債務整理 弁護士コラム
任意整理は、個人再生や自己破産に比べて周囲にバレにくいという特徴があるといわれています。それは、本当でしょうか。
そもそも任意整理は、裁判所を介することなく債権者と直接交渉することによって、今後の返済額や返済期間を見直し、返済の負担を軽減することが可能な手続きです。
しかし、バレる可能性が一切ないというわけではないので注意が必要です。任意整理をするとしても、会社にバレて在籍しづらくなることは避けたいでしょうし、家族に心配をかけたくないと考えることにも無理はありません。
本コラムでは、任意整理が会社や家族にバレる場合の理由と、バレずに任意整理をする方法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
結論からいうと、任意整理をしても自分から話さない限り、会社や家族にバレる可能性は低いでしょう。以下で、その理由などをご説明します。
債務整理には、任意整理の他に個人再生と自己破産があります。
任意整理の手続きは債権者と交渉するのみであり、比較的簡便かつ柔軟なものです。一方で、個人再生と自己破産は裁判所に申し立てをしたうえで、厳格かつ複雑な手続きを行わなければなりません。
この違いが、結果として任意整理は債務整理の中でも最もバレにくい手続きと言われている理由になっています。
任意整理をしても会社や家族にバレにくい具体的な理由は、以下のとおりです。
① 必要書類が少ない
個人再生と自己破産では、裁判所に申し立てる際に数多くの書類が必要となります。たとえば、以下のような書類が求められるでしょう。
なかには、会社や家族に協力してもらわなければ取得することが難しい書類もあります。対して、任意整理では必要書類は特になく、弁護士に依頼する際の資料として借金の契約書や振込明細書などが必要になる程度なので、会社や家族にバレにくいのです。
② 財産を処分する必要がない
自己破産の場合は、一定の評価額を超える財産を処分する必要があります。マイホームや自動車、生命保険などが処分されると家族にバレてしまうでしょう。社内預金や財形貯蓄の処分が必要となった場合も、会社に気づかれてしまう可能性があります。
対して、任意整理では財産を処分する必要がないので、バレることなく手続きをすることが可能です。
③ 整理する借入先を選べる
個人再生と自己破産では、すべての債権者を手続きの対象としなければなりません。ローンが残っている車など、担保が付いているものは債権者に引き揚げられてしまい、家族にバレる可能性が高くなります。
任意整理では整理する借入先を自由に選べるため、家族に影響が出るような借入先を手続きから除外すれば、バレずに他の借金を整理できます。
④ 官報に掲載されない
個人再生と自己破産では、手続きをすると官報に住所や氏名が掲載されます。ただし、一般の方が官報を見ることはまずありません。しかし、金融機関や不動産業者など一部の業種では担当者が日常的に閲覧していると考えて差し支えありません。したがって、自分または家族の勤務先が官報を閲覧する業種の場合は、バレる可能性があるでしょう。
一方で、任意整理をしても官報に掲載されることはないので、官報を見られてバレるこということがありません。
任意整理をしたことが会社や家族にバレるケースとしては、自分で話す場合の他に、以下のようなケースがあります。これらに該当する場合は特に、弁護士と相談しながら債務整理を進めることをおすすめします。
従業員貸付制度などで会社から借り入れをしている場合に、その借金を任意整理すると、当然ながら会社にバレます。
会社からの借り入れを手続きから除外すれば、気づかれることなく任意整理をすることは可能です。しかし、借金総額によっては、他の借金を整理するだけでは解決できないこともあるでしょう。
保証人付きの借金を任意整理すると、保証人が返済の請求を受けてしまいます。会社の同僚や家族が保証人になっていると、これにより手続きをしたことがバレてしまいます。
会社からの借り入れの場合と同様、保証人付きの借金を除外して任意整理をすればバレずに済みますが、借金を整理しきれないこともあるでしょう。
任意整理を弁護士に依頼せず、自分で手続きをすると家族にバレる可能性が高くなります。
任意整理をする際には、まず債権者に取引履歴の開示を請求することが必要です。取引履歴は封書で郵送されてきますが、手続きをする債権者の数だけ社名入りの封筒で自宅に届きます。
そして、各債権者と電話で和解の交渉をしなければなりません。合意ができたら和解成立ですが、和解書はまた社名入りの封筒で自宅に郵送されてきます。
こういった債権者との電話や郵便による連絡を家族に見聞きされると、少なくとも借金をしていることは家族にバレてしまうでしょう。
会社や家族にバレることなく任意整理の手続きが終了したとしても、その後の返済を滞納するとバレるおそれがあります。
滞納すると、当然ながら債権者から電話や郵便で催促されるはずです。ほとんどの場合は、2回滞納すると残額を一括で返済することになっています。一括返済の請求を受けても、支払わなければ裁判を起こされた上で、給与などの差し押さえを受けることがあるのです。
裁判を起こされた時点で裁判所から特別送達で書類が自宅に届きますし、給与を差し押さえられると自宅だけでなく会社にも裁判所からの通知が届きます。したがって、少なくとも会社には確実に借金のことがバレることになるでしょう。
会社や家族にバレずに任意整理をする方法は、以下のとおりです。
借金の返済が苦しくなったときは、放置せず早期に任意整理をすることで、バレる可能性を下げることができます。
滞納すると、債権者から何度も電話や郵便で督促を受けます。督促を無視すると、会社にも債権者から督促の電話がかかってくることにも注意が必要です。督促を無視し続ければ、裁判や差し押さえに進んでしまいます。
まずは、債権者からの電話を無視しないようにしてください。そのうえで、このままでは返済できなくなることが分かった時点で、滞納する前に任意整理をすれば、債権者からの督促や裁判、差し押さえを受けることがありません。会社や家族にバレることなく手続きをすることが、十分に可能となるのです。
最も効果的な方法は、弁護士に任意整理手続きを依頼することです。
弁護士に依頼すれば、その弁護士の事務所が債権者との連絡窓口となります。契約が完了し、受任通知が相手方に届けば、一時的に債権者からの督促がストップします。会社や自宅に連絡が来ることがなくなるのです。この間に生活を立て直す準備を進められます。
もちろん、弁護士と電話や郵便で連絡を取る必要はあります。しかし、多くの法律事務所や弁護士事務所で、電話連絡は携帯電話にのみにする、書類は送付せず自分で事務所に取りに行くようにする、送付する場合も事務所名などではなく個人名で送ってもらうよう依頼するなどの対応が可能です。
このようにすれば、任意整理をしたことが会社や家族にバレることはほとんどありません。
その他にも、任意整理を弁護士に依頼することで数多くのメリットが得られます。
弁護士は代理人として手続きを進めるので、連絡窓口になるだけでなく、債権者とのやりとりをすべて代行してくれます。依頼者は自分で債権者とやりとりする必要がないので、仕事などに専念することが可能です。
弁護士は取引履歴に基づき利息引き直し計算を正確に行った上で、法的見地から債権者と粘り強く交渉してくれます。そのため、自分で交渉する場合よりも有利な条件で和解ができる可能性が高まるでしょう。
また、状況によっては任意整理よりも個人再生または自己破産の方が適しているということも考えられます。弁護士がいれば、最適な解決方法を提案してもらうことが可能です。
仮に、個人再生または自己破産をすることになったとしても、弁護士に任せることで会社や家族にバレることなく手続きができる可能性は十分にあります。
借金が払えず任意整理をする場合には、できれば家族には話して、家計などの面で協力を求める方が望ましいといえます。何らかの事情で家族に話しづらいという場合には、弁護士に手続きを依頼することが最善の方法となると考えられます。
ただ、任意整理が一切バレないというわけではありません。それでも、弁護士に対応を依頼することが最もバレにくい方法であるということは知っておきましょう。ベリーベスト法律事務所では、会社や家族にバレることなく債務整理をしたいなど、さまざまなご要望に最大限に配慮して対応しております。
借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますので、お困りの際はぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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任意整理は、債権者と将来利息の免除や返済期間の延長などについて交渉することにより、毎月の返済額を減らすことが可能な手続きです。
しかし、任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されるため、ETCカードも使えなくなるのではないかと心配する方もいらっしゃることでしょう。特に、仕事や生活などでETCの利用が必要な方にとっては、切実な問題です。
この記事では、任意整理をするとETCカードが使えなくなるのか、一般的なETCカードが使えなくなるとしても、他にETCカードを利用する方法はないのかについて解説していきます。
借金の返済が厳しくなってきたら「任意整理」という方法で、返済の負担を軽減できる可能性があります。
しかし、任意整理を検討している方の中には、弁護士に依頼した際の費用がどのくらいかかるかわからずに、依頼を躊躇しているという方もいるかもしれません。そのような方は、任意整理の費用相場をしっかりと理解しておくことで、安心して弁護士への依頼に踏み切ることができるでしょう。
今回は、任意整理の費用相場と費用の支払いが不安な場合の対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
任意整理は、借金などの債務の負担を軽減できる手続きです。借金返済が困難になってしまった方は、任意整理を検討するとよいでしょう。
なんとなくの印象で「任意整理はやばい」と言われることもあるようですが、決してそんなことはありません。正しい知識と情報をもとに、任意整理を行うべきかどうかを判断しましょう。
本記事では、任意整理のメリットとデメリットを踏まえて、任意整理は本当に「やばい」のかどうか、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。