債務整理 弁護士コラム

任意整理の和解後5年は借り入れできない! その間の対処法も解説

2021年11月24日
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任意整理の和解後5年は借り入れできない! その間の対処法も解説

任意整理をして借金問題を解決しても、その後に再び生活が苦しくなったり、急な出費のために金策が必要になることもあるでしょう。

しかし、任意整理の和解後5年は、新たに借り入れをすることは難しくなってしまいます。そのため、これから任意整理をする人は、その後の生活にどのくらいのお金がかかるかを十分に考慮して和解することが大切です。

5年が経過すると借り入れができるようになりますが、任意整理前に比べると審査に通りにくい可能性もあります。少しでも早く借り入れを行うためには、申し込みの際に注意すべきポイントがいくつかあります。

そこで今回は、
・ 任意整理の和解後5年は借り入れができなくなる理由
・ 和解後に借り入れを申し込む際の注意点
・ 借り入れができない間に生活が苦しくなった場合の対処法
などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、任意整理の和解とは?

任意整理の和解とは、借金の債権者と債務者との間で今後の返済条件について新たに取り決める合意のことをいいます。

そのままでは返済が難しくなった借金について、裁判所での手続きをして返済条件を変更するのではなく、債権者と債務者が直接交渉して「和解」という形で合意を結ぶのです。

任意整理の和解で取り決める内容は、主に次の4点です。

  • 返済総額
  • 返済方法
  • 期限の利益
  • 債権債務の清算


通常、任意整理では元金の減額はできませんが、利息や遅延損害金をカットすることによって返済総額は減少します。債務者が今後返済すべき総額について合意した上で、次はその返済方法を定めます。一般的には3年~5年の分割払いとなりますので、いつからいつまで、毎月何日までにいくらをどこの口座に振り込むのかといったことを合意します。

返済総額と返済方法が定まったら、ほとんどのケースでは「期限の利益」についても合意します

期限の利益とは、「定められた期日までは支払わなくてよい」という債務者の利益のことです。債務者が期限までに支払わなければ延滞となり、その場合には何らかのペナルティーを定めておかなければ公平ではありません。

そこで、多くの場合は「債務者が2回以上延滞すると期限の利益を失い、残額を一括で返済する」という条件を合意することになります

最後に、以上の合意内容の他には双方に何らの債権・債務が存在しないことを相互に確認するという条項についても合意します。この合意条項のことを「債権債務の清算条項」といいます。清算条項について合意しておかなければ、後日、債権者から追加で何らかの請求をされる可能性があり得ますので、必ず合意しておくべき条項といえます。

2、任意整理の和解後の借り入れはどうなるか?

任意整理の和解が、返済できなくなった借金の返済条件について合意するものにすぎないとすれば、和解後の借り入れには影響がないと考える人もいるかもしれません。しかし、任意整理をすると、以下のように新たな借り入れに重大な影響が及んでしまいます。

  1. (1)ブラックリストに登録される

    任意整理をすると、いわゆる「ブラックリスト」に登録されてしまいます。ブラックリストとは、信用情報機関に事故情報が登録された状態のことを指します。任意整理をすると借金を契約通りに返済しないことになるので、事故情報として登録されるのです。

    信用情報は、貸金業者が顧客の返済能力を審査する際に必ず照会するものです。事故情報が登録されていると「返済能力なし」と判断されるため、貸金業者は原則として融資に応じなくなります

    そのため、任意整理の和解後は新たな借り入れが難しくなります。

  2. (2)借り入れできるようになるまでの期間

    もっとも、信用情報機関に登録された事故情報は、一定期間の経過後に削除されるので、その後は再び借り入れができるようになります。

    主な信用情報機関として次の3つがありますが、任意整理をした場合の事故情報の登録期間は、どの信用情報機関においても「5年」とされています。

    • CIC(シー・アイ・シー)
    • JICC(日本信用情報機構)
    • KSC(全国銀行個人信用情報センター)


    早ければ任意整理の「和解後5年」が経過すれば借り入れができるようになりますが、必ずしもそうとは限らないことに注意が必要です。

    債権者によっては、任意整理後の返済期間も金融事故として取り扱うところもあります。その場合は、「完済後5年」が経過するまでは事故情報が残るため、借り入れができないことになります。

  3. (3)自分の信用情報を確認する方法

    いつから5年で借り入れが可能になるかは債権者次第なので、和解後5年が経過してから借り入れをする場合には、事前に事故情報が削除されたかどうかを確認することが必要です。

    上記3つの信用情報機関のいずれにおいても、「情報開示制度」を設けているので、所定の手続きで申し込むことによって、自分の信用情報を確認できます。

    申し込み方法は、インターネット(パソコン・スマートフォン)、窓口、郵送が利用できますが、KSCでは郵送での申し込みのみとなっています。

    手数料は信用情報機関や申し込み方法によって異なりますが、500円~1200円です。

  4. (4)ヤミ金に注意

    ブラックリストに登録されていても借り入れができる業者がありますが、それは「ヤミ金」である可能性もあるので、十分に注意する必要があります

    ヤミ金業者は、ブラックリストに登録されている人に対しても無審査で貸し付けを行って法外な利息を要求します。利息を払えないと脅迫的な取り立てを受け、親族や職場にまで取り立ての電話がかかってくることもあります。こうなると生活に支障をきたしてしまうので、ヤミ金には絶対に手を出してはいけません

    そもそもヤミ金のほとんどは、貸金業登録を行っていない違法業者です。正規の貸金業者はブラックリストに登録されている人に対して貸し付けを行うことはほとんどありません。したがって、「任意整理の和解後、最低5年は借入れできない」と考えるべきです。

3、任意整理の和解後に借り入れを申し込む際の注意点

ブラックリストから解除された後、つまり信用情報機関に登録された事故情報が削除された後は、正規の貸金業者からも借り入れが可能になります。少しでも早く審査に通過するためには、申し込みの際に以下の点に注意する必要があります。

  1. (1)5年以上が経過してから申し込む

    当然ですが、任意整理の和解後5年以内に借り入れを申し込んでも審査を通過することはほとんどありません。

    注意が必要なのは、先ほども説明したように、「完済後5年」が経過するまでは事故情報が残っているケースがあることです。「和解後5年を経過したのに借り入れができない」というケースのほとんどは、債権者が「完済後5年」まで事故情報を登録しているケースです

    したがって、和解後5年が経過していても、完済後5年が経過する前に申し込むときは、信用情報の開示を申込み、事故情報が削除されているかどうかを確認すべきです

  2. (2)一度に複数の業者に申し込まない

    任意整理後に借り入れを申し込むときは、一度に複数の業者に申し込むことは避けるべきです

    なぜなら、申し込みを行ったことも信用情報機関に登録されるからです。この情報は事故情報ではありませんが、審査を行う貸金業者には申し込み情報も知られることになります。そのときに、一度に何社もの貸金業者に申し込みを行っていると「よほどお金に困っている」と判断され、審査に通りにくくなってしまうのです。

    早く借り入れをしたいと考えていると次々に申し込みを行ってしまいがちですが、申し込みは必ず1社ずつ行うようにしましょう。

  3. (3)審査に落ちたら次の申し込みの間隔を空ける

    審査に落ちた場合は、次の申し込みをするまでに6か月以上の期間を空けるべきです

    なぜなら、審査に落ちたことも信用情報機関に登録されるからです。一度審査に落ちたにもかかわらず、立て続けに申し込みを行っていると、やはり貸金業者から見て印象が悪くなり、なおさら審査に通りにくくなってしまいます。

    このように、立て続けに申し込みを行っているために審査に通らない状態のことを実務上、「申し込みブラック」といいます。審査に落ちたという情報の登録は6か月で削除されますので、その後に次の申し込みを行うことで、審査に通過する可能性が高まります

4、任意整理後も生活が苦しいときの対処法

任意整理の和解後、借り入れができない期間中にも生活が苦しくなることはあると思います。その場合は、以下のように対処しましょう。

  1. (1)公的支援制度に申し込む

    行政では、生活困窮者に対してさまざまな公的支援を行っています。主な公的支援制度として、次のようなものがあります。該当するものがあれば、利用するとよいでしょう。

    • 緊急小口資金の貸し付け
    • 総合支援資金の貸し付け
    • 教育支援資金の貸し付け
    • 不動産担保型生活資金の貸し付け
    • 住居確保給付金
    • 生活保護


    他にも自治体ごとに公的支援サービスを行っていることがあるので、居住している自治体の役所や社会福祉協議会に相談してみましょう

  2. (2)親族からの援助を受ける

    公的支援の利用条件を満たさない場合や、利用してもなお生活が苦しい場合は、親族から援助を受けることも考えられます。親族であれば、借りる場合でも金利なしで、返済時期についても柔軟に考慮してもらえるでしょう。

    頼れる親族がいる場合は一時的な援助を依頼した方がよいでしょう。

  3. (3)債務整理の方針を変更する

    任意整理後も生活がままならないという場合、そもそも債務整理の方法の選択が誤っていたという可能性があります。当初は適切な選択をしていたとしても、その後の減収や支出の増加によって生活が苦しくなる場合もあると思います。

    いずれにしても、任意整理の返済中に生活が苦しい場合には、債務整理の方針を変更することを検討するのが得策です任意整理の和解後でも、他の債務整理に変更することはできます

    たとえば、個人再生に変更すれば借金の元金が大幅に減額されるため、返済の負担が軽くなり、生活も楽になる可能性が高いです。

    借金が到底返済不能な程度に膨れ上がっている場合は、自己破産をすることですべての借金を免除してもらうことが可能です。

    どの債務整理に変更すればよいのかについては専門的な判断が必要となるので、弁護士に相談することをおすすめします。

5、まとめ

任意整理の和解後5年(あるいは完済後5年)が経過すると借り入れができるようになりますが、基本的には債務整理をした後は、借り入れをしないで済むように生活設計をしておくべきです。

そのためには、債務整理後の生活に支障が出ないように、債務整理の方法を適切に選択することも重要となります。任意整理は他の債務整理に比べてデメリットが少ないという理由で利用する人が多いですが、借金総額や生活状況によっては、個人再生や自己破産の方が適している場合もあります。弁護士に相談すれば、状況に応じて最適な解決方法を提案してもらうことができます。

ベリーベスト法律事務所に相談していただければ、債務整理の経験が豊富な弁護士が最適な解決方法を提案いたします。借金問題のご相談は何度でも無料で利用していただけますので、ぜひ一度、当事務所までご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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