債務整理 弁護士コラム

学生が借金を自己破産で解決するメリット・デメリット

2020年12月22日
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学生が借金を自己破産で解決するメリット・デメリット

学生も、学生ローンの返済やクレジットカードの支払いに窮してしまい借金の悩みを抱えてしまうことがあります。そもそも、収入の少ない学生は社会人よりも借金問題を抱えてしまうリスクは高いと考えるべきなのかもしれません。

借金返済に行き詰まってしまった場合には、自己破産で解決することが考えられますが、その一方で自己破産することには不安を覚える人も多いといえます。「自己破産」といえば悪いイメージを連想する人の方が圧倒的に多いからです。

しかし、返済が困難な借金をそのまま抱え続けることは、自己破産をする以上に大きなリスクになってしまいます。

そこで今回は、学生が自己破産で借金を解決することのメリット・デメリットについて解説します。
借金問題は、わからないことや不安なことが問題解決に踏み出すことを妨げてしまうことも多いといえます。返済が苦しい借金を抱えている学生の方は、ぜひ参考にしてみてください。

1、借金を自己破産で解決する3つのメリット

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つの手続きがありますが、このうち自己破産はもっともよく知られた手続きといえます。しかしながら、自己破産によいイメージ持っていない人は多いといえるでしょう。「自己破産だけは避けたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、学生が借金問題を抱えてしまった場合の解決方法としては、自己破産には次のような大きなメリットがあるといえます。

  1. (1)借金を完全に免除してもらえる

    自己破産の最大のメリットは、クレジットカードの返済など借金をすべて免除してもらえる点にあります。つまり、自己破産はもっとも確実に借金を解決できる手続きといえるわけです。

    これに対し、任意整理や個人再生では、借金の免除は一部分だけにとどまり、残額を分割で返済していく必要があります。減額されたとはいえ借金が残るということは、返済が続くことを意味するので、借金問題の解決に失敗するリスクが残ってしまうということもできます。

  2. (2)自己破産しても財産を全く失わない可能性もある

    自己破産というと「財産を差し押さえられる」というイメージを持っている人が多いと思います。たしかに、自己破産では差し押さえた債務者の財産を処分し、債権者への配当に充てるのが原則です。

    しかし、自己破産をした場合であっても、すべての財産が差し押さえの対象になるわけではありません。たとえば、生活に必要な一般的な家具・家電はもちろん、学校の教科書などは差し押さえの対象外となります。また、預貯金についても口座残額によっては差し押さえの対象から外れる場合があるほか、評価額次第ですが、ローンの支払いが終わっていれば自動車やバイクについても差し押さえから除外される可能性もあります。

    学生が借金苦の状況にある場合、貯金もわずかであり、高額な財産を持っているケースも多くないでしょうから、自己破産をしても全く財産を失わない可能性もあるでしょう。

  3. (3)借金問題を早く解決できる

    学生が借金を自己破産で解決するメリットの3つ目は、借金を早く解決できる点です。

    たとえば、個人再生であれば、返済の負担を軽減した上で、借金の残元金を原則として3年で分割返済することになります。したがって、これらの方法では、在学中に借金問題を完全に解決できない可能性があります。

    一方、自己破産であれば、免責を受けることで借金の返済義務が完全になくなり、残額については1円も返済する必要がありません。免責が確定した時点で借金問題は完全に解決したということになります。

    自己破産の手続きは、3~6か月程度で完了する場合が多いといえますので、在学中に借金問題を完全に解決できるケースもかなり多いといえるでしょう。

2、自己破産で生じるデメリット

「自己破産は借金が免除される代わりにデメリットもたくさん発生する」と考えている人も少なくないと思います。たしかに、自己破産に限らず債務整理をすると一定の不利益が生じることもありますが、誤解や思い込みにすぎないものも少なくありません。

以下では、自己破産をすると生じる可能性があるデメリットについて確認していきたいと思います。

  1. (1)自己破産したことは就職で不利にならないか?

    学生のときに自己破産をした場合に気になるのは「就職活動への影響」ではないでしょうか。しかし、自己破産したことで就職が不利になるようなことは、ほとんどないといえるでしょう。

    ●自己破産した場合の信用情報の取り扱い
    借金を自己破産で解決した場合、信用情報に登録されることになります。しかし、信用情報を本人以外で照会できるのは、信用情報機関に加盟している企業等のみです。また、加盟企業だとしても、採用のための資料として利用することはできません。

    ●自己破産と資格制限
    宅地建物取引士や旅行業務取り扱い管理者など、一定の国家資格を取得して企業に就職しようとする場合は注意が必要です。これらの国家資格は、破産者であることを資格の欠格・取り消し・停止事由にしている場合があるからです。

    とはいえ、自己破産をしたことで資格試験の合格が取り消しになるということはなく、不利益の程度は、破産者である期間は資格者として業務を行えないという点にとどまります。

    また、自己破産による資格停止は、復権を得ることによって解除されますので一生続くわけではありません。就職前に自己破産の手続きが終了する(免責が確定する)のであれば、就職への影響は生じないといえるでしょう。

  2. (2)将来の結婚に悪影響を与える可能性は?

    自己破産すると結婚に悪い影響を及ぼすのではないかと不安に感じる人も多いかもしれません。しかし、就職の場合と同様、学生時代の自己破産が結婚に与える影響は、かなり限定的といえます。

    ●自己破産しても戸籍や住民票には記載されない
    まず、学生時代の自己破産が結婚相手やその家族などに知られるリスクは、ほとんどありません。自己破産をしても戸籍や住民票などに記録が残るようなことはないからです。

    ●信用情報による影響
    結婚へ影響があるとすれば、信用情報に自己破産の事実が登録されることによって、ローンやクレジットカードの審査に通りづらくなる点が挙げられます。

    しかし、信用情報に登録された自己破産の情報(いわゆるブラックリスト)は、所定の保存期間を経過すれば消去されることになっています。
    したがって、できるだけ早い時期に自己破産で借金を解決すれば、それだけ信用情報の回復も早くなるといえます。

  3. (3)友人や学校に知られてしまう可能性は?

    自己破産をした場合、官報という政府発行の広報誌に氏名や住所などが掲載されてしまいます。そのため、友人や学校などに知られてしまうことを不安に思っている人もいるかもしれません。

    しかし、一般の人や企業・団体が官報を定期的にチェックすることは、ほとんどないといえます。実際、この記事を読んでいる方で官報をみたことがあるという人の方が少ないのではないでしょうか。

    ただし、自己破産はすべての借金を対象に手続きを進めなければならないため、身近な人からの借金があるという場合には、その人に知られずに自己破産をすることはできませんので注意する必要があります。

  4. (4)賃貸している部屋を追い出されることはあるか?

    実家を出て賃貸物件を借りて学校に通っている場合、部屋を追い出されるのではと不安になるかもしれません。しかし、家賃の滞納がなければ自己破産したことで部屋を追い出される(賃貸借契約の解除を通告される)ことはありません。

    そもそも家賃を滞納していなければ、自己破産したことを大家さんに知られることもないでしょう。

    ●家賃の滞納がある場合
    家賃の滞納がある場合には、その滞納分は自己破産の対象となるので、免責を受ければ他の借金と同様に支払いが免除されます。

    しかし、免除された滞納分をそのままにしていれば、賃貸借契約を解約される理由になってしまいます。その物件を借り続けたいのであれば、免責をされた場合でも滞納している家賃を支払わなければなりません。

    自己破産によって免責を受けた債務は、法律上の支払い義務が消滅するだけで債務が消えてなくなるというわけではないので、任意の意思で滞納家賃を支払うことは自由です。自己破産をすれば他の借金の返済義務はなくなるため、滞納家賃を支払う余裕ができる可能性は高いといえるでしょう。

    ●今後の賃貸に影響が出る可能性
    最近の賃貸物件は、保証会社を利用するケースが増えていますが、自己破産をしたことで、信用情報が悪化して保証会社の審査に通りづらくなるおそれが生じます。

    しかし、あらゆる物件を借りられなくなるというわけではなく、連帯保証人を立てることで部屋を借りられる場合もあれば、保証会社が過去の自己破産を問題にしないというケースも考えられます。

  5. (5)親に内緒で自己破産できるか?

    親に内緒で自己破産できるかという点については、ケースによって結論が異なるといえますが、次の場合には、親に内緒にしたまま自己破産することは難しいといえます。

    ●未成年である場合
    債務者本人が未成年であるときには、法定代理人(通常は親権者)によらなければ自己破産の手続きを行うことができません。未成年者は契約や裁判手続きといった法律行為を単独ですることができないからです(既婚の場合は、成年擬制により成人に達したものとみなされます)。
    また、弁護士への手続きの依頼も法定代理人によってなされる必要があります。したがって、基本的に未成年者が自己破産する場合には、親に内緒にしておくというのは不可能でしょう。

    ●親から借金がある場合
    親から借金があるという場合は、親が債権者として破産手続きに関わることになるため、自己破産をする場合は、知られてしまうことになります。

    ●収入のある親と同居している場合
    自己破産を申し立てる際には、同居家族の収入を裁判所に申告する必要があります。そのため、収入のある親と同居している場合は内緒にしておくことは難しい場合が多いといえるでしょう。

3、早期に相談すれば自己破産以外で解決できる可能性も

自力での完済が難しいと感じるほどの借金を抱えてしまった場合には、できるだけ早く債務整理で解決することが大切といえます。早期に対応すれば、自己に有利な方法で、コストやリスクも抑えて借金問題を解決できる可能性が高くなるといえるからです。

自己破産は、借金問題の最終的な解決手段です。したがって、借金が少ない段階で対応することができれば、自己破産よりもリスクの小さい任意整理・個人再生で解決できる可能性も大きくなります。

  1. (1)任意整理のメリット・デメリット

    任意整理は裁判所を介さない手続きのため、比較的負担の少ない手続きといえます。
    弁護士に依頼するときの費用も自己破産・個人再生に比べれば抑えられるので、自力で工面できる場合も多いでしょう。

    しかし、任意整理は債権者との合意をベースに借金の返済負担を減らすことになるため、思ったよりも元金が減らないという可能性もあります。

  2. (2)個人再生のメリット・デメリット

    個人再生は、減額した借金を返済計画に基づき、原則3年で分割返済することになります。

    借金を大幅に減額できる可能性がある一方、個人再生は手続きが煩雑であり、弁護士に依頼する場合の費用も高額になります。一般論としては、学生には不向きな場合が多いと言えます。

4、借金の悩みは弁護士に相談

借金の返済が苦しくなったときには、問題をひとりで抱え込まずに弁護士に相談することが大切です。自分だけで何とかしようとしても、さらに借金を増やしてしまったり、ヤミ金や悪質な詐欺といった危険な取引に関わってしまったりするおそれもあります。

  1. (1)弁護士に怒られることない

    借金の悩みは、誰にとっても他人に打ち明けづらいものといえます。ましてや、借金が返せない状況に陥ってしまった場合には、「怒られるかもしれない」、「恥ずかしい」といった気持ちが強くなり、ますます相談しづらくなってしまいます。

    しかし、他人に悩みを打ち明けることは、自分の気持ちを落ち着かせ、冷静に判断できるようになるきっかけとなる場合も多いといえます。また、弁護士はご相談者の方の味方です。借金が返せないという状況は不安な気持ちばかりになってしまうことも多いといえますが、安心して弁護士に相談してみてください。

  2. (2)最善の解決方法をアドバイスしてもらえる

    借金の問題は、それぞれの具体的な状況に合った方法で対応することが、とても大切です。個人の判断では、そのときの感情や誤った見立てを優先させてしまい、効果が十分ではない対応や、リスクの大きい対応を選択してしまう可能性もあります。

    たとえば、相談者の方が自己破産でしか解決できないと思い込んでいるようなケースでも、任意整理などの他の手続きで解決できるケースもあります。弁護士に相談し、最善の解決方法をアドバイスしてもらうことが大切です。

5、まとめ

返済の苦しい借金を抱えている人にとって大きな不安は、債権者からの取り立てと毎月やってくる返済日です。しかし、これらの不安要素は、弁護士に債務整理を依頼するだけで解消することができます。

貸金業者は、弁護士から受任通知を受け取ると、債務者本人への取り立てができなくなります。また、債務整理に着手した場合は、毎月の支払いが一時的にストップします。
取り立て・返済日の不安が解消し、穏やかな生活を取り戻すことが借金問題を改善する大きなきっかけになることも珍しくありません。
当事務所では借金・債務整理の相談は無料で行っておりますので、借金の返済が苦しいと感じたときには、安心してお問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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