債務整理 弁護士コラム
家族の借金が発覚すると「自分も借金を負担しなければならないのだろうか」と不安になる方も多いと思います。家族の借金については、身内であっても原則として返済義務はありませんが、具体的な状況によっては例外的に返済義務が生じることもあります。
そのため、家族の借金について返済義務が生じるケースや具体的な対処法をしっかりと理解しておくことが大切です。
今回は、家族の借金が発覚した場合の返済義務の有無について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
家族に借金があることが発覚したら、まずは以下のことを確認してください。
家族の借金が発覚した場合、まずは、借金の状況を整理することが大切です。
今後、借金の返済や債務整理などを行うにあたっても、借金の全貌がわからない状態では適切な手段を選択することができません。1社からの借り入れが発覚した場合、他の消費者金融や銀行などからも借り入れをしている可能性がありますので、しっかりと調査するようにしましょう。
その際には、以下のような観点から借金の状況を整理するとよいでしょう。
なお、本人もどこから借りているかわからないという場合には、信用情報機関に対して信用情報開示請求をすることも有効です。
借金を滞納した状態が続くと債権者から支払督促の申し立てや訴訟の提起をされることがあります。このような法的手続きにより債権者の権利の存在が法的に認められると、借金をしている家族の財産が差し押さえられてしまう可能性があるため注意が必要です。
給与や預貯金が差し押さえられてしまうと、月々の生活費が足りなくなるおそれがありますし、自宅が差し押さえられてしまうと生活の拠点を失う可能性もあります。そのため、家族の財産が差し押さえられてしまった場合にどのような影響が生じるのかも正確に把握しておくことが大切です。
家族の借金が発覚した場合、それぞれの借入先ごとに保証人がいるかどうかの確認も必要になります。
2章で解説するとおり、家族の借金の保証人になっている場合、例外的に本人以外にも返済義務が生じることがありますので、保証人の有無は正確に調べるようにしましょう。
家族の借金が発覚したら、それを肩代わりする必要はあるのでしょうか。
借金の返済義務は、お金を貸した人(債権者)とお金を借りた人(債務者)との間の契約により生じる義務になります。そのため、契約とは無関係な第三者については、原則として借金の返済義務はありません。親、子ども、兄弟姉妹など借金をした本人と血縁関係があったとしても、借金の返済義務が生じることはありません。
債権者から「身内だから家族の借金を負担すべきだ」などと言われたとしても、それに応じる法的義務はありませんのでご安心ください。
しかし、以下のようなケースについては、借金をした本人以外の家族にも返済義務が生じることがありますので注意が必要です。
形式上家族の借金の返済義務を負っている場合でも、具体的な状況によっては、借金を返済しなくてもよいケースがあります。
借金をした本人が弁護士への借金の相談を拒否している場合、本人ではなく身内が相談することはできるのでしょうか。
まず、借金問題でお悩みの方は、債務整理をすることで借金問題を解決できる可能性があります。債務整理は、借金の返済負担を軽減することができる手続きで、主に以下の3つの方法があります。
① 任意整理
任意整理とは、債権者との交渉により借金の返済負担の軽減を目指す方法です。任意整理の内容としては、具体的には、以下のような内容となります。
任意整理では、一部の債権者を除いて債務整理を行うことができますので、たとえば、保証人に迷惑をかけたくないという場合には保証人がいる債権を除外して任意整理をすることも可能です。
② 自己破産
自己破産とは、裁判所に申し立てを行い、裁判所から免責許可決定を得ることで、借金の返済義務を免除してもらうことができる方法です。
基本的にはすべての借金がゼロになりますので、借金問題を根本的に解決することが可能です。ただし、自己破産の手続きでは、一定金額以上の資産についてはすべて処分しなければなりませんので、自宅、車、保険などの資産を失うという点がデメリットになります。
③ 個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てを行い、裁判所から再生計画案の認可を得ることで、借金総額を大幅に減額することができる方法です。減額後の借金は、原則3年(最長5年)の期間で分割返済していくことになりますので、借金返済の負担を大幅に軽減することができます。
個人再生は、自己破産のような免責不許可事由はありませんので、ギャンブルや浪費による借金であっても利用することができます。ただし、返済を前提とした手続きになりますので、債務者本人に安定した収入があることが条件となります。
借金問題は、借金をした本人が弁護士に相談をするのが原則ですが、本人が相談を拒否している、本人が相談に行く時間がないなどの理由で本人が相談できない状況もあるかもしれません。
そのような場合には、身内の方が代わりに弁護士に相談することもできます。弁護士は、借金問題解決に向けたさまざまなアドバイスを行いますので、身内の方は弁護士からのアドバイスを踏まえて本人を説得してみるとよいでしょう。
ただし、実際に債務整理を依頼するという段階では、本人からの依頼がなければなりません。身内の方からの債務整理の依頼についてはお受けできませんので、必ず本人を連れてくるようにしてください。
家族の借金については、原則として借金をした本人が返済しなければならず、本人の身内の方には返済義務はありません。しかし、例外的に返済義務が生じることがありますので、自分に返済義務があるかどうか不安な方は、弁護士に相談することをおすすめします。
また、借金問題を解決する手段には、任意整理、自己破産、個人再生という3つの方法があります。いずれも借金の返済負担を軽減できる方法ですが、それぞれメリットとデメリットがありますので、状況に応じて適切な手段を選択することが大切です。
知識や経験に乏しい一般の方では、最適な手段を選択するのは困難といえますので、借金問題でお困りの際は、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
家族の借金が発覚したときは、まずは借金の状況を整理した上で、早めに弁護士に相談するようにしましょう。弁護士に相談をすれば、状況に応じた最適な債務整理の手段を選択して、借金問題を解決に導いてくれます。
家族の借金問題でお困りの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。