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任意整理後の支払いが遅れるとどうなる? ケース別の対処法を紹介

2022年07月19日
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任意整理後の支払いが遅れるとどうなる? ケース別の対処法を紹介

任意整理では、基本的に将来利息が免除され、残元金を3年~5年で分割して返済していく内容で和解をします。

しかし、和解後に収入が減ったり、予想外の出費が重なったりして支払いが遅れてしまうこともあるでしょう。1回遅れただけであれば大きな問題にはならないことがほとんどですが、2回遅れてしまうと、そのままでは解決が難しくなってしまいます。

この記事では、任意整理後の支払いが遅れるとどうなるのか、実際に遅れてしまった場合はどうすればよいのかについて解説していきます。

1、任意整理後の支払いが遅れるとどうなる?

任意整理で分割払いの和解をした後の支払いが遅れるとどうなるかは、和解で取り決めた内容によって異なりますが、一般的には以下の流れをたどることとなります。

  1. (1)期限の利益を失い一括返済を請求される

    支払いの遅れが一定の回数に達すると、期限の利益を喪失し、残りの借金について一括返済を請求されます。

    期限の利益とは、「返済期限が来るまでは支払わなくてよい」という債務者にとっての利益のことです。

    任意整理の対象となった借金は、本来ならすぐに返済しなければならないものです。しかし、分割払いの和解が成立すると「各月の返済日までに所定の金額を支払えば、残りの借金はすぐに支払わなくてよい」という形で期限の利益が付与されます。

    ほとんどのケースでは、分割金の支払いが2回以上遅れると債務者は期限の利益を喪失し、残りの借金を一括で支払わなければならないと和解で取り決めているはずです。この場合、任意整理後の支払いが2か月分遅れると、一括返済の請求を受けることになります。

    債権者によっては1回でも支払いが遅れると期限の利益を喪失するとしているところもあります。

    支払いが何回遅れると期限の利益を喪失するかは和解書に記載されていますので、まずは確認することが必要です。

  2. (2)遅延損害金も請求される

    通常、一括返済を請求される場合には遅延損害金も併せて請求されます。任意整理の和解で取り決められる遅延損害金の利率は14.5%~20%である場合がほとんどで、その中でも14.6%とされている場合が多くなっています。

    遅延損害金の利率も和解書に記載されていますので、確認しておきましょう。

  3. (3)一括返済できなければ差し押さえを受ける

    期限の利益を喪失してしまうと、残りの借金と遅延損害金の合計額を返済するまで、債権者からの電話や郵便による督促が続きます。それでも支払えない場合には、債権者が裁判(貸金返還請求訴訟等)を起こしてきます。

    裁判で敗訴すると、残りの借金と遅延損害金を一括で支払わなければならないという内容の判決が言い渡されます。

    その判決が確定しても支払えなければ、最終的に債権者が強制執行手続きを申し立て、債務者の給料や預金口座などの財産が差し押さえられてしまいます

    差し押さえを受けてしまうと生活費に困窮する可能性もありますし、家族や職場の人などに借金のことが知られてしまうおそれもあります。裁判や差し押さえを回避するためには、支払いが遅れた時点で速やかに対処することが極めて重要となります。

2、任意整理後の支払いが1回遅れたときの対処法

ここからは、実際に任意整理後の支払いが遅れてしまった場合の対処法をご紹介します。
支払いが1回遅れただけであれば、以下のとおり適切に対処すれば大きな問題にはなりません。

  1. (1)いつ返済できるかを借入先に連絡する

    支払いが遅れると、まずは借入先の担当者から電話で催促されます。いつまでに支払えるかを尋ねられますので、支払い可能な日を伝えましょう。そうすれば、その日まで催促は止まります。

    催促の連絡を無視していると、連日、電話や手紙で催促を受けてしまいますので、必ず連絡を取りましょう

  2. (2)翌月の返済日までに支払えば問題なし

    遅れた分の支払いを翌月の返済日までに行えば遅れを取り戻した状態となるので、特に問題はありません。「2回以上の遅れで期限の利益を喪失する」という和解条件の場合は、遅延損害金もかかりません。

    なお、翌月の返済日を過ぎても支払えなければ、2回以上遅れたこととなるので、次の対処法が必要となります。

3、任意整理後の支払いが2回遅れたときの対処法

任意整理後の支払いが2回遅れると借入先の対応も厳しくなるので、以下の対処法が必要となります。

  1. (1)督促状を無視してはいけない

    支払いが2回遅れると、借入先から一括返済を請求する旨の督促状が届きます。この督促状には、「○月○日までに金○○円をお支払いください」という内容と併せて、「お支払いが難しい場合は事前にご連絡ください」という内容が記載されていることが一般的です。

    一括返済ができず、連絡もしないまま指定の期日が過ぎてしまうと、裁判を起こされる可能性があります。期限の利益を喪失した後はいつ裁判を起こされてもおかしくない状態なので、一括返済ができなくても督促状を無視してはいけません

  2. (2)交渉次第で分割払いが可能となることもある

    督促状を受け取った後でも、借入先に連絡して事情を伝えれば、交渉次第で分割払いの継続を認めてもらえることもあります。債権者としても、裁判を起こして強制執行手続きを行っても債権を回収できる保証はありません。そのため、多くの債権者は「返済を継続してもらい、少しでも多く回収したい」と考え、この交渉に応じます。

    ただし、遅れた分の支払いをいつまで待ってもらえるかは債権者の意向次第であり、必ずしも債務者の希望が受け入れられるとは限りません。債務者としては、可能な限り早目に支払うことを提案し、誠意をもって交渉することが重要です。

    また、分割払い継続の交渉に応じない債権者がいることにも注意が必要です。

4、任意整理後の支払いが今後も難しい場合の対処法

支払いの遅れを取り戻せないか、いったんは取り戻せても今後の支払いが難しい場合は、さらに債務整理の手続きを行う必要があります。

  1. (1)2回目の任意整理(再和解)をする

    期限の利益を回復し、分割払いの継続が認められれば返済していける場合は、支払いが遅れた債権者と2回目の任意整理(再和解)をすることが考えられます。

    再和解とは、すでに任意整理で和解した債権者と改めて交渉し、合意によって返済条件を変更する手続きです。

    すでに和解している以上、返済総額を減らすことは難しいですが、返済期間の延長に応じてもらえれば毎月の返済額は減らせる可能性があります。

  2. (2)追加介入の任意整理をする

    当初の任意整理で手続きの対象外とした借入先がある場合は、その債権者と新たに任意整理をすることが考えられます。このことを「追加介入」といいます。

    追加介入によって毎月の返済の合計額を減らすことができれば、返済が困難となっていた債権者に対しても返済を継続できるようになる可能性があります

  3. (3)個人再生に切り替える

    2回目の任意整理、追加介入ができない場合や、これらの手続きを行ったとしても今後の返済を継続できる見込みが薄い場合は、個人再生や自己破産への切り替えを検討する必要があります。

    個人再生とは、裁判所の手続きを利用して借金総額を大幅に減額してもらうことが可能な手続きです。多くの場合は借金総額が5分の1にまで減額されます。

    減額後の借金を3年~5年の分割払いで完済できる程度の安定収入がある場合は、個人再生の申し立てを検討するとよいでしょう。

  4. (4)自己破産に切り替える

    自己破産とは、裁判所の手続きを利用してすべての借金の返済義務を免除してもらうことが可能な手続きです。個人再生で返済が見込めるだけの収入がない場合は、自己破産の申し立てを検討することになるでしょう。

    自己破産をすると財産を処分しなければならないこともありますが、99万円以下の現金と評価額20万円以下の財産は手元に残せるので、多くの場合は生活に支障をきたすことはありません。

    ただし、浪費やギャンブルのために借金をした場合など「免責不許可事由」がある場合には、原則として返済義務が免除されないことに注意が必要です。

5、まとめ

突発的な事情で任意整理後の支払いが1回遅れただけであれば、通常は大きな問題にはなりません。2回遅れた場合や、今後の支払い継続が難しい場合には、適切に対処しなければ最終的に財産の差し押さえを受けるおそれがあります。

そんなときは、弁護士に相談してみることをおすすめします。弁護士が豊富な経験に基づいて最適な解決方法を提案してくれることでしょう。弁護士に対応を依頼すれば、2回目の任意整理や追加介入の交渉は債務者に代わって行ってくれますし、個人再生や自己破産の複雑な手続きもすべて任せることができます。

ベリーベスト法律事務所では、専門チームに所属の弁護士がご相談に対応し、状況に応じて最適な解決方法を提案いたします。債務整理に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけます。お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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