債務整理 弁護士コラム
「借金の取り立て」とはどのようなイメージでしょうか?
毎日朝から晩まで電話がくる、自宅や職場に押しかけられて怖い人から怒鳴られる、というようなイメージを持っている人もいるでしょう。
実際に、借金の返済が苦しくなり、貸金業者からの電話が怖いから出たくないという人もいます。しかし、無視をしていても根本的な解決にはなりませんし、状況は悪化してしまいます。
今回は、返済の催促の電話を無視してはいけない理由や、催促の電話の答え方などを解説します。取り立ての電話がつらい、どうしたらいいかわからない、という方はぜひ参考にしてみてください。
借金の返済が滞納してしまうと、貸金業者から催促の電話がかかってくることがあります。催促の電話が続くと、眠れなくなったり、仕事に集中できなくなったりなど、生活にも悪影響が出る可能性があります。
さらに
という後ろめたさや、「家族や会社など、誰にも知られたくない」という不安な気持ちは、精神的にも悪影響を及ぼします。
催促の電話は、「怒られそうで怖い」と思っている人も多いでしょうが、暴力的で怒鳴られたりする取り立ては、法律で禁止されています。
また、催促が怖いからと焦って
などの対処は借金返済がさらに苦しくなるだけでなく、債務整理ができなくなるリスクも高くなるので絶対にやめましょう。
なぜ、催促の電話を無視してはいけないのかは、詳しくは以下で解説していきます。
貸金業者から催促の電話がかかってきたら、無視をしてはいけません。無視をするとどのような不利益が生じるのかを確認しましょう。
債権者(貸金業者)からの返済の催促の電話が何度もかかってきているにもかかわらず、無視をしていると、債権者の債務者に対しての心証が悪くなってしまいます。
心証が悪くなってしまうと、債務整理(任意整理)をするときにも、話し合いに応じてもらえない可能性があります。
催促の電話を無視していると、自宅や勤務先にも連絡がいく可能性があります。
債務者と連絡がつかなくなった場合には、第三者(自宅や勤務先)へ、債務者の連絡先の確認を行うことが、法律で認められているからです。
債権者が第三者(家族・勤務先の同僚など)に借金の返済(肩代わり)を要求することはありませんが、債務者が家族や勤務先に借金のことを内緒にしていた場合には、債権者からの電話連絡や自宅に督促状が送られてきたことで、借金がバレてしまう原因になりかねません。
借金返済を催促する電話がかかってきたら、どうしたらいいのでしょうか。基本的な電話対応の仕方を紹介します。
「2」でも解説をしたように、債権者からの電話は絶対に無視してはいけません。
もしも、その場で出られない理由がある場合には、できるだけ早めに折り返し連絡しましょう。家族と一緒のときや職場など、タイミングの悪いときに催促の電話がかかってきてしまったら、都合のいい時間を伝えてこちらからかけ直す旨を伝えましょう。
そうすると、債権者は、債務者と連絡をとれたことで自宅や勤務先などに連絡してくることはありません。
債権者は、今までに、たくさんの借金を返済できない人たちを見てきています。
債務者にうそをつけば債務者に対する心証はますます悪くなります。返済期日に支払えなかった場合には、正直に謝りましょう。
どうしても返済が遅れそうなときは、早めに債権者に連絡をして、期日までに返済することが難しい旨を伝えましょう。
返済期日には間に合わなかった場合でも、「数日後には支払える」のであれば、「○日までには今月分の支払いをします」と債権者に伝えましょう。金融機関の債権者は、債務者から具体的な返済意思の申し出があったときには、「それ以上の取り立て」を行うことを禁止されているからです。
ただし、過去にも返済日の約束を破っているような場合は、債務者の言い分を信頼できない客観的な事実があるので、支払いまで取り立てが継続される可能性があります。普段から誠実に対応することは、この点でも重要といえます。
また、約定額の一部しか返済ができない場合でも、「○○円なら支払える」と提案してみることも大切です。ケースによっては、「ひとまずはそれでかまわない」と矛を収めてもらえる可能性もゼロではないからです。
催促の電話がつらいときには、「債務整理」を検討してみましょう。債務整理を利用すれば、借金問題を解決できる可能性が高まります。
債務整理を依頼された弁護士は、債権者である貸金業者に対して、「受任通知」を送付します。「受任通知」を受け取った債権者は、債務者に対し電話や訪問など、直接取り立てをすることは法律で禁止されています。
また、債務整理の着手後は、債権者間の公平を損なわないために、個別の返済も一時的に停止します。
したがって、債務整理を依頼すれば借金催促の電話からだけでなく、借金返済の悩みからもすぐに(一時的ですが)解放されるというわけです。
借金の返済が苦しいのであれば、債務整理をしましょう。
債務整理には、
の3つの方法が主にあります。
①任意整理
「任意整理」は裁判所を介さず、直接債権者と交渉して将来利息のカットや、返済期間を見直してもらい、今よりも返済をしやすくしてもらう手続きです。裁判所を介さないので、費用も安く、プライバシーも守られるというメリットもありますが、債権者が交渉に応じてくれない場合もあります。
上でも触れたように、借金催促の電話を何度も無視しつづけているようなケースでは「任意整理に応じてもきちんと返済してもらえない」と判断されてしまう可能性が高くなりますから、話し合いにすら応じてもらえないリスクもあります。
②個人再生
「個人再生」は裁判所に申し立てて、利息だけでなく、最大で5分の1まで借金の返済を免除してもらう手続きです。たとえば100万円~500万円までの借金があれば、100万円まで減額してもらえる可能性があります。
その後、原則3年間で分割返済していきます。
任意整理では解決できない額の借金にも対応でき、すべての債権者を強制的に手続きに応じさせることができる点にメリットがあるといえます。また、住宅ローンの返済を抱えている場合でも、マイホームの差し押さえを回避しながら住宅ローンの返済条件を見直すことができるのは、個人再生のみのメリットです。
③自己破産
「自己破産」は、裁判所に申し立てて、免責を受けられれば借金が帳消しになる手続きです。
収入のない人や財産のない人でも利用できます。借金の返済義務がなくなる一方で、法律で差し押さえ可能な財産は、債権者への配当に充てられるため、定められた範囲を除き、財産を失ってしまうデメリットもあります。
貸金業者からの催促の電話は、無視をせずに現状を正直に伝えましょう。すでに、返済できる見込みがない場合には、弁護士などの法律の専門家に相談して債務整理をしましょう。
また、債務整理は、それぞれのケースに見合った方法を正しく選択することが重要です。十分な知識のない人が安易に手続きを選択すると失敗の原因となったり、必要以上のデメリットが生じることもありえます。
ベリーベスト法律事務所では、債務整理に関する相談を無料で行っております。借金催促の電話がつらいと感じたら、早めにご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
「期限の利益って何のことだろう?」「期限の利益喪失通知書が自宅に届いたけど、どうすればよい?」……借金をしている方のなかには、このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
期限の利益とは、「期日までにお金の返済をすればよい」という債務者と債権者(銀行や貸金業者など)の約束事を言います。
いつまでに借金を返せばよいのか、返済日をあらかじめ決めることにより、債務者は返済のめどを立てることができます。そして、「返済日に返す」ということは、それまでは返さなくていよいということです。
期限の利益という言葉においては、その「返さなくてもよい」ということを、「利益」と表現されています。
本コラムでは、期限の利益の基本情報や期限の利益を喪失するケース、期限の利益喪失通知が来た場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
期限の利益について悩んでいる方のご参考になれば幸いです。
債務整理は、借金問題を解決するための法的手続きの総称です。
債務整理の手続きを通して、合法的な手段で借金を減額したり、返済そのものを免除したりすることができます。しかし、それと引き換えに、一定のデメリットもあります。
債務整理には任意整理や特定調整、個人再生、自己破産といった種類があり、それぞれ特徴や注意すべき事項が異なります。
そのため、借金問題を適切に解決するためには、自分に合った手続きを選ぶことが重要です。
本コラムでは、債務整理の各手続きにおけるデメリットや、債務整理のなかでも自分に合う方法の選び方について、ベリーベスト法律事務所 債務整理チームの弁護士が解説します。
銀行口座は、資産管理を行う上で欠かせません。万が一のために蓄えを備えるだけでなく、給料の受け取りや決済用の手段としても、必須のツールです。
しかし、借金の返済などを滞納してしまえば、銀行口座が差し押さえにあってしまうこともあります。債権者にとっても銀行口座の預貯金は、滞納した借金を回収するための重要な引き当て財産だからです。
令和2年4月に改正民事執行法が施行され、債権者による債務者の財産調査が容易になりました。そのため、銀行口座は以前よりも差し押さえやすくなったといえます。
銀行口座に限った統計ではありませんが、裁判所が公表する「司法統計年報」によると、「債権及びその他の財産権に対する強制執行」の手続きが裁判所で行われた数は、13万6949件でした。うち11万7866件は、取り下げられています。
(出典:令和4年司法統計年報 第101表 民事執行既済事件数―事件の種類及び審理期間別―全地方裁判所)
本コラムでは、借金の返済を滞納して銀行口座が差し押さえられてしまうときの流れや効果、差し押さえを回避する方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。