債務整理 弁護士コラム

任意整理に失敗する5つのケース・失敗しないための2つのポイント

2022年08月01日
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任意整理に失敗する5つのケース・失敗しないための2つのポイント

任意整理は、債務整理のうちでもっとも簡単で費用も安く抑えられる手続きです。しかし、任意整理は、他の債務整理の場合と同様に、100%成功する手続きではありません。

次のようなケースでは、任意整理に失敗してしまう(任意整理できない)可能性が高いといえます。

・ 毎月の返済にあてる収入がないケース
・ 収入額に対して借金の金額が多すぎるケース
・ 生活保護を受けているケース
・ 債権者が任意整理の話し合いに応じてくれないケース
・ 任意整理(和解)成立後に、返済が滞ってしまうケース

この記事では、これらのケースについて解説し、任意整理で失敗しないために知っておきたい2つのポイントについて解説していきます。

1、毎月の返済にあてる収入がないケース

任意整理は、借金の残金について今後発生する利息を免除してもらった上で、残元金の分割返済の条件を見直してもらう(毎月あたりの返済額を減らしてもらう)ことになります

つまり、任意整理をしても「借金は返していかなければならない」ことは変わらないということになります


そのため、ケガ・病気などが理由で収入(および取り崩せる貯金など)が全くない状況に陥っている人は、任意整理をしても返済できずに失敗してしまいます。

2、収入額に対して借金の金額が多すぎるケース

毎月の返済が可能な収入があれば、正規雇用はもちろん、派遣社員、契約社員、フリーター、パート主婦、年金生活者であっても、任意整理での借金解決は不可能ではありません。

しかし、借金の残額が多額すぎるときには、任意整理に失敗してしまうことがあります。任意整理は、残元金の分割回数は何回でもかまわない(債務者が支払える金額だけ払えばよい)というわけではありません。利息を免除した上で、返済期間が長くなりすぎれば、債権者にとっての不利益がさらに大きくなってしまうからです。

任意整理における残元金の返済期間は、3~5年程度と設定されるのが実務では一般的ですから、借金の残額がその期間を超える場合は、任意整理をしても失敗してしまう(債権者に同意してもらえない)可能性が高いといえます

3、生活保護を受けているケース

生活保護を受けている場合、任意整理で借金を解決できません。生活保護費で毎月借金を返済することは、「受給者の財産を形成すること」につながってしまうからです。そのため、生活保護受給者は、原則として自己破産で借金を解決することになります。

なお、借金の残額がかなり少ない場合や、近い将来の復職(就職)可能性が高いケースでは、例外的に任意整理を認めてもらえる可能性がないわけではありません。まずは現在の状況を、弁護士によく相談するとよいでしょう。

4、債権者が任意整理の話し合いに応じてくれないケース

任意整理は、債権者との「任意の話し合い」によって、今後の返済条件を見直す手続きです。そのため、債権者が話し合いの席についてくれない場合にも任意整理は失敗してしまいます。

一般的には、「話し合いに全く応じない」という債権者は多くはありませんが、次のような事情を抱えるときには、話し合いすらできずに任意整理が失敗してしまうこともあります。

  1. (1)「任意整理に応じない」ことを方針としている

    中小の消費者金融をはじめとする、一部の金融機関では、「任意整理には応じない」ことを会社の方針としている期間があります。

    金融機関にとって任意整理に安易に応じる姿勢を見せることは、「自社顧客のモラルハザードを引き越す」、「株主などから責任を追及される」といったリスクが生じることがあるからです。

  2. (2)借り入れしてからの返済額が少ない

    金融機関から借り入れをした直後に任意整理を申し入れるなど、借り入れ後の返済額が少なすぎる場合には、任意整理の話し合いに応じてもらえない可能性が高くなります。

    返済実績が少ないということは、利息の支払いも少ないということなので、債権者としては任意整理に応じる理由(それまでの返済で一定程度は利益を上げられている)が全くないからです。また、「借りてから全く返していない借金」があるときには、自己破産を申し立てても認められない(詐欺に該当する恐れがあるため)ことにも注意しておく必要があります。

  3. (3)すでに法的な回収手続きがはじまっている

    返済の滞納が長期間となったときには、債権者が、裁判所の手続きを用いて債務の回収に取りかかることがあります。法的手段による取り立ては、最終的には、給料などの財産の差し押さえになりますが、差し押さえを行うためには、民事訴訟あるいは支払督促の手続きを申し立てる必要があります。

    たとえば、差し押さえの手続きに踏み切っているケースでは、そのまま差し押さえを続行した方が債権者にとっては早く確実に残元金(および遅延損害金)を回収できるといえます。特に、給料の差し押さえは、差押債権が満足する(残元金を完済する)まで自動的に継続させることができるので、債権者にとってメリットが大きく、任意整理に応じない理由となるでしょう。

5、任意整理(和解)成立後に、返済が滞ってしまうケース

債権者との間で今後の返済条件について合意ができたときには、和解契約書としてまとめ、その内容(残元金を3~5年で分割返済する内容になることが一般的)を履行していきます。

しかし、数年間以上の長期の分割返済となれば、その間に、病気・ケガ・減収・失職・家族の事情(親の介護・子どもの進学)などが原因で、完済前に返済が行き詰まることがあるかもしれません。

また、そもそも現実的ではない内容(収入額からして無理な返済条件)で和解をしてしまった場合にも、任意整理による完済が失敗するリスクは高くなります。

6、任意整理に失敗しないための2つのポイント

任意整理に失敗しないためには、次の2つの点がとても重要です。

  • 借金問題の解決実績がある弁護士に依頼する
  • できるだけ早く任意整理に着手する


  1. (1)弁護士に依頼する

    任意整理は、裁判所を介さない「話し合い」なので、どのようなやり方をするかも当事者同士で決めることができます。その意味では、弁護士を代理人とせずに自分自身で債権者と交渉をすることも不可能ではありません。

    しかし、任意整理には、タフな交渉が求められる場面、法的知識が必要となる場面も少なくありません。そのため、何の知識・スキルもないまま債権者と交渉をしても、債権者に納得してもらえない可能性が高いでしょう。また、継続不可能な返済条件で和解をしてしまうリスクもあります。

    弁護士に一任すれば、法的知識や解決実績に基づいて、債権者と対等に交渉することが可能ですし、債務者にとって現実的な返済条件についても正しく判断することができます。また、弁護士に依頼する際には、ホームページなどで債務整理や借金問題の解決実績を確認し、なるべく実績が豊富な弁護士を選ぶようにしましょう

  2. (2)できるだけ早い時期に債務整理に着手する

    借金返済に行き詰まった人の中には、返済のためにさらに借金を繰り返すし多重債務に陥ってしまう人も少なくありません。多重債務となれば、債権者の数も増えてしまうため、任意整理に必要となる費用も高くなる可能性があります。また、借金がふくれ上がれば、任意整理では対応しきれず、自己破産も検討すべきケースもあるでしょう。

    借金問題は、放置しているとトラブルが深刻化するリスクがあります。まずは、一日でも早く弁護士へ相談することをおすすめします。

7、任意整理に失敗した場合の対処方法

任意整理に失敗したときには、裁判所の手続きである自己破産・個人再生を利用することで、返済できなくなった借金問題の解決を図ることができます。

ただし、自己破産・個人再生のいずれを選択するかは、それぞれのケースが抱える事情によって異なります。

たとえば、借金額に対して収入額が全く足りないというケースであれば、自己破産の申し立てが基本となりますが、「借金元金の一部免除を受ければ、3年で分割返済できる」のであれば、個人再生によって解決できる可能性も残されています

また、ケースによっては、別の弁護士・司法書士に依頼しなおすことで、任意整理が可能になるということもあるかもしれませんし、任意整理後の再度の任意整理が可能な場合もあります。

いずれにせよ、借金の問題は放置しておくことがもっともよくないので、任意整理に失敗したとしても自暴自棄になったりせずに、弁護士・司法書士に引き続き相談することが重要です。

8、まとめ

どのような方法にも100%成功するというものはありません。特に、任意整理の場合には、債権者の同意を得られなければ、話し合いをはじめることすらできないケースもあります。

任意整理を成功させるためには、交渉のための専門知識やスキルだけでなく、債権者からの信頼を得るということもとても重要です。弁護士が間に入るということは、「適切な交渉をしてくれる」、「和解成立後もきちんと返済してくれる」等の担保にもなることが期待できます。

借金の返済が苦しいと感じたときには、できるだけ早く、実績のある弁護士に相談することが大切だといえるでしょう。ベリーベスト法律事務所では、借金に関するご相談は何回でも無料です。任意整理を考えたら、まずは一度ご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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