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過払い金訴訟ってプライベートに影響があるの? 過払い請求とプライベートを徹底検証

2019年12月04日
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過払い金訴訟ってプライベートに影響があるの? 過払い請求とプライベートを徹底検証

支払いすぎた利息を返還してもらう、過払い金請求。一見何もデメリットがないような制度に思えます。しかし、実際プライベートになにも影響はないのでしょうか?
今回は気になる過払い金請求とプライベートの関係をご紹介していきたいと思います。

1、過払い金の仕組み

まずは過払い金請求の仕組みを確認していきましょう。

  1. (1)過払い金とは?

    かつて、お金を借りる際の「金利」について、「利息制限法」と「出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)」には、上限金利に差がありました。
    利息に関する基本的な法律は「利息制限法」の方ですが、この法律には規定を超えた金利での貸し付けについての罰則規定はありません。いわゆる高利貸の罰則を規定するのは「出資法」の方となります。
    利息制限法では15~20%(年利)が金利の上限と規定されていましたが、出資法では29.2%(年利)が金利の上限であり、この利息制限法と出資法の差額金利が「グレーゾーン金利」といわれています。グレーゾーン金利は、利息制限法上違法ではあるものの、出資法上では違法ではない、ということがお分かりいただけると思います。

    「グレーゾーン金利」分の金利は、(理論的には)「返して」と請求すれば返してもらえます。これが「過払い金返還請求」ですが、では、なぜ以前はこのような請求がなされなかったのでしょうか。

    それは、この「グレーゾーン金利」は貸金業規制法における「みなし弁済」の規定があったからです。「みなし弁済」の規定とは、「自らの意思により支払った弁済は(利息制限法を超えていても)有効」という規定です。つまり、弁済が有効とされてしまい、「返して」とさえ言えなかった、ということです。
    こうして、グレーゾーン金利分のお金は、借り主が「自ら払ったもの」として消費者金融業界でまかり通るようになっていました。

    これに対し、2006年1月13日に最高裁判所でみなし弁済を無効とする判決が出されました。大変画期的な判決でした。この判決によって貸金業規制法の改正が行われ、みなし弁済は撤廃されました。また、出資法の上限金利も20%に引き下げられました。

    こうして、2006年以降、それまで発生していた過払い金をようやく「返して」と請求することができるようになったのです。

  2. (2)過払い金請求でできること

    過払い金請求をすることで、利息制限法を越えて支払ったお金が返還されます。借金を完済している場合は利息制限法を越えて支払ったお金を返還してもらえます。

    また、借金を返済中の方でも過払い金請求をすることができます。過払い金額を計算(これを引き直し計算といいます)した結果、借金がなくなって過払い状態となれば、借金の支払い義務がなくなるうえに過払い金額も返還されます。引き直し計算によっても借金が残る場合でも、過払いが生じていれば借金の支払金額を減らすことができます(この場合は「任意整理」という手続きになります)。

  3. (3)過払い金請求を行うべき人とは?

    借金を完済した方は過払い請求を行うべきです。過払い請求を行ってもなんらデメリットを負うことがないからです。ただし、時効には注意しましょう。時効について詳しい記事はこちらをご覧ください。
    参考記事:過払い金返還請求の消滅時効は10年って本当? 期限が近づいたときの対策

    また、借金を返済中の方でも、引き直し計算の結果過払いとなる方は、借金から解放されるうえに、払いすぎたお金を返してもらえるため、過払い金請求をすべきと言えます。

    問題になるのは、引き直し計算をしても借金が残る方の場合です。このケースは「任意整理」という手続きに入ることになります。その結果、信用情報に事故情報が掲載される(いわゆるブラックリスト入りする)可能性があるのです。
    このような方は、個別具体的にメリットとデメリットを検証しながら、任意整理を行うのかを考えていきましょう。

2、過払い金請求とプライベートその1:ブラックリストへの掲載

過払い請求をすることで、ブラックリストに載ってしまうことはあるのでしょうか。

  1. (1)ブラックリストとは?

    借金などの支払いが滞ったなどの場合に、事故情報や延滞情報が金融機関の個人信用情報に登録されることを「ブラックリストに載る」といいます。
    ブラックリストに載ってしまうと、新規の借金やクレジットカードの発行の際の審査が、一定期間(5~10年)通らない可能性が生じます。

  2. (2)過払い金請求をするとブラックリストに掲載されるのか?

    原則的に過払い金請求とブラックリストは無関係です。過払い金請求は、「自分の支払ったお金を返してもらう」手続きでしかないからです。そのため、過払い金請求を行うことでブラックリストに掲載されることはありません。
    しかし、前述のとおり、借金返済中でなおかつ引き直し計算をしても借金が残ってしまうケースでは、任意整理という手続きになるため、ブラックリストに掲載されてしまうので注意が必要です。

  3. (3)過払い金を請求する上での注意点

    問題となるケースは、現在借金返済中で、過払い金を考慮しても借金が残る場合のみです。
    過払い金は貸金業者ごとに手続きを行います。そのため、完済した業者だけを選んで過払い金を請求すれば、ブラックリストに掲載される心配をする必要はありません。

3、過払い金請求とプライベートその2:どこまでプライベートを聞かれるのか?

過払い金請求では、弁護士にどこまでのプライベート情報を開示しなければいけないのでしょうか。
基本的に過払い請求の相談では下記のことを聞かれます。

①現在の借入先と借入金額
過払い請求をする消費者金融だけではなく、現在の負債状況(住宅ローンや車のローンなど)を聞かれます。

②過去の借入先と借入金額
過払い請求は支払いすぎた利息を返還してもらう制度であるため、過去に完済した貸金業者に関する支払い状況なども聞かれることになります。

③収支状況
本人だけではなく、家計を共にする家族の収支状況も聞かれることになります。

④借金をした理由
なぜ当時消費者金融からお金を借りることになったのか、その経緯を聞かれることもあります。

⑤そのほか
過去に完済した履歴のコピーや現在支払っていることがわかる書類などを用意すると話がスムーズに進行します。過去に完済した書類などは捨ててしまったという場合は、借入先&借入金額のリストを用意してもよいでしょう。
また身分証明書のコピーを求められますので、身分証明書も準備する必要があります。

4、過払い金請求とプライベートその3:プライベートの生活への影響

  1. (1)過払い金請求をすることで変わること

    ①借金を完済している場合
    借金を完済している場合、過払い請求をすることにより基本的にプライベートで何か影響が出ることはありません。積極的に過払い請求をすべきケースであるといえます。

    ②借金を返済中かつ過払い金請求で借金を完済できるケース
    引き直し計算をして過払い状態となる場合も特にプライベートで影響が出ることはありません。ただ、過払い金請求する金融機関によっては一時的にブラックになる場合はあります。

    ①・②のケースの場合でも以下のことに注意しましょう。
    ●ショッピングの支払い残金の確認
    クレジットカードの過払い金請求をする際に、過去の借金を返済したとしても現在のショッピング枠に未払いの債務があって、それが過払い金より多い場合、任意整理の扱いになってしまうおそれがあるので注意が必要です。

    ●過払い金請求を行った場合、クレジットカードが使えなくなる
    過払い金請求をおこなったクレジットカード会社のカードは利用することができなくなります。事前に他のクレジットカード会社で新規にクレジットカードを作っておきましょう。また、クレジットカードを公共料金の引き落としに利用している場合、過払い請求後引き落としができなくなりますので、事前に支払方法を変更しておきましょう。ETCカードも同様です。

    ③借金を返済中かつ過払い金を考慮しても借金が残ってしまう場合
    借金を返済中かつ引き直し計算をしても借金が残ってしまう場合は、任意整理となるためブラックリストに記載されてしまいます。
    借金を完済している貸金業者に絞って請求をするか、請求を先延ばしにするか、各自の状況によって判断が必要になります。
    借金の支払金のために生活が圧迫されているなどの場合は過払い金請求と同時に債務整理を行うなどの手段も考慮したほうがよいケースもあります。
    自己判断せずに、まずは弁護士などの専門家に相談してみましょう。

  2. (2)プライベート重視の場合の注意点

    実際、過払い金請求は過去の出来事(借り入れ)に起因するものです。過去に完済した借金のことで、今の生活に支障をきたしたくないと考えるのは当然です。
    ここではプライベートを重視する方のために、過払い金請求で注意すべき点をご紹介していきます。

    ①会社や自宅への連絡に気を付けましょう
    過払い金請求をする場合、自分で行う場合は借金していた貸金業者から、弁護士に依頼した場合は弁護士事務所などから来る連絡の手紙や電話で家族に過去の借金問題がばれてしまうこともあります。弁護士の場合、事前の打ち合わせで「家族や職場に知られたくない旨」を弁護士に伝えることで、適切な対策をとってくれます。その際、しっかりと対応策を提示してくれる事務所を選択するようにしましょう。

    ②裁判になる場合は気を付けましょう
    過払い金請求が和解で決着がつかない場合、裁判になることがあります。弁護士に依頼せずに自分自身で裁判を起こすことも可能ではありますが、裁判所からの書類が自宅に届いてしまうことになるため、家族に隠し通すことが難しくなるかもしれません。また、裁判に必要な書類の作成などには、法律の知識が必要にもなってきます。
    その点、弁護士に依頼すれば一括で手続きのサポートや対応をしてくれます。過払い金請求を弁護士に依頼すれば、裁判になった場合にも引き続き対応をしてくれるため安心です。

5、まとめ

今回は過払い金請求を「プライベート」目線からご紹介してきました。一般的には過払い金を請求することでプライベートには影響がないと考えられがちですが、細かいポイントでプライベートに影響をきたすこともあります。
プライベートに影響が出ないように、しっかり下準備をしたうえで、過払い金請求に取り組んでいきましょう。
借金についてお悩みの場合や過払い金請求をするべきか迷っている場合には、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。過払い金請求の経験豊富な弁護士が、あなたの状況に適したアドバイスやご提案をいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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