債務整理 弁護士コラム

病気で借金を返せない! その後に起こることと解決する方法を解説

  • 借金問題
  • 借金
  • 病気
  • 返せない
更新日:2023年03月14日 公開日:2022年11月28日

病気で借金を返せない! その後に起こることと解決する方法を解説

借金を順調に返済できると思っていても、突然の病気や怪我で働けなくなり、返せなくなってしまうこともあるでしょう。

たとえ入院していても、債権者に対して「病気だから返せない」という言い訳は通用しません。滞納を放置すると取り立てが続き、最終的には財産を差し押さえられるおそれがあります。

この記事では、病気で返せなくなった借金を放置し続けるとどうなるのか、その事態を回避するためにはどうすればよいのかについて解説します。

1、病気で借金を返せない場合、返済義務はどうなる?

病気というやむを得ない理由で借金を返せなくなった場合、返済義務が軽減されることが一切ないのかというと、そういうわけでもありません。

  1. (1)多少なら返済を待ってもらえる可能性はある

    実は、病気で返済できないという事情を早めに債権者に伝えれば、多少は返済を待ってもらえる可能性があります。

    債権者にもよりますが、返済が遅れそうな場合に、翌月の返済日までに遅れを取り戻せるのであれば、その期間は遅延損害金なしで支払いを猶予してもらえるケースもあります

    しかし、滞納が1か月以上続くようであれば、返済を待ってもらうことは難しいのが実情です

  2. (2)返済義務は免除されない

    病気で働けなくなったとしても、借金の返済義務は免除されません
    病気になれば返済しなくて良くなるという法律はありませんし、契約でそのような取り決めもしていないはずだからです。

    金融機関や貸金業者からの借金については、返済しないまま5年が経過すると時効で消滅することになっていますが、通常はその前に債権者が次項で紹介する方法で債権の回収を図るため、時効消滅を期待するのは現実的ではありません。

2、病気で借金を返せないときに起こること

返済できない理由が病気であっても、滞納を放置すると以下のように重大なダメージを受けることになってしまいます。

  1. (1)家族に借金のことを知られる可能性がある

    滞納が発生すると、債権者は電話や郵便で繰り返し督促をしてきます。これにより、家族に借金のことを知られてしまう可能性があります
    特に、本人が入院していて自宅にいない場合にはその可能性が高くなるでしょう。

  2. (2)遅延損害金がかかる

    支払期日までに返済できなければ、理由を問わずその翌日から遅延損害金がかかります
    遅延損害金の利率は通常の利息の利率よりも高く、多くの場合は金融機関や貸金業者からの借金で年20%、クレジットカードのショッピング利用で年14.6%とされています。

    滞納を解消するまではこの利率で遅延損害金がかかり続けるので、滞納が長引けば長引くほど返済額が増えてしまい、なおさら返済が難しくなるでしょう。

  3. (3)信用情報機関に事故情報が登録される

    滞納が61日以上または3か月(3回)以上続くと、信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます
    いわゆる「ブラックリスト」に掲載された状態となり、新たな借り入れやクレジットカードの作成・利用などができなくなります。

    長期延滞の事故情報は滞納を解消してから5年で削除されますが、逆にいえば滞納を解消できなければ、いつまでも事故情報が残ることに注意が必要です。

  4. (4)一括返済を請求される

    また、滞納が続くと「期限の利益」を失うことにより、残高を一括で返済するように請求されます

    期限の利益とは、借金をしても返済期限が到来するまでは返済しなくてよいという利益のことです
    この利益が付与されることによって、分割払いも認められます。つまり、毎月の支払期日に所定の分割返済金を支払えば、残りの借金は支払わなくてもよいということになっているのです。
    ただ、債務者が返済を怠ると期限の利益が失われ、残りの借金を一括で支払わなければならないことになります。

    期限の利益を失うまでの期間は、債権者ごとに契約約款や会員規約などで定められています。
    通常は、滞納が2~3か月続くと期限の利益を失い、一括返済の請求を受けてしまいます

  5. (5)財産を差し押さえられることがある

    一括返済の請求を受けても債務者が支払わない場合、債権者はやむを得ず強制執行手続きによる差し押さえをして債権の回収を図ります。

    まずは、支払督促や訴訟といった裁判を起こされます
    債務者がこれらの裁判手続きを放置すると、債権者が申し立てたとおりの内容で債権が確定するのです。確定後は、債権者が債務者の財産を差し押さえることが可能となります。

    借金の回収で差し押さえられる財産は、主に給料や預金口座です病気のために仕事を辞めて預金もほとんどない場合は、事実上、差し押さえを受けないこともあります
    しかし、債権が確定している以上、債務者の健康状態が回復して収入を得るようになると、給料や預金口座を差し押さえられる可能性が高いので注意が必要です。

    裁判手続きで確定した債権の消滅時効は10年に伸びるので、その間に何らかの財産を取得すれば差し押さえを受ける可能性があるということになります。

3、病気で借金を返せない場合の対処法

病気で借金を返せない場合でも、放置してはいけません。以下のように対処すれば、解決できる可能性があります。

  1. (1)債権者に相談する

    滞納が発生する前に債権者に連絡して事情を伝えれば、通常は返済方法の相談に乗ってもらえます。

    1か月程度なら返済を待ってもらうことや、毎月の返済額を減らしてもらう、しばらく利息の支払いのみとしてもらうなど、債権者次第ですが状況に応じた配慮が期待できます。

    数か月程度で収入が回復する見込みであれば、債権者に相談するだけで解決できる可能性が高いでしょう

  2. (2)補償制度を活用して医療費削減を図る

    病状によっては医療費の負担が重くなりますが、各種の補償制度を活用すれば医療費の削減を図ることも可能です。

    まず、医療費の自己負担額が一定の金額を超えた場合には、高額療養費制度を利用すれば超過分が後日、払い戻されます。
    払い戻しを受けるまでには数か月かかりますが、払戻額の8~9割の金額を無利子で借りることもできます。

    他にも、業務上の疾病であれば労災保険の給付を受けることが可能ですし、病気のために働けなくなった場合は、失業保険給付や健康保険から傷病手当金の給付を受けられます。
    医療保険に加入している場合は、保険金を受け取ることもできるでしょう。

    これらの補償制度を活用して医療費を削減することにより、当座の返済ができれば、返済を継続することも可能となってきます

4、長期的に返済できない場合は債務整理が有効

病状が重く、数か月程度では収入の回復が見込めない場合には、債務整理を検討した方がよいでしょう。

  1. (1)債務整理は自己破産だけではない

    債務整理には、主に次の3種類の手続きがあります。

    • 任意整理…債権者と直接交渉し借金を減額できる手続き
    • 個人再生…裁判所を介して借金の大幅な減額が可能な手続き
    • 自己破産…裁判所を介して借金を全て消滅させることが可能な手続き


    多額の借金を返済できなくなると、「自己破産で財産を全て没収されるのではないか」と考えて債務整理をためらう方もいらっしゃるかと思います。
    ですが、任意整理と個人再生は、財産を処分する必要はありません。今後の収入の見込みや財産の状況によっては、任意整理または個人再生で解決できる可能性も十分にあります。

    また、自己破産でも処分されるのは99万円を超える現金と、評価額20万円を超えるその他の財産だけなので、生活に支障をきたすことはありません。
    債権者による裁判や差し押さえの手続きを受ける前に、弁護士に相談して適切な解決方法を検討することが重要です

  2. (2)手元に費用がなくても弁護士に依頼できる

    弁護士に債務整理を依頼したくても、そのための費用を準備できないという方も少なくないことでしょう。

    しかし、債務整理の依頼については弁護士費用の分割払いに対応している法律事務所も多くあります。

    弁護士に依頼した後は、その弁護士が受任通知の送付し、債権者が通知を受け取れば、債務整理手続きが終了するまで返済する必要もなくなります。
    その間に、弁護士費用を分割で支払うことも可能となるでしょう。

    手元に費用がなくても、早めに弁護士に債務整理を依頼して一時的に返済を止めることが得策であるといえます

5、まとめ

病気で借金を返せなくなった場合、最もやってはいけないことは、滞納を放置することです
長期的に返済が難しい場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者への対応や複雑な手続きは全て弁護士に任せることができるので、ご自身は治療や療養に専念することが可能です。

ベリーベスト法律事務所では、借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますし、債務整理の弁護士費用についても分割払いに対応しております。
返済が苦しい場合は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国74拠点、約360名の弁護士が在籍
※2024年2月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

同じカテゴリのコラム(借金問題)

閉じる
通話無料
24時間受付
0120-170-316
※営業時間外は事務局が対応し、相談予約のみとなる場合があります。
開く
今すぐ!減額診断・相談予約
PAGE TOP