債務整理 弁護士コラム
クレジットカードのリボ払いは、その月のカード支払い残高にかかわらず毎月の支払額を定額にできる支払い方法で、大きな買い物などをするときに便利です。
その反面、支払い残高を膨らませやすい点で危険性の高い支払い方法ともいえ、リボ払いの使いすぎが原因でトラブルになってしまうケースも珍しくありません。
そこで今回は、クレジットカードのリボ払いの具体的なリスクや、リボ払いの残額を完済できなくなった場合の解決方法などについて解説します。
まずは、リボ払いの仕組みや、リボ払いを利用したときのリスクについて確認しておきましょう。
リボ払いとは、分割払いの方法の一種で正式名称をリボルビング払いといいます。「リボ払い」というときには、クレジットカードの分割払いのことを指すのが一般的ですが、カードローンの返済方式でもリボ払い方式が採用されるケースがあります。
通常の分割払いとリボ払いには、以下の点で違いがあります。
たとえば、リボ払いの支払残高が10万円で返済額を毎月5000円と設定すれば、翌月の支払残高が15万円に増えても、毎月5000円ずつ返済していくというわけです。
リボ払いは、「クレジットカードの支払いが月の支払残高にかかわらず定額になる」ことがメリットとして強調されます。たしかに、毎月の支払額が一定になれば、支払日の資金繰りなども楽になり、その点では便利な支払い方法といえるでしょう。しかし、リボ払いは以下のようなデメリットを抱える支払い方法であることも忘れてはなりません。
●利息・手数料が高い
リボ払いのデメリットのひとつは、毎月の支払いに手数料が発生することです。クレジットカードの1回払い・2回払いに手数料は発生しませんが、リボ払いで決済をした場合には手数料分だけ支払額が増えてしまいます。クレジットカードのリボ払いの手数料は年利15%程度に設定されているところが少なくありません。これは、消費者金融や銀行カードローンと同程度の負担となり注意が必要です。
●通常の分割払いよりも返済期間が長くなりやすい
通常の分割払いであれば、分割回数を支払うと必ず完済となりますので完済までの期間は明確であるといえます。しかしリボ払いの場合は、「毎月のリボ払い対象の支払残高の全額を定額で支払う」ことになるため、完済までの期間が見えにくく、支払期間が長くなりがちな傾向にあります。
●支払残高が増えやすい
支払額が一定のリボ払いは、毎月の支払いをきちんとしているという安心感から、支払残高が増えていても気づくことができないというリスクがあります。結果として支払残高が減りにくくなり、長期間にわたって高額な手数料を払い続けることになるのです。
リボ払いは、利便性が高い反面、大きなリスクをはらんだ支払い方法であるといえます。実際に、リボ払いの使いすぎで支払残高が膨らんでしまうケースは珍しくありませんし、「毎月きちんと支払っているのに、いつまでたってもリボ払いの支払いが終わらない」と感じている人もいるかもしれません。
そのような場合には、次のような対応が有効といえます。
「毎月の支払いはできているのに支払残高が減らない」、「いつまでもリボ払いが終わらない」というケースでは、毎月の返済設定額が少なすぎることが原因となっている場合があります。このような場合には、毎月の返済額を増額したり、繰り上げ返済をしたりすることが有効です。
毎月の支払いが苦しい場合は、家族などの身近な人の支援・協力を受けることも有効な解決方法のひとつといえます。家族からの援助で一括完済し、返済先を家族に切り替えれば、毎月発生する高額な手数料の負担はゼロになります。
ローンの支払いが行き詰まってしまう背景には、突然の失職・減収や生活環境など、本人だけでは解決が難しい事情があるケースも少なくありません。家族など周囲の協力は、問題解決への有効な手段のひとつといえるでしょう。
リボ払いなどの借金問題は、法的対処である「債務整理」によって解決できる可能性があります。返済が難しいと感じたら、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
債務整理には、主に3つの種類があり、それぞれの借金の状況や個人の事情に応じて、最適な手続きを選択することになります。
任意整理 | 裁判所を介さずに債権者と個別に交渉する手続き。将来発生する利息や遅延損害金の免除、返済期間の見直しを行うことで、毎月の返済の負担を減らすことができる。複数の業者からの負債がある場合、交渉する債権者を選ぶことが可能。 |
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個人再生 | 裁判所に認可された再生計画に基づいて負債残額の一部を返済し、残りの返済を免除してもらえる手続き。原則としてすべての負債が対象。 |
自己破産 | 債務者の負債と財産を強制的に清算する裁判所の手続き。自己破産後に免責許可を得ることで、残った負債の全額を免除してもらえる。原則としてすべての負債が対象。 |
抱えている借金問題がクレジットカードのリボ払いだけで、毎月一定の収入を得られている場合は、もっとも簡易な手続きである任意整理で解決できる可能性が高いでしょう。
リボ払いを債務整理で解決した場合には、返済負担を軽くしてもらう代わりとして、一定のデメリットも発生してします。リボ払いを債務整理する際に特に注意すべきデメリットとしては、以下の3つを挙げることができるでしょう。
クレジットカードのリボ払いを債務整理する際に注意したい点は、債務整理をしたクレジットカードは強制解約となるということです。強制解約の時期は、弁護士が債務整理に着手することを債権者に通知する「受任通知」を、クレジットカード会社が受領(じゅりょう)した時点となるのが一般的です。
なお、強制解約となったクレジットカードは、その後に再度申し込みをしても審査落ちになってしまう可能性が高いでしょう。
さらに注意すべき点は、特定のカード会社に絞って任意整理をした場合でも、クレジットカードと系列関係にある別のクレジットカードへの悪影響がでる可能性です。クレジットカード会社が個別に保有しているブラック顧客情報は、同一グループ内で共有されている可能性も高く、クレジットカード会社が複数のブランド名でクレジットカードを発行していることもあります。
また、系列関係のカードでなく、任意整理の対象外としたクレジットカードでも、
などの不利益措置が行われる可能性があります。債務整理をした情報は信用情報機関のデータベースを通じて他の銀行・クレジットカード会社などの金融機関とも共有されることになっているからです。
また、金融機関は、新規申し込みや契約更新時以外の契約期間中であっても、顧客の信用情報を定期的に照会する場合があります。さらに、カード会社は、一定期間内の利用額が多い顧客の信用情報を照会することを法令で義務づけられています。信用情報を照会すれば、他社を任意整理したことを知られてしまうため、それによって途中解約などの措置もとられる可能性があるというわけです。
クレジットカードのリボ払いや借金トラブルに関する悩みは、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談することをおすすめします。早期に相談を受け適切に対処できれば、低コスト・低リスクで問題を解決できる可能性が高くなるからです。
任意整理は、裁判所を介さないため、債務整理の手続きのうちでもっとも簡易です。費用においては「債権者の数」に応じて金額が決まる弁護士事務所が多いため、対象のカード会社が増えないうちに任意整理を行えば費用も抑えられるでしょう。
さらに、早期に対応できれば、その分だけリボ払いの利用残額も少ないといえますから、カード会社との和解も成立しやすいといえるでしょう。リボ払いの返済が困難になってしまった場合は、さらにカードローンを利用して返済に充てるなどせず、まずは弁護士にご相談ください。
借金の支払いが滞ると債権者からの取り立てがはじまり、家族や会社にバレないかと不安を感じる人が多いようです。
弁護士に債務整理を依頼すれば、直ちに受任通知を債権者に送付することで、取り立てをストップさせることができます。金融機関は、債務整理を弁護士に依頼した顧客債務者に対する取り立て行為を原則として禁止されているからです。
リボ払いは、毎月の支払額を一定にできる点で利便性の高い返済方法といえますが、その反面、支払残高が減りにくく、毎月高額な手数料を負担する可能性が高いといったデメリットも併せ持っています。そのため、毎月の利用状況をしっかりと把握しておくことがとても重要です。
万が一、「毎月返済しているのに利用残額が減らない」、「毎月の支払額が増額されていた」というような場合には、すでにリボ払いを使いすぎている可能性も高いといえます。万が一リボ払いの返済に不安を感じたときには、早期にベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。借金に関するご相談は何度でも無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
実は、主婦で借金を抱えている人は多く、それを言えずに悩んでいる方もたくさんいるのが現状です。もしかしたらこの記事をご覧のあなたも、そういった悩みをお持ちなのかもしれません。
一人で悩むことなく、主婦で借金をしている人は意外と多いということを知っていただいて、ぜひご自身の借金返済について前向きに考えていってください。この記事があなたにとって、ご参考になれば幸いです。
これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。