債務整理 弁護士コラム

任意整理してもブラックにならない2つのケースとは?

2022年07月04日
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任意整理してもブラックにならない2つのケースとは?

債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、その後の一定期間は新たな借り入れ、そしてクレジットカードの利用ができなくなります。この状態になることを、俗に「ブラック入り」といいます。

任意整理も債務整理の一種なので、手続き後は「ブラック入り」してしまいます。しかし、自己破産や個人再生とは異なり、任意整理の場合は例外的にブラックにならないケースが2つあります。

ただ、例外に該当しない場合でも「ブラック入り」を過度に恐れず、早めに任意整理等をして借金問題を解消することが大切です。

この記事では、任意整理してもブラックにならない2つのケースと、ブラックになっても任意整理をするメリットについて解説します。

1、任意整理すると登録される「ブラックリスト」とは

まずは、いわゆる「ブラックリスト」がどのようなものであるかを正しく理解しておきましょう。

  1. (1)信用情報機関に、事故情報が登録されること

    そもそも、ブラックリストという帳簿のようなものがどこかに存在するわけではありません。信用情報機関に保有されている個人ごとのデータに「事故情報」が登録された状態のことが、俗に「ブラックリスト」と呼ばれているのです。

    信用情報とは、氏名や住所、生年月日、勤務先などの個人情報の他、借金やクレジットカードなど金融取引に関する契約内容、返済状況、残高といった取引に関する客観的な事実のことです。これらのデータが個人単位で以下の信用情報機関に保有されています。

    • 株式会社日本信用情報機構(JICC):主に消費者金融が加盟
    • 株式会社シー・アイ・シー(CIC):主にクレジットカード会社が加盟
    • 全国銀行個人信用情報センター(KSC):主に銀行や信用金庫が加盟


    事故情報とは、長期間の延滞や保証会社が代位弁済をして債権が異動したこと、債務整理をしたことなど、金融取引で発生した異常な情報のことです。事故情報も個人の信用に関わる重要な情報なので、信用情報機関に登録されるのです。

  2. (2)任意整理で事故情報が登録される理由

    任意整理をするということは、借金を契約どおりに返済しないことを意味します。債権者と交渉する前提としていったん支払いを停止するため、「事故」として取り扱われます。

    具体的には、JICCには「債務整理」という情報が登録され、CICとKSCには、「延滞」あるいは「保証履行」、「異動」という情報が登録されます。

    「任意整理では、少なくとも元金は返済するのだから事故ではない」と考える人もいますが、手続きに着手した時点(弁護士に任意整理を依頼した場合は受任通知が債権者に届いた時点)で事故情報が登録されるので、注意が必要です。

  3. (3)事故情報が登録されることで受けるデメリット

    信用情報は、各信用情報機関に加盟する業者が照会し、申込者や顧客の支払い能力を判断するためにあります。事故情報が登録されていると、「支払い能力なし」と判断されることになります。具体的には、以下のデメリットが生じます。

    • 新たな借り入れができなくなる
    • ローンが組めなくなる
    • クレジットカードの作成、利用ができなくなる
    • 住宅ローンや子どもの奨学金の保証人になれなくなる
    • 携帯電話やスマホの端末を分割払いでは購入できなくなる

2、任意整理をしてもブラックにならない2つのケース

任意整理をしても例外的にブラックにならないケースは、以下の2つです。

  1. (1)利息引き直し計算をすると、借金が残らない場合

    任意整理をする際には、正確な借入残高を確認するために、取引履歴に基づき利息引き直し計算を行います。

    利息引き直し計算とは、法定金利を超える金利で取引が行われていた場合に、法定金利を適用して利息を正しく計算し直すことです。払いすぎた利息があれば、その金額を元金に充当します。

    計算の結果、すでに元金を完済しており借金が残らない場合はブラックになりません。完済した時点で本来の取引は終了しており、事故は発生していないことになるからです。

    ただし、多くの貸金業者は任意整理の受任通知を受け取った時点で、事故情報を登録しています。通常は「債務なし」の和解が成立したときに事故情報が削除されますが、業者が削除しない場合には削除するよう求める必要があります。

  2. (2)完済した借入先に対して過払い金返還請求をする場合

    利息引き直し計算の結果、元金に充当したが、まだ支払い済みの利息が残っている場合は、「過払い金」として返還を請求できます

    すでに完済した借入先に対して過払い金返還請求をする場合は、「支払い停止」が発生しないので、そもそも事故情報が登録されません。

3、任意整理でブラックになっても影響は小さい?

任意整理をすると多くの場合はブラック入りを避けられませんが、その影響を過度に恐れる必要はありません。その理由は以下のとおりです。

  1. (1)事故情報は5年で消える

    事故情報は一生残るわけでなく、一定期間の経過後に削除されます。その後は再び、借り入れやクレジットカードなどの利用ができるようになります。

    任意整理の場合、債権者によっては「和解成立から5年」で事故情報を削除してくれることもありますが、多くの債権者は「完済から5年」で事故情報を削除します。したがって、「完済から5年」を目安として考えておくとよいでしょう。

  2. (2)家族の信用情報に影響はない

    信用情報は個人単位なので、自分が任意整理をしても家族の信用情報に事故情報が登録されることはありません

    自分の事故情報が削除される前に借り入れやローンを利用する必要が生じた場合は、家族名義で契約することが可能です。

  3. (3)ブラックになっても家族カードは使える

    クレジットカードの「家族カード」は本会員(カード会社と契約をした人)の信用に基づき発行されるものなので、事故情報が削除される前でも利用できます

    返済義務は本会員である家族が負い、利用可能枠も本会員と共有することになりますが、その範囲内で通常のクレジットカードとほぼ同じサービスを受けることが可能です。

4、ブラックになっても任意整理をするメリット

ブラックになると一定のデメリットを受けることは避けられませんが、返済しきれない借金を抱えている場合は早めに任意整理をする方が得策です。ブラックになっても任意整理をするメリットは、以下のとおりです。

  1. (1)借金の完済が可能となる

    任意整理をすれば、基本的に将来利息は全額カットが可能です返済期間の延長交渉も可能なので、借金を完済できる可能性が高くなります

    たとえば、消費者金融2社から合計100万円を借り入れている場合(約定金利はいずれも年18%)、60回払いで返済するとすれば、将来利息をカットするだけでも返済額が50万円以上減少します。

    任意整理をしなくても、延滞が続くと事故情報が登録されます。その場合、延滞を解消するまで事故情報は削除されないので、任意整理をするメリットは大きいといえるでしょう。

  2. (2)自己破産・個人再生より早く事故情報が消える

    自己破産または個人再生をした場合も事故情報が登録されます。事故情報が削除されるまでの期間は、以下のとおりです。

    • 自己破産…免責許可決定の確定から10年
    • 個人再生…再生計画案の認可決定の確定から10年


    任意整理をした場合の方が早期に事故情報が削除されるので、借金額が大きく膨らまないうちに任意整理で解決する方がデメリットは少ないといえます

  3. (3)借金に頼らない生活をするきっかけとなる

    借金問題を根本的に解決するためには、抱えてしまった借金を整理するだけでなく、借金に頼らず生活できる状態を作ることがどうしても必要です。事故情報が登録されると強制的に借金ができなくなるので、経済的に生活を立て直すきっかけとなります。

    ブラック入りをデメリットとして捉えるのではなく、借金癖を解消するためのきっかけとして捉えれば、むしろメリットになるということもできます

5、まとめ

この記事では任意整理をしてもブラックにならないケースをご紹介しましたが、2010年以降は法定金利を超える金利での取引は行われなくなっているため、該当するケースは少なくなってきています。

返済しきれない借金を抱えた場合は、ブラック入りのデメリットを正しく理解しつつ、借金問題を解決することの方を優先して考えるべきです。なるべくデメリットを少なくして借金問題を解決するためには、弁護士に相談して専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所では、借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますので、お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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