リボ払いがやばい理由とは？ 返済が厳しいときの対処法を解説

リボ払いとは、クレジットカード料金を支払う方法のひとつです。毎月の利用額がどれだけ変動しても、一定額または所定の方法によって計算された額が請求されます。

1. （1）リボ払いの仕組み

   リボ払いは、クレジットカードの実際の利用額にかかわらず、以下のいずれかの方式によって月の請求額が決まります。

   ① 定額方式：利用残高に関わらず、毎月一定額が請求されます。
   （例）毎月2万円、毎月3万円など
   
   ② 残高スライド方式：各社との取り決めにしたがい、基準時点（締め日など）における残高に応じて、毎月、請求額が段階的に増減します。
   （例）残高10万円未満なら1万円、10万円以上20万円未満の場合は8000円など
   
   
   

   たくさん買い物をした月であっても、請求額が大幅に増えることがないため、当面の支出を抑えられるのがリボ払いの特徴です。

2. （2）リボ払いと分割払いの違い

   クレジットカード料金の支払方法には、リボ払いのほかに「一括払い」と「分割払い」があります。
   
   一括払いとは、もっともシンプルな支払方法で、利用代金の全額が翌月の一定期日に請求されます。これに対して分割払いとは、選択した回数に分けて利用代金が請求される方式です。
   
   たとえば以下のように、リボ払いとは異なり、分割払いによる毎月の支払金額は実際の利用額に比例して増減します。

   • 50万円の商品を5回の分割払いで購入
     →毎月の請求額は10万円
     ※ほかの利用代金と合算して請求
   • 50万円の商品をリボ払い（毎月5万円の定額方式）で購入
     →毎月の請求額は5万円
     ※リボ払い分は月5万円しか請求されない

クレジットカードのリボ払いは、以下の理由などから「やばい」「怖い」と言われることがあります。過度にリボ払いの利用をすると、返済不能に陥ってしまうおそれがあるため、避けましょう。

1. （1）高額のリボ手数料を支払う必要がある

   リボ払いを利用すると、支払残高に応じて年率15％程度の手数料が発生します。
   たとえば、1年を通じて10万円の残高があった場合、その部分については年1万5000円程度の手数料が掛かります。
   
   リボ払いの手数料は、一括払いであれば発生しないお金です。手数料分の支払い負担が丸ごと増えるため、リボ払いを利用しすぎると経済的に苦しくなるおそれがあることにご注意ください。

2. （2）返済期間が長期化しやすい

   リボ払いで頻繁に買い物をする人は、毎月の返済額（支払額）以上の利用額が発生するケースが多く、元本がなかなか減りません。その結果、返済期間が長期化しやすい傾向にあります。
   
   返済期間が長期化すると、その間はリボ手数料が発生し続けるため、経済的に苦しくなってしまうことがあるでしょう。

3. （3）利用残高や返済総額を把握しにくい

   リボ払いの返済額は、実際の利用額と必ずしも連動しません。そのため、どのくらいの残高があるのか、これまでいくら返済したのかなどを把握しにくいです。
   
   カード会社のマイページなどにアクセスすれば、残高や返済履歴は分かるものです。
   しかし、リボ払いの返済に苦しんでいる方の多くは、このような情報を確認する機会が少ない傾向にあり、気づかないうちに残高が膨れ上がってしまっているケースがよくあります。

4. （4）リボ払いを多用すると、残高が膨らみ返済困難になる

   リボ払いを使って買い物をし過ぎると、元本はなかなか減らず、さらに高額のリボ手数料が発生し続けて、ついには返済困難になってしまうことがあります。
   このような事態を避けるため、リボ払いで収入に見合わない買い物をするのはやめましょう。

リボ払いの返済額が増えてきて、「このままだとやばい」と感じている方は、以下の方法によって対処しましょう。

1. （1）リボ払いの利用をやめる

   リボ払いの返済額が増えることを防ぐには、まずリボ払いの利用をやめるべきです。
   新たにリボ払いで買い物をすることがなくなれば、毎月の返済によって着実に元本は減っていきます。
   
   何か買い物をするときには、不必要なものが含まれていないかを確認してください。リボ払いを利用しなくて済むように、吟味した上で必要なものだけを購入しましょう。

2. （2）毎月の返済金額を増やす

   リボ払いの残高がなかなか減らず、むしろ増えてしまっているとすれば、毎月の返済金額が少なすぎるのかもしれません。
   多少なりとも毎月の返済金額を増やせば、元本が減るペースが速くなり、結果的にリボ手数料の負担を抑えられます。
   
   収入が十分でない方は、月々の収支を見直すなどして、返済に充てられるお金を捻出しましょう。

3. （3）繰り上げ返済をする

   リボ払いの残高が多すぎる場合は、繰り上げ返済をすることも選択肢のひとつです。繰り上げ返済をすれば、リボ払いの残高が一気に減り、リボ手数料の発生を抑えられます。
   
   特に賞与（ボーナス）などのまとまったお金を受け取った際には、リボ払いの繰り上げ返済を検討しましょう。

4. （4）弁護士に相談して債務整理（任意整理）をする

   リボ払いの残高を返済できる見込みが立たない場合は、弁護士に「債務整理」の相談をしましょう。
   
   債務整理とは、借金や利用料金などの債務を圧縮し、返済の負担を軽減するための手続きです。リボ払いについては、債務整理の中でも特に「任意整理」がよく行われています。
   
   任意整理では、弁護士がカード会社と交渉を行い、利息・遅延損害金のカットや返済スケジュールの変更などを取り決めることが可能です。これにより、リボ払いの返済負担を大幅に軽減できる可能性があります。
   
   リボ払いでの支払いで「やばい」「どうしよう」と思うことがあれば、任意整理をご検討ください。

リボ払いの利用代金について任意整理をしたいとき、弁護士に相談・依頼する際は、主に以下のようなメリットを享受することができます。

1. （1）カード会社からの督促が止まる

   弁護士に相談後、任意整理の委任契約を交わした後は、弁護士がカード会社に対して受任通知を発送します。受任通知がカード会社に届くと、カード会社からの督促が一時的に止まることがメリットです。
   
   日常的に繰り返される督促にストレスを感じている方は、弁護士に任意整理を依頼して、カード会社からの督促を止めるとよいでしょう。また、カード会社とのやり取りは全て弁護士に任せることができる点もメリットです。

2. （2）返済が止まっている間に、生活を立て直せる

   弁護士がカード会社との間で任意整理の交渉をしている間は、一時的にリボ払いの返済が不要となります。
   
   リボ払いの返済が止まっている間は、収支が改善することによって、生活の立て直しが可能です。リボ払いの返済が苦しく、経済的に余裕のない生活を送っている方は、速やかに弁護士へ相談しましょう。

3. （3）利息や遅延損害金がカットされ、元本が確実に減っていく

   リボ払いについて、弁護士とカード会社の間で任意整理の交渉がまとまると、利息と遅延損害金のカットが認められるケースが多くあります。
   
   利息と遅延損害金がカットされるということは、その後は元本だけを返済すればよいということです。毎月の返済額がそのまま元本の減少に反映されるため、完済できる可能性が高まるでしょう。

4. （4）任意整理のデメリットも説明してもらえる

   任意整理にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

   • 保証人がいる場合は、保証人に対して請求が行われてしまう
   • 個人信用情報機関に事故情報が登録され、一定期間、ローンやクレジットカードなどが利用できなくなる
   • 自己破産や個人再生などの債務整理手続きに比べると、元本が減額されないために効果が小さい

   など
   
   
   

   これらのデメリットを理解せずに任意整理を行うと、後悔してしまうことになりかねません。
   
   弁護士に相談すれば、任意整理のデメリットについても、しっかりと説明を受けることが可能です。メリット・デメリットの両面を理解した上で、本当に任意整理をした方がよいのかどうかを適切に判断できるようになるでしょう。
   
   リボ払いの返済が苦しく、任意整理によって負担を軽減したいと考えている方は、お早めに弁護士へご相談ください。

リボ払いの残高がなかなか減らず、返済困難な状態に陥っている方は、すぐにリボ払いの利用をやめましょう。その上で、毎月の返済額を増やしたり、時々繰り上げ返済をしたりすれば、リボ払いの完済が見えてきます。

リボ残高を完済できる見通しが立たない場合は、弁護士に相談して債務整理を行いましょう。債務整理が成功すれば、リボ払いの返済負担が大幅に軽減されます。

ベリーベスト法律事務所は、リボ払いの返済に苦しんでいる方からのご相談を随時受け付けております。債務整理専門チームの経験豊富な弁護士が、お客さまの状況に合った債務整理の方法をご提案いたしますので、リボ払いでの返済にお困りの方は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。