債務整理 弁護士コラム
一般的な金融機関から借り入れができなくなって闇金に手を出してしまい、深刻な被害に遭ってしまう人は現在でも後を絶ちません。闇金は、「審査なし」「ブラックOK」「誰でも即日融資」などの甘い文句で勧誘しているので、すぐにでもお金が必要な人からは魅力的に映るのでしょう。
しかし、闇金は到底支払えないような高金利を要求し、支払いが遅れるとしつこい取り立てや悪質な嫌がらせによって精神的に追い込んできます。ご自身だけでなく、家族や知人、職場にまで被害が及ぶ可能性も高いので、絶対に闇金に手を出してはいけません。
本コラムでは、闇金とはどのような業者のことをいうのか、闇金が使う具体的な手口、借りてしまったときの対処法などを解説します。
闇金といえば、かつては主に暴力団などの反社会的勢力が営む貸金業者のことを指していました。近年では法規制が強化されたこともあり、暴力的な取り立てを行う闇金は影を潜めていますが、その反面でさまざまな種類の闇金が出現してきています。
闇金とは、「法外な金利を要求する無登録業者」と定義できます。貸金業を営むために必要な登録もせず、法律上の上限をはるかに超える高金利でお金を貸し付けます。
その金利は業者によって異なりますが、「トサン」(10日で3割、年1095%)、「トゴ」(10日で5割、年1825%)などの暴利であることがほとんどです。
闇金には初めから法律を守る気がないので、ほぼ無審査でお金を貸し付け、返済できない利用者に対しては違法な取り立てや嫌がらせ行為によって精神的に追い込むことにより、お金をむしり取ろうとします。
現在では、以下のように多種多様な種類の闇金が出現しています。
法規制や警察による取り締まりが強化されるに従い、闇金の手口も巧妙化し、次々に新しい種類の闇金が出現しているのが実情です。今後も、さらに新手の闇金が出現してくる可能性が高いことに注意が必要です。
近年、「ソフト闇金」という存在が注目を集めています。ソフト闇金とは、一般的な闇金よりも対応がソフトな闇金のことです。返済が遅れた利用者に対しても脅迫的な取り立てや悪質な嫌がらせなどはあまり行わないことが特徴です。利用者を過度に追い詰めないようにして、警察問題となることを回避しつつ営業しています。
しかし、ソフト闇金もれっきとした闇金であり、無登録で法外な金利を要求してきます。結局は重大な金銭的被害に遭いやすいことに注意しなければなりません。
ここでは、以前から存在する「090金融」の闇金を例として、利用者にお金を貸し付けてから暴利をむしり取るまでの恐ろしい手口をご紹介します。
闇金に借り入れを申し込むと、審査と称して個人情報を聞き出されます。自宅の住所や本人の携帯番号だけでなく、家族や親戚、知人、勤務先の連絡先なども幅広く聞かれるのが特徴です。
実際には闇金は審査など行いませんが、後に取り立てや嫌がらせ行為に利用するために、これらの個人情報を取得するのです。
返済が1日でも遅れると、闇金から昼夜を問わずしつこく取り立ての電話がかかってきます。1日に100回以上の着信があることも珍しくありません。電話に出ると「何をしてでも払え」「返せなければ家族がどうなっても知らないぞ」などと脅迫的な文言で支払いを迫ってきます。
利用者本人に催促しても支払わないと見ると、家族や知人、勤務先にも電話をかけてくるのが闇金の常とう手段です。これらの人たちに対して支払いを要求することもあれば、「○○さんがお金を借りて返さない。返すように伝えてほしい」と告げることもあります。周囲の人を巻き込んで本人を精神的に追い込むことにより、何とかお金を調達させて支払わせようとするのです。
さらに闇金は、常識外れの嫌がらせをしてくることもあります。自宅に消防車や救急車を呼ばれる、大量のすしやピザなどのデリバリーが届けられる、自宅の玄関や壁などに誹謗中傷の貼り紙をされる、などの行為がよく見受けられます。このような嫌がらせも、利用者に恐怖心を植え付けて精神的に追い込み、お金を支払わせようとする闇金の手口です。
近年では、返済しない利用者の個人情報を闇金がインターネット上にばらまくケースも増えています。SNSや掲示板サイトなどで利用者の実名や連絡先などをさらした上で、「○○はお金を借りて返さないドロボーだ」といった誹謗中傷の書き込みをするのです。
闇金が利用者の個人情報を名簿業者に売り渡すこともあります。この場合には、さまざまな詐欺業者から勧誘が来るようになるので、別の詐欺の被害に遭うことにもなりかねません。
もし、闇金から借りてしまったときは、以下のように正しく対処することが重要です。
そもそも、闇金に対しては返済する義務がありません。なぜなら、出資法の上限金利を著しく上回る暴利を伴う貸し付けは犯罪であるため、公序良俗違反として無効となり(民法第90条)、闇金から受け取ったお金は不法原因給付となるからです(同法第708条)。
「元金くらいは返済した方がよいのではないか」と思われるかもしれませんが、返済すると闇金から「カモ」と認定され、次々に支払いを要求されてしまいます。闇金に対しては1円も支払わないという姿勢を見せることが重要です。
ただ返済を拒否するだけでは、違法な取り立てや嫌がらせ行為を受けてしまうだけです。そこで、専門家のサポートを受けることも重要となります。
身の危険を感じるときは、警察に相談しましょう。現に暴行や脅迫、器物損壊などの被害を受けている場合には、闇金を逮捕してもらえる可能性もあります。すぐに警察に動いてもらえない場合でも、闇金に電話して警告してもらえることもあります。
警察に相談するだけでは、闇金の取り立てはなかなか止まらないのが実情です。取り立てを止めるためには、弁護士の力を借りることがもっとも有効な方法です。
弁護士は闇金に警告して交渉するだけでなく、闇金が使用する携帯電話の利用停止や、銀行口座の凍結、刑事告訴などの手段を速やかに行います。闇金はこれらの手段をとられると営業できなくなってしまうため、弁護士が介入すると手を引くことが多いのです。
闇金への対応を依頼する場合の弁護士費用についてですが、闇金案件に注力している事務所は依頼者の窮状を理解しているので、弁護士費用の分割払いに応じているところが多くなっています。費用の支払い方法も含めて、まずは弁護士に相談してみることが大切です。
最近では、一見すると正規の貸金業者であるかのように見える闇金も多くなってきています。そこで、闇金かどうかの見分け方を知っておくことも重要です。
業者から借金をする際には、貸金業登録の有無を確認しましょう。無登録で貸金業を営んでいる業者は、それだけで闇金であると判断して差し支えありません。
貸金業登録の有無は、金融庁ホームページの「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。
貸金業者が誇大広告をすることは貸金業法第16条で禁じられています。「無審査」「即日融資」などのように安易な借り入れを助長する宣伝文句や、「ブラック可」「破産歴のある方でも大丈夫」などのように返済能力のない者を対象とする宣伝文句は、貸金業法に違反する不正なものです。
広告やダイレクトメールなどにこれらの不正な宣伝文句が使われている業者には、手を出さない方がよいでしょう。
闇金のほとんどは、連絡先の電話番号が携帯電話の番号となっています。なぜなら、固定電話を使用すると足がつきやすく、警察に発覚した場合に逃げられないからです。そのため、闇金は第三者名義の携帯電話を営業に使用しているのです。
連絡先が携帯電話となっている業者は、利用しないようにしましょう。
闇金の金利が高いとはいっても、すぐに返せば大丈夫だと思われるかもしれません。しかし、いったん闇金と関係を持つと、さまざまな口実で次々に金銭を要求され、結局は違法な取り立てや嫌がらせの被害に遭う可能性が極めて高いのが実情です。
決して闇金は利用しないでください。万が一、闇金に手を出してしまったときには、早急に弁護士にご相談の上で正しく対処することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所では、闇金に関するご相談を無料で承っております。ご依頼いただければ、取り立てや嫌がらせを止めるため迅速に対応いたします。必要に応じて、債務整理などもご案内いたします。
借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますので、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
住民税とは、都道府県や市区町村といった自治体がさまざまな行政サービスを住民に提供するための費用に充てられる税金のことです。正式名称は「市町村民税」や「都道府県民税」など地域によって異なりますが、この2つを総称して住民税と呼びます。
会社などに勤務している方は、住民税のことをあまり意識したことはないかもしれませんが、自営業の方などは住民税の他にも国民年金保険料や国民健康保険料をはじめとして、さまざまな税金や公共料金を自分で納めなければなりません。
全ての納付額を合計するとそれなりの金額になってしまうので、支払うのが厳しい場合もあるでしょう。また、支払い忘れによって滞納してしまうこともあるはずです。
本コラムでは、住民税を滞納するとどうなるのか、財産の差し押さえはいつどのようにして行われるのか、どうしても住民税の滞納を解消できないときの対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
住民税滞納により、お困りの方のご参考になれば幸いです。
受任通知とは、債務整理を始めるときに弁護士や司法書士が債権者宛てに送付する書面をいいます。
債務整理を検討している方の中には、借金を滞納してしまい、連日のように債権者からの取り立てを受け、落ち着いて生活できないという方が少なくありません。
そんなときでも、受任通知の送付後、債権者に書面が届いた時点で一時的に取り立てや返済をストップすることが可能です。ただし、受任通知の送付にはいくつかのデメリットもあるため、あらかじめ注意しておくべきことがあります。
本コラムでは、受任通知とは何か、弁護士に債務整理を相談してから取り立てが一時的に止まるまでの流れ、受任通知を送付する前に注意しておくべきポイントについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
債務を整理すると信用情報機関に事故情報が登録され、新たな借り入れができなくなるなどのデメリットが生じます。俗にいう「ブラックリスト」に載せられた状態となります。
しかし、ブラックリストによるデメリットは生活が困難になるほど深刻なものではありません。それに、事故情報は一定期間の経過後に削除されます。いたずらにブラックリストへの掲載を恐れず、正しい知識を持って債務整理するかどうかを検討することが重要です。
今回は、債務整理でブラックリストに載るとどうなるのか、その状態はいつまで続くのかについて解説します。