債務整理 弁護士コラム
金融機関や消費者金融などからお金を借りている人のことを「債務者」といいます。また、金融機関や消費者金融など債務者にお金を貸している人のことを「債権者」といいます。
債務者は、債権者に対してお金を返さなければならないという義務を負っていますので、それを怠ると裁判を起こされ、財産を差し押さえられるなど、さまざまなリスクが生じます。このようなリスクを回避するためにも、借金が返済できなくなったときの対処法をしっかりと理解しておきましょう。
今回は、債務者と債権者との違い、債務者が借金を返済できなくなったときの注意点などについてベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
債権者とは、どのような人のことをいうのでしょうか。また、債務者と債権者とでは、どのような違いがあるのでしょうか。まずは、債務者に関する基本的な定義を確認していきましょう。
債務者とは、ある人に対して、一定の行為をする義務を負っている人のことをいいます。
たとえば、金融機関や消費者金融などからお金を借りた人は、返済期日までに借りたお金を返済する義務を負っています。このような義務のことを「債務」といい、お金を借りた人が「債務者」にあたります。
債権者とは、ある人に対して、一定の行為を要求する権利を有する人のことをいいます。
たとえば、金融機関や消費者金融などはお金を貸した人に対して、返済期日が到来すれば、貸したお金の返済を求める権利があります。このような権利のことを「債権」といい、お金を貸した人が「債権者」にあたります。
① 連帯債務者
連帯債務者とは、連帯して共通の債務を負担する債務者のことをいいます。たとえば、住宅ローンを夫婦ふたりで借りたような場合が代表的なケースになります。
連帯債務者になると各債務者が債権者に対して、全額の支払い義務を負うことになります。
② 第三債務者
第三債務者とは、債務者に対して債務を負っている人のことをいいます。つまり、債務者の債務者ということになります。
たとえば、債権者が強制執行を申し立てて、債務者の給与を差し押さえると、債務者の勤務先から債権回収を行うことになります。この場合、債務者の勤務先は、債務者に給料を支払う義務を負っていますので、債務者の債務者ということになり、債権者から見ると第三債務者にあたります。
③ 連帯保証人
連帯保証人とは、債務者がお金の返済ができなくなった時に、債務者に代わって債権者に返済する義務を負っている人のことをいいます。
連帯保証人は、債務者ではありませんので、主債務者が債権者に対して返済できなくなった場合にのみ責任を負います。
債務者は、債権者に対して義務を負い、債権者は、債務者に対して権利を有しています。債権者と債務者との間に生じる具体的な権利義務の内容には、以下のものがあります。
給付保持力とは、債権者が債務者から受けた給付を正当に保持することができる効力です。
給付保持力があることにより、債権者は、債務者から返済を受けたお金については、後日債務者から法律上の原因がない状態で「返してほしい」と言われても、それを拒否することができます。
訴求力とは、債務者が約束どおりに債務の履行をしない場合に、訴訟を提起して権利の実現を求めることができる効力です。
訴求力があることにより、債務者は、借金の返済を怠っていると債権者から訴訟を提起される可能性があります。
執行力とは、裁判所の判決に従い、強制執行の申し立てをすることができる効力です。
執行力があることにより、債権者は、債務者が任意に返済に応じなかったとしても、債務者の財産を差し押さえるなどして強制的に権利を実現することができます。
以下では、債務者が借金を返済できなくなった場合の注意点とリスクについて説明します。
債務者が借金を返済できなくなった場合には、以下の点に注意が必要です。
① 債権者からの督促には必ず対応する
債務者が返済期日までに借金の返済ができないと、債権者から支払いを求める督促が行われます。その際、債権者からの督促を無視していると後述するようなリスクが生じますので、債権者からの督促には必ず対応してください。
どうしても返済できない事情がある場合には、債権者と協議して、返済期日を伸ばしてもらったり、月々の返済額を減らしてもらったりするとよいでしょう。
② 返済のためにさらなる借金をしない
借金の返済ができないからといって、別の債権者から借り入れをして返済することは避けましょう。このような状態を「多重債務者」といい、一時的に債権者への返済ができたとしても、借金総額は変わらず、利息なども踏まえるとむしろ負担が増加していることになります。
借金のために借金をすることは返済を先送りにしているだけですので、根本的な解決にはなりませんので注意が必要です。
債権者からの督促に応じず、借金の滞納が続くと以下のようなリスクが生じます。
① 遅延損害金の発生
遅延損害金とは、債務の履行ができなかった場合に生じる損害金です。遅延損害金は、利息よりも高い利率が設定されていますので、借金の返済ができない状態が続くと、遅延損害金の金額が膨らみ、高額な遅延損害金を支払うことになります。
② 一括請求
借金をした場合、返済は、一括払いではなく分割払いとなりますが、それは「期限の利益」が認められているからです。しかし、契約で定められた一定回数、支払いを遅滞すると期限の利益が喪失してしまいますので、借金を一括で返済しなければなりません。
③ 訴訟の提起
借金の滞納が続くと、債権者から裁判所に訴訟の提起がなされます。
借金をしたのが事実であれば、裁判になった場合、債権者の言い分を認める判決が言い渡されることになるでしょう。
④ 財産の差し押さえ
裁判所の判決が確定後も借金の返済をしないと、債権者が強制執行の申し立てを行います。強制執行が申し立てられると、債務者の財産(給与、預貯金など)が差し押さえられて、強制的に処分されることになります。
⑤ 保証人への請求
借金をしたときに保証人をつけていた場合、債務者が借金の返済を滞納すると、債権者は、保証人に対して返済を求めていきます。
借金の滞納リスクを自分だけで負うのであれば自己責任といえますが、保証人をつけていた場合は他人を巻き込むことにもなってしまいます。
借金が返済できなくなったときは、以下のような対処法を検討しましょう。
返済できなくなったら、すぐに債権者に連絡するようにしましょう。債権者に連絡をすれば、返済期限の猶予や月々の返済金額の減額などに応じてくれる可能性がありますので、それにより返済を続けていくことができるようになります。
債権者に連絡せず、債権者からの連絡も無視していると、最終的に財産を差し押さえられるといったリスクが生じますので注意が必要です。
借金の返済ができない場合、債務整理をすることで借金問題を解決できる可能性があります。債務整理とは、借金の返済負担を軽減することができる手続きで、以下の3つの方法があります。状況に応じて適切な債務整理の方法を選択することで、借金返済の負担を大幅に軽減できるでしょう。
① 任意整理
任意整理とは、債権者との交渉により借金の返済負担を軽減する方法です。任意整理の具体的な内容は、以下のとおりです。
任意整理は、他の債務整理の方法と比べて、大幅な借金減額の効果はありませんが、特定の債権者を除外して債務整理をすることができるというメリットがあります。たとえば、保証人に迷惑をかけたくないという場合には、保証人つきの債権を除外することができます。
② 自己破産
自己破産とは、裁判所から免責許可決定をもらうことで、借金の返済義務を免除してもらうことができる方法です。
非免責債権を除いてすべての借金をゼロにすることができますので、借金問題を根本的に解決することができます。ただし、一定金額以上の資産はすべて手放さなければなりませんので、自宅や車などを失うというデメリットがあります。
③ 個人再生
個人再生とは、裁判所から再生計画案の認可を受けることで、借金総額を大幅に減額してもらったうえで、原則3年(最大5年)の期間で分割して返済していくことができる方法です。
個人再生は、財産を処分する必要がありませんので、自宅や車を手元に残しながら手続きを進めることができます。ただし、返済を前提とした手続きですので、収入のない無職の方では利用することができません。
借金の問題は、ひとりで悩んでいても解決することはできません。債務整理をする場合でも専門家のアドバイスやサポートが必要になりますので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士への相談は、多くの法律事務所で、無料で受け付けています。また弁護士に相談することには、次章で説明するような多くのメリットがありますので、早めに相談するようにしましょう。
債務整理を弁護士に相談することには、以下の4つのメリットがあります。
債務整理の方法には、任意整理・自己破産・個人再生の3種類がありますが、それぞれメリットだけでなくデメリットも存在しています。具体的な状況に応じて選択すべき債務整理の方法も異なりますので、まずは弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士に相談すれば、具体的な状況に応じて最適な債務整理の方法を提案してもらえますので、より効果的に借金の負担を軽減することができます。
債務整理は、弁護士以外に司法書士にも相談することができます。
しかし、司法書士が扱うことができるのは、債権者1社につき140万円までの事案に限られます。債権者1社あたりの借金額が140万円を超えてしまうと、司法書士では扱うことができず、それを除いた債務整理しかできません。これでは中途半端な債務整理になってしまい、借金問題の解決にはつながりません。
弁護士であれば、取り扱える借金の金額に上限はありませんので、すべての借金を対象に債務整理を行うことができます。
弁護士に正式に依頼をすると、弁護士から債権者に対して、受任通知という書面を送ります。受任通知は、弁護士が債務整理の依頼を受けたことを各債権者に知らせる書面で、受任通知を受け取った債権者には、債務者への直接の取り立てが禁止されるという効果が生じます。
これにより、債権者からの取り立てが一時的にストップしますので、債権者からの取り立てにおびえて生活する心配もありません。
弁護士に債務整理を依頼すると、すべての手続きを弁護士に任せることができます。自己破産や個人再生の手続きを選択することになった際も、弁護士が代理人として裁判所の手続きを対応しますので、安心して任せることができます。
金融機関や消費者金融から借金をした債務者は、借りたお金を返済しなければならない義務を負っています。契約上決められた期限までに返済ができないと、訴訟を提起され、財産を差し押さえられるなどのリスクが生じてしまいます。
そのため、借金の返済ができなくなったときは、そのまま放置するのではなく、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。ベリーベスト法律事務所では、債務整理に関するご相談を何度でも無料で受け付けております。借金問題でお困りの債務者の方は、まずはベリーベスト法律事務所までご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
金融機関や消費者金融などからお金を借りている人のことを「債務者」といいます。また、金融機関や消費者金融など債務者にお金を貸している人のことを「債権者」といいます。
債務者は、債権者に対してお金を返さなければならないという義務を負っていますので、それを怠ると裁判を起こされ、財産を差し押さえられるなど、さまざまなリスクが生じます。このようなリスクを回避するためにも、借金が返済できなくなったときの対処法をしっかりと理解しておきましょう。
今回は、債務者と債権者との違い、債務者が借金を返済できなくなったときの注意点などについてベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
弁護士に借金問題の解決を依頼したくとも、費用面の不安から相談をためらう方は少なくありません。
しかし、弁護士のサポートを受けながら債務整理を行ったほうが、結果として金銭の負担が少なくなるケースも多いのです。弁護士費用は、どのような内訳でどのくらい費用がかかるのかを事前に把握することで、不安を解消することができます。
今回は、債務整理にかかる弁護士費用、相場、支払いに不安がある場合の対処法について、弁護士が解説します。
借金をしている方のなかには、「ヤミ金からの借金は返済しなくていい」「借り逃げできる」と耳にしたことのある方がいるかもしれません。
たしかに、法外な利率のヤミ金には返済義務がないとされています。しかし、実際にお金を借り逃げすることは大きなリスクも伴うため、注意が必要です。
本コラムでは、ヤミ金からの借金を返さなくていい法的な根拠について、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。