債務整理 弁護士コラム

任意整理は意味ないって本当? 向いているケースと代替手段を解説

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更新日:2023年12月28日 公開日:2023年12月28日

任意整理は意味ないって本当? 向いているケースと代替手段を解説

借金問題を抱えている人の状況はさまざまです。任意整理が向いているケースもある一方、任意整理では意味がないケースも存在します。

これから債務整理を検討している人がもっとも重視するべきポイントは、自分の生活再建に役立つ債務整理手続きを見極めることです。そこで今回は、これから債務整理の利用を検討している人のために、わかりやすく解説します。

任意整理を選択するか否かにかかわらず、借金問題は放置するほど深刻化します。毎月の返済が回らない状態にあるなら、速やかに弁護士までご相談ください。

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1、任意整理とは

任意整理は、借金減額制度である債務整理のひとつです。自己破産・個人再生と並んで、合法的に返済状況を改善できます。

まずは、任意整理の内容、メリット・デメリットについて解説します。

  1. (1)任意整理のメリット

    任意整理は、「債権者・債務者間で直接交渉を行い、借金内容や返済計画を見直す債務整理手続き」のことです。

    交渉次第で返済計画の見直し内容は異なりますが、一般的には、「将来利息や遅延損害金のカット」「元本のみ原則3年~5年程度で完済予定の分割払い計画への切り替え」の条件で和解契約が締結されます。

    任意整理のメリットとして以下の事項が挙げられます。

    • 将来利息や遅延損害金がカットされるので借金返済総額を大幅に軽減できる
    • 過払い金の有無も同時に確認できる
    • 任意整理の対象にする借金を債務者側が自由に選択できる
    • 裁判所を利用せずに柔軟かつスピーディーに交渉手続きを進められる
    • 自己破産・個人再生と比較すると家族にバレるリスクが低くなる
    • 自宅や自動車などを手元に残せる
  2. (2)任意整理のデメリット

    任意整理は当事者間の合意形成を前提に債務内容・返済計画を見直すものですが、以下のデメリットがある点に注意が必要です。

    • 債権者が交渉に応じてくれないと和解契約締結の余地がない
    • 任意整理交渉に成功した後も3年~5年は借金返済生活が継続する
    • 返済計画次第では任意整理前よりも毎月の返済額が増えるリスクがある
    • ブラックリストに登録される(約5年間)
    • 連帯保証人付きの債務を任意整理すると連帯保証人が一括返済を求められかねない

2、任意整理に意味がないケース

任意整理のメリット・デメリットを踏まえると、以下のケースは任意整理を選択しても借金問題の根本的解決につながりにくいと考えられます。



なお、本当に任意整理に意味がないか否かは専門家による分析・判断が不可欠なので、債務整理手続きの選択に迷っているときには、できるだけ早いタイミングで弁護士・司法書士へ相談することを強くおすすめします

  1. (1)利息・遅延損害金の減額だけでは足りない

    交渉次第ですが、任意整理の借金減額効果は「将来利息や遅延損害金のカット」に留まることが多いです。

    そのため、利息・遅延損害金をカットする程度では返済生活が一切楽にならない場合や、その程度では到底完済を見込めない場合には、あえて任意整理を選択することに意味はないと考えられます。

    たとえば、借金残債を3年~5年(36回~60回)の分割払いで完済しきるだけの収入や気力が残されていないときには、個人再生や自己破産を検討すべき段階でしょう。

  2. (2)家計の管理・工夫だけで借金完済を目指せる

    わざわざ任意整理に踏み出さなくても、家計管理の徹底によって自力完済を目指す余地が残されているなら、任意整理に大きな意味はないと考えられます。

    任意整理に限らず、すべての債務整理手続きには「借金減額効果」というメリットがある反面、「ブラックリストへの登録」などのデメリットが必ずセットで付いてきます。「債務整理のメリットだけを享受したい」というわがままは通用しません。

    そのため、以下のような工夫で借金の自力完済を達成できそうなら、あえて任意整理を選択する必要はないと言えるでしょう。

    • 副業や資格手当などで収入アップを期待できる
    • 自宅の不用品や高価ブランド品の売却で借金を大幅に返済できる
    • 細やかな家計管理術(家計簿、返済日をカレンダーで管理など)で無理なく返済継続できる
    • 不要な生命保険の解約や固定費のプラン変更などによって家計に余裕を作ることができる
    • おまとめローンや借金一本化による低金利商品への乗り換えによって返済負担を軽減できる
  3. (3)借金の利率が低い

    任意整理は「利息や遅延損害金」をターゲットに借金の返済負担を軽減する債務整理手続きです。

    つまり、元々契約している借金を低金利条件で借り入れている場合には、任意整理を選択しても減額効果を期待しにくいということです(減額効果がゼロになるというわけではありません)。

    したがって、任意整理に踏み出す場合には、「債権者と交渉した後の返済総額」と「任意整理を利用した場合の返済総額」を見比べるなどのシミュレーションが不可欠だと考えられます。

  4. (4)元々長期の返済計画で借金をしている

    元々長期の返済計画を組んでいる借金について任意整理を選択するのは適切ではありません。

    なぜなら、任意整理交渉に成功した場合、和解契約を起点に「3年~5年」の返済計画が組まれるため、返済状況次第では任意整理後の月額返済額が大幅に増額されるリスクがあるからです。

    たとえば、住宅ローンや自動車ローン、奨学金など、完済予定日まで10年以上を想定している借金について任意整理に踏み出してしまうと、毎月の返済額が何倍にも膨れ上がった結果、和解契約通りに返済継続できず、家計が圧迫されたり滞納状態に陥ったりしかねません(場合によっては、別の債務整理手続きを利用せざるを得なくなったり、債権者から強制執行などの法的措置を実施されたりするでしょう)。

    したがって、任意整理を選択するときには、事前に「借金残債を3年~5年で完済できるだけの経済的余力が自分に残っているのか」をしっかりと判断してください

  5. (5)債権者が任意整理に応じてくれない

    自己破産や個人再生と違って、任意整理は当事者間の合意が前提になる債務整理手続きです。

    そのため、債務者側がどれだけ任意整理を希望したとしても、債権者側が交渉自体を拒絶したり、債務者側から提示した条件を受け入れてくれない場合には、任意整理交渉に時間・労力を割く意味がないと考えられます。

    たとえば、以下のような事情があると、任意整理交渉は成功しにくいでしょう。

    • 元々債権者側が任意整理に応じないタイプ(株式会社日本保証など)の場合
    • 金銭消費貸借契約を締結して間もないタイミングで任意整理を打診した場合
    • 債務者側が任意整理交渉に入る前に債権者側が強制執行手続きになどに着手している場合
    • 債権者が担保を保有している場合
    • 債務者に資力不安があるため和解契約締結後の継続的な返済を期待できない場合
  6. (6)過去に債務整理の経験がある

    過去に債務整理の経験がある場合には、任意整理を選択しても意味がないことが多いです。

    たとえば、過去に個人再生を経験したのに返済に行き詰まった場合や、自己破産で借金を帳消しにしたにもかかわらず再び多重債務状態に陥った場合には、いまさら任意整理をしたところで借金返済状況の抜本的解決は期待できません。また、任意整理交渉を打診したところで、債権者側が応じてくれる可能性も低いでしょう。

    したがって、過去に債務整理の経験がある人が借金問題を抱えるに至った場合には、テクニカルな2回目の自己破産・個人再生を検討せざるを得ないので、速やかに債務整理の経験豊富な弁護士までご相談ください。

  7. (7)任意整理後の返済に苦しんでいる

    1回目の任意整理で締結した和解計画を履践するのが難しい状況に置かれたときには、任意整理による解決には意味がありません。

    なぜなら、そもそも2回目の任意整理に債権者が応じてくれる可能性は低いからです。仮に2回目の任意整理交渉を受け付けてくれたとしても、返済条件の優遇は期待しにくいでしょう。

    そもそも、任意整理後の返済に苦しんでいる場合には、1回目の任意整理交渉の時点で将来の見極めが甘かったということです。

    債務整理の実績豊富な弁護士に相談すれば任意整理以外の対応策を検討してくれるので、速やかにお問い合わせください。

3、任意整理に意味がないときの対処法

任意整理に意味がないときの対処法は以下3点です。



  1. (1)債務整理の経験豊富な弁護士への相談

    借金問題が原因で困窮状態に陥っているときや、任意整理に踏み出そうかと迷っているときには、債務整理の経験豊富な弁護士へ相談することをおすすめします。

    債務整理の実績豊富な弁護士は、債務者の置かれた状況・希望を総合的に考慮したうえで、生活再建に役立つ解決手段を提案してくれるでしょう。

    債務整理を専門に扱っている法律事務所は、初回無料相談や弁護士費用の分割払いなど、経済的に困窮した債務者でも相談しやすい環境を整えています。今すぐまとまった費用を用意できなくてもアクセスできるので、これ以上借金問題が深刻化する前に、弁護士までご連絡ください。

  2. (2)債務整理以外の公的支援制度などの活用

    任意整理に意味がないときには、公的支援制度を活用して生活基盤を整えることもご検討ください。

    生活困窮者が利用できる公的支援制度として、以下のものが挙げられます。

    • 生活保護制度
    • 生活福祉資金貸付制度
    • 緊急小口資金
    • 教育一般貸付
    • 母子父子寡婦福祉資金貸付
    • 求職者支援資金融資制度
    • 年金担保貸付制度


    なお、これらの公的支援制度で手に入れた資金をそのまま借金返済に流用することは禁止されていることが多いです。

    「公的支援制度を利用して生活基盤を確保し、安定した家計を前提に借金を滞納なく返済する」という方向性で家計改善を目指しましょう

  3. (3)他の債務整理(自己破産・個人再生)を検討

    任意整理に意味がないときには、個人再生や自己破産をご検討ください。

    個人再生とは「裁判所を利用して借金元本自体を減額する債務整理手続き」、自己破産とは「裁判所を利用して原則すべての借金返済義務を帳消しにする債務整理手続き」のことです。

    個人再生・自己破産のメリット・デメリットは以下の通りです。


    メリット デメリット
    個人再生
    • 借金元本に踏み込んだ減額効果を期待できる
    • 借金の理由を問われない
    • 職業制限や資格制限がない
    • 住宅ローン特則を利用すればマイホームを手元に残せる
    • 借金総額が100万円以下だと一切減額されない
    • 連帯保証人に迷惑がかかる場合がある
    • 無職など、継続的な返済可能性がない場合には裁判所から認可してもらえない
    • 裁判所の手続きが複雑
    • 官報に掲載される
    • ブラックリストに登録される
    自己破産
    • 免責許可を獲得すると借金の返済義務が帳消しになる
    • 破産手続き開始後に得た収入はそのまま生活再建に利用できる
    • 無職でも利用できる
    • 自由財産以外の財産は処分される
    • ギャンブルなど、借金の原因次第では免責許可決定を受けられない場合がある
    • 連帯保証人に迷惑がかかる場合がある
    • 職業制限、資格制限を受ける可能性がある
    • 官報に掲載される
    • ブラックリストに登録される

    このように、自己破産・個人再生にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、手続き選択を誤ると生活再建に失敗するリスクが生じかねません。

    任意整理・自己破産・個人再生のどの債務整理手続きを利用する場合でも、事前に借金問題の実績豊富な弁護士に相談して俯瞰的な判断を仰ぐべきでしょう

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4、まとめ

任意整理に意味がないかどうかは債務者の状況次第です。

債務者本人の勝手な判断で手続きを決め打ちすると想定外のデメリットを強いられたり思うように借金状況を改善できないリスクが伴うので、必ず事前に債務整理を専門に扱っている弁護士までお問い合わせください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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