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非免責債権とは? 自己破産との関係や注意点、対処法を弁護士が解説

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更新日:2026年09月14日 公開日:2022年08月29日

非免責債権とは? 自己破産との関係や注意点、対処法を弁護士が解説

裁判所で自己破産が認められると、借金などの債務が免責(=返済が免除)されます。借金の支払いに苦しむ人にとって、自己破産は有力な解決策のひとつです。

その一方で、税金、国民健康保険料、養育費などは「非免責債権」に当たり、自己破産をしても免責されません。非免責債権があるケースでは、弁護士と協力しながら、少しでも状況を改善できるように取り組みましょう。

本コラムでは、自己破産における非免責債権について、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。

1、非免責債権とは? 自己破産後も支払義務が残るもの・残らないもの一覧

「非免責債権」とは、自己破産をしたとしても返済が免除されることなく、支払義務が残る債務(債権)をいいます。まずはどのような債務が非免責債権に当たるのか、反対にどのような債務が免責されるのかを確認しておきましょう。

  1. (1)自己破産後も支払義務が残る債務(非免責債権)

    次に挙げる債務は非免責債権に当たるため、自己破産をしても返済免除にはなりません(破産法第253条第1項)。

    ① 租税等の請求権
    税金、国民健康保険料(税)、下水道料金などは免責されません。

    ② 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
    積極的に他人を害する意思(=悪意)で不法行為をした場合、それによって生じた損害賠償請求権は一切免責されません。

    ③ 破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
    軽微な過失にとどまらず、故意または重大な過失によって他人に損害を与えた場合は、人身損害(=けが・後遺症・死亡による損害)は免責されずに残ります。

    ④ 破産者が負担する親族関係に係る請求権
    夫婦間の協力義務、扶助義務、婚姻費用の分担義務、養育費の支払義務、親族に対する扶養義務などは免責されません。

    ⑤ 雇用関係に基づいて生じた使用人(会社経営者や事業主など)の請求権・預り金返還請求権
    使用人(会社経営者や事業主など)が破産する場合、従業員に対する給与の支払義務や、従業員から預かっているお金の返還義務は免責されません。

    ⑥ 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
    破産申し立ての際に裁判所へ提出する債権者一覧表に、把握していた債務内容を記載しなかった場合は、その債務が免責されません。
    なお、過失によって債務の記載を失念したケースでも非免責債権になると解されていますが、免責許可決定がなされるまでに追記・訂正を行えば、大きな問題にはなりにくいです。

    ⑦ 罰金等の請求権
    罰金、科料、過料、刑事訴訟費用および追徴金は免責されません。


    非免責債権を支払わずに無視していると、破産債権者表の記載に基づいて強制執行を申し立てられる可能性があります(破産法第221条第1項)。

    その際は、訴訟などを経ることなく直ちに強制執行の申し立てが認められ、預貯金や給与などを差し押さえられるおそれがあるため、要注意です。

  2. (2)自己破産をすると免責される債務

    自己破産による免責の対象となるのは、主に破産手続き開始の決定前の原因によって生じた債権のうち、非免責債権に当たらないものです。
    次に挙げる債務(債権)は、裁判所による免責許可決定が確定すると免責されます。

    • 借金
    • クレジットカードの料金(リボ払いを含む)
    • 商品代金の未払い金(分割払いの残りなど)
    • 通信料金
    • 連帯保証債務
    • 買掛金
    • 家賃
    • 管理費、修繕積立金
    • 駐車場代
    • リース料
    • 医療費
    • 損害賠償債務(非免責債権となるものを除く)
    • 電気代
    • ガス代
    • 上水道料金
    など


    なお、破産手続き開始の決定後の原因によって生じた債権は、一部の例外を除いて破産免責の対象外です。たとえば、破産手続き開始の決定後の期間に対応する家賃は免責されません。

  3. (3)非免責債権かどうかは誰が決める?

    破産手続きの段階では、債権者一覧表に記載された各債権につき、裁判所は非免責債権に当たるかどうかを判断しません。

    非免責債権に当たるかどうかが問題となるのは、実際に債権者(金銭を貸している側)が債務者(お金を借りている側)に対して、その債権の支払いを求めたときです。

    債権者が強制執行を選択する場合は、まず破産事件の記録のある裁判所の書記官に対し、破産債権者表に対する執行文の付与を申し立てます(民事執行法第26条)。
    その際に書記官は、その債権が非免責債権にあたるかどうかを実質的に判断して付与を拒絶することは原則としてありません。基本的には、書記官は形式的な要件さえ満たしていれば執行文を付与してしまいます。これに対し、破産者は請求異議の訴え(同法第35条)で、「自己破産で免責許可が確定したため、この債務の支払い義務は消滅している(非免責債権には当たらない)」と主張して争うことができます。
    いずれにしても、最終的には裁判所が非免責債権に該当するのかを判断することになります。

2、非免責債権があっても、自己破産をする意味はある?

借金やクレジットカードの料金、家賃、医療費などは、自己破産によって免責されます。非免責債権の支払義務は残りますが、借金などがなくなれば収支が大幅に改善され、生活を立て直しやすくなるでしょう。

ただし自己破産には、下記のようなデメリットがあります。

  • 高価な財産が処分される
  • ローンやクレジットカードが利用できなくなる(7年間程度)
  • 宅建主任者・生命保険販売員・警備員・JRA調教師など、一部の職業が制限される
など


一生涯ローンが組めなくなったり、原則として仕事を解雇されたりすることはないため、これらのデメリットと、借金などが免責されるメリットを比較したうえで、総合的な観点から自己破産すべきかどうか判断することが大切です。

3、非免責債権が支払えないときの対処法

非免責債権を支払えないときは、自己破産ではなく、別の対処法を検討する必要があります。非免責債権の種類によってとるべき対応が異なるので、お悩みの際は弁護士にご相談ください。

  1. (1)租税等が支払えないとき|税務署・自治体・年金事務所などに相談する

    公租公課を滞納していると、預貯金や給与などを差し押さえられる可能性があります。
    そのため、税金や国民健康保険料(税)などの公租公課が支払えないときは、速やかに支払先の窓口(税務署・自治体・年金事務所など)に相談してください。

    経済的な状況によっては、猶予や免除の制度などを利用できることがあります。

  2. (2)損害賠償や養育費などが支払えないとき|相手方に相談する

    損害賠償や養育費などの非免責債権が支払えないときは、支払い方法について相手方との交渉を試みましょう。手元にお金がなく、すぐに支払えない状況であることを丁寧に説明すれば、分割払いなどに応じてもらえる可能性があります。

  3. (3)別の方法で債務整理を行う|任意整理・個人再生など

    債務に占める非免責債権の割合が多いケースでは、自己破産をしても根本的な解決を得られず、むしろ財産の処分などのデメリットが上回るかもしれません。

    その際、任意整理や個人再生などの別の方法も検討してみましょう。
    「任意整理」は債権者と交渉して債務を減額してもらう手続き、「個人再生」は裁判所を通じて債務を減額してもらう手続きです。

    借金などの問題をどのように解決すべきかは、債務や財産、収入などの状況を総合的に考慮して判断する必要があります。自分にとって最適な方法を知りたいなら、弁護士にご相談ください。

4、非免責債権や借金の悩みを弁護士に相談するメリット

自己破産では免責されない債務(税金や国民健康保険料など)と、借金やクレジットカード料金などの通常の債務を両方抱えているときは、早い段階で弁護士に相談することが大切です。

弁護士にご相談いただければ、各債務が非免責債権に当たるかどうかを検討し、自己破産によって免責される債務と免責されない債務を整理します。
そのうえで、自己破産・任意整理・個人再生などの選択肢から、お客さまに適した解決方法を提案し、現実的な見通しを立てることが可能です。

また、弁護士の受任通知が債権者に届けば、督促などの連絡はすべて弁護士宛てに行われるようになるため、精神的な負担を大幅に軽減することが可能です。

弁護士に相談したからといって、自己破産などのご依頼が必須となるわけではありません。あくまでもお客さまのご状況に応じて、最適と考えられる方針をご提案いたします。お気軽に弁護士の無料相談をご利用ください。

5、まとめ

非免責債権とは、自己破産をしても免責されずに支払義務が残る債権です。税金、国民健康保険料(税)、養育費などが非免責債権に該当します。

非免責債権を支払う必要があるケースでも、自己破産の意味がなくなるわけではありません。借金やクレジットカード料金などが免責されれば、収支が改善されて生活を立て直せる可能性があります。

ベリーベスト法律事務所にご相談いただければ、債務全体の状況や財産・収入の状況などを踏まえたうえで、お客さまにとって最適な解決策をご提案いたします。非免責債権の支払いが不安で悩んでいるなら、早い段階で弁護士に相談することが大切ですので、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。

この記事の監修者
菅谷良平

債務整理部マネージャー弁護士として、債務整理・借金問題及びその周辺分野に精通しています。これまで、お客さまの生活再建に向けて、数多くの案件に対応してまいりました。債務整理のご相談は、何度でも無料です。任意整理、自己破産、個人再生など、借金問題についてお悩みの方は、ぜひお気軽に ご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 13万1237件
  ※集計期間:2010年12⽉〜2024年12⽉末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約440名の弁護士が在籍
※2026年4月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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