債務整理 弁護士コラム

ブラックリストとは? 載らない・消す方法はある? 借金整理後の影響

  • その他
  • ブラックリストとは
更新日:2025年08月06日 公開日:2025年08月06日

ブラックリストとは? 載らない・消す方法はある? 借金整理後の影響

借金問題では、頻繁に「ブラックリスト」という言葉を見聞きします。ブラックリストに載ると、生活にさまざまな支障が生じてしまうという認識を持っている方は少なくないでしょう。

では、実際にブラックリストとはどのようなものなのでしょうか。もしブラックリストに掲載されていたら、削除してもらうことは可能なのでしょうか。

本コラムでは、ブラックリストとはなにか、ブラックリストに掲載された場合の生活への影響や情報を消す方法などについて、債務整理についての知見が豊富なベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、ブラックリストとは|掲載される条件とタイミング

ブラックリストとはどのようなものなのか、ブラックリストの概要と掲載される条件・タイミングについて説明します。

  1. (1)ブラックリストってなに?

    ブラックリストという名称の正式な書類が存在するわけではありません。

    一般的に称される「ブラックリストに載っている状態」とは、信用情報機関に借金を滞納したという事実の情報や、任意整理、法的な制度(自己破産、個人再生)を利用して借金をチャラにした履歴などの情報が掲載されている状態を指します

    つまり、ブラックリストという名称は俗称に過ぎず、各種信用情報機関においては「事故情報(異動情報)」と呼ばれています。

  2. (2)なにをしたらブラックリストに載る?

    ブラックリストに事故情報が登録される理由としては、以下のようなものが挙げられます。

    ① 借金の支払が遅延した(延滞)
    借金の返済を延滞するとブラックリストに登録されます。
    しかし、1日の遅れですぐに事故情報が登録されるわけではありません。どれぐらいの期間で登録されるのかについては、信用情報機関によって基準が異なります。たとえばCICであれば、ローンやクレジットの支払いが、約定返済日よりも61日以上または3か月以上延滞した場合、記録対象となります。

    ② 代位弁済がされた
    代位弁済とは、債務者が借金の返済ができなくなった場合に、保証会社が債務者に代わり返済を行うことをいいます。代位弁済が行われると、保証会社が債権者になりますので、保証会社に対して返済をしていかなければなりません。
    このような代位弁済も事故情報にあたりますので、代位弁済があるとブラックリストに登録されます。

    ③ 債務整理を行った
    債務整理は、債権者との交渉や裁判所の手続きにより、借金の減額や免除をすることができる方法です。債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生の3種類があります。
    このような債務整理を行うと債務者本人の返済能力に問題があるとみなされますので、ブラックリストに登録されます。

      ④ クレジットカードが強制解約された
    クレジットカード会社によりクレジットカードが強制解約されることがあります。長期の延滞や、クレジットカード会社の規約違反が発覚した結果、強制解約された場合は、事故情報が登録されることがあります。

    ⑤ クレジットカードやローンを複数申し込んでいた
    クレジットカードやローンを新規で申し込むと、申し込みを受けた会社は申込者の支払い能力を調査するために、信用情報機関の信用情報にアクセスして確認を行います。この、クレジットカード会社やローン会社がアクセスした情報は、「申込情報」として6か月間記録されるのです。
    「申込情報」自体は事故情報とは異なるものですが、短期間に複数回クレジットカードやローンの申し込みがあることを理由に、別途新たなローンをしたいときなどにおいて審査されるとき返済能力に問題があるとみなされ、断られてしまう可能性があるでしょう。
  3. (3)ブラックリストに載るのはいつ?

    上記のような事故情報が発生すると、クレジットカード会社やローン会社からの申請により、ブラックリストに登録されてしまいます。登録される時期は、事故情報が発生した後すぐになりますが、借金の延滞については、61日以上にわたり返済の遅延がある場合や3か月連続で返済が遅れている場合にブラックリストに登録されます。

2、ブラックリストに載るとどうなる? 生活への影響

ブラックリストに載るとどうなるのでしょうか。以下では、ブラックリストに載ることで生じる生活への影響を説明します。

  1. (1)クレカ利用や新たなローン、分割購入ができない

    事故情報が登録されていると返済能力に問題があるとみなされてしまいますので、クレジットカードやローンの新規申し込みをしても、審査が通らなくなってしまいます

    また、スマートフォンを購入する際に、分割払いを選択することが多いと思いますが、分割払いも借金の一種ですので、ブラックリストに登録された状態では、機種の分割購入ができなくなってしまいます。

  2. (2)部屋を借りづらくなる

    賃貸物件を借りる際に、保証人ではなく保証会社の利用が条件とされているところも増えてきています。保証会社を利用して賃貸物件を借りる際には、保証会社による審査が行われます。保証会社のなかには信用情報機関に情報を確認するケースがあるため、その結果、審査が通らず、賃貸物件を借りられない可能性があります

    ただし、保証会社の利用が求められていないところであれば、ブラックリストに登録されていたとしても部屋を借りることは可能です。そのため、選択肢が限られるという意味で部屋を借りづらくなるでしょう。

  3. (3)仕事に影響が出ることがある

    ブラックリストに登録されたとしても、一般的な民間企業では、個人の信用情報を調べる手段がありませんので、就職や転職、仕事への影響はありません。
    しかし、銀行や証券会社などの金融機関では、信用情報の提出を求められることがありますので、ブラックリストに登録されていることがわかれば査定でマイナスになる可能性があります。

3、ブラックリストから情報を消す方法

ブラックリストに登録されたとしても永久にそのままであるというわけではありません。以下では、ブラックリストから情報を消す方法や確認方法などを説明します。

  1. (1)ブラックリストに載らずに借金をチャラにできる?

    一定の事故情報が発生すると基本的にはブラックリストに登録されてしまいます。そのため、債務整理により借金を減額または免除することができたとしても、ブラックリストへの登録は避けられません。登録されたくないのであれば、借金の支払い期限に遅れずに返済を続け、完済するしかないということです。

    なお、長期間返済をせずに放置している借金は、時効によりチャラにすることができるとお考えになっている方もいるようですが、債権者が請求を行えば時効は中断します。また、お金を借りた本人が時効の援用という手続きを行う必要があります。

    したがって、「長期間返済せずに放置すれば時効で借金がチャラになる」というわけではありません。また、長期間返済していないという時点で、ブラックリストには「返済を滞納している」という事故情報が登録されます。

  2. (2)情報が自動で削除されるタイミング

    ブラックリストに登録されたとしても永久にそのままではありませんので、一定期間が経過するとブラックリストに登録された情報は、自動的に削除されます

    情報が削除されるタイミングは、ブラックリストに掲載された理由により異なります。
    代表的な理由ごとの削除のタイミングは、以下のようになります。

    • 借金の支払遅延(延滞):完済した日から5年程度
    • 代位弁済:代位弁済の日から5年程度
    • 債務整理:5~7年程度
    • クレジットカードやローン審査の情報:6か月程度
  3. (3)自分の信用情報の確認方法

    ブラックリストに登録されているかどうかは、信用情報機関に信用情報の開示請求をすることで確認することができます

    信用情報機関には、以下の3つがあり、それぞれ加盟している事業者が異なります。各信用情報機関に開示請求をするようにしましょう。

    • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
    • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
    • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)


    開示請求の手続きや手数料などについても、信用情報機関によって異なります。信用情報機関のホームページにアクセスして確認してみてください。

  4. (4)誤った情報が載っているときできること

    ブラックリストに登録されている情報が誤った情報である場合は、事故情報の登録を行った債権者に問い合わせをしてみてください。債権者による確認の結果、誤っている情報であると確認されれば、債権者から信用情報機関に対して、情報の訂正・削除の請求をしてくれます

    なお、債務者本人では、信用情報機関に直接訂正や削除請求はできませんので注意が必要です。

4、借金問題は法律の専門家に相談すべき理由

以下のような理由から借金問題は、法律の専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

  1. (1)一般の方は法的な問題解決ができない

    借金問題を解決する方法には、債務整理という方法があります。任意整理、自己破産、個人再生といった法的な手段を講じることで、借金の減額や免除により借金返済の負担を大幅に軽減することができます。

    一般の方では、このような債務整理を行うことは困難です。法律上においても、あなたの代わりに自己破産や個人再生などの法的手続きが行えるのは弁護士のみに限られます

    法的手段を用いて借金問題を解決したいという場合は、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

  2. (2)ほかで借りても借金は減らない

    借金の返済ができなくなると、他から借金をして返済をする方もいますが、それでは根本的な解決にはなりません。一時的には返済ができるかもしれませんが、借金の総額は増えていますので、状況は以前よりも悪化しているといえます。

    このようなことを繰り返しているとどんどん借金が膨らんでいき、自分ではどうにもできない状態になってしまいます。多重債務の状態に陥る前に、早めに専門家に相談するようにしましょう。

  3. (3)人生をやり直すなら弁護士に相談を

    借金が増えてくると借金の返済が生活の中心になってしまい、人生を楽しむことができません。弁護士に相談をすれば債務整理により借金問題を解決することができますので、その後の人生をやり直すことが可能です。

    早めに相談をすればそれだけ借金問題を解決する選択肢が増えます。借金の返済が苦しいと感じるときは、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。

5、まとめ

ブラックリストという正式な書類は存在しません。一般的に、信用情報機関に事故情報が登録されている状態を「ブラックリストに載っている」と表現されています。

信用情報機関に事故情報が登録された状態では、クレジットカードやローンの新規申し込みができないなどのデメリットが多いものです。早めに借金問題を解決して、ブラックリストから情報が抹消されるのを待つしかありません。

借金問題を解決するには専門家である弁護士のサポートが不可欠です。債務整理についての知見が豊富なベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 13万1237件
  ※集計期間:2010年12⽉〜2024年12⽉末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国74拠点、約410名の弁護士が在籍
※2025年4月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

同じカテゴリのコラム(その他)

閉じる
通話無料
0120-170-316
※平日:9:30~21:00/土日祝:10:00~18:30
開く
今すぐ!相談予約
PAGE TOP