債務整理 弁護士コラム

カードローンの借金は自己破産できる!手続き前の注意点と行う目安

2019年06月04日
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カードローンの借金は自己破産できる!手続き前の注意点と行う目安

「カードローンで作った借金だけど自己破産できる?」

ついついカードローンでの借金を繰り返し、カードローンの借金が増えて困っていませんか。
毎月給料が振り込まれても、自由にお金を使えないのはつらいものです。

結論からいうと、カードローンの借金は自己破産できます。
また少しずつですが、カードローンで自己破産する人が増えているのも実情です。

そこで今回は、

・カードローンの借金が増えている理由や自己破産できる訳
・自己破産する前に注意すべきこと
・自己破産する or しないの目安

などについて解説していきます。

カードローンの借金返済がつらくて、自己破産を検討している方のご参考になれば幸いです。

1、カードローンの自己破産者が増えている理由

カードローンを借りる人が増えているのは、お金を借りるのに抵抗のある専業主婦なども銀行なら安心して借りてしまうからです。

  1. (1)銀行は総量規制対象外でキャッシングできるから

    銀行カードローンをついつい使ってしまう落とし穴は、総量規制対象外なため思ったより多くのお金をキャッシングできることです。
    総量規制だと年収の3分の1しか借りられません。

    しかし、総量規制対象外の場合は上限がありません。もともと総量規制は貸金業者に対する規制ですので、銀行にはこの規制は及ばないわけです。
    ※現在は総量規制対象外に制限がかかっている銀行もあります

    借りられる金額に上限がないため、審査に通ってしまえば収入のない専業主婦でも簡単に借り入れ可能です。

    総量規制対象外は利用者にとってうれしい反面、気軽にお金を借りられるからこそ借金が増えて困る人は増えてしまいます。

  2. (2)銀行が貸し出しを強化していた

    カードローンでの自己破産者が増えていたのは銀行の貸出強化に原因があります。
    銀行カードローンを加入している・していない人に多くのお金を貸すため、CMやインターネットの広告で貸し出しをアピールしていました。
    おかげで多くの方が銀行カードローンを利用するようになり、自己破産する人も増えてしまっています。

    ちなみに銀行は、消費者金融と協力してカードローンの利用者にいくらまで貸せるかのノウハウを共有して貸出強化を行っていました。

2、カードローンで作った借金は自己破産できる

  1. (1)カードローンでの自己破産はできないと考えられる理由

    自己破産制度を利用すると多くの制限(デメリット)を受けるものの、借りたものを返さなくても良しとしてもらえる(免責される)という、借り手にとってはとてつもなく大きなメリットを受けられる制度です。

    その反面、貸し手は債権回収ができなくなり、こちらもまた大きな損失です。
    このバランスをとるために、自己破産が認められるには、借り手の借金の必要性が高かったことや、借り手が擁護されるべき状態であったことが必要なことはお分かりになると思います。

    そこで自己破産を定める破産法では、借り手を擁護すべきとは考えられないケース(免責を許可できないケース)として、さまざまな状況を252条に列挙規定しています。

    (免責許可の決定の要件等)
    第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

    四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

    (引用:破産法第252 条4項)

    このうちのひとつに、「浪費行為」が入っています。浪費は、借り手の借金の必要性は高いものとは基本的には認められないからです。
    カードローンを利用した原因として、不慮な事故による入院費用の調達などのケースももちろんありますが、多くは浪費です。そのため、浪費であるカードローンの借金では自己破産は無理なのでは、と考える人もいるでしょう。

  2. (2)実務ではほぼ免責される

    しかし、実際は免責(※1)の許可が下ります。
    (※1)免責・・・自己破産できる

    免責不許可事由(※2)に該当しても、裁量免責となり裁判所が許可してくれることがほとんどだからです。
    (※2)免責不許可事由・・・ある理由に該当すると自己破産できないこと

    したがって、カードローンの借金は自己破産できます。

3、カードローンの借金を自己破産するときに注意すべきこと

自己破産をするときは2つのことに注意してください。

  1. ①自己破産をすると一定期間はクレジットカードの利用ができない
  2. ②銀行カードローンなら口座凍結される

  1. (1)自己破産をすると一定期間はカードローン、クレジットカードの利用ができない

    自己破産の手続きをすると信用情報(※)に傷がついてしまい、一定期間はカードローン、クレジットカードの利用ができず、また、ローンも組めない可能性が高いです。クレジットカードは、キャッシング機能はもちろん、ショッピング機能も利用できません。
    (※)信用情報・・・カードローン・ローンの契約や借り入れ、返済などをした情報

    信用情報機関(※)に信用情報に傷がついたことを登録されるからです。
    (※)信用情報機関・・・信用情報を管理している機関。日本には3つの機関がある。

    登録される期間は信用情報機関によって異なりますが5~10年。
    クレジットカードなどを利用するには、5~10年待つ必要があります。

    【信用情報機関に傷がついたことが登録される期間】

    信用情報機関信用情報の回復にかかる期間保存している金融機関の情報
    JICC5年消費者金融会社・銀行などの金融会社
    CIC5年消費者金融・信販会社
    KSC10年銀行

    ※JICCに登録されている銀行なら、5年待てば審査に通れば利用可能です。

  2. (2)銀行カードローンは口座が凍結される

    銀行カードローンを利用している場合、自己破産すると口座凍結されます。
    タイミングは弁護士が出した受任通知(※)が銀行へ届いたときです。
    (※)受任通知・・・弁護士が依頼者から自己破産の手続き依頼を受けたことを銀行に伝える通知

    預金残高があるなら弁護士へ依頼する前に引き出しておきましょう。
    なお、預金残高があると、借り入れしている借金と相殺されてしまいます。

  3. (3)その他

    その他、自己破産のデメリットとして、大きなものとしては職業への制限、財産の没収です。

    ①職業の制限
    以下の職業では、破産申立から「復権」(※)までの間、業務を停止しなければなりません。登録前であれば、登録をすることができません。復権後、復職することができ、登録前であれば登録することができます。資格剥奪や資格取得ができないわけではありません。
    ※復権とは、破産手続開始によって破産者に課せられた権利の制限を消滅させ、破産者の本来の法的地位を回復させる制度

    • 弁護士・司法書士・税理士等の士業
    • 宅地建物取引士

    次の職業では、登録を取り消し、または6ヶ月以内の期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止となります。

    ・生命保険募集人

    次の職業では、「復権」までの間は資格証を得ることができず、またすでに資格を得ている者は業に従事することができません。

    ・警備員

    その他も制限がある職業はあります。詳細は自己破産相談時に弁護士に相談しましょう。

    ②財産の没収
    99万円以上の現金と、基本的に換価して20万円以上となる財産が対象です。
    車、持ち家も対象となり、手放さなければなりません。

4、カードローンの借金で自己破産しないための対策

自己破産をしたくないのなら、借金返済をするため行動を起こしましょう。

  1. (1)支出を把握する

    月にいくらのお金を使っているか分からなくなっている場合はきちんと把握をしましょう。

    意外と余計な物を買っているケースは少なくありません。
    お金を何に使っているか分かれば、不要の物は買わない習慣を身につけられます。

  2. (2)節約する

    会社へ行くときに弁当や水筒を持って行くなど節約をしましょう。
    支出を減らせる上に、浮いたお金を借金返済に充てられます。

    毎日水筒を持って行くだけで、月に約3000円(130円×22日)は節約が可能です。

  3. (3)ローン一本化する

    複数の銀行カードローンを借りている人に限りますが、借入先をひとつにしましょう。

    1番安い金利のところで1本化できれば大幅に利息を削減できます。

    たとえば、金利18.0%の銀行と14.5%の銀行でそれぞれ100万円ずつ借りている場合、1年にかかる利息は18万+14万5000円の合計32万5000円です。

    一方、14.5%の銀行へ1本化すれば年にかかる利息は29万円(14.5%×200万円)です。

    1年で3万5000円の利息をカットできるのが分かります。
    複数の銀行カードローンから借り入れしている人は、1本化してみてもいいかもしれません。

  4. (4)毎月の返済額を1000円増やす

    借金の利息を減らして返済をスムーズに行うには、毎月1000円でいいので金額を増やして返しましょう。

    1000円増えれば、元金(借りたお金)を減らせるからです。

    借りた金額に1000円増えるだけで、どのくらいの利息がカットできるかをシミュレーションしてみました。

    【100万円借りて最低返済額での返済したケース】
    ・ 返済期間:14年(返済回数168回)
    ・ 金利14.6%
    ・ 返済額:1万4003円(100万円の最低返済額)
    ・ 利息:135万2041円

    【100万円借りて最低返済額+1000で返済したケース】
    ・ 返済期間:11年6ヶ月(返済回数138回)
    ・ 金利14.6%
    ・ 返済額:1万5003円(100万円の最低返済額+1000円)
    ・ 利息:106万6386円

    プラス1000円多く返済するだけで、135万2041円 - 106万6386円=28万5655円を節約できるのが分かりました。

    苦しいかもしれませんが、利息を取られずにスムーズに返済したいなら毎月プラス1000円多く返しましょう。

  5. (5)必要費用でないカードの利用は収入の何割が妥当?

    リボルビングや分割払いなど、月々少しずつ支払えば良い返済方法は本当に便利です。しかしその総額が積もると、次第に返済が苦しくなってきます。光熱費や家賃、通信費や交通費などの生活にかかる必要費用もそれなりにかかるからです。

    借金やショッピングでの引き落とし(カード払いの必要費用を除く)は、収入の20%相当になると返済が苦しくなると考えてください。もちろん、家賃や通信費などに一般的割合以上にお金をかけている場合は、それ以下でも苦しくなる可能性はあります。

5、自己破産の目安は5年で返済できるか

借金返済がつらくて自己破産を検討しているなら、5年で完済できるかどうか計算してみましょう。

5年以内に返済できるなら自己破産をしない方向でも検討でき、自己破産をしなければ信用情報を傷つけずに済むからです。

しかし完済に5年以上かかるのなら、自己破産をしましょう。
自己破産をすれば借金を0円にできるため、精神的に楽になります。
まずは今の借金を5年で完済できるかどうか確認してみてください。

6、まとめ

カードローンの借金は、浪費であったとしても自己破産できます。
免責不許可事由だとしても、裁判所の許可が下りれば免責の許可はもらえるからです。

返済できる範囲の金額なら、節約したりローンを1本化したりしましょう。
借金の金額が多く5年以内に完済が難しいなら、弁護士へ自己破産の依頼をすることをおすすめします。

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