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借金のある彼氏と結婚して幸せになれる? チェックポイントとリスク

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更新日:2024年12月25日 公開日:2019年11月18日

借金のある彼氏と結婚して幸せになれる? チェックポイントとリスク

人生のなかでも、大きなイベントのひとつが結婚です。

彼氏との結婚を考えているけれど、「借金がある相手と結婚して大丈夫なのだろうか」「本当に幸せになれるのだろうか」と不安を感じている方もいるでしょう。

事実、金銭的な問題で離婚する方も少なくないため、しっかりと検討したうえで結婚を決断することが大切です。

本コラムでは、借金がある彼氏と結婚してよい場合・してはいけない場合、借金を解消する方法などについて、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。

この記事で分かること

  • 借金のある彼氏と結婚したときに生じるリスク
  • 結婚を決断する前に確認しておくべきポイント
  • 借金を解消できる「債務整理」という方法

1、借金のある彼氏と結婚する5つのリスク

借金がある彼氏といざ結婚となると、とても不安でしょう。
彼氏に借金がある場合、次のようなことが将来のあなたの現実になってしまう可能性があります。

  1. (1)お金に困る人生になる

    お互いに独り身のときには週末のデートも楽しくできますが、結婚するとなると、何よりも生活が第一になります。

    一緒に生活し始めると「外食するぐらいなら貯金した方が……」なんてことも思ってしまいがちです。何をするにも、最初に頭をよぎるのはお金。そんなふうに、「お金に困る人生」となってしまうかもしれません。

    共働きの2人暮らしなら生活費に余裕はあるかもしれませんが、同居し始めて数年もたてば子どもができる可能性もあります。子どもができれば、当然ながらあなたは仕事できない期間が生まれますし、キャリアも断絶してしまう可能性もあるのが現実です。

    借金に追われる夫婦生活は、本当に悲惨なものです。どんなに彼のことが大好きでも、彼自身の借金は結婚する前に整理してもらうようにしましょう。

  2. (2)借金を繰り返される

    20代~30代の独身ですでに借金がある彼は、将来的にも同じように借金を繰り返す可能性が高いです。

    というのも、家を買うためでもなく、生活も現状は自分一人さえ賄えばよいにもかかわらず、そのお金すら他人から借りているという状態は、もはや彼自身の人生観を反映していると言わざるを得ません。
    「結婚を機に人間が変わる」というのも、ドラマや映画の世界だけの話です。

    実際には、彼氏のだらしのない金銭感覚や、無駄づかいに振り回されてしまう可能性が高いでしょう。そんな彼に対してあなたが不満をぶつけるたびに、お互いの溝が深まってしまいます。

    自分で起業したので借金があるとか、親の住宅ローンを肩代わりするために借金があるといったような話であれば原因がはっきりしているため、その後も借金を繰り返す可能性は低いでしょう。

    しかし、個人的な理由の借金がある状態で結婚を申し込んでくる時点で、相手の感覚を疑う必要があります。
    人間はそう簡単に変わることはできません。「借金を0円にしてくるまでは結婚なんて考えられない」と断るぐらいのショック療法が必要です。

  3. (3)自分にも債権者からの支払請求がくる

    結婚している夫婦といえども、法律上は別の人間として扱われるのが原則です。
    ただし、生活を一緒にしている以上、印鑑登録している実印などを同じ場所で管理することが多いでしょう。

    そうなると、彼氏が勝手にあなたを自分の借金の保証人にしてしまうようなことも起こりかねません。借金の保証人となった場合、彼が借金を返せなくなったらあなたに対して借金の請求が来ることになります。

    最悪の場合には、あなたの勤務先のお給料なども差し押さえられてしまい、勤務先の人たちにも借金があることを知られてしまうでしょう。

    ただし、あなたの了承なく勝手に保証人にされていた場合は無効となりますので、お困りの際は弁護士にご相談ください。

  4. (4)自分の稼ぎを取られてしまう

    結婚して夫婦になると、どんなにきっちりと管理しようとしても、お互いの財布を完全に分けることは難しくなります。

    同居している家の家賃や光熱費は、ひとつの銀行口座から引き落としにせざるを得ませんし、食費に関して厳密にお互いの負担分を設定するのは難しいでしょう。
    そうなると、気づいたらあなたの方が彼よりたくさんの生活費を負担しているなんてことにもなりかねません。

    借金がある彼は、すでにその返済でお金がどんどん出ていっている状態といえます。
    自分との生活費を支払う前に、消費者金融やクレジットカード会社に優先的にお金を払っていることも、結婚当初は許せるかもしれませんが、いつかは精神的に受け入れられなくなる日が来るかもしれません。

  5. (5)家を建てたり子どもを作ったりできない

    結婚する時点で借金がたくさんある彼氏は、すでに金融機関のブラックリストに入れられているかもしれません。

    ブラックリストというのは、信用情報機関という情報ネットワーク上で「この人は過去に借金をちゃんと支払わなかったことがある」という履歴が登録されてしまうことです。

    このようなブラックリスト登録がされている状態だと、マイホームを購入するための住宅ローンを組んだり、自動車を購入するためのローンを組んだりすることができません。

    また、借金が原因で生活が苦しい状態では「子どもを持つ」という選択肢が考えられなくなってしまう可能性もあります。

    女性が子どもを産める年齢には確実にタイムリミットがありますから、子どもがほしいのであれば、そこから逆算して人生設計を考えましょう。

    今、相手をどんなに愛していても、生活が成り立たない状態でその気持ちを継続するのはとても困難です。
    若いうちの貧乏は恥ではありませんが、30代以降になってもお金がない男性というのはどんどん魅力を失っていくものといえます。

2、離婚理由の第2位は「経済的理由」!?

裁判所が毎年公表している司法統計において、 令和5年(2023年)版のデータによると、女性(妻)側が離婚の申し立てをした理由は、以下のようになっています。

  • 1位:性格が合わない
  • 2位:生活費を渡さない
  • 3位:精神的に虐待する
  • 4位:暴力を振るう
  • 5位:異性関係
  • 6位:その他
  • 7位:不詳
  • 8位:浪費する
  • 9位:性的不調和
  • 10位:家庭を捨てて省みない
  • 11位:酒を飲み過ぎる
  • 12位:家族親族と折り合いが悪い
  • 13位:病気
  • 14位:同居に応じない


  • 「性格が合わない(=性格の不一致)」が第1位ですが、第2位に「生活費を渡さない」という経済的な理由があがっているのに驚く方も多いのではないでしょうか。

    「お金に余裕があるのに生活費をわたさない」というケースも中にはあるかもしれませんが、多くのケースでは「借金などがあって生活費を渡したくても渡せない」というのが実情でしょう。

    このように、借金による経済状態の悪さは、婚姻関係そのものを破壊してしまう原因となることを理解しておかなくてはなりません。

    なお、単に「借金がある」ということのみでは、離婚事由とはならないことも知っておいてください。離婚は、原則として夫婦双方の同意がないと成立しないため、あなたがどんなに離婚をしたくても、相手が同意しない限りは離婚できない可能性があります。

    夫婦の一方からの意思表示のみによって離婚を成立させるためには、法定離婚事由(民法第770条第1項)として、以下のような事情があることが必要です。

  • 配偶者に不貞行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

  • 3、結婚の決断前に確認すべきは「借金の理由」

    ここまでは借金のある彼氏についてはかなり否定的な内容を書いてきましたが、ここからは「借金の理由別」に、許容できるケースとそうでないケースについてみておきましょう。
    あなたの大切な彼に、次のような事情が当てはまらないでしょうか。

    ぜひチェックしてみてください。

    1. (1)客観的に仕方ない事情であったかどうか

      もし彼に借金があったとしても、その借金を作ってしまった理由によっては許容できるケースがあります。

      たとえば、「家族が高額医療を受ける必要のある病気になってしまったので仕方なく借金をした」「人生をかけてチャレンジしている起業のために借金をしたが、そのビジネスが軌道に乗るかどうかの段階である」といった事情があるなら、その借金は許容できる可能性があります。

      もちろん、どのような理由であれ借金は期限までに返済しなくてはならないものですから、負担は変わりません。ただし最悪の場合、借金は合法的に免除してもらったり、減額してもらったりする「債務整理」を利用することは可能です。

      重要なのは「借金の原因」が彼の性格によるものかどうかを見極めることです。借金を作ってしまった理由が単に彼のだらしない性格や、生活態度に根差すものでないでしょうか。

      彼の性格に原因があって借金を抱えている場合、何度救済措置を受けたとしても、また借金を繰り返してしまう可能性が高いといえます。

      また、友人を助けるために保証人になったなど、一見仕方がないような事情であっても、実は人生経験が未熟であることの裏返しとなっているような理由もあることに注意しておきましょう。

      あなたと結婚する彼は、あなたの将来の生活をにぎる大黒柱となる男性です。
      どんなに性格が良い人であっても、生活力がない人や、自分で自分の身を守ることができないようでは「頼りない」と言わざるを得ないでしょう。

    2. (2)お金遣いが荒い、ギャンブルなどを理由とする借金の場合はよく考えて

      極端にお金遣いが荒い、ギャンブルをする習慣があるといった事情がある場合には、要注意といえます。

      このようなことを理由に借金までしてしまうというのは、日頃のストレスを「極端な買い物をすること」「ギャンブルをすること」などの行動によって解消する癖がついているのかもしれません。

      また、「お金遣いが荒い」という行動は、彼の性格にもとづくものである可能性もあるでしょう。

      あなたの前で見せる彼のお金遣いの荒さは、彼の見栄っ張りな性格や、女性に軽く見られたくないとかいった虚栄心を反映していないでしょうか。
      日頃の彼の言動をよく観察して、本当に信頼に足る人であるのかを見極めておくことが大切です。

      「借金がある」という現在の彼の状態は、良くも悪くも彼の性格や、これまでの人生の過ごし方を如実に表す結果であることを理解しておきましょう。
      堅実に生活してきた人には、マイホーム購入などの事情がない限り、借金などはないものです。

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    4、次に大切なのは、彼氏が変わってくれるかどうか

    次に大切なことは、彼がこれまでの生活態度を改めて、借金をなくすための具体的な行動をとってくれるかどうかです。

    あなたの大切な彼は、確かにこれまでにどうしようもない理由によって借金を作ってしまったのかもしれません。
    しかし、あなたが「借金のある男性とは結婚できない」とをしっかりと伝えたときに、今ある借金をなくすために具体的な行動をとってくれるかどうかをよく見極めてください。

    あなた自身では彼の見方が主観的になってしまって、甘い採点してしまいがちという場合には、信頼できる友人に協力してもらうのも良いでしょう。

    客観的な立場から彼氏の言動を評価してもらうことは、あなたの今後の人生の判断を正しく行うことに役立ちます。

    第三者から見ても、彼が借金をなくすための行動を誠実にとってくれるようなら、彼を信じて愛を貫くのもひとつの選択肢です。

    5、彼氏の借金解消には債務整理をすすめよう

    1. (1)借金の減額や免除ができる債務整理

      すでに何度か話に触れていますが、借金は法律上の手続きをふむことで、合法的に減額や免除を認めてもらう方法があります。

      これは任意整理や個人再生、自己破産といった手続き(=債務整理)で、裁判所に申し立てることによって、借金の負担を減らしてもらうことが可能です。

      債務整理は、自力で手続きをする人も中にはいますが、ほとんどのケースでは弁護士に相談をして、手続きを代行してもらう必要があります。

      もし、彼氏が借金で首も回らない状態なのなら、いったん結婚を保留にし、債務整理という借金解決の方法があることを彼に教えてあげましょう。そして、彼が冷静に借金をなくすための行動を取ってくれるかどうかを見極めてください。

      こうしたときにあなたの意見をまともに聞いてくれないようであれば、彼は今後の生活でもあなたに対して同じ態度をとる可能性が高いといえます。

    2. (2)債務整理をした後の結婚生活への影響

      債務整理によって、結婚に影響が出るのではないかと不安に思う方もいるでしょう。
      これについては、債務整理をせずに結婚してしまったり、結婚を諦めてしまったりする方が、今後の生活やあなたの心に大きな影響を与える可能性が大きいです。

      債務整理で結婚生活に影響が出ることとしては、クレジットカードの利用が一定期間制限されることや、職業によっては仕事が一定期間の制限を受けることなどが挙げられます。

      とはいえ、これらは「一定期間」です。共に乗り越える覚悟は必要かもしれません。

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    6、まとめ

    「結婚を考えているけれど、相手に借金があって不安」という女性は少なくありません。

    借金のある彼氏と結婚しても幸せになれるのかは、その借金を作ってしまった原因をよく見極めることが大切です。

    彼氏にこれまでの生活態度を見直す姿勢が見られるなら、結婚を考えることも問題ないでしょう。借金問題を解消した後であれば、より安心して結婚できます。

    ベリーベスト法律事務所では、借金問題のご相談について、無料で何度でも受け付けております。どのような債務整理方法が適しているのかなど、債務整理専門チームの弁護士が具体的にアドバイスいたしますので、彼氏に債務整理という方法があることを伝えてみるとよいでしょう。

    あなたの幸せのためにも、まずは一歩、進んで考えてみることをおすすめします。

    この記事の監修者
    萩原達也

    ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
    債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

    • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
    オフィス
    [実績]
    ・債務整理の相談件数 50万848件
      ※集計期間:2011年2⽉〜2024年10⽉末
    ・過払い金請求 回収実績件数 90253件
    ・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
      ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
    [拠点・弁護士数]
    全国76拠点、約330名の弁護士が在籍
    ※2025年1月現在
    [設立]
    2010年(平成22年)12月16日

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