債務整理 弁護士コラム

過払い金返還請求の消滅時効は10年って本当? 期限が近づいたときの対策

2019年10月02日
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過払い金返還請求の消滅時効は10年って本当? 期限が近づいたときの対策

過払い金には時効があり、期限が迫っている場合にどう対処すればいいか知っている人は多くありません。
もし時効を迎えそうなら、何らかの対処をして過払い金を取り戻したいものです。

結論からいうと、過払い金の消滅時効は10年です。
消滅時効は10年ですが、期限が過ぎたとしても場合によっては過払い金を返還してもらえます。
そこで今回は、
●過払い金返還請求の消滅時効はいつから10年なのか
●消滅時効を迎えても過払い金返還請求できるケース
●消滅時効が迫っているときの対策
などについて解説していきます。

過払い金返還請求の消滅時効で悩んでいる人のご参考になれば幸いです。

1、過払い金請求の消滅時効の知識

まずは、過払い金が無くなる消滅時効について解説していきます。

  1. (1)過払い金請求の消滅時効は取引が終了してから10年

    過払い金の消滅時効は、取引終了時から10年です。

    (債権等の消滅時効)
    第一六七条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する

    (引用:民法第167条)

    たとえば、2000年から借り入れをして2008年10月に借金の完済ができたとします。この場合、過払い金の消滅時効は2018 年10月です。
    消滅時効は10年のため、2018年11月になってしまうと過払い金返還請求はできません。

    なお、完済している債務については、取引終了時は上の例のとおり完済日で問題ありませんが、完済していない債務については最後の入出金日となります。

  2. (2)実は時効の完成時期の判断は難しい!

    時効は取引終了時から10年経過で成立すると言うと、一見、時効消滅の時期は単純にわかりそうです。
    しかしとりわけ「借金」の消滅時効については複雑です。なぜなら、同じ債権者(貸主)から複数回の借り入れをすることが多いからです。
    一般的に多く利用されている借金(個人)は、カードキャッシングで代表されるように、同じ業者(債権者)から借りて・返して・借りて・・・を繰り返されています。
    たとえば次のケースを見てみましょう。

    2018年1月10日に5万円借りた ― ①
    2月27日に5万円(プラス利息)を返済

    3月4日に3万円借りた  ― ②
    4月27日に3万円(プラス利息)を返済
    ※以降の借り入れは一切ないものとする

    この場合、①の借り入れに関する過払い金請求権は、2028年2月27日に時効消滅が成立します。
    基本的には、②の借り入れに関する過払い金請求権は、2028年4月27日に消滅時効が成立です。

    しかし、これがたとえばカードキャッシングであれば、①の借り入れの契約と②の借り入れの契約は別々に締結されることはありません。カードキャッシングの利用に関する包括契約が存在し、そこにひもづいて個々に借り入れをしているわけです。

    もし①と②の借り入れを同じ契約(取引)の元で行われていると考えれば、時効消滅の日も変わります。
    つまり、①の借り入れに関する過払い金請求権の時効消滅も、②の借り入れと同様の2028年4月27日になるわけです。
    このように、一つの取引とみなされた複数の借り入れは「一連取引」といい、債務者側に有利になります。
    一方、複数の借り入れをそれぞれ単独の借り入れとすることを「取引の分断」といい、債権者側に有利になります。
    過払い金返還請求権での裁判では、多くの場合、これが大きな争点となっています。

    借金関連の実務では、多くの場合、多数の取引が複雑に存在します。そのため、いつ時効消滅しているのか、その判断はとても難しいものです。 判断が難しい場合はぜひ弁護士にご相談ください。

2、10年たっても過払い金請求できるケース

消滅時効の10年が過ぎても過払い金返還請求できる場合もあります。

  1. (1)一連取引の場合

    上でご紹介したように、複数の借り入れでも1つの取引と考える一連取引という考え方があります。一連取引といえる借り入れであれば、その借り入れ1つは10年以上経過していたとしても、最後の取引日から10年以内であれば過払い金返還請求できる可能性があります。

  2. (2)暴力や脅迫の『不法行為』があった場合

    貸金業者から暴力や脅迫、嫌がらせを受けていた場合は、民法第724条の不当行為に損害を知ったときから3年です。 この「損害を知ったとき」を取引履歴の開示のときとすると、完済から10年以上たっていても、損害賠償金として過払い金を取り戻すことができるというわけです。ただし「過払い金」とは無関係に行われた不法行為は、これに該当しません。

    (不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
    第七二四条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

    (引用:民法第724条)
    消滅時効の10年が経過しても、後から不当行為が明らかになったのなら貸金業者へ過払い金返還請求できます。

3、過払い金請求の時効を中断する方法

過払い金の消滅時効が迫っているならストップさせましょう。

  1. (1)時効の期限に余裕があるなら『裁判上の請求』

    過払い金の消滅時効が約1年あるなら、訴訟を起こして裁判上の請求をしましょう。裁判所が過払い金返還請求の訴訟を受理すれば時効は中断されます。

    (裁判上の請求)
    第一四九条 裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

    (引用:民法第149条)

  2. (2)時効まで残り3ヶ月以内なら『裁判外の請求』

    過払い金の消滅時効の期限が3ヶ月を切っているなら裁判外の請求(※)をしてください。
    裁判外の請求とは、貸金業者へ過払い金返還請求をするという文書を内容証明郵便(いつ、誰が誰に、どんな内容の文書を送ったか証明する郵便)で送ることです。

    裁判外の請求をすれば、6ヶ月間ですが消滅時効をいったんストップできます。
    ただし一度しか使えませんので注意しましょう。

4、時効を確認するなら取引履歴を請求する

あなたの過払い金が時効かどうか確かめるなら、貸金業者から取引履歴を請求しましょう。取引履歴とは、貸金業者からの借り入れや返済の履歴のことです。

取引履歴は確認すれば、貸金業者と最後に取引した日付がハッキリ分かります。取引履歴の請求方法につきましては、貸金業者のホームページをご確認ください。

5、まとめ

過払い金の消滅時効は、取引終了時から10年です。 消滅期限が迫っている人なら、以下の対策をしてください。

  • 裁判上の請求:時効をリセットできる
  • 裁判外の請求:時効を6ヶ月間ストップできる

仮に消滅時効は過ぎていると思われる場合でも、一連取引で最後の取引(完済または出入金処理)から10年以内である場合や、貸金業者から不当行為を受けていたりするなら、過払い金を返還してもらえる可能性があります。

自分の過払い金の消滅時効について分からない人は、弁護士に相談してみてください。

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