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借金完済のための4ステップと自力での完済が難しいときの対処方法

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更新日:2021年05月10日 公開日:2021年05月10日

借金完済のための4ステップと自力での完済が難しいときの対処方法

金融機関からの借金は完済までの道のりが遠いと感じることも少なくありません。「返済しているはずなのに残額が減っていかない」、「毎月の返済が苦しい」と感じてしまうことは危険な状況が迫っているサインである場合も少なくありません。

他方で、借金返済はちょっとしたことに気を配るだけで一気に完済までの期間を短縮できることもあります。

そこで今回は、借金完済を確実に果たすために知っておくべきポイントや借金の完済が難しいと感じた場合の対応などについて、弁護士が解説します。

1、借金完済のための4つのステップ

まずは、借金を確実に完済するために意識すべきことを4つの手順に沿って確認していきましょう。

  1. (1)借金の状況を正しく把握する

    金を確実に完済するためには、借金の状況を正しく把握することがまずは重要です。実際に、借金返済に追われて苦しい状況におかれている場合、「借金の残額がいくらなのか」ということがわからなくなっている方は少なくありません。

    個別の借入の状況(借入残額)などの情報は、毎月の返済ごとに債権者から発行される利用明細書に必ず記載されています。また、紙の明細書の発行を受けなかった(明細書を捨ててしまった)というような場合には、それぞれの金融機関のウェブサイトにある顧客専用ページ(マイページなどの名称になっていることが多いです)から利用状況などの情報を確認することができます。

    また、「どこから借金しているかもわからない」というかなり深刻な状況の場合には、信用情報機関に信用情報の開示を請求することで、借入についての具体的な情報を入手することができます(それぞれの信用情報機関における情報開示の手続きは下記のリンクからご参照ください)。

    • JICC(日本信用情報機構:消費者金融系)
    • CIC(シーアイシー:信販会社系)
    • KSC(全国銀行個人信用情報センター:銀行系)
  2. (2)家計を正しく把握する

    借金の返済を確実に実行するためには、毎月の家計状況を正しく把握することも重要です。特に、毎月の生活に必要な支出状況を把握しておくことは、借金返済のための資金繰りを行う上で特に重要です。

    また、支出の状況を把握することができれば、節約できる部分を見つける上でも役に立ちます。最近では、ウェブやアプリなどを用いて比較的簡単に家計簿を作成することもできますので利用してみるとよいでしょう。

  3. (3)返済計画作成

    金融機関からの借金は数か月から数年の中長期のスパンで返済していくのが一般的となります。そのため、毎月の収支を予測しながら、適切な資金繰りを行えるように最低限度の返済計画(中長期の返済の見通し)を立てておくことも大切といえます。

    予測外の出来事や家庭のイベント(子ども進学、出産など)は借金返済に行き詰まってしまう原因にもなりやすいものです。あらかじめ、それらに備えて一定のお金を計画的に蓄えられるように、毎月の家計を管理することも大切なポイントとなります。

  4. (4)返済計画を確実に実行する

    借金の返済は確実に実行することがとても重要です。1回の入金忘れ(による滞納)がきっかけで、借金の返済計画にほころびが生じてしまうことも珍しいことではありません。

    特にお仕事などで普段から忙しい生活を送っている方は、「返済日を忘れてしまう」などのミスが生じないように日頃から対処をしておくことも重要です。

2、返済計画を作成するときのポイント4つ

まとまった金額の借金を確実に返済するためには、上でも触れたように返済計画をしっかり立てておくことが大切といえます。特に返済計画を立てることで「いつになれば借金を完済できるか」ということに一定の見通しをもてることは、返済を継続するモチベーションの維持にもつながりやすいといえます。

以下では、返済計画を作成する際に特に意識したい4つのポイントについて簡単に解説します。

  1. (1)1か月単位の収支を意識する

    借金の返済は、毎月行わなければならない場合がほとんどです。したがって、返済計画も毎月単位の収支を意識することが重要です。特に、季節ごとによる支出の変化(光熱費や季節イベントの出費など)には十分に注意すべきといえます。

  2. (2)無理のない計画を立てる

    すでに上でも触れたように、金融機関からの借金返済は数年にわたる期間になることも珍しくありません。そのため、返済計画は継続可能な無理のない内容でなければなりません(返済可能額にあわせて借り入れることが重要です)。

    可処分所得のほとんどすべてを借金返済に充てるような返済計画は、継続可能性の面で問題があることの方が多いといえます。

  3. (3)万が一のトラブルに備える

    返済期間が長期になるほど、予期していないトラブルの影響を受けるリスクも高くなるといえます。病気やケガによる減収(支出増)や勤務先都合による失職といったトラブルは努力をしていても避けられるものではないからです。

    その意味でも借金返済中であっても毎月一定額は蓄えに回せるだけの余裕を持たせた返済計画を立てることは重要といえます。

  4. (4)繰り上げ返済を意識する

    金融機関からの借金には金利が設定されています。そのため、完済までの期間が長くなるほど、支払うべき利息の額も増えてしまいます。また、借金があるということは、精神的にも負担となるため「1日でも早く借金を完済したい」と考えている人も多いと思います。

    借金を1日でも早く完済するためには、繰り上げ返済が非常に有効です。

    繰り上げ返済とは、毎月の決められた返済(約定返済)に追加して行う返済のことをいいます。特に、カードローンのような高利の借金を抱えているケースでは、毎月少額であっても繰り上げ返済を実施することの効果は大きいといえます(毎月2000円程度の繰り上げ返済でも完済時期が数か月以上早くなります)。

3、借金完済が難しいときは債務整理の検討を

借金の返済には、さまざまなリスクがつきまといます。そのリスクの中には、ここまでも何度か触れてきているように、自分の努力では回避することのできないもの(勤務先の倒産・業績不振など)も少なくないため、どうにもならない事情で自力での借金返済が難しくなってしまうことも珍しくありません。

このような場合には、1日も早く弁護士にご相談いただいたほうがよいでしょう。弁護士に債務整理をご依頼いただければ、返済が困難になった借金を解決することができるからです。

  1. (1)債務整理の3つの種類

    債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つの種類があり、それぞれの特徴などは下の表のようにまとめることができます。

    種類 対象の借金 手続きの概要 負担軽減の程度 財産処分
    任意整理 自分で選択 債権者と直接交渉して借金の返済条件を見直してもらう 将来利息の免除 必要なし
    個人再生 すべての借金 裁判所に認可された再生計画に基づいて借金減額・分割返済 将来利息の免除
    元金の一部免除
    必要なし
    自己破産 すべての借金 債務者の財産と負債を強制的に清算 破産手続開始時点の負債は完全免除(免責を得た場合) 一定額以上の財産は処分
  2. (2)任意整理

    任意整理は債務整理のうちでもっとも簡易な手続きです。裁判所の手続きを介さずに債権者と個別交渉することで行われるため、作成しなければならない書類も少なく、期日に出席しなければならない負担も発生しません。また、基本的には相手方とのやり取りで完結するため、秘密が守られやすいのも大きなメリットです。

    その他方で、債権者との合意がなければ実施できないことから、債権者との信頼関係が完全に崩壊している場合などでは応じてもらえないこともあります。また、負担の軽減も将来利息の免除にとどまるため、借金が多額すぎるケースでは適さないことも多いといえます。

  3. (3)個人再生

    個人再生は、任意整理と自己破産の中間的な位置づけの債務整理です。裁判所の決定(再生計画認可決定)によって将来利息だけでなく借金元金の免除も得られるため多額の借金を抱えてしまった場合でも、財産を処分せずに解決できる点や、マイホームの強制処分を回避しながら住宅ローンの返済条件を見直せる点が特徴です。

    しかし、債務整理の中でもっとも複雑な手続きとなり、再生計画案を自ら作成しなければならないといった負担も生じてしまいます。また、債権者の多数から反対にあった場合や税金・社会保険料に多額の滞納があるときは個人再生が認められない可能性があります。

  4. (4)自己破産

    自己破産は、最終的な債務整理の方法と位置づけられる手続きです。自己破産の後に裁判所からの免責許可を得ることができれば、破産手続開始のときに抱えていた負債の返済義務は原則としてすべて免除されます(一部の非免責債権(公租公課の未払い分など)は除かれます)。

    しかし、自己破産をした場合には、一定額(20万円が目安)を超える価値のある財産については債権者への配当(返済)に充てるために強制売却の対象となってしまいます。

4、弁護士に債務整理を依頼するメリット3つ

自分の力では借金完済が難しくなったときに弁護士に債務整理の相談・依頼をすることは、借金の解決(免除)だけでなく、次のような点でもメリットがあります。

  1. (1)最適な解決方法を選択できる

    債務整理は、それぞれのケースが抱える個別の事情に見合った手続きを選択することが重要です。事情にそぐわない手続きを選べば、借金解決に失敗するリスクが高くなるだけでなく、不必要なデメリットなども生じてしまいかねないからです。

    弁護士に相談・依頼すれば、専門家としての知識経験に基づいてそれぞれのご事情に応じてベストな解決方法をアドバイス・提案してもらうことができます。

  2. (2)金融機関からの取立てを即時にストップできる

    金融機関からの取立て(督促状や電話など)は、借金返済に苦しんでいる人にとって大きな悩みとなっている場合が多いといえます。

    弁護士に債務整理をご依頼いただければ、金融機関からの取立て行為は即時にストップさせることができます。金融機関は、弁護士から債務整理に着手した旨の連絡を受けた場合には、債務者本人への取立てを法律などによって禁止されているからです。

  3. (3)借金トラブルが他人にバレることを回避できる

    借金の悩みは誰にも知られたくないものです。上で解説したように弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者からの取立ての一切をストップすることができるため、督促状や電話連絡、裁判所からの連絡などをきっかけに家族や周囲の人に借金トラブルを知られてしまうことも回避できるようになります

5、まとめ

借金を確実に完済するためには、日頃からの準備や心がけが非常に重要となります。また、「早く借金を完済したい」と強く思っている人ほど、無理な返済計画を立てやすい傾向にあるといえますが、「返済を確実に続けられる」状況を維持することも忘れるべきではありません。

しかしながら、借金返済が一定の期間にわたる場合には、外的な事情の変化などを理由に「突然借金返済ができなくなる」という状況に陥ってしまうケースもないわけではありません。

このような場合には、1日も早く弁護士にご相談・ご依頼いただけると借金問題をよりスムーズ・確実に解決できるようになります。借金を完済できないなどの不安、悩みがあるときは、ベリーベスト法律事務所でご相談ください。ご相談内容についても秘密厳守を徹底いたしております。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国74拠点、約360名の弁護士が在籍
※2024年2月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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