債務整理 弁護士コラム

任意整理後の支払いが苦しい! 自己破産に変更できる?

2022年01月17日
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任意整理後の支払いが苦しい! 自己破産に変更できる?

任意整理をすると利息がカットされて返済の負担が軽減されますが、通常は3年~5年にわたって返済を継続する必要があります。その間に収入が減ったり、出費が増えるなどして返済が苦しくなるケースも少なくありません。

借金を返済できない場合には自己破産という手段もありますが、任意整理後に自己破産に変更できるのか、できるとしても、もう一度任意整理をするのと(再和解)自己破産のどちらがよいのかで悩む人も多いでしょう。

そこで今回は、任意整理と自己破産の違いや、ケース別にどちらが向いているのか、自己破産に切り替えるときの注意点などを解説していきます。

1、任意整理後に返済できなくなったらどうなる?

任意整理後に返済できなくなった場合に放置すると、以下のリスクを負うことになります。

  1. (1)一括返済を要求される

    通常、任意整理後の返済を2回分以上延滞すると、債権者から一括返済を要求されてしまいます。債権者によっては、1回でも延滞すると一括返済を要求してくるところもあります。

    何回の延滞で一括返済となるかは、和解の際に合意しているはずです。早めに和解書を見直して確認しておきましょう。

  2. (2)遅延損害金も要求される

    一括返済を要求される場合は、遅延損害金も加算されます。遅延損害金の利率も和解書に記載されているはずです。消費者金融やクレジットカード会社の場合は年利14.6%~20%程度とされているのが一般的です。

    元金が大きい場合や延滞が長引いた場合は、遅延損害金が高額化することもあります。

  3. (3)差し押さえを受けることがある

    一括返済の要求を受けても放置していると、債権者から裁判を提起され、最終的には給料や預金口座などの財産を差し押さえられる可能性があります。そうなると給料の手取り額が減ったり、預金を引き出せなくなるため、生活に支障をきたしてしまうおそれがあります

2、任意整理後に自己破産も可能! 両者の違いは?

任意整理後でも、返済ができなくなったときは自己破産に切り替えることが可能です。任意整理後の自己破産申し立てを制限する法律はないからです。

ただ、できることなら自己破産よりも2回目の任意整理(再和解)で解決したいと考える方も多いことでしょう。ここでは、任意整理と自己破産の違いを解説します。

  1. (1)手続き上の違い

    任意整理は、裁判所を介することなく債権者と直接話し合うことで、今後の返済額や返済方法を変更する手続きです。そのため、返済の負担をどれくらい軽減できるかは債権者の意向次第となります。

    一方、自己破産は裁判所の手続きを利用して、すべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。破産法に基づいて裁判所の決定が下されるため、一定の要件を満たせば債権者の意向にかかわらず強制的に返済義務が免除されます

  2. (2)メリットの比較

    任意整理と自己破産、それぞれのメリットをまとめると以下の表のようになります。

    手続きの種類 メリット
    任意整理
    • 将来利息をカットできる
    • 毎月の返済額を減らせる
    • 手続きが比較的簡単
    • 費用が比較的少額で済む
    • 財産を処分する必要がない
    • 資格や職業に制限がかからない
    • 官報に住所や氏名が掲載されない
    • 整理する借金を自由に選べる
    自己破産
    • 借金の返済義務が全額免除される
    • 取り立てや督促を受けることがなくなる
    • 差し押さえ手続きを停止できる


    任意整理の最大のメリットは、裁判所を介しないため手続きと費用の負担が軽いということです。自己破産のデメリットを回避しつつ、柔軟な形で借金の解決を図れるという点も任意整理のメリットといえます。

    自己破産の最大のメリットは、借金が全額免除されることです。生活を一から立て直すためには非常に有効な手段です。

  3. (3)デメリットの比較

    次に、両者のデメリットを比較してみましょう。

    手続きの種類 デメリット
    任意整理
    • 借金の大幅な減額は期待できない
    • 手続き後に継続的な返済が必要となる
    • 債権者が和解に応じないこともある
    • ブラックリストに登録される
    自己破産
    • 手続きが複雑
    • 費用が比較的高額
    • 一定の財産が処分される
    • 官報に住所や氏名が掲載される
    • 保証人に迷惑がかかることがある
    • ギャンブルや浪費など一定の事由があるときは借金が免除されない
    • 税金や養育費など免除されない債務もある
    • 手続き中は一部の資格や職業に制限がかかる
    • ブラックリストに登録される


    任意整理で注意すべきデメリットは、借金の減額割合が限定的ということです。手続きと費用の負担が軽い代わりに、思うように借金が減らないこともあります。

    自己破産では、場合によっては生活や仕事に悪影響が及ぶこともあります。借金問題を一挙に解決できる代わりに、その代償を求められるということができます。

3、2回目の任意整理と自己破産はどちらがよい?

上記のとおり、任意整理と自己破産ではメリットもデメリットも大きく異なります。そのため、任意整理後に返済できなくなった場合に2回目の任意整理と自己破産のどちらで解決すればよいのかは、ケースバイケースとなります。

ここでは、それぞれに向いているケースを具体的にご紹介します。

  1. (1)2回目の任意整理に向いているケース

    2回目の任意整理が向いている主なケースは、以下のとおりです。

    • 借金総額が比較的少ない
    • 安定的な収入がある
    • 手軽に借金を整理したい
    • 費用を抑えたい
    • 周りの人に内緒で手続きをしたい
    • 手放したくない財産がある
    • ギャンブルや浪費など免責不許可事由がある
    • 手放したくない財産がある
    • 保証人に迷惑をかけたくない
    • 自己破産をすると制限される資格や職業に就いている


    ただし、2回目の任意整理では1回目よりも和解条件が厳しくなりがちなので、交渉が難しくなることもあります。ただ、1回目で手続きから除外した借入先がある場合は、そこも追加して任意整理することで解決できる可能性があります。

  2. (2)自己破産への切り替えに向いているケース

    自己破産への切り替えに向いている主なケースは、以下のとおりです。

    • 多額の借金を抱えている
    • 収入が乏しい
    • 保証人がいない
    • めぼしい財産がない
    • 免責不許可事由がない
    • 制限がかかる資格や職業に就いていない


    多額の借金を抱えている場合で、自己破産によるデメリットがあまり問題にならないケースでは、自己破産に切り替えて生活を一から立て直した方がよいでしょう。

4、任意整理後に自己破産に切り替えるときの注意点

任意整理後に自己破産に切り替えるときには、注意すべきポイントがいくつかあります。

  1. (1)任意整理で支払った費用や返済金は戻ってこない

    任意整理の際に支払った弁護士費用や、和解後に返済した金銭は、自己破産に切り替えても戻ってきません。自己破産は、あくまでも申し立てをする時点で残っている借金の返済義務を免除してもらう手続きだからです。

  2. (2)管財事件となる可能性がある

    任意整理後に自己破産に切り替える場合は、最初から自己破産を申し立てる場合よりも管財事件となる可能性が高くなります。なぜなら、任意整理の内容によっては債権者間に不公平が生じていることがあるからです。

    自己破産ではすべての債権者を平等に扱われなければなりません(債権者平等の原則)。任意整理の和解内容が不公平な場合や、和解後の返済状況が公平でない場合、任意整理をした債権者としなかった債権者がいる場合などは、自己破産の際に配当することによって債権者間の公平を図らなければならないことがあります。

    配当は通常、破産管財人が行うものなので、配当の必要がある場合は管財事件となってしまいます。破産管財人の報酬は、最低20万円必要なので、費用の負担も大きくなります。

5、任意整理後の返済が苦しくなったら弁護士へ相談を

任意整理後の返済が苦しくなったときに、どの解決方法がもっとも有効かを判断するためには、専門的な知識が要求されます。自己判断で選択を誤ると、借金問題が深刻化するおそれもあります。そのため、困ったときは弁護士へ相談することをおすすめします。

債務整理の経験が豊富な弁護士に相談すれば、事案に応じて最適な解決方法を提案してもらえます。自己判断で手続きを進めるよりも、効率的な借金問題の解決が期待できます。

6、まとめ

任意整理後の返済が苦しくなったときは、自己破産に変更することも可能です。しかし、それが最適な解決方法であるかどうかは、事前に専門的な見地からしっかりと検討しておく必要があります。

ベリーベスト法律事務所では、借金問題の解決実績が豊富な弁護士が詳しい事情を伺い、事案に応じて最適な解決方法を提案いたします。借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますので、返済が苦しくなったときはお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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