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自己破産でかかる予納金とは? 必要な金額と払えないときの対処法

2022年10月31日
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自己破産でかかる予納金とは? 必要な金額と払えないときの対処法

自己破産は借金の返済ができなくなったときに行うものですが、自己破産をするにも一定の費用がかかります。その費用の中でも、必ず用意しなければならないものが予納金です。

予納金の額は事案の内容によって異なりますが、多い場合には50万円を超えることもあります。ただ、これだけの金額をすぐに用意できないからといって、自己破産ができないというわけではありません。

この記事では、自己破産でかかる予納金とは何か、どれくらいの金額が必要なのか、払えないときはどうすればよいのかについて解説します。

1、自己破産で必要な予納金の種類と金額

自己破産の予納金には、いくつかの種類があります。まずは、予納金の種類とその金額を確認していきましょう。

  1. (1)自己破産全体にかかる費用

    はじめに、自己破産をすると全体でどれくらいの費用がかかるのかを紹介します。
    自己破産は弁護士に依頼して申し立てるのが一般的ですので、裁判所に納める費用の他に弁護士に支払う費用も必要となります。平均的な金額は、以下のとおりです。

    同時廃止事件 少額管財事件 通常管財事件
    裁判所費用 1~3万円 20万円~ 50万円~
    弁護士費用 30~50万円程度 30~60万円程度 30~80万円程度
    合計 31~53万円程度 50~80万円程度 80~130万円程度

    予納金は、裁判所費用の中に含まれます。
    弁護士費用は事務所によってさまざまなので、上記の金額は大まかな目安としてください

  2. (2)予納金とは

    予納金とは、破産手続き自体にかかる費用として裁判所に納める費用のことです
    本来は破産財団から支払うべきものですが、申立時には破産財団の有無や金額が分からないため、あらかじめ一定の金額を納めることとされています。

    破産財団とは、簡単にいうと破産する人の財産のうち、債権者への配当の引き当てとすべきもののことです。
    予納金の納付は破産手続きを開始するための法律上の要件とされているので(破産法第22条)、納めなければ申し立てが却下されてしまいます。
    予納金には、大きく分けて次の2種類です。

    • 裁判所予納金
    • 引継予納金


    裁判所予納金は、あらゆる破産事件で必要となる費用で、個人の自己破産の場合は以下の金額がかかります。

    • 申立手数料:1500円
    • 郵送料:5000円程度(債権者数により異なる)
    • 官報広告費用:1万円~1万9000円(裁判所により異なる)


    引継予納金は、少額管財事件および通常管財事件で必要となる費用です。
    破産管財人が財産等の調査や管理・換価、債権者への配当など、さまざまな作業を行う必要があるため、その報酬や実費を確保するために、あらかじめ納付が求められています。

    裁判所に納付した後で破産管財人に引き継がれるため、引継予納金と呼ばれています。

  3. (3)同時廃止事件の場合

    同時廃止事件とは、

    • 破産者が債権者に配当すべきほどの財産を所有していない
    • 免責不許可事由もないことが明らかな場合に、破産手続き開始決定と同時に破産手続き廃止決定が行われる

    事件のことです。
    同時廃止事件における予納金は、裁判所予納金(1~3万円程度)のみです

  4. (4)少額管財事件の場合

    「管財事件」とは、裁判所から選任された破産管財人により、破産者の財産等の調査や管理・換価、債権者への配当などの手続き(管財手続き)が行われる事件のことです。

    管財事件の中でも破産者の財産がさほど多くなく、破産管財人の業務負担が軽い場合に管財手続きを簡略化するとともに、破産者が負担すべき予納金が少額に抑えられる事件のことを少額管財事件といいます。
    少額管財事件における引継予納金は、ほとんどの場合で20万円ですただし、事案の内容や裁判所によっては20万円を超えることもあります

  5. (5)特定管財(通常管財)事件の場合

    通常管財事件とは、管財手続きが原則どおりに行われる事件のことです。
    通常管財事件における引継予納金は、基本的に50万円です。ただし、負債総額が5000万円以上の場合や、事案の内容によっては50万円を超えることもあります。

2、自己破産の予納金はいつまでに支払う?

裁判所予納金は、自己破産の申し立てと同時に支払う必要があります

引継予納金も理論上は申し立てと同時に支払うべきものです。
しかし、裁判所が申立書や添付書類を精査した上で金額を決めるため、申し立てから2週間~1か月後くらいに納付を求められることが一般的です。

すぐに支払えない場合は、1か月~3か月程度の期間内に積み立てることが認められることもあります
ですが、積立期間が長引くと裁判所から申し立ての取り下げを求められたり、申し立てが却下されたりすることもあるので、なるべく早めに全額を納める必要があります。

3、弁護士依頼時、自己破産の予納金が払えないときの対処法

引継予納金は高額ですが、借金をして予納金を用意することは禁物です。予納金がすぐに払えないときは、以下の方法で用意しましょう。

  1. (1)依頼後に弁護士監修のもと、予納金を積み立てる

    弁護士に破産手続きを依頼すれば、弁護士から受任通知が送付され、受任通知が債権者に届くと一時的に督促が止まり、返済する必要もなくなります
    それまで返済に充てていたお金を積み立てることにより、予納金を用意することができます。

    また、ある程度の財産がある場合には、換価して予納金を用意することも可能です。
    自己破産の申し立て直前に財産を処分すると、免責が認められなくなるおそれがあるのですが、自己破産手続きの費用に充てるために処分することは問題ありません。
    通常管財事件になる事案では、この方法を用いるケースが多くなっていますが、正しく行うためには依頼した弁護士の判断で財産を処分してもらうことが重要です。

  2. (2)弁護士費用の分割払いを利用する

    予納金だけでなく弁護士費用を用意するのも難しい場合は、着手金の分割払いが可能な事務所を選ぶとよいでしょう。
    弁護士費用を積み立てた後に、予納金を積み立てることになります。

    この場合、積立期間が長くなりがちですが、依頼後6か月程度が経過すると裁判を起こす債権者が出てくる可能性があるので、できる限り早く積み立てる必要があります。
    長くても、1年以内に積み立てた方がよいでしょう。

  3. (3)法テラスを利用する

    法テラスでは、収入や財産に関する一定の要件を満たせば、弁護士費用を立て替えてくれる制度を利用できます。
    立て替え金は原則として、毎月1万円ずつ償還していくことになりますが、弁護士への依頼後に予納金を積み立てることが可能です。

4、他の債務整理を選んだときにも、費用はある程度かかる

債務整理は自己破産だけではないので、予納金が払えないときは他の債務整理を検討してみるのもよいことです。
そこで、他の債務整理ではどれくらいの費用がかかるのかをみておきましょう。

  1. (1)任意整理にかかる費用

    任意整理とは、債権者と直接交渉することで借金を減らすことが可能な手続きです
    必要な費用の目安は、以下のとおりです。弁護士費用は事務所によって異なることにご注意ください。

    • 手続き自体にかかる費用:数千円(債権者数による)
    • 弁護士費用:5~7万円程度(1社あたり)


    債権者数が多い場合には、弁護士費用が高額となることがありますが、それでも自己破産の管財事件の場合よりは全体の費用を低く抑えられる可能性が高いです。
    ただ、任意整理では基本的に元金全額を返済する必要があるので、返済していけるかどうかを慎重に判断する必要があります

  2. (2)個人再生にかかる費用

    個人再生とは、裁判所の手続きを利用して借金を大幅に減額することが可能な手続きです
    必要な費用の目安は、以下のとおりです。弁護士費用は事務所によって異なることにご注意ください。

    • 手続き自体にかかる費用:15万円~28万円程度
    • 弁護士費用:50万円~60万円程度


    少額管財事件とおおむね同等の費用がかかる可能性が高いといえます
    しかし、手続き自体にかかる費用の大半は個人再生委員への報酬であり、これは4か月~6か月の分割で支払うため、申立時に必要な費用は数万円程度です。
    個人再生では財産を処分する必要もないので、利用条件を満たす場合は検討してみるとよいでしょう。

5、まとめ

自己破産で同時廃止事件となる場合、予納金は数万円程度で済みます。しかし、管財事件となる場合は高額の予納金が必要となります。

自己破産をお考えの場合、弁護士にご相談ください。
弁護士であれば、その法的知識を用いて、本当に自己破産しか方法がないのか、最適な借金の整理方法は何かをお伝えすることができます。

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この記事の監修者
萩原達也

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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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