債務整理 弁護士コラム

家賃を滞納するとどうなる?家賃を滞納した際の対処法

2020年07月27日
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家賃を滞納するとどうなる?家賃を滞納した際の対処法

家賃は、生活の基盤である住まいを確保するために毎月支払わなければならないものです。通常であれば、家賃の支払いは最優先に行われるべきものですが、毎月の負担額も小さくないために、以下のような場合には滞納してしまうこともあるでしょう。

・収入が大幅に減った(収入ゼロになった)
・医療費などのより優先しなければならない支払いが増えてしまった

家賃滞納は、大きなトラブル(失業・大病・多額の借金)が原因となっている場合も多く、すぐに状況を改善させることは簡単ではありません。
そのため「今月だけは・・・」というつもりが、長期の家賃滞納になってしまうおそれもあるのです。
本コラムでは、家賃を滞納してしまった場合の(強制立ち退きまでの)流れと、滞納した家賃を解決する方法、家賃の支払いが苦しくなった場合の支援制度などについて解説していきます。

1、家賃滞納から強制退去(明け渡し)までの流れ

まずは、家賃を滞納してから強制的に部屋を追い出される(立ち退きの強制執行)までの流れを確認しておきましょう。

  1. (1)大家や管理会社(収納代行会社)からの支払いの督促

    家賃の滞納があると、大家や家賃の収納代行を行っている会社(管理会社など)から「毎月の家賃の支払いが遅れている」ことが連絡されます。
    連絡の方法は、郵便物(請求ハガキなど)、電話・メール(ショートメール)など、それぞれのケースによって異なります。
    一般的な家賃滞納は、入金や残高確認を忘れていたといった初歩的なミスが原因なので、その後すぐに支払って解消されることがほとんどです。
    連帯保証人がいるケースでは、連帯保証人に「家賃の滞納がある」ことが連絡されることもあります。

  2. (2)内容証明郵便による催告・賃貸借契約の解除

    大家などによる返済の催促(滞納の連絡)がなされても、家賃滞納が解消されないときには、さらに一段階厳しい「滞納家賃の取り立て」が行われます
    具体的には、債権者(大家や収納代行会社)から債務者(賃借人)宛てに「内容証明郵便」が送付され、「指定期日までに滞納が解消されなければ、賃貸借契約を解除する」ことを通知(解約予告通知の送付)されます。

  3. (3)建物明け渡し請求訴訟の提起

    内容証明郵便によって指定された期日までに家賃滞納が解消されないときには、物件の賃貸借契約が大家によって解約されることになります。
    賃貸借契約の解約と前後して、大家(管理会社)さんから賃借人に対しては、「部屋の明け渡し」を求める連絡がなされます。
    退去(期限)の通告は文書である必要はありませんので、電話(や訪問による口頭連絡)の場合もありますが、後のトラブルを避けるためにも内容証明郵便などの方法で行われることの方が多いでしょう。
    指定の期日が来ても賃借人が部屋を退去しない場合には、賃貸人(大家)によって「建物(部屋)の明け渡しを求める民事訴訟」が提起されます。
    賃借人を強制人に立ち退きかせるためには、訴訟を提起し確定した勝訴判決を得ておく必要があるからです。

  4. (4)明け渡しの強制執行の断行(強制退去)

    家賃滞納が原因で建物明け渡し訴訟を提起された場合には、家賃滞納の事実(賃貸借契約を解除できる事由があること)に間違いがない限り、賃貸人(大家)側の言い分が認められた判決が言い渡されることになります。
    原告勝訴(明け渡し請求の認容)判決が確定すると、大家は、賃借人を物件から強制退去させるための強制執行の手続きを行えるようになります。
    とはいえ、実際に「判決確定後ただちに強制執行」というケースは、あまり多くありません。建物明け渡しの強制執行は、債権者側の負担も小さくないからです。
    ただし、大家(管理会社)によっては、契約解除に至るまでの滞納家賃取り立ての交渉で、明け渡しの強制執行をしやすい条件を整えている(明け渡し断行時に部屋に残されている財産を放棄する誓約書などを取り交わす)場合もあります

2、物件を退去した場合の滞納家賃はどうなる?

家賃を滞納したまま賃貸物件を退去した場合の滞納家賃の取り扱いについても確認しておきましょう。

  1. (1)敷金がある場合

    物件を賃貸したときに敷金を差し入れているときには、滞納家賃は敷金と相殺されます。
    敷金は退去する部屋の原状回復費用にも充てられるため、滞納家賃が多いときには、敷金だけでは足りず、追加の支払いを求められる場合があります。

  2. (2)部屋を退去しても滞納家賃の支払義務は消えない

    当然のことですが、実際に住んでいた期間の家賃を滞納分は、部屋を退去しても支払義務がなくなるわけではありません。
    家賃の滞納が続けば、支払期限から賃貸借契約で定められた利率(もしくは法定利率)によって算出された遅延損害金も発生します。
    滞納した家賃については、貸主側と交渉をして「分割払い」で支払っていくようにする(滞納家賃を任意整理する)ことがもっとも一般的です。
    滞納家賃以外にも多額の借金があるというときには、滞納家賃の支払い分もあわせて、個人再生・自己破産で処理することも可能です。
    滞納家賃も「金銭の支払義務(金銭債務)」という意味では、金融機関からの借金と同じなので、債務整理の対象とすることができます。

    理屈の上では、滞納家賃だけでも個人再生・自己破産することは不可能ではありません。しかし、滞納家賃の問題だけを解決するために個人再生や自己破産の手続きを申し立てることには、「費用対効果の観点でメリットがない場合」や、「手続き利用の要件を満たさない(特に自己破産の場合)場合」など事態になるもリスクもあるのです

3、新しい部屋を探せるだけのお金がないときの救済手続き

家賃を滞納してしまう原因のひとつに、収入に対して家賃が高すぎるということがあります。
それまでは支払えていたけれど、何かしらの事情で減収となり家賃が支払えなくなった場合も同様です。
これらの場合には、「いまよりも家賃の安い物件」に引っ越すことで家計を改善できる可能性がありますが、実際には「引っ越したくてもお金がない」というケースも多いでしょう。
そのようなときには、地元自治体などの公的機関から支援を受けることも選択肢のひとつといえます。

  1. (1)自治体から住宅確保給付金の支給を受ける

    仕事を失ったことが原因で、住居を借りられなくなった(借りられなくなる可能性が生じた)場合には、居住地域の自治体から住宅確保のための金銭的支援を受けることができます(住宅確保給付金制度)

    住宅確保給金の支給条件は、それぞれの自治体が定めていますが、一般的には次の条件を満たしているケースでは支給を受けられる場合が多いといえます。

    • 離職などにより経済的に苦しくなり住居を失った、または失うおそれがある
    • 離職してから2年以内で申請者が65歳未満である
    • 申請者に就労能力・就職の意欲があり、ハローワークに求職申込を行っている
    • 離職前は、世帯の生計を主として維持していた者である
    • 現在の収入が、世帯条件ごとに定められている基準額以下である(単身者の場合には8万円+5万円程度の家賃額以下が目安額)
    • 世帯の預貯金の合計が、基準額以下(単身世帯は50万円以下が目安)である
    • 国および地方自治体などが実施する類似の貸付・給付などを受けていない
    • 生活保護を受給していない
    • 申請者および世帯員がいずれも暴力団員でない
  2. (2)生活保護の受給

    収入が完全に途絶えてしまった場合や、病気・怪我・高齢などの理由で働いて収入を得ることも難しい場合には、生活保護を受給することで生活を支援してもらうことが対応策として考えられます
    生活保護を受給すれば、引っ越しにかかる費用(新しい住居に入居するための初期費用(の一部)と引っ越し代)も生活保護から支給してもらえることがあります。

    ①転居にかかる費用を生活保護から支給してもらうための条件
    生活保護から転居のために必要な一時金を支給してもらえるのは、以下のいずれかに該当する場合です。

    • 宿所提供施設、無料低額宿泊所等を一時的な起居の場として利用している場合であって 居宅生活ができると認められる場合
    • 退職等により社宅等から転居する場合
    • 土地収用法、都市計画法等の定めるところにより立ち退きを強制され、転居を必要とする場合
    • 自治体などの指導に基づき、現在よりも家賃の低額な住居に転居する場合
    • 病院の入院患者、施設入居者が自治体などの指導に基づいて退院・退所するときに帰住する住居がない場合
    • 現在の居住地が就労場所から遠距離にあり、通勤が著しく困難であって、就業場所付近に転居することで、世帯の収入の増加、就労者の健康の維持等世帯の自立助長に効果があると認められる場合
    • 火災等の災害により現住居が消滅し、又は、居住にたえない状態になった場合
    • 老朽又は破損により居住にたえない状態になったと認められる場合
    • 世帯人員からみて著しく狭隘であると認められる場合
    • 病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合
    • 身体障害者がいる場合であって設備構造が居住に適さないと認められる場合
    • 住居が確保できないため、親戚、知人宅等に一時的に寄宿していた者が転居する場合
    • 家主が相当の理由をもって立ち退きを要求し、又は借家契約の更新の拒絶若しくは解約の申入れを行ったことにより、やむを得ず転居する場合
    • 離婚(事実婚の解消を含む)により新たに住居を必要とする場合
    • 高齢者、身体障害者等が扶養義務者の日常的介護を受けるため、扶養義務者の住居の近隣に転居する場合または、双方が被保護者であって、扶養義務者が日常的介護のために高齢者、身体障害者等の住居の近隣に転居する場合
    • 被保護者の状態等を考慮の上、適切な法定施設に入居する場合で、やむを得ない場合


    ②生活保護で支給してもらえる費用
    ①の条件に該当する場合には、新しい住居への引っ越しにかかる費用のうち、次の費用について援助を受けることができます。

    • 敷金
    • 礼金
    • 家財保険
    • 保証会社料
    • 仲介手数料
    • 前家賃
    • 前の住居から新しい住居への引っ越し代(引っ越し業者に支払う費用)


    なお、部屋を賃貸する際に発生する管理費(共益費)、鍵の交換費用、部屋の消毒費用などについては、生活保護では支援してもらえない可能性があります(支給してくれる自治体もあります)。

    支給上限額などの細かい条件については、生活保護を支給する自治体によって異なるので、それぞれの自治体の窓口に問い合わせてください。

4、家賃の悩みは弁護士に相談することも可能

「家賃が払えない」という問題は、弁護士や司法書士とは無関係のように思う人もいるでしょう。しかし、「裁判で立ち退きを求められる可能性がある」、「金銭の支払義務(借金と同じ)であること」を考えれば、法律問題のひとつといえます。
また、消費者金融・銀行・ヤミ金などからの借金がきっかけとなり、家賃の支払いが苦しくなったというケースも少なくないはずです。
上記の様な家賃滞納以外の他の借金が関係するケースでは、これらの金融機関からの借金を上手に解決することで、家賃滞納の問題も解決できることがあります。
借金問題に詳しい弁護士は、生活保護などのセーフティネットの情報も詳しいことが多いので、今後の生活を建て直すために必要な情報・アドバイスを提供してもらえるでしょう
借金問題の相談は、ほとんどの弁護士・司法書士事務所では「無料」です。
手持ちのお金がない場合でも、安心して相談することができるのです。

まとめ

家賃の支払いが苦しいという状況は、家計状況がかなり追い込まれている場合がほとんどです。
気持ちも焦ってしまいますし、「何をやってもダメ」とあきらめたくなることもあるでしょう。
しかし、「お金の支払いに行き詰まってしまった」という問題の大半には、さまざまな解決策・救済策が用意されています。
借金問題に詳しい弁護士に相談をすれば、それぞれのケースに見合った最適の解決策をアドバイスしてもらうことが可能です
弁護士の相談は無料で受けられる場合も少なくありません。「お金がない」という状況でもあきらめず、事態の解決を向けた行動にふみきりましょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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