債務整理 弁護士コラム
借金はきちんと返したいと思っても、うまく返済が進まないこともあるでしょう。
「順調に返済できているけれど、少しでも早く完済したい」「そもそも返済が難しい。どうすれば返済していけるのか」などと悩んでいる方もいらっしゃると思います。
今回は、借金返済のコツとともに、返済が厳しいときの解決方法を分かりやすく解説します。
この記事で分かること
借金返済のコツは、まずは現状を把握したうえで、返済に回せる金額を少しでも増やすとともに、支払うべき金額を少しでも減らすことです。
具体的には、まず返済しなければならない金額を各借入先のホームページなどで確認しましょう。
次に、家計簿をつけるなどして、返済に回せる金額を割り出しましょう。
この時点で返済が難しいことが分かった場合は、家計を見直して支出を減らすか、副業をするなどして収入を増やし、返済に回せる金額を増やす必要があります。
返済する際には、リボ払いをやめたり、高金利の借入先から優先して返済したりすることによって、利息の負担を減らしていくことが重要です。
余裕があるときには繰り上げ返済をすれば、効率よく借金が減っていくので、完済を早めることが可能となるでしょう。
多額の借金を抱えている方は、家計に余裕がないケースが多いでしょう。
返済資金を捻出するために生活費を切り詰めたり、無理をして副業や兼業をしたりしている方も少なくありません。
ただ、借金返済は短くても3~5年、長ければ7~8年と続くものです。
これだけの長期間にわたって厳しい生活を続けなければならない場合は、そもそも返済に無理があるといえるかもしれません。
無理をして身体を壊したり、家庭不和などを招いたりする前に、債務整理を考えてみましょう。
債務整理をすれば借金を減らせるので、無理なく完済を目指すことが可能です。
債務整理には、主に以下の3種類の手続きがあります。
任意整理とは、債権者と直接交渉することによって今後の返済額や返済期間を決め直す手続きのことです。
基本的には将来利息が全額カットされ、残った元金を3~5年で分割返済していきます。
任意整理には、以下のようなメリットがあります。
任意整理のデメリットは、借金を大幅に減らすことは難しいという点です。
個人再生とは、裁判所に申し立てることによって借金総額を大幅に減額できる手続きのことです。
借金総額が原則的に5分の1まで、最大10分の1にまで減額され、残った借金を3~5年で分割返済していきます。
個人再生には、以下のようなメリットがあります。
一方で、個人再生のデメリットは以下の点です。
自己破産とは、裁判所に申し立てることによって借金の返済義務を全て免除してもらうことが可能な手続きのことです。
一定の条件を満たせば借金を返済する必要がなくなるという大きなメリットがあります。
一方で、以下のようなデメリットがあり、他の債務整理と比べてデメリットも多くなっています。
やみくもに債務整理をしても、借金問題を解決できるとは限りません。
債務整理を成功させるためには、「借金返済のコツ」とは異なる観点から注意すべきポイントがあります。
債務整理で借金問題を解決するためには、自分に合った手続きを選ぶことが何よりも重要です。
膨大な借金を抱えている場合に任意整理をしても、結局返済できずに改めて自己破産をすることになれば、二度手間となってしまいます。
逆に、任意整理で解決できる借金額なのに自己破産を選択すると、以下のような重大なデメリット受けてしまうおそれがあります。
自分に合った債務整理手続きの選び方は、以下のとおりです。
まず、「このままでは返済できないけれど、毎月の返済額を減らせば返済できる」という場合は、任意整理が向いているでしょう。
一例ですが、借金総額300万円を5年(60回払い)で返済する場合、任意整理をすれば毎月の返済額を2万円以上減らせる可能性があります。
任意整理をしない場合(金利18%) | 任意整理をした場合 | |
---|---|---|
返済総額 | 428万2167円 | 300万円 |
毎月の返済額 | 約7万1400円 | 5万円 |
5年間毎月5万円を継続して返済できる場合は、任意整理を選択する価値があるでしょう。
任意整理で解決できる借金総額の上限は、収入や生活状況によります。
一般的には、200万~300万円を超えると、任意整理で解決することは難しくなります。
次に、「多額の借金を抱えていて大幅な減額が必要だけれど、安定収入があり、自己破産はしたくない」という場合は個人再生が向いているでしょう。
借金総額300万円であれば、個人再生をすれば返済額は原則として100万円にまで減らせます。返済期間は3~5年なので、毎月の返済額は以下のようになります。
3年(36回)払いの場合 | 5年(60回)払いの場合 | |
---|---|---|
返済総額 | 100万円 | 100万円 |
毎月の返済額 | 約2万8000円 | 約1万6700円 |
ここまで借金を減額できれば、定職に就いている方の多くは返済可能となることでしょう。
最後に、個人再生をしても返済可能な程度にまで借金が減らない場合や、無職などで返済資金を用意できない場合は、自己破産が向いているでしょう。
ただし、ギャンブルや浪費で借金を作ったなどの事由がある場合は、原則として借金の返済義務が免除されないことに注意しなければなりません。
以上のような事由のことを、「免責不許可事由」といいます。
ただ、免責不許可事由があっても具体的な事情によっては裁判所の裁量で返済義務が免除される「裁量免責」が得られるケースも少なくありません。
債務整理をすると借金が減免される反面で、いくつかのデメリットを受けてしまいます。
債務整理をするということは契約どおりに借金を返済しないということになるので、信用情報機関に事故情報が登録されます。
その後の一定期間は、クレジットカードの利用や新たな借り入れなどができません。
「一定期間」とは、任意整理の場合は完済から5年、個人再生と自己破産の場合は手続き終了から10年が目安となります。
自己破産の場合は、「99万円以下の現金」と「その他の財産で評価額20万円以下のもの」を除いて、財産を処分しなければならないのが原則です。
また、住宅ローンや自動車ローンのように担保権付きの借金がある場合は、個人再生または自己破産を申し立てると原則としてその財産を失ってしまいます(住宅に関しては個人再生の住宅ローン特則を利用すれば維持することができます)。
一方、任意整理ではその借金を除外して手続きをすることも可能なので、財産を残せる可能性があります。
どの債務整理手続きも、周囲の人に知られずに手続きをすることが可能です。
しかし、個人再生と自己破産の場合は官報に住所や氏名が掲載されることから、第三者に知られるリスクがあります。
ですが、一般の人が官報を閲覧することはまずないので、ほとんどの場合は心配する必要がありません。
自己破産の場合、手続き中は一部の資格や職業に制限がかかるため、仕事を辞めなければならない可能性があります。
ただし制限がかかるのは手続き中だけなので、その間だけ他の部署へ異動できるような場合は、仕事を辞めずに自己破産をすることも可能です。
借金を返済するためにコツを調べるのは大切なことです。しっかりとした返済計画を立て、効率よく返済していくことが理想的です。
しかし、もし返済のために厳しい生活が長期間続くのなら、債務整理を視野に入れましょう。
債務整理事案の経験が豊富な弁護士に相談すれば、あなたに合った債務整理手続きを的確に判断してもらえます。
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『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
実は、主婦で借金を抱えている人は多く、それを言えずに悩んでいる方もたくさんいるのが現状です。もしかしたらこの記事をご覧のあなたも、そういった悩みをお持ちなのかもしれません。
一人で悩むことなく、主婦で借金をしている人は意外と多いということを知っていただいて、ぜひご自身の借金返済について前向きに考えていってください。この記事があなたにとって、ご参考になれば幸いです。
これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。