債務整理 弁護士コラム

任意整理のデメリットとは? しない方がよい人の特徴と対処法

2022年09月20日
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任意整理のデメリットとは? しない方がよい人の特徴と対処法

任意整理は、数種類ある債務整理の中でももっとも手続きが簡便で、柔軟な解決を図ることが可能な手続きです。自己破産や個人再生と比べてデメリットが少ないため、借金問題を抱えた人の大半は、まず任意整理手続きの利用を考えます。

しかし、任意整理にも注意すべきデメリットがあります。また、誰もが任意整理で借金問題を解決できるわけでもありません。

そこで今回は、任意整理の具体的なデメリットや任意整理をしない方がよい人の特徴、任意整理できない場合の対処法について、弁護士が解説します。

1、任意整理とは?

任意整理とは、債権者と直接交渉することで借金を減額してもらうことが可能な手続き方法です。基本的に将来利息をカットしてもらい、残った元金を3年~5年で分割返済していきます。

減額できるのは原則として将来利息のみですが、その分だけ返済額は減ります。借金総額200万円の場合、任意整理することで今後の返済額を100万円以上減らすことが可能です(金利18%、60回払いの場合)。また、返済期間の延長についても交渉可能なので、さらに毎月の返済を減らせる可能性があります。

他の債務整理とは異なり裁判所の手続きを利用しないので、手続きにかかる労力や時間の負担が軽く、費用も低額で済むことが多い点がメリットです。

整理する借入先を自由に選べるということもあり、保証人付きの借金を手続きから除外することで、保証人に迷惑をかけることを回避できます。加えて、財産を処分する必要がなく、資格や職業に対する制限もないことから、生活や仕事に影響なく借金を整理することも可能です。

上記だけでなく、手続きした事実が公表されることもないため、家族や勤務先等に知られずに借金を整理しやすいという利点もあります。

このように、任意整理には多くのメリットがあります。

2、任意整理のデメリット4つ

一方で、任意整理には以下のデメリットがあることに注意が必要です。

  1. (1)信用情報機関に事故情報が登録される

    任意整理をすると、契約どおりには借金を返済しないことになるため、信用情報機関に事故情報が登録されます。その後の一定期間は、新たな借入やクレジットカードの利用などができなくなる点に注意が必要です。

    個人再生や自己破産でも事故情報が登録されますが、任意整理の場合もこのデメリットを回避することはできません。

  2. (2)大幅な借金減額は期待できない

    他の債務整理とは異なるデメリットとして、基本的に元金はそのまま残ってしまうため、大幅な借金の減額は期待できないという点が挙げられます。

    たとえば、借金総額が300万円(元金)の場合、任意整理をすると約157万円の将来利息をカットし、毎月の返済額を2万6000円ほど減らせる可能性があります(金利18%、60回払いの場合)が、それでも300万円の元金は残ってしまいます。

  3. (3)安定収入が必要

    任意整理をするためには、元金を3年~5年で完済できる程度の安定収入が必要です。返済期間は交渉次第で6年~7年まで認められるケースもありますが、基本的には3年~5年となります。

    上記の借金総額300万円(元金)のケースでは、少なくとも毎月5万円を5年間払い続けることが可能なだけの収入がなければ、任意整理で解決することはできません。

  4. (4)和解できないこともある

    任意整理は裁判所の強制的な手続きを利用しないため、借金を減額できるかどうかは債権者の意向次第となります。

    ほとんどの債権者が任意整理の交渉に応じますが、わずかながら会社の方針で交渉に応じない債権者も存在する点に留意してください。

    ただ、すでに給料等の差し押さえを受けている場合、交渉に応じてくれる債権者はほとんどいません。

    その他にも、取引期間が短いケースや延滞歴が多いケースなどでは、和解条件が厳しくなる傾向です。具体的には、頭金を要求されたり、将来利息を一部要求されたり、3年以内の短期間で完済することを求められる場合が多くなっています。

3、任意整理しない方がよい人の特徴5つ

以下に掲げる5つの特徴のどれかに当てはまる人は、任意整理をしてもメリットが得られないか、重大なデメリットを受けるおそれがあるので、任意整理はしない方がよいといえるでしょう。

  1. (1)3~5年で完済できる程度の支払い能力がない

    任意整理では、和解後に残った借金を完済するまで借金問題が解決したことにはなりません。もし、途中で返済が滞ると債権者から裁判を起こされ、給料などを差し押さえられるおそれがあります。

    そのため、元金を3~5年で完済できる程度の支払い能力がない場合は、任意整理には適していないと言わざるを得ません。

    ただし、本人の収入が少なくても、家族等の協力が得られるのであれば、任意整理をすることも可能です。

  2. (2)金利が低い借金がほとんどである

    住宅ローンや自動車ローン、事業用のローン、奨学金などはもともと金利が低いため、任意整理をしても返済額はあまり減りません。かえって弁護士費用の方が高くついてしまう可能性もあるので、一般的に任意整理はしない方がよいといえるでしょう。

    なお、銀行カードローンは消費者金融より金利が低いですが、それでも通常は10~15%程度の金利がかかるので、任意整理をするメリットは十分にあります。

  3. (3)事故情報が登録されると仕事や生活に支障が出る

    事業を営んでいる人は、信用情報機関に事故情報が登録されると事業資金の借入やカード決済ができなくなるため、仕事や生活に支障が出ることがあるでしょう。事業を継続したいのであれば、なるべく任意整理はせずに、返済につとめる方がよいといえます。

    ただし、借金を重ねてしまうと解決することが難しくなるので、自転車操業に陥っているような場合は、早めに債務整理に踏み切ることがおすすめです。

  4. (4)和解に応じない債権者が複数人いる

    取引期間が短いなどの理由で容易に和解に応じない債権者が1~2社あるとしても、他の借金を任意整理すれば解決できることはあります。しかし、厳しい条件でしか和解に応じない債権者が多い場合には、任意整理をしても返済可能な程度にまで借金を減らせない可能性が高くなります。

    任意整理で借金を減額できるかどうかは債権者の意向にかかっているため、このような限界もあるということです。

  5. (5)すでに差し押さえを受けている

    借金の返済を滞納していると、債権者から裁判を起こされ、給料などを差し押さえられることがあります。その後に任意整理をしようとしても、残念ながら交渉に応じてくれる債権者はほとんどいません。債権者は、その債務者から任意には返済してもらえないと判断し、労力やコストをかけて差し押さえ手続きを行っているからです。

    差し押さえを解除してもらうためには、裁判所の手続きを利用する債務整理を行う必要があります。

4、任意整理できないときの対処法

任意整理ができないとしても、他の債務整理を選択すれば借金問題は解決することが可能です。具体的には、個人再生または自己破産を選ぶことになります。

  1. (1)個人再生

    個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金を大幅に減額することが可能な手続きです。
    借金総額が原則として5分の1、最大で10分の1にまで減縮されます。減額後の借金は3~5年で完済しなければならないため、継続的な収入が必要ですが、任意整理の場合よりは少ない収入でも利用可能です。

    住宅ローン特則の適用条件を満たす場合にはマイホームを残すこともできるため、非常に大きなメリットがある債務整理手続きとなっています。

  2. (2)自己破産

    自己破産は、裁判所の手続きを利用して借金の返済義務を全て免除してもらうことが可能な手続きです。借金が全てなくなるので、無収入の人も利用できる方法になっています。

    ただし、評価額20万円を超える財産は原則として処分しなければならないことや、手続き中は一部の資格・職業に制限がかかることなど、いくつかのデメリットに注意が必要です。

    また、ギャンブルや浪費で借金を作った場合など、借入の経緯に問題がある場合などでは、免責が許可されず借金が残ってしまうこともあります。

    個人再生と自己破産はどちらがよいというものではなく、状況に応じて適した方を選択することが重要です。

5、まとめ

任意整理には、裁判所の手続きを利用しないことから柔軟な解決を図れるというメリットがある一方で、債権者の同意を得られなければ借金が減額されず、同意を得られたとしても大幅な減額は期待できないというデメリットがあります。

そのため、任意整理をしたいと思ってもしない方がよいケースも生じてきます。借金問題を解決するには、状況に合った適切な債務整理手続きを選択することが重要といえるでしょう。
法律の専門的な知識がなければ判断が難しい問題であるため、弁護士に相談して検討することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所では、任意整理に限らず、借金問題全般に関するご相談を何度でも無料で承っております。債務整理事案の経験豊富な弁護士が状況に応じて最適な解決方法をご提案いたしますので、お困りの方はぜひ一度、当事務所へご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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