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差押えで持っていかれるもの、持っていかれないものをカンタンに解説

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更新日:2026年01月15日 公開日:2026年01月15日

差押えで持っていかれるもの、持っていかれないものをカンタンに解説

借金の返済が滞ってしまうと、最終的に「差押え」という強制執行に発展することがあります。差押えで持っていかれる可能性があるものには、預金や給与の一部、不動産や車など、日常生活に欠かせない財産が含まれており、生活への影響は計り知れません。

しかも、借金の返済が滞った場合、信用情報に影響が出るため、クレジットカードの利用停止がなされる場合もあります。また、差押えされた場合、銀行口座が凍結されたり、勤務先に借金が知られたり、信用や人間関係にまで波及する場合があります。そのため、精神的な負担も非常に大きく、日常生活そのものが立ち行かなくなるケースも少なくありません。

もっとも、すべての財産が差押えの対象になるわけではなく、法律で「生活に最低限必要な財産」は守られています。また、事前に債務整理を行うことで差押えを防ぐことも可能です。今回は、差押えで持っていかれるもの・持っていかれないもの、差押えが生活に与える影響などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、差押えで持っていかれるもの

差押えでは、預金や給与、不動産といった価値のある財産が対象になります。これらは生活基盤を直撃するため、影響は大きく避けられません。まずは、どのような財産が差押えの対象になるのかを確認していきましょう。

  1. (1)差押え対象になるもの

    差押えで持っていかれるものの代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます

    差押えで持っていかれるもの 具体例
    預貯金 普通預金、定期預金など
    給与・賞与 手取り額のうち一定割合が対象
    退職金 退職金のうち一定割合が対象
    不動産 自宅、土地、投資用マンションなど
    自動車・バイク 債務者名義の車両
    有価証券 株式、投資信託、社債など
    生命保険 解約返戻金のある保険
    貴金属や高額な資産 宝石、骨董品、ブランド品など


    ① 預貯
    銀行口座が差押えられると、残高が強制的に債権者への返済に充てられます。それにより預金が引き出せなくなり、日常生活に大きな支障をきたします。

    ② 給与・賞与、退職金
    給与・賞与は、手取り額の4分の1まで差押えられるのが原則です。手取り額が44万円を超えるときは、その中で33万円を超える部分が対象です。退職金も手取り額の4分の1まで差押え可能です。

    ③ 不動産
    自宅や土地などの不動産は換価価値が高いため差押え対象となり、競売にかけられると住まいを失うおそれもあります。

    ④ 自動車・バイク
    仕事や通勤に使用している車両も、債務者名義であれば差押え対象です。移動手段を失うことで生活に直結する不便が生じます。

    ⑤ 有価証券
    株式や投資信託は、現金化が容易なため差押えの対象となります。資産運用による将来の利益も失う可能性があります。

    ⑥ 生命保険
    解約返戻金のある生命保険は差押え対象です。将来の保障が減るだけでなく、必要時に解約できなくなるリスクも伴います。

    ⑦ 貴金属や高額な資産
    宝石やブランド品なども換価可能な資産として差押え対象です。

  2. (2)借金の返済が滞った場合やそれによる差押えが生活に与える影響

    財産を失うこと自体も大きな打撃ですが、借金の返済が滞った場合やそれによる差押えは生活全般や社会的信用にまで影響することがあります。特に、給与差押えによって勤務先に通知されると、借金問題が周囲に知られてしまうリスクもあります。以下では、借金の返済が滞った場合やそれによる差押えが生活に与える主な影響を紹介します。

    影響 具体的な内容
    生活への影響 クレジットカード停止、銀行口座の凍結、生活費の不足など
    信用への影響 勤務先や周囲に借金が知られるなど
    法的影響 消滅時効がリセットされ、債務の存在を否定できなくなる


    ① 生活への影響
    銀行口座の凍結やクレジットカード停止がなされる場合があります。それによってさらに支払いが滞り、生活費の確保が難しくなることが考えられます。この場合、日常生活の自由度が大きく制限されるだけでなく、家賃や公共料金の引き落としができなくなり、電気や水道の停止など二次的な問題が発生するリスクもあります。

    ② 信用への影響
    勤務先に差押えの通知が届くと、借金の事実が知られる可能性があります。周囲の信頼を損なったり、精神的ストレスも大きくなったりする場合もあるでしょう。

    ③ 法的影響
    差押えにより消滅時効がリセットされます。時効を期待していた場合でも借金は帳消しになりません。

2、差押えで持っていかれないもの

債権者から強制執行の申し立てがあったとしても、すべての財産が差押えられるわけではありません。債務者やその家族の最低限の生活を守るため、「差押禁止財産」が定められており、生活に不可欠な財産までは奪われないよう配慮されています

差押えで持っていかれないもの 具体例
日常生活必需品 家具、衣服、寝具、生活に必要な電化製品
一定額の現金 生活費として必要な金額(66万円以下)
職業に必要な道具 仕事用工具など
公的給付 生活保護費、年金


  1. (1)日常生活必需品

    冷蔵庫や洗濯機、ベッドなど生活に欠かせない家具や家電は差押え禁止です。最低限の生活を維持するために、日常生活での使用に必要なものは守られます。

  2. (2)一定額の現金

    民事執行法により、66万円以下の現金は生活費として保護されます。すべてを奪われると生活が成り立たないため、最低限の現金は差押え対象外です。

  3. (3)職業に必要な道具

    仕事に使う工具など、収入を得るために欠かせない道具は差押えできません。これにより、職を失わずに働き続けることが可能になります。

  4. (4)公的給付

    生活保護費や年金、児童手当などの公的給付は、原則として差押え禁止です。生活保障の性質を持つため、債務返済に充てられることはありません。ただし、公的給付が口座に振り込まれた後は、「預貯金」として差押え可能になります。

3、差押えを防ぐための債務整理

差押えは、一度始まると生活基盤を大きく揺るがします。それを避けるには差押えの手続きが始まる前に「債務整理」を行うことも検討しましょう。以下では、債務整理の4つの方法の特徴とメリット・デメリットについて説明します。

債務整理の種類 内容 メリット デメリット
任意整理 債権者と交渉して将来利息カットや返済額・返済回数を変更する手続き 特定の債権者を対象とした債務整理ができる 大幅な減額は期待できない
個人再生 裁判所に申し立てて借金総額を大幅に減額し、分割で返済していく手続き
  • 財産の処分が不要
  • 浪費やギャンブルが原因の借金も対象となる
安定した収入がなければ利用できない
自己破産 裁判所に申し立てて原則としてすべての借金をゼロにする手続き 借金がゼロになる
  • 財産の処分が必要
  • 税金など免責対象外の負債もある
  • 浪費やギャンブルが主な原因だと免責を受けられない可能性がある
特定調停 裁判所の調停委員の助けを借りて返済方法を調整する手続き
  • 自分ひとりでも手続きが可能
  • 費用を押さえられる
  • 債権者の同意が必要
  • 借金の減額はほとんど期待できない


  1. (1)任意整理

    任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来利息や遅延損害金のカット、返済回数の見直しを行う手続きです。特定の債権者を選んで交渉できるため、住宅ローンなどを残しながら他の借金だけ整理することも可能です。
    比較的簡易な方法で費用も抑えやすい点がメリットですが、大幅な元本減額は期待できないため、安定した返済計画を立てられるかがポイントになります。

  2. (2)個人再生

    個人再生は、裁判所に申し立てて借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で分割返済していく手続きです。借金総額が500万円なら100万円程度まで減額されることもあり、自己破産を避けたい人に有効です。
    住宅ローン特則を利用すれば自宅を手放さずに済む可能性もあります。ただし、裁判所を通すため手続きが複雑であり、継続的かつ安定した収入がなければ利用できないという制約があります。

  3. (3)自己破産

    自己破産は、裁判所に申し立てて借金を免責してもらい、原則としてすべての返済義務をゼロにする手続きです
    生活再建の最終手段として広く利用されていますが、財産の一部は処分され、一定期間は士業や会社役員などの職業制限を受ける可能性があります。また、浪費やギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当する場合もあります。それでも、借金に追われる状況を根本的に解消できる点は大きなメリットです。

  4. (4)特定調停

    特定調停は、簡易裁判所に申し立てを行い、調停委員を介して債権者と返済条件を調整する制度です。裁判所が関与するため交渉力が弱い人でも利用しやすく、費用も安く済むのが特徴です。
    自分ひとりで申し立てることも可能ですが、任意整理に比べて柔軟性がなく、借金の大幅な減額効果はあまり期待できません。また、債権者の同意が得られなければ成立しない点もデメリットです。

4、債務整理を自分でやらないほうがいい理由

債務整理は、専門的な知識や交渉力が求められるため、自分だけで行うとさまざまなリスクが伴います。以下では、債務整理の手続きを自分だけで進めるリスクと弁護士に依頼するメリットを説明します。

  1. (1)任意整理を自分で行うリスク

    任意整理は、裁判所を通さずに債権者と交渉する手続きですが、個人で交渉しても取り合ってもらえないことが多くあります。また、仮に交渉できても条件が不利になる可能性が高く、返済総額が思ったほど減らないこともあります。
    その結果、返済が続かず再び差押えに至るリスクが大きくなります。

  2. (2)自己破産・個人再生を自分で行うリスク

    自己破産や個人再生は、裁判所を通じて行う法的手続きです。提出書類が多く、収入や資産の証明、債権者一覧表など専門知識がなければ正しく準備するのは困難です。
    記載内容に不備があると却下される可能性があり、やり直しや追加提出で時間がかかることもあります。さらに、裁判官や管財人との対応も必要で、専門的知識がなければ不利な判断につながるリスクがあります

  3. (3)債務整理を弁護士に依頼するメリット

    弁護士に依頼すると、まず受任通知を債権者に送付します。この通知が相手に届いた時点で取り立てや督促は一時的にストップし、精神的に大きな安心を得られます。
    また、弁護士は債権者との交渉や裁判所への書類作成、提出をすべて代行できるため、手続きの不備や不利な和解条件を避けられます。
    弁護士であれば、お客さまにとって最適な債務整理方法を提案できる点も弁護士に相談する大きなメリットでしょう。

5、まとめ

差押えは預金や給与、不動産などを失うだけでなく、信用や生活にも大きなダメージを与えます。しかし、すべての財産が対象になるわけではなく、生活必需品は守られています。差押えを防ぐためには、早めに債務整理を検討し、専門家に相談することが重要です。
ベリーベスト法律事務所では、債務整理の相談は何度でも無料で、全国各地で相談可能です。差押えに不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 13万1237件
  ※集計期間:2010年12⽉〜2024年12⽉末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国75拠点、約400名の弁護士が在籍
※2026年1月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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