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「生活が苦しい」と感じているときの対処方法や相談先、支援制度

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更新日:2024年11月11日 公開日:2020年05月18日

「生活が苦しい」と感じているときの対処方法や相談先、支援制度

「必死に働いても生活が苦しい」「働きたいのに働けない」「借金返済でどうすればよいのか分からない」などの悩みを抱える人は少なくありません。

このような生活苦には、働けない・給料が低い・借金を抱えていることが大きな原因となっているケースも多くあります。

本コラムでは、生活が苦しい状況から抜け出すための対処方法や相談先、支援制度について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、生活が苦しい原因を分析することが大切

「生活が苦しい」と感じる場合には、必ずその原因があるはずです。また、生活が苦しいときの対処方もその原因によって異なります。

したがって、「生活が苦しい」と感じているときには、現在の家計状況を見直して、生活が苦しい原因を正しく把握することが何よりも大切です。

もし、必ずしも必要ではない支出が多いことで生活が苦しいという場合には、自助努力だけで生活苦が軽減できることもあるかもしれません。

たとえば、生命保険・自動車保険・学資保険・スマホ代・光熱費といった固定費は、家計を圧迫する原因になりがちです。これらの見直しをするだけでも、月に数万円程度の支出を削れる場合があります。

2、「働きたいけれど働けない」ときには生活保護

病気やケガなどが原因で、「仕事はしたいけれど就ける仕事(収入を得る手段)がない」というときには、生活保護を受けるのが基本です。

  1. (1)生活保護の受給条件

    生活保護の受給条件は、次の4つです。

    • 世帯収入が最低生活費以下である
    • 預貯金や現金などの処分可能な財産がない
    • 援助してくれる家族や親族がいない
    • 病気などの緊急の理由で働けない(収入を得られない)


    このうち、もっとも基本的な条件は、「働きたいけど(十分に)働けない事情があり、月収が少ない」ということです。月収の基準は自治体によって異なりますが、月11万円~13万円程度が目安とよくいわれます。基準の詳しくは、地域ごとに確認してください。

    たとえば、自ら望んでホームレス生活を続けているような「まったく働く意思がない人」は、生活保護を受けることができません。

  2. (2)生活保護の受給をめぐってよくある誤解

    近年は、生活保護の不正受給が取り上げられることも多く、行政の対応も厳しくなっているようです。「問題になりそうな人には生活保護を支給したくない」という行政機関の本音が見え隠れしています。

    そのため、生活保護の受給については、さまざまな臆測やウワサも飛び交っているのが現状です。たとえば、以下はよくある誤解として挙げられるでしょう。

    • 借金があったら生活保護を受けられない
    • 持ち家や自動車があったら生活保護を受けられない


    たしかに、受給した生活保護費で住宅ローンを支払ったり、カードローンを返済することはできません。生活保護は、財産の形成を補助するための制度ではないからです。

    しかし、借金があるというだけで生活保護の申請を却下することは、生活保護法の趣旨に明確に反しています。

    また、持ち家がある場合、自家用車を保有している場合も同様です。たしかに、持ち家などを売却すれば当面の生活費を確保することができるという点では、生活保護受給の障害になる場合は少なくありません。

    ただし、家や自動車を処分できない事情があるときには、持ち家や自動車をもっていても生活保護を受けることが可能です。また、実際に生活保護を受けている事例もあります。

  3. (3)生活保護の受給で困ったときには「法テラス」に相談

    法テラス(日本司法支援センター)とは、法手続きに関する情報を国民に案内することを主たる業務としている機関ですが、生活に困っている人が法サービスを利用するための支援も行っています。

    生活保護の受給相談(支援)も、法テラスが力を入れている事業のひとつです。

    生活に本当に困っているのに生活保護が受けられない、もしくは申請すらさせてもらえないという場合には、最寄りの法テラス地方事務所に相談してみるとよいでしょう。

    >法テラス公式WEBサイト

3、「いまの仕事では収入が足りない」ときの対処方法

最近では、「ワーキングプア」という言葉がよくきかれるように、一生懸命働いているのに生活が苦しいと感じている人も少なくないようです。

  1. (1)副業するときには「就業規則」や「リスク」に注意!

    いまの定職での収入が足りないときには、副業を考える人も多いかもしれません。最近では、社員の副業を解禁する会社も増えてきました。

    しかし現状、いまだに多くの企業が就業規則で副業を禁止、あるいは事前の申請による許可が必要とされています。そのため、何かしらの副業を始めようと考えるときには、必ず就業規則を確認しましょう。
    また、副業の中にはリスク(損失が発生する可能性)を抱えるものもゼロではありません。

    特に、FXや株といった投機行為は「儲けるつもりが逆に借金を作ってしまった」というケースもかなり多く見受けられます。これらの行為で安定収入を得ることは、決して簡単なことではありません。

    最近はFXトレーニングアプリなども多くありますが、ゲームとしての投機行為と実際にお金を用いる投機行為は、明らかに別物です。

    さらに、副収入が欲しいと考える人を狙った詐欺や悪質商法も増えています。いわゆる情報商材詐欺(「儲かるおいしい情報を売ります」といった類いの商法)の被害に遭わないように注意しましょう。

    「本当に儲かる話」であれば、誰にも教えずに自分だけで行うのが本来的にはもっとも合理的なのですから、これらの商法はまず疑ってかかることが大切です。

  2. (2)転職するまでのつなぎ収入をどう確保するか

    いまの勤務先からの収入(給料・賞与)が少ないというときには、転職を考えるのもひとつの方法です。しかし、すべてのケースで転職がスムーズに行くというわけでもありません。

    たとえば、よい条件の仕事に就くために、資格や特殊技能を取得しなければならない場合もあるからです。これらのケースでは、今の仕事を退職後、資格・技能取得の期間を経なければ新しい仕事に就けないことになります。

    この間の生活費を工面するアテがないことが理由となって、転職に二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。

4、生活保護・失業保険以外の3つの支援制度

今の仕事を退職してから新しい仕事に就くまでの生活費や、資格・技能取得のための費用を工面する方法としては、生活保護や失業保険の他に、生活困窮者自立支援制度、ハローワークの求職者支援制度、教育訓練給付金などが考えられます。 いずれの制度も相談・申し込みの窓口はハローワークです。

  1. (1)生活困窮者自立支援制度

    生活困窮者自立支援制度とは、平成27年に施行された生活困窮者自立支援法に基づき、主として失業・離職している生活困窮者向けのさまざまな公的支援の総称です。

    生活保護の手前の状況にある人向けのセーフティーネットとして理解しておけばよいでしょう。

    支援の内容としては、以下のようなものがあります。

    • 自立支援相談事業
    • 就労準備支援事業
    • 就労訓練事業
    • 一時生活支援事業
    • 住居確保給付金の支給
    • 家計相談支援事業
    • 生活困窮世帯の子どもの学習支援


    たとえば、離職にともなって家賃を支払えなくなる可能性がある場合には、住宅確保給付金による助成を受けることができ、離職期間が長くなりすぎてすぐに働けない事情があるときには、就労準備支援事業や就労訓練事業(いわゆる中間的就労)による段階的サポートを受けることも可能です。

    制度利用の相談は、全国の社会福祉協議会や自治体窓口(生活福祉課)などで受け付けています。

    参考:生活困窮者自立支援制度(厚生労働省WEBサイト)

  2. (2)ハローワークの求職者支援制度

    ハローワークでは、離職者(失業者)向けに職業訓練を実施しています。この間の生活費などの助成としては月10万円(+交通費)が支給されます。

    ただし、この支援による給付を受けるためには、以下の条件を満たさなければなりません。

    • ハローワークに必要な登録をしている
    • 本人の収入が8万円以下である(世帯収入が25万円以下である)
    • 選考試験(面接および筆記※国語・数学)に合格する
  3. (3)教育訓練給付金

    教育訓練給付金とは、再就職を促進するために、教育訓練費用の一部を支給してくれる国(厚生労働省)の助成制度です。

    受講する教育訓練の内容や受講期間などに応じて、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」に分けられます。

    ①条件
    教育訓練給付金の支給を受けられるのは、次の条件を満たしている人です。

    • 退職(離職)から1年までに対象講座が開始される人(もしくは在職中の人)
    • 退職するまでの雇用保険被保険者期間が3年以上もしくは、受講開始日に雇用保険の被保険者期間が3年以上の在職者
      ※当面の間は、初めて給付を受ける人は被保険者期間「1年以上」であれば受給可能
      ※受講開始日が66歳となる誕生日の前々日までであること(66歳になると雇用保険の一般被保険者ではなくなるため)



    ②支給額

    • 一般教育訓練給付金は、入学料・受講料
      (最大1年分)の20%(10万円が上限)
    • 専門実践教育訓練給付金は費用の50%(上限年額40万円)を原則2年
      (最大3年間)


    また、専門実践教育訓練給付金の受給者が次の条件を満たす場合には、離職直前6か月間の日額手当(もしくは失業手当)の8割相当額の給付金の支給を受けることも可能です(教育訓練支援給付金)。

    • 一般被保険者でなくなってから1年以内に専門実践教育訓練を開始する方
    • 専門実践教育訓練を修了する見込みがあること
    • 専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること
    • 受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと
    • 受給資格確認時において離職していること。また、その後短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと
    • 会社役員、自治体の長に就任していないこと
    • 教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年10月1日以前に受けたことがある場合は例外があります)
    • 専門実践教育訓練の受講開始日が令和4年3月31日以前であること

5、「借金で生活が苦しい」ときに弁護士に相談するメリット

生活が苦しい原因に、「借金の返済があるから」という方も多いでしょう。

毎月の収入の多くが返済に消えてしまえば、当然自由に使えるお金だけでなく、生活に回せるお金も少なくなります。また、生活費が足りなくて借金をしたら、余計に生活が苦しくなってしまったという人もいるかもしれません。

借金返済の負担は、債務整理をすることで必ず軽くできるといえます。

たとえば、自己破産をすれば、法律上処分可能とされる財産の処分(生活家電などは差し押さえられません)と引き替えに、すべての借金の返済が免除されます。もっとも簡易な債務整理である任意整理でも、「今後の利息は全額免除」という和解を債権者と交わせることが多いです。

利息がなくなるだけでも、完済までの支払総額を10万円単位で減らせる場合も少なくありません。たとえば銀行カードローン50万円を任意整理すれば、完済までに支払う25万円以上の利息が免除になります。

債務整理は、1社からしか借金していない場合や、まだ借金を滞納しているわけではないような場合でも手続きをすることが可能です。

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6、債務整理を依頼する費用がなくても大丈夫?

「生活が苦しい」と感じている人にとって、弁護士に債務整理を依頼するということは、ハードルの高いことと思うかもしれません。しかし、債務整理はお金に困っている人を助けるための手続きなので、それにかかる費用も依頼人が負担しやすいように工夫されています。

  1. (1)債務整理の相談は無料で受けられる

    債務整理の相談は、債務整理を引き受けている法律事務所であれば、ほとんどが無料相談を実施しています。したがって、相談するための費用を心配する必要はありませんが、念のため、相談前に費用の確認をするとよいでしょう。
    また、相談=依頼ではないので、自分が信頼して依頼できる弁護士を見つけるまで何人の弁護士でも相談することが可能です。

    弁護士は直接会って相談してみないと「誰に頼むべきか」を判断できない場合がほとんどだと思いますので、とにかく相談を受けてみることをおすすめします。

  2. (2)公的支援で費用を借りられる場合も

    債務整理をしたいけど、離職や低所得が原因で費用を工面できないというときには、総合支援資金(一時生活再建費)を利用できる場合があります。

    具体的な対応状況については、お住まいの地域の社会福祉協議会に相談してみてください。

  3. (3)低所得者は、法テラスが費用を立て替えてくれる

    生活保護受給者や、それに近い所得水準にある世帯の場合には、法テラス(日本司法支援センター)が行っている「民事法律扶助」が、債務整理の費用を立て替えてくれます。

    生活保護世帯の場合であれば、立替費用の返還も免除されます。また、所得状況によっては、返還の猶予・免除の制度もあります。

    民事法律扶助の利用についても、それぞれの法律事務所で相談することが可能です。

  4. (4)債務整理の費用は、分割払いも可能

    債務整理にかかる弁護士費用は、分割で支払うことも可能な事務所が多いです。

    債務整理を依頼すれば、金融機関への借金返済は一時的に取りやめることになります。その分を費用の積み立てにまわすことができます。

    また、債務整理の費用は、任意整理であれば、一般の人が思っているほど高くない場合も少なくありません。
    たとえば、債権者1社だけを債務整理する場合であれば、諸費用込みで5~7万円程度で済むことも珍しくありません。完済までに金融機関に支払う利息額と比べればかなり安い金額です。

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7、まとめ

「苦しい」と感じている今の生活を抜け出すことは、簡単ではないかもしれませんが、不可能なことではありません。しかし何もしなければ、今の状況が良くなる方向に動くことはないでしょう。

一歩踏み出すことにはリスクもありますが、それを補ってくれる支援の仕組みや専門家の力を上手に活用することが大切です。

特に、借金が原因で生活が苦しいと感じている方は、債務整理専門チームを組成するベリーベスト法律事務所へご相談ください。当事務所では、債務整理に関するご相談を何度でも無料で承っております。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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