとおり上限が設けられています。
東京地判令和2年3月24日の事例では、給与ファクタリング業者が年利1843.5%相当もの違法な手数料を利用者に課していました。
この場合、給与ファクタリング業者は出資法違反により刑事罰の対象となります。
このような法外な手数料を課す違法な給与ファクタリング業者に引っかからないよう、契約内容をよく確認して、手数料の年率計算を行うようにしましょう。
悪徳なファクタリング業者を見分けるためのポイントについて解説します。
以下のチェックポイントにあてはまる給与ファクタリング業者は利用を避けましょう。
まずは契約書に記された手数料をよく確認して、手数料の年率計算を行いましょう。
給与ファクタリング業者は、金銭の貸し付けを業として行う者とみなされるため、適用される出資法の上限金利は年20%です。
これを1か月あたりに引き直すと、月2%未満となります。
業界平均は5%~20%程度ですが、これは悪徳なファクタリング業者も含めての相場なので注意が必要です。
中には「給与ファクタリングの手数料の相場は20~40%です」といって高い手数料が当たり前であるかのように記すサイトもあるので注意してください。
また、悪徳業者の場合には、口頭で説明された手数料と書面での手数料が異なる可能性もあります。
そのため、契約書に明記されている条件は隅から隅まで確認してから契約することが重要です。
あまりにも返済期間が短い場合、そもそも給与ファクタリングを利用するメリットがほとんどありませんし、手数料の年率も非常に高くなる可能性が高いといえます。
目安として、返済期間が1か月以内の場合は契約を見合わせた方が良いでしょう。
返済期間は契約書に記載されているので、その内容をよく確認してください。
信頼できるファクタリング業者かどうかを確かめるためには、給与ファクタリング業者にありがちな問題について実際に質問をしてみるとよいでしょう。
ポイントは、
の2点を確認することです。
もし、質問の回答をはぐらかされたり話題をそらされたりする場合は、悪徳業者の可能性があります。
ここまでの内容からわかる通り、給与ファクタリングには違法な業者が多いため、基本的には利用は避けるのが無難です。
とはいえ、
「大手金融機関からは貸し付けを受けられそうにない」
「経済的に追い込まれている」
という方もいると思います。
そんな方には、公的な支援を検討することをおすすめします。
利用可能な制度の具体例は、下記のとおりです。
生活保護を申請できるのは無職の人だけだと勘違いしている方もいるかもしれません。
しかし、実際は働いている人であっても、収入と資産が基準を下回れば申請することができます。
上に挙げた以外にも、自治体によって多くの公的支援が存在するので、自分が受け取れる公的支援がないか一度自治体で確認してみてください。
増えてしまった借金を減らしたり、支払いに猶予を持たせたい場合は弁護士に依頼をして債務整理の手続きをしましょう。
債務整理の手続きは、大きく分けて以下の三つです。
債務整理の手続きを行えば、借金の負担を軽減できる可能性があります。
借金に苦しんでいる方は、まずは一度、ベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。
給与ファクタリング業者には、貸金業法や出資法との関係で問題がある悪徳業者が多いため、基本的に利用はおすすめできません。
給与ファクタリングの他にも、債務整理を含めて、お金の問題を解決するための方法はさまざまに考えられます。
お金のことでお困りでしたらまずはベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。
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債務整理とは、借金を減額・免除することで借金に関するお悩みを解決できる手続きです。債務整理の方法には、いくつかの種類がありますが、そのうちのひとつが「任意整理」です。
任意整理には、メリットだけでなくデメリットもありますので、ご自身の状況に応じて最適な債務整理の方法を選択することが大切です。
今回は、債務整理と任意整理の違いや、任意整理の手続きの流れなどについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
「買い物をしていると、嫌なことを忘れることができる」と、日ごろのストレスから買い物依存症に陥ってしまう女性は少なくありません。
買い物依存症を放置することで、最悪の場合、借金問題や離婚といった望まない末路を迎えてしまうことがあります。今後のためにも、買い物依存症を改善できるように、できることから始めていきましょう。
本コラムでは、買い物依存症のセルフチェックや症状を放置することでの末路、借金問題を解決するための方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
国民年金保険料の滞納があると、年金事務所から「特別催告状」が届くことがあります。
とはいえ、生活費に余裕がなく未納の保険料を支払えない方もいることでしょう。中には、「将来に年金がもらえるかどうかがわからない」といった不安感などから、国民年金保険料を支払いたくないという方もいるかもしれません。
しかし、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の方にはすべて、国民年金保険料の納付が法律で義務付けられています。そのため、国民年金保険料を未納のままにしておくと深刻な事態に陥ることがあることに、注意が必要です。
本コラムでは、国民年金の特別催告状を無視するとどうなるのか、どうしても保険料を支払えないときはどうすればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。