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親の借金で子どもに返済義務が生じるケースとは? 具体例と解決策

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更新日:2024年06月20日 公開日:2024年06月20日

親の借金で子どもに返済義務が生じるケースとは? 具体例と解決策

親に多額の借金があることがわかると、「自分が親の借金を返済しなければならないのだろうか」と不安になるのは当然のことです。

親の借金は、基本的には子どもに返済義務はありません。しかし、親の連帯保証人になっているケースや親が亡くなり遺産を相続したケースなどでは、子どもにも返済義務が生じることがあります。そのため、親の借金問題は生前または死後に適切な対策を講じることが重要です。そうすることで、借金の返済義務の負担を回避できる可能性があります。

本コラムでは、親の借金で子どもに返済義務が生じるケースとその対策について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

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1、親の借金で子どもに返済義務が生じるケース・生じないケース

親が借金を抱えているとき、子どもに返済義務が生じるケースと生じないケースを説明します。

  1. (1)子どもに借金の返済義務が生じるケース

    親の借金について、子どもに返済義務が生じるのは、以下のケースです。

    ① 親の借金の連帯保証人になっている
    連帯保証人は、債務者が借金の返済をしない場合に、債務者に代わって返済義務を負うことになります。親から頼まれて子どもが親の借金の連帯保証人になっている場合、子ども自身の借金でなかったとしても、連帯保証人として借金の返済義務が生じます。

    ② 子ども名義で借金をしている(名義貸しによる借金)
    親が借金をする際に、親自身の名義ではなく子どもの名義を使うことも少なくありません。このような行為を「名義貸し」といいます。
    借金の返済義務を負う人は基本的に名義で判断されるため、子ども名義の借金は、子どもに返済義務が生じます。

    ③ 親が亡くなった
    親が亡くなった場合には遺産相続が始まり、親の遺産(相続財産)は、相続人である子どもに引き継がれます。相続対象となる遺産には、現金・預貯金・不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。
    つまり、相続人である子どもに親の借金が引き継がれることになるため、子どもが返済していかなければなりません。
  2. (2)子どもに借金の返済義務が生じないケース

    子どもに返済義務があるように思えるケースもあるでしょう。しかし、以下のようなケースでは、法的には子どもに返済義務はありません。

    ① 実印が許可なく使われて子ども名義で借金をされた
    名義貸しによる借金は、基本的には、名義人が返済義務を負うことになります。
    しかし、名義貸しを承諾していないにもかかわらず、親が勝手に実印を持ち出して借金を抱えることになったような場合は、例外的に借金の返済義務を免れる可能性があります。
    ただし、お金を貸した側としては、勝手に実印を使われたかどうかという事情はわかりません。そのため、実印の保管状況などによっては、勝手に実印を使われたとしても名義人が返済義務を負わなければならないケースもあります。

    ② 知らないうちに親の保証人にさせられていた
    借金の保証人として返済義務が生じるのは、有効な保証契約が締結された場合です。
    名義貸しによる借金と同様に、親が勝手に実印を使用して、子どもを保証人にしたようなケースでは、子どもには保証契約を締結する意思がないため、保証契約は無効になる可能性があります。
    このようなケースでは、形式上保証人になっている子どもでも、借金の返済を拒否できる可能性があります。

    ③ 親から「金を払え!」と言われている
    親子というだけで、子どもに親の借金の返済義務が生じることはありません。親から「金を払え!」と言われたとしても、法的には返済義務がないため、ご安心ください。ただし、拒否することで身の危険を感じることがあるような場合は、警察などに相談することをおすすめします。

    ④ 自分から「借金を返済する」と親に申し出た
    親が多額の借金をしているのを心配して、子どもが「自分が返済する」と申し出ることがあります。子どもが親の借金を任意に返済すること自体は特に問題ありませんが、そのような発言をしたからといって、子どもに対して借金の返済義務が生じることはありません。

2、親が生きている間にできる借金問題への3つのアプローチ

親の借金を自分が負担しないようにするためにも、親が生きている間に検討すべき対策を3つご紹介します。

  1. (1)貸付自粛制度の活用

    貸付自粛制度とは、日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターに対し、借り入れ自粛の要請をすることで、個人信用情報機関にその情報が登録され、金融機関や消費者金融などからの借り入れを5年間制限することができる制度です。
    ギャンブル依存や浪費などで、生活に支障が生じるのを防ぐことを目的としています。

    貸付自粛制度は、すでにある借金を減らすことはできませんが、これ以上借金が増えるのを防止する効果があります。

  2. (2)時効援用

    借金には、「消滅時効」といって、一定期間が経過すると借金の返済義務が消滅する制度があります。

    親が借金をしていたとしても、借り入れから長期間返済をしていないという場合には、時効が成立し、借金の返済義務が消滅している可能性があるでしょう。
    このような場合には、時効援用という手続きをとることで、親の借金をなくすことが可能です。

  3. (3)債務整理

    債務整理とは、借金の返済負担を軽減することができる方法です。
    債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生の3種類があります。たとえば、借金をした親が自己破産をすれば、その借金は基本的にすべてゼロになるため、親が亡くなったとしても、子どもが借金を相続する必要はなくなります。

    親が生前に債務整理をすることで、遺産相続でのトラブル防止につながるため、親とよく話し合って債務整理の手続きを進めていくとよいでしょう。

3、親が亡くなったあとにできる借金問題への3つのアプローチ

親が亡くなったとき、親の借金は相続人である子どもが引き継ぐことになります。借金を負担したくないという場合に、検討すべき3つの対策をご紹介します。

  1. (1)相続放棄

    相続放棄とは、相続により承継する一切の権利・義務を放棄する手続きです。

    相続放棄をすれば、現金・預貯金・不動産などのプラスの財産を相続できなくなりますが、借金などのマイナスの財産も相続する必要がなくなります。親に多額の借金がある場合には、相続放棄を検討するとよいでしょう。

    相続放棄をするには、原則、自己のために相続開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所において相続放棄の申述という手続きを行わなければなりません。
    期限を経過すると受け付けてもらえない可能性が高まるため、相続放棄をする場合は、早めに手続きを進めていきましょう。

  2. (2)限定承認

    限定承認とは、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐという手続きです。相続放棄と同様に、限定承認も親の借金の負担を免れるための方法として利用されています。

    限定承認を行うには、相続人全員が共同して手続きを行わなければなりません。また、相続財産の清算手続きが必要になるため、手続きが終了するまで長い期間を要するなどのデメリットもあります。

    そのため、限定承認をするのは、以下のようなケースになるでしょう。

    • プラスの財産とマイナスの財産がいくらあるのか分からない
    • どうしても残しておきたい財産がある
    • 後順位の相続人に迷惑をかけたくない
  3. (3)債務整理

    法定の期限内に相続放棄または限定承認のいずれの手続きもとらなければ、単純承認があったものとみなされ、借金を含むすべての遺産を相続することになります。

    借金を相続した相続人において、親の借金をすべて返済していくのが難しいと感じたときは、債務整理を検討するとよいでしょう。任意整理・個人再生・自己破産などのうち、適切な債務整理の方法を選択することで、今よりも借金の返済負担を軽減できる可能性があります。

4、借金問題を弁護士に相談するメリット

親の借金の連帯保証人になっている、子ども名義での借金になっているなど借金のことでお困りの方は、弁護士への相談をおすすめします。

  1. (1)借金の返済義務が生じているのかがわかる

    親に借金があることが判明すると、「自分も返済義務を負うのではないか」と不安になる方も多いでしょう。子どもが親の借金の返済義務を負うかどうかは、具体的な状況によって異なるため、正確に状況を把握するためにもまずは弁護士に相談する必要があります。

    弁護士に相談をすれば、個別具体的な状況を踏まえて、親が抱える借金の返済義務が自分にあるかどうかを正確に判断してくれるでしょう。

  2. (2)親の生前または死後に有効な対策をアドバイスしてもらえる

    親が借金を抱えている場合には、まずは親の生前に適切な対策を講じることで、子どもに借金返済の負担が生じるのを回避できる可能性があります。
    生前の借金対策にあたっては親自身の協力が不可欠であるため、親を説得して、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

    また、親が亡くなると親の借金は、相続人である子どもに相続されてしまいます。借金の返済義務を負いたくないという場合には、相続放棄や限定承認の手続きを検討する必要がありますが、3か月という非常に短い期間内に手続きを行わなければなりません。

    期限内に相続財産調査を終えて、相続放棄・限定承認の判断をするには、弁護士のサポートを受けることがおすすめです。

  3. (3)最適な債務整理方法がわかる

    債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生の3種類があります。

    それぞれの方法には、メリットだけでなくデメリットもあるため、より効果的に借金返済の負担を軽減するためには、状況に応じた適切な方法を選択することが重要です。

    弁護士に相談をすれば、借金総額、資産内容、収支状況、借り入れの経緯などを踏まえて、最適な債務整理の方法を提案してもらうことができます。借金問題は、ひとりで悩んでいても解決することはできません。まずは、債務整理に詳しい弁護士に相談するようにしましょう。

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5、まとめ

親に借金がある場合、子どもが親の借金の返済義務を負うケースもあります。

親が抱える借金の返済義務を負いたくないときは、親の生前または死後に適切な対策を講じる必要があるため、まずは弁護士に相談することがおすすめです。

ベリーベスト法律事務所では、債務整理の相談は何度でも無料で受け付けております。借金問題でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国75拠点、約360名の弁護士が在籍
※2024年2月現在
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2010年(平成22年)12月16日

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