債務整理 弁護士コラム
「すぐ返せると思った借金がなかなか返せない」と借金に悩む方は少なくありません。
多重債務の場合、「毎月何度も借金の返済日があるので、入金する日をつい忘れてしまう…」とか「1社ずつへの返済額は多くないけれど、複数社分重なると月々の返済額が大きくて負担が大きい」といった悩みもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、借金の返済方法のひとつである「おまとめローン」についてご紹介します。
借金・多重債務解決法としてのおまとめローンですが、メリットもあればデメリットもあります。債務整理もチェックしながら、おまとめローンについて見ていきましょう。
おまとめローンとは、複数の金融機関(銀行・消費者金融・クレジットカード会社など)からの借金を1つの借金に一本化するために利用されるローン商品の通称です。
当然、おまとめローンを取り扱っているのも金融機関で、一般的には銀行のおまとめローンが利用されるケースが多いといえますが、消費者金融でもおまとめローンに該当する商品を取り扱っています。
おまとめローンを利用して、借金を一本化する場合の基本的な流れは下記のとおりになります。
おまとめローンは、「多重債務」の返済を抱えている方が、借金返済の負担を減らすために用いられる仕組みで、具体的には次のようなメリットを享受できるといえます。
多重債務(2件以上の借金)を抱えてしまった場合には、「借金の返済日が毎月何回もある」ということが大きな負担となってしまうことが珍しくありません。手持ちのお金に余裕がない人であれば、返済日が迫るたびに、返済のための金策に走り回ることになってしまうからです。借入件数が増えるほど、毎月の返済日に対応するための負担は増えていきますし、「金策が間に合わない」というリスクも高くなってしまいます。
この点、おまとめローンを利用できれば、借金を1つにまとめることができるので、当然返済日も毎月1回となりますから、毎月の返済日に振り回される負担は大幅に軽減できます。
金融機関からの借金には金利(利息)が発生しますが、一般的には、担保のある借金よりも無担保の融資、大口の借金よりも小口の借金の方が適用される金利は高くなります。
同じ300万円の借金であっても、1件300万円の借金と50万円×6件の借金では、後者に適用される金利の方が高いというわけです。
おまとめローンを利用して借金を大きな1つのものに一本化することができれば、通常はその分だけ適用金利も引き下げられるので、毎月発生する利息額も減らせる可能性があります。
おまとめローンによる借金一本化は、毎月の借金返済の負担を減らす目的で利用されるものです。その意味では、「毎月の返済額」を減らせるかどうかという点が最も重要といえます。
この点、おまとめローンは、通常のカードローンよりも長期間での返済とすることで毎月の返済額を圧縮させることになります。
おまとめローンは、上記で解説したメリットばかりが注目されがちですが、以下で解説するようなデメリット・リスクがあることも忘れるべきではありません。
おまとめローンは、ローン商品です。したがって、その利用に当たっては、債権者となる金融機関(または保証会社)の審査に通る必要があります。
したがって、申し込みのときの収入や借金額などの状況によっては、おまとめローンを利用したくても「審査に通らない」、「希望額が借りられない」、「適用利率が高くなってしまう」という可能性もあります。
おまとめローンは、その時点で他の金融機関から借り入れていた借金総額に相当する金額を別の金融機関からまとめて借りて一括返済するために利用されるものです。
しかし、実際におまとめローンが利用されるケースでは、次のような理由から元々抱えていた借金の額よりも多額の借り入れをしてしまうことも珍しくありません。
おまとめローンを利用する場合には、そのローンを完済するまでは他の借金はできなくなるのが一般的です。おまとめローンの借り入れによって、年収の1/3を超えてしまえば、消費者金融などからの借金は法律で制限されてしまうだけでなく、契約条項として他社借り入れが禁止されていることも珍しくないからです。
そのため、借り入れる側としては、今後の備えや直近の生活費のために、借金返済に必要な額を超えて借り入れをしたいという動機が生まれやすいといえます。
また、上でも解説したように、ローンで適用される金利は借入額が多くなるほど低く設定される仕組みになっているので、適用金利を下げる目的で必要以上の金額を借り入れてしまう(借り入れざるを得ない)ケースもあることに注意する必要があります。
おまとめローンを利用すれば、それまでの借金に比べて適用利率は低下するのが一般的です。しかし、利率が下がった場合であっても、完済までに支払う利息の総額は、それまでの借金をそのまま完済した場合よりも多くなってしまうことがあります。
なぜなら、おまとめローンの返済期間(分割回数)は、カードローンと比べてかなりの長期間になってしまうからです。つまり、適用利率が下がったことによる利息の減額分を、支払期間が長くなることによる利息増加分が上回ってしまうということです。
借金の分割返済は、継続的な収入があることがその前提条件となります。倒産などの会社都合や、病気・ケガによる失職・減収が原因で、当初の計画通りに借金の返済ができなくなることも珍しくありません。その意味で、返済期間が長期間になってしまうことの多いおまとめローンは、予期せぬ事情変更のリスクを抱えてしまいやすい点に注意が必要といえるでしょう。
ここまで解説してきたおまとめローンのメリット・デメリットを総合すると、次のような場合では、おまとめローンよりも債務整理の方が借金の解決方法として優れている場合が多いといえます。
借金の問題は、「1日も早く解決したい」と思っている方が多いと思われます。早期に借金を解決するという意味では、5年を超える分割返済となる可能性の高いおまとめローンよりも、数ヶ月~5年程度で借金を解決できる債務整理の方が優れているといえます。
たとえば、任意整理であれば、借金の残元金を3~5年の分割返済をする内容で債権者と和解するのが一般的ですし、個人再生を利用した場合には、借金の一部を3年で分割返済すれば残額の返済免除を受けられることになるのが原則です。
さらに、自己破産した場合には、破産免責によって借金の返済を完全に免除してもらえることから、数ヶ月~1年程度で借金を完全に解決できる可能性があります。
おまとめローンでは、多額の借金を長期間かけて返済していくことが前提となりますので、毎月の返済額が減るとはいえ、多額の借金を返し続けていくことは、それまでと変わりがありません。
したがって、毎月の収入が不安定という人の場合には、すでに上でも触れたように、分割返済の途中で資金繰りが行き詰まってしまうリスクを抱えることになりますし、健康面に不安があるという方も同様といえます。
この点、債務整理であれば、上でも触れたようにおまとめローンを利用した場合よりも返済期間も短くなります。特に、自己破産は、その後の返済は一切不要になるという点で非常に優れた債務整理の方法であるといえます。
多重債務で抱えた借金が年収額に相当する(年収額を超える)ようなケースでは、そもそもおまとめローンで返済をするということが現実的ではない場合も多いといえます。おまとめローンは、返済の負担を減らすことはできるとはいえ、元金が免除されるわけでも、利息がなくなるわけでもないからです。
この点、債務整理をすれば、最も減額効果の低い任意整理であっても今後発生する利息は完全に免除されますし、個人再生・自己破産であれば、残元金の免除(個人再生では一部免除)を受けられ、借金それ自体を大幅に減らすことができます。
返済が難しくなった借金は、それぞれのケースの状況にあわせて最善の方法で解決することがとても重要です。とはいえ、それぞれのケースでどのよう方法が適しているかということを正しく判断するためには、法的知識も含めた専門的な知識・経験が必要となるので、一般人が正しく判断することは難しいケースも多いといえます。
つまり、「おまとめローンで借金を解決したい」と考えているようなケースでも、おまとめローンが適さないケースや、そもそもおまとめローンでは解決が難しいというケースも珍しくないということです。
借金問題については無料相談で対応している弁護士事務所も増えていますので、おまとめローンの利用を検討する場合には、あわせて弁護士の無料相談も上手に活用することをおすすめします。
おまとめローンは、条件に適したケースであれば、現在返済が苦しい借金であっても、負担を軽減できる有効な仕組みといえます。
しかし、おまとめローンには本文中で解説した限界があるため、すべての多重債務のケースで有効というわけでもありません。実際にも、事前の返済シミュレーション・検討が足りないままおまとめローンを利用したことで、状況がさらに悪化してから弁護士のところに相談にこられる事案もないわけではありません。
ベリーベストでは、債務整理業務の実績豊かな弁護士が親切・丁寧に対応し、それぞれのケースに適した解決方法をご提案させていただいています。借金問題・債務整理に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけるので、お困りの際にはベリーベストまでお問い合わせください。
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「自分は買い物依存症かもしれない」と感じている人は少なくはありません。買い物が大好きな人や、買い物に出かけるとつい買いすぎてしまう方は買い物依存症の不安を抱えていることでしょう。
ですが、ショッピング好きと買い物依存症は違います。買い物依存症の場合には中毒症状があるため、治療が必要な状態。対して買い物好きの人は買い物が趣味なだけで買い物に依存しているわけではありません。
買い物依存症の患者数は正式には発表されていませんが、昨今の後払いシステムやクレジットカード払いの増加によって患者数も増加していると推定されています。買い物依存気味の方は早めに自覚し、適正な対処をしていきましょう。
ソーシャルゲーム(ソシャゲ)などのスマホゲームで、多額の課金をしてしまう方は少なくありません。
「今回だけ…」とおそるおそる少額で始めたはずの課金も、いつも間にか抵抗がない状態に陥っている方も多いのではないでしょうか。
スマホゲームの課金は、一種の中毒症状をもたらします。「やめよう」と思っても、自分の意思では上手にコントロールできないものです。
本コラムでは、ソシャゲなどのスマホゲームで課金をやめられない心理、課金に制限をかける方法、課金をやめる方法、課金が原因で借金に悩んでいるときの対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士がご紹介します。
廃課金とよばれるような過度な課金は、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。できるだけ早めに課金をコントロールしたり、借金問題を解決したりして、通常の生活に戻していきましょう。
「必死に働いても生活が苦しい」「働きたいのに働けない」「借金返済でどうすればよいのか分からない」などの悩みを抱える人は少なくありません。
このような生活苦には、働けない・給料が低い・借金を抱えていることが大きな原因となっているケースも多くあります。
本コラムでは、生活が苦しい状況から抜け出すための対処方法や相談先、支援制度について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。