債務整理 弁護士コラム
長引く不況のため、若年層から中高年まで幅広い層が借金問題を抱えるケースが増えています。
また「老後破産」といった言葉を耳にすることが増えたように、高齢者の方でも借金の悩みを抱える方は少なくありません。
法律上、義理の親の借金については返済義務がないケースが多いですが、家族である以上、放っておくことも難しい問題といえるでしょう。
そこで今回は、義理の親に借金があることが発覚した場合に知っておいてもらいたい
・法律上の知識
・家族ができる対処方法
などについて解説します。
義理の親(配偶者の親)の借金は、法律の上では「他人の借金」ということができます。したがって、「配偶者の親だから何とかしてあげたい」というような道義的な部分を除けば、義理の親の代わりに借金を返済しなければならない法律上の義務はありません。
しかし、次のような事情がある場合には、義理の親の借金であっても返済義務が生じてしまいます。
借金の保証人・連帯保証人である場合は、義理の親が借金の返済をできなくなったときには、代わって借金を返済しなければなりません。
特に、連帯保証人となっている場合には、義理の親への返済請求を通り越して、いきなり連帯保証人に借金残額の一括返済を求められても、拒むことができません。連帯保証人となっている場合には、通常の保証人となっている場合よりも責任が重く、基本的には「自分自身の借金」と同じような取り扱いになってしまうからです。
世間一般で「保証人」と呼ばれているケースのほとんどは、連帯保証人のことを指していますので、他人の保証人・連帯保証人となる場合には十分注意しましょう。
義理の親が借金をした場合であっても、その名義人があなたになっているという場合には、自分自身の借金として返済義務を負う可能性があります。
積極的に義理の親に名義を貸したという場合は当然ですが、義理の親が勝手にあなたの名前を用いた場合でも、次のような事情がある場合には、あなたに返済義務が生じてしまう場合があるので注意が必要です。
義理の親の借金問題は、法律の上では自分とは無関係であるとはいえ、実際には無関心ではいられない問題でしょう。
しかし、配偶者の親だからといって、安易に借金の肩代わりをすることは、かえって状況を悪化させてしまう場合もありますので、注意しましょう。
特に、次のような事情がある場合には、義理の親の借金といえども肩代わりしない方がよいといえます。
義理の親の借金を何とかしてあげたいと、強く思ったとしても、「自分の家の家計も苦しい」という場合には返済の肩代わりをすべきではありません。そのようなことをすれば、共倒れになってしまい、状況がさらに悪化してしまう可能性が高いからです。
義理の親の借金を肩代わりできるだけの余裕がある場合でも、無条件に返済を肩代わりすべきではないでしょう。借金の原因が解決されていない場合には、借金だけを肩代わりしても、本当の意味での問題解決にはならないからです。
たとえば、借金の原因が浪費であるなら、浪費の原因を追究し、解決しなければ、数ヶ月、数年後に再度同じような事態になってしまう可能性も高いでしょう。
自分の収入だけでは借金の返済ができないなら、弁護士に債務整理を依頼して解決するのが、一番安全で確実な方法です。
とはいえ、実際に借金を抱えている方の中には、債務整理に踏み切れずに長い間悩み続けている方も少なくありません。借金返済は、行き詰まってからの期間が長くなるほど、深刻になる傾向があるのです。
借金が返せなくなっている人が、そもそも債務整理という仕組みを知らない、ということも珍しくありません。特に、誠実な人であるほど、「借りたお金を返すのは当たり前」と思い、債務整理に行き着かない可能性も高いのです。
債務整理を知っていたとしても、誤解があるために、弁護士に相談・依頼しないというケースもあります。よくある誤解の例としては、以下の通りです。
このような誤解の多くは、自己破産への間違ったイメージ・認識である場合が多いといえます。しかし、自己破産をしても、上記のような問題が生じることはありません。たとえば、自己破産をした場合であっても、今後の生活に必要な一定の財産は差し押さえられずに手元に残すことができますし、そもそも年金の差し押さえは禁止されています。
また、債務整理=自己破産というわけでもありません。
任意整理や個人再生といった方法をとるのであれば、自己破産した場合よりも、コストを抑えつつ、より小さなデメリットで借金を解決することも可能です。
他人の借金の問題を解決することは簡単ではありません。弁護士も、債務整理の依頼は、借金の名義人であるご本人からしか受けられません。
家族であっても「お金の相談はしづらい」と感じている人もいらっしゃいますし、「借金は絶対に自分だけで返す」と言い張るケースもあるでしょう。
以上のような状況では、債務者本人とご家族とで、一緒に弁護士に相談することを検討してください。冷静な第三者を交えることで、状況を良い方向に変える大きなきっかけとなる可能性があります。
義理の親が借金をしていたとしても、自身が保証人になっているような場合を除いては、その借金を背負う法的な責任はありません。とはいえ、何とか解決したいというお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
返済のできなくなった借金は、債務整理で解決することが、最もよい方法であるといえますが、弁護士はご本人からの依頼がなければ、借金の調査も、債務整理も行うことができません。
したがって、ご本人が債務整理に対してネガティブな感情をもっている場合には、ご家族の働きかけが重要となってくることも多いといえます。
ベリーベスト法律事務所では、債務整理のご相談を無料で承っております。お困りの際にはお気軽にお問い合わせください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
「期限の利益って何のことだろう?」「期限の利益喪失通知書が自宅に届いたけど、どうすればよい?」……借金をしている方のなかには、このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
期限の利益とは、「期日までにお金の返済をすればよい」という債務者と債権者(銀行や貸金業者など)の約束事を言います。
いつまでに借金を返せばよいのか、返済日をあらかじめ決めることにより、債務者は返済のめどを立てることができます。そして、「返済日に返す」ということは、それまでは返さなくていよいということです。
期限の利益という言葉においては、その「返さなくてもよい」ということを、「利益」と表現されています。
本コラムでは、期限の利益の基本情報や期限の利益を喪失するケース、期限の利益喪失通知が来た場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
期限の利益について悩んでいる方のご参考になれば幸いです。
債務整理は、借金問題を解決するための法的手続きの総称です。
債務整理の手続きを通して、合法的な手段で借金を減額したり、返済そのものを免除したりすることができます。しかし、それと引き換えに、一定のデメリットもあります。
債務整理には任意整理や特定調整、個人再生、自己破産といった種類があり、それぞれ特徴や注意すべき事項が異なります。
そのため、借金問題を適切に解決するためには、自分に合った手続きを選ぶことが重要です。
本コラムでは、債務整理の各手続きにおけるデメリットや、債務整理のなかでも自分に合う方法の選び方について、ベリーベスト法律事務所 債務整理チームの弁護士が解説します。
銀行口座は、資産管理を行う上で欠かせません。万が一のために蓄えを備えるだけでなく、給料の受け取りや決済用の手段としても、必須のツールです。
しかし、借金の返済などを滞納してしまえば、銀行口座が差し押さえにあってしまうこともあります。債権者にとっても銀行口座の預貯金は、滞納した借金を回収するための重要な引き当て財産だからです。
令和2年4月に改正民事執行法が施行され、債権者による債務者の財産調査が容易になりました。そのため、銀行口座は以前よりも差し押さえやすくなったといえます。
銀行口座に限った統計ではありませんが、裁判所が公表する「司法統計年報」によると、「債権及びその他の財産権に対する強制執行」の手続きが裁判所で行われた数は、13万6949件でした。うち11万7866件は、取り下げられています。
(出典:令和4年司法統計年報 第101表 民事執行既済事件数―事件の種類及び審理期間別―全地方裁判所)
本コラムでは、借金の返済を滞納して銀行口座が差し押さえられてしまうときの流れや効果、差し押さえを回避する方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。