債務整理 弁護士コラム
「借金の返済で生活が苦しい」「利息の返済ばかりで借金が減っていかない」などの借金問題を解決する手段に、特定調停があります。
特定調停は、裁判所を利用して借金の減額や分割払いを目指す手続きです。費用が安く、個人でも申し立てができるなどのメリットがありますが、デメリットも大きいため、利用するかどうかは慎重に検討するべきでしょう。
今回は、特定調停のメリット・デメリットや任意整理との違い、手続きの流れなどについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
以下では、特定調停がどのような手続きなのか、任意整理との違いについて詳しく説明します。
特定調停とは、債務整理の一種で、借金の返済が困難になってしまった債務者が裁判所の手続きを利用して借金の返済条件を見直すための法的手続きです。
特定調停は、経済的に破綻するおそれがあることを条件として利用することができます。そのため、借金返済が難しい状況であれば、個人であるか法人(事業者)であるかを問わず、幅広く利用することが可能です。
特定調停と同じく、債権者との話し合いにより借金の返済条件を見直す手続きに「任意整理」という手続きがあります。特定調停と任意整理の主な違いは、以下のとおりです。
特定調停をしようかとお考えの方は、以下のようなメリット・デメリットがあることを踏まえて判断するようにしましょう。
特定調停のメリットには、以下が挙げられます。
弁護士など専門家に依頼しなくても利用しやすい特定調停ですが、デメリットもあります。さらに上記のメリットと比べると、デメリットのほうが大きいため、慎重に検討すべきです。借金の返済が困難なときは、特定調停ではなく、任意整理がおすすめです。
① 成立率が低い
特定調停は、基本的には債権者と債務者との話し合いの手続きになります。そのため、特定調停を成立させるためには、債権者と債務者の合意が不可欠です。
このような事情がある場合には、双方の折り合いがつかず、特定調停の手続きは終了してしまいます。実際、特定調停の成立率は低く、特定調停を利用しても満足いく結果が得られない可能性が高いでしょう。
② 平日に裁判所に行く必要がある
特定調停の期日には、裁判所に出頭する必要があります。調停は平日にしか行われないため、平日に仕事をしている方は仕事を休まなければなりません。
債権者の数が多ければ、それだけ裁判所に出頭する回数が増えるため、仕事を休むことで収入が減ってしまいます。簡単に会社を休めない方にとっては、大きなデメリットといえるでしょう。
③ 返済ができなくなった場合に給与などがすぐ差し押さえになる
特定調停が成立すると調停調書が作成され、債務者は調書の内容に従って返済を行わなければなりません。
途中で返済ができなくなってしまうと、債権者は調停調書に基づいて強制執行の申し立てを行い、債務者の財産(預貯金、給料など)を差し押さえることができます。
また、特定調停を利用することで、債務者は自分の財産を債権者に把握されてしまうので、生活に必要な財産を差し押さえられてしまうおそれもあるでしょう。返済ができなくなった際のリスクを踏まえて、特定調停の利用は慎重に判断しなければなりません。
④ 過払い金請求はできない
特定調停は、利息制限法に引き直した借金の返済方法を調整する手続きです。そのため、特定調停の手続きでは、過払い金を請求することはできません。
同じく債務整理の手段のひとつである任意整理では、一部の債権者に過払い金が発生していた場合、過払い金を回収してほかの債権者への返済に充てることができます。しかし、特定調停ではそのような対応ができない点がデメリットです。
以下では、特定調停を利用する際の必要書類・費用と手続きの流れについて説明します。
特定調停の必要書類と費用は、以下のとおりです。
特定調停の費用は、債権者数によって変動しますが、数千円~1万円程度に収まるケースが多く、費用は比較的安価といえるでしょう。
特定調停の手続きは、以下のような流れで進みます。
特定調停は、先述のとおり自分ひとりで手続きができ、手続きの費用も安く抑えることができます。一方で、特定調停の成立率は低く、期待していた効果が得られない可能性も大いにあります。そのため、借金問題でお困りの際は、弁護士に相談するのがおすすめです。
借金問題を解決する方法には、特定調停だけではなく、任意整理、自己破産、個人再生があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、状況に応じた最適な手段を選択することが重要です。
弁護士であれば、借金総額、収支状況、資産内容、返済についての希望などを踏まえて、最適な方法をアドバイスできます。自分に合った方法を選択すれば、借金返済の負担を大幅に軽減できるため、返済が難しいと感じたら、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士は、債権者に対して受任通知を送付します。受任通知が債権者に届くと、債権者から債務者に対する直接の取り立てが禁止されるため、一時的に返済をストップすることができます。
借金返済に追われている状況では、冷静な判断ができません。弁護士と相談を行い、落ち着いて返済計画を立てることをおすすめします。
特定調停とは異なり、任意整理、自己破産、個人再生の手続きは、債務者本人だけでは対応が難しいため、専門家である弁護士に任せたほうがよいでしょう。
弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者との交渉や裁判所との対応など、債務整理に関するすべての手続きを任せることができます。
特定調停は、裁判所を介して借金の返済条件を見直す制度です。債務者ひとりで対応できるものの、成立率が低いなどのデメリットが複数あるため、任意整理などほかの債務整理の手段と比較検討したうえで、最善の方法を選びましょう。
自分に合った手段を選択するには、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。生活再建のためにも、まずはベリーベスト法律事務所までご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
「借金の返済で生活が苦しい」「利息の返済ばかりで借金が減っていかない」などの借金問題を解決する手段に、特定調停があります。
特定調停は、裁判所を利用して借金の減額や分割払いを目指す手続きです。費用が安く、個人でも申し立てができるなどのメリットがありますが、デメリットも大きいため、利用するかどうかは慎重に検討するべきでしょう。
今回は、特定調停のメリット・デメリットや任意整理との違い、手続きの流れなどについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
「本当にお金がないのにどこからも借りれない……」
多額の借金を抱えている方は、お金が必要な状況なのにどこからも借りられない状況に陥ることがあります。このままの状況が続くと家賃の支払いや生活費の支払いなどができず、今まで通りの生活を続けることが難しくなってしまいかねません。
銀行や消費者金融、親族からの借り入れができないときは、公的融資制度を利用する方法も検討できるでしょう。しかし、それも難しければ債務整理を検討する必要があります。
本コラムでは、本当にお金がないのにどこからも借りられない状況になってしまったときの解決策について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。弁護士による債務整理を利用すれば借金の悩みを解消できる可能性があるため、早めに相談することをおすすめします。
自己破産をすると、事案によっては裁判所が破産管財人を選任することがあります。
破産管財人とは、中立公正な立場で破産手続きを進める職務を負う役割を担う人のことです。債務者(破産者)と敵対する立場ではありませんが、的確に対応しなければ、破産手続きに失敗してしまう恐れもあります。
本コラムを確認いただき、不安なことがあれば、自己破産を依頼した弁護士に事前にご相談するとよいでしょう。