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任意整理すると賃貸住宅に住めない? 更新や入居審査の注意点

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更新日:2021年10月25日 公開日:2021年10月25日

任意整理すると賃貸住宅に住めない? 更新や入居審査の注意点

任意整理をすると、「今住んでいる賃貸住宅から追い出されるのではないか」「ブラックリストに登録されて賃貸住宅の入居審査で落とされるのではないか」と不安に思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。

たしかに、任意整理をするとブラックリスト(信用情報機関の事故情報)に登録されるため、借金やクレジットカードの審査には一定期間通りにくくなります。しかし、賃貸住宅の更新や新規契約には原則として影響を及ぼすものではありません。

ただし、状況によっては今住んでいる賃貸住宅から退去を求められたり、新規の入居審査に通らなかったりすることもあり得ますので、注意が必要です。

今回は、
• 任意整理と賃貸借契約の関係
• 任意整理後に賃貸借契約に関して注意すべきこと
などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、任意整理と賃貸借契約の関係

まずは、任意整理をすると賃貸住宅の契約にどのような影響があるのかについて、法律上の原則を確認しておきましょう。

  1. (1)任意整理しても賃貸借契約は可能

    任意整理とは、返済が難しくなった借金について、お金を借りた側(債務者)とお金を貸した側(債権者)が直接交渉することによって返済条件の取り決めなどを仕切り直す手続きのことです。

    賃貸住宅の貸主と借り主との間で結ばれる賃貸借契約とは異なる問題ですので、任意整理と賃貸借契約との間に法律上の関係は何も発生しません

    したがって、任意整理をしても賃貸借契約を結ぶことはできます。

  2. (2)大家や不動産仲介業者が個人信用情報(ブラックリスト)を確認できる可能性は低い

    借金をするために、金銭消費貸借契約を締結する際には、クレジットカード会社等が申込者の返済能力を審査するために、個人信用情報を照会します。個人信用情報には客観的な支払い事実や取引内容などが記録されているからです。

    このとき、返済の滞納や任意整理などの事故情報が登録されている(ブラックリストに載っている)と、「返済能力なし」と判断されてしまうため、金銭消費貸借契約を結ぶことが難しくなります。

    ただし、個人信用情報を確認することができるのは、本人もしくは個人信用情報機関の加盟会員のみであり、会員であっても勝手に情報を開示したり提供することは禁じられています。

    そのため、個人信用情報の内容によって、不動産の賃貸借契約を結ぶことに支障がでる可能性は低いといえるでしょう。

2、任意整理すると賃貸住宅から追い出される?

法律上の原則は上記の通りだとしても、賃借人の経済状況が悪化していることで大家からの信用を損ない、今住んでいる賃貸住宅から追い出されてしまうのではないかと心配する方もいることでしょう。

賃貸住宅から追い出される可能性について解説します。

  1. (1)賃貸人(大家)が契約の更新拒否・解除をするには正当な理由が必要

    賃貸住宅の契約は原則として、賃貸人(大家)に正当事由がない限り、更新拒否や一方的な解除をすることはできません

    正当な自由が認められるのは、主に以下のような場合です。

    • 賃借人が家賃を3か月以上滞納している
    • 賃借人が建物を本来の目的に反した用途に使用している
    • 賃借人による建物の使用によって近隣の住民に多大な迷惑をかけている
    • 建物が老朽化しており大規模な修繕や建て替えが必要になっている
    • 賃貸人がその建物を使用する高度の必要性があり、適切な立ち退き料を提供している


    上記の事由に該当しない限り、賃貸借契約の更新を拒否されたり、一方的に契約を解除されたりすることはないとされています。また、今住んでいる賃貸住宅から追い出されることもありません。

    ただし、以下の2点には注意が必要です。

  2. (2)保証会社によっては更新を拒否される

    賃貸借契約を結ぶ際に、連帯保証人を立てるのではなく信販系の保証会社を利用している場合には、更新を拒否されることがあります。信販系の保証会社とは、家賃保証を行っている会社のうち、クレジットカードやローンなどの信用取引も扱っている会社のことです。

    信販系の会社は個人信用情報機関に加盟しているので、利用者の支払い能力を審査するために個人信用情報を照会します。そのとき、利用者が任意整理をしたという事故情報(ブラックリスト)が登録されていると「支払い能力なし」と判断されてしまいます。

    今住んでいる賃貸物件が信販系の保証会社の利用を条件としている場合、すぐに賃貸住宅から追い出されることはありませんが、保証会社に更新を拒否されることによって、更新に難色を示されることは考えられます。

  3. (3)家賃を滞納していると契約を解除される

    (1)賃貸人(大家)が契約の更新拒否・解除をするには正当な理由が必要でもふれた通り、家賃を滞納している場合は、賃貸人から契約を解除されるおそれがあります。

    賃貸借契約は賃貸人と賃借人との信頼関係を前提とする契約です。賃借人が家賃を支払わないなどの債務不履行を生じさせたことにより、信頼関係が破壊された場合には、賃貸人は一方的に解除することができます。通常、家賃を3か月以上滞納すると、信頼関係は破壊されていると考えられます。

3、任意整理後、新たに賃貸借契約するときに注意すべきこと3つ

任意整理後の賃貸借契約で注意すべきポイントをまとめて解説します。

  1. (1)連帯保証人を立てる必要がある

    賃貸借契約において、信販系の保証会社を利用する場合、個人信用情報を照会するため、契約を拒否される可能性があります。

    ただ、すでに入居している場合と異なり、これから入居する場合には申し込む物件を自由に選べるという状況ですので、保証会社の利用が必須ではない物件を探せば、賃貸借契約が可能となるでしょうただし、連帯保証人を立てることは必要となります

  2. (2)クレジットカードで家賃の支払いをしない

    任意整理をすると信用情報機関に事故情報として登録されるため、一定期間クレジットカードが使えなくなります。そのため、クレジットカードを利用した家賃の支払いは避け、口座引き落としなどを選ぶ必要があります。

    なお、任意整理では、対象の金融会社を選ぶことができるため「任意整理の対象としなかったクレジットカードを使って家賃の払いが可能なのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。

    しかし、クレジットカード会社は定期的に支払い能力の確認(与信)を行っており、その際に事故情報に登録されていることが判明すると、カードが解約されてしまう可能性があるため注意が必要です。

  3. (3)家賃は任意整理と両立できる金額か

    任意整理をした後は、3年~5年にわたって借金の返済を継続しなければなりません。

    そのため、家賃と任意整理の返済の両立が難しい場合は、より家賃が低い賃貸住宅への引っ越しを検討する必要もあるでしょう。

    なお、もともと家賃が低い賃貸住宅に住んでいるのに両立が難しいという場合は、そもそも任意整理では解決が難しいほどに借金が膨らんでいる可能性がありますその場合は、個人再生や自己破産など他の債務整理への方針変更も視野に入れて、まずは弁護士に相談してみましょう

4、借金や家賃の支払いが厳しいときは弁護士に相談

借金を抱えて家賃の支払いが厳しくなったときは、早期に弁護士に相談するのが得策です。

債務整理には、主に以下の3種類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産


それぞれに借金の減額効果が異なるため、家賃を遅滞なく支払いながら借金を解決するためには、適切な方法を選択することが重要です。

弁護士に相談することで、状況に応じて最適な解決方法を提案してもらうことができます。すでに任意整理をした後に家賃の支払いや借金の返済が厳しくなった場合でも、弁護士に相談すれば、あらためて債務整理の方針変更を適切に行える可能性があります。

借金トラブルはなかなか周囲に相談しにくい問題です。しかし、家賃の支払いや借金返済ができず、他の金融会社からさらに借り入れを行い多重債務になってしまうと、より深刻な状況になりかねません。早めに弁護士に相談して、適切に対処するようにしましょう。

5、まとめ

任意整理と賃貸借契約は、法律上は直接的な関係はありません。しかし、最近は保証会社の利用を必須とする賃貸物件が増えてきたため、契約の更新や新規契約が難しいケースも少なくありません。

ベリーベスト法律事務所では、債務整理の実績が豊富な弁護士が親切・丁寧に対応し、それぞれの状況に応じて最適な解決方法を提案いたします。借金問題や債務整理に関するご相談は何度でも無料で伺いますので、お困りの際はぜひ、当事務所までお問い合わせください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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