債務整理 弁護士コラム
「任意整理を弁護士に依頼したいけれど、どんな弁護士を選べばいいのだろう」
任意整理は、債務整理の中でももっとも簡易な手続きで借金問題を解決できる方法です。借金総額が比較的少ない人の多くにとって有効な債務整理の方法といえます。
任意整理を成功させるには債権者と交渉する必要があり、その交渉には専門的な知識と交渉力が要求されます。一般の方が債権者と適切に交渉するのは難しいため、弁護士に依頼するのが得策です。
しかし、弁護士にも経験豊富な分野とそうでない分野があるため、任意整理で借金問題を解決するには任意整理の経験豊富な弁護士を選ぶことが重要です。
とはいえ、今まで弁護士と関わりのなかった人にとっては、どのようにして弁護士を選べばよいのかが分からないということも多いことでしょう。また、弁護士費用がどのくらいかかるのかも気になる人が多いと思います。
そこで今回は、任意整理を成功させるために弁護士を選ぶポイントや弁護士費用について、任意整理の実績が豊富なベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
任意整理を弁護士に依頼すると、債権者との交渉を含むすべての手続きを弁護士が依頼人に代わって行います。その意味で、弁護士は借金問題の解決に向けて依頼人と一体となる存在であるともいえます。
このように大事な存在である弁護士を選ぶときのポイントは、以下の4つです。
第一に重要なことは、冒頭でもご説明したように任意整理の経験豊富な弁護士を選ぶということです。
弁護士の取り扱い業務は非常に広範囲にわたっているため、すべての弁護士があらゆる法律分野に精通しているわけではありません。なかには、任意整理を含む債務整理の案件をほとんど取り扱っていない弁護士もいます。
任意整理に不慣れな弁護士を選んでしまうと、借金問題を解決できなかったり、解決できたとしてもスムーズに手続きが進まない可能性があります。そのため、任意整理を依頼するなら任意整理の実績が豊富な弁護士を選ぶようにしましょう。
そのような弁護士を探すには、知人に紹介してもらう方法もありますが、紹介してもらうルートがない場合にはインターネットで探すのが便利です。
法律事務所のホームページには、弁護士の実績が掲載されているものもありますので、数多く検索して任意整理の実績が豊富な弁護士を探すのがおすすめです。実績が掲載されていない場合でも、任意整理に関するコラムが豊富に掲載されている場合には任意整理に力を入れている事務所であると判断できます。
第二のポイントは、実際に弁護士に相談したときに、任意整理について分かりやすく説明してくれるかどうかということです。
任意整理の手続きは弁護士にとってさほど難しいものではありませんが、相談者・依頼人にとっては分からないことが数多くあるはずです。専門的な内容を分かりやすいように説明してくれる弁護士は、相談者・依頼人のことをよく考えていると判断できます。
また、任意整理の手続きの流れや予想される結果などを具体的に分かりやすく説明してくれる弁護士は、それだけ任意整理の経験も豊富にあると考えられます。
実際に弁護士に相談する際には、任意整理のデメリットについても説明してくれるかどうかについても注意しましょう。
任意整理にはメリットだけでなく、いわゆるブラックリストに登録されてクレジットカードが使えなくなるなど、デメリットもあります。
安易に任意整理をすると生活に支障をきたしてしまうおそれもあるので、相談者・依頼人のことを考える弁護士はデメリットについてもきちんと説明してくれるものです。その結果、任意整理をするのに支障がある場合や、任意整理では借金問題を解決しきれない場合には、他の解決方法を考えてくれるはずです。
メリットだけを説明して依頼を勧めてくる弁護士は、事務所の利益を優先して考えている可能性があるので注意が必要です。
弁護士に任意整理を依頼する際にどのくらいの費用がかかるのかという問題も、重要なポイントです。
弁護士費用の目安についてはこの後で解説しますが、実績が豊富な弁護士のいる法律事務所は、おおむね弁護士費用も適切であるはずです。なぜなら、実績が豊富にあるということは多くの人がその事務所に依頼しているということですので、多くの人にとって依頼しやすい料金体系が設定されていると考えられるからです。
弁護士費用が高いか低いかは弁護士の能力とは比例しませんが、あまりにも低い場合は弁護士の経験値も低い可能性があります。したがって、この後に解説する目安に近い費用を提示する弁護士を選ぶことをおすすめします。弁護士に相談した際には、依頼費用の見積もりを取って確認しましょう。
次に、任意整理を弁護士に相談・依頼する場合の費用の目安を紹介します。任意整理の場合、弁護士費用には主に以下の5種類があり、それぞれに費用がかかります。以下の目安を確認して、相談・依頼する際の参考にしてください。
※費用は法律事務所によって異なります。
法律相談料は、弁護士に事件を依頼する前に相談する際にかかる費用です。依頼を前提とせず相談するだけの場合も、同額の費用がかかります。
一般的な法律相談料の目安は、30分につき5000円程度です。もっとも、最近は借金問題については無料で法律相談を受け付けている法律事務所が多くなっているので、任意整理の法律相談料「0円」としている法律事務所もあります。
着手金は、弁護士に事件処理を依頼する時点でかかる費用です。事件処理の結果にかかわらず、原則として返金されることはありません。任意整理の弁護士費用としては、着手金がもっとも中心的なものとなります。
任意整理の着手金は、1社あたり2万円以下が原則です。(商工ローンの場合は5万円以下。)
解決報酬は、任意整理が成功したとき、つまり債権者との和解が成立したときにかかる費用です。
解決報酬金は、原則として1社あたり2万円以下が原則です。解決報酬を請求しない法律事務所もありますが、その場合は着手金が上記よりも高く設定されている可能性がありますので、見積もりを取る際はトータルの費用を確認することが大切です。
減額報酬は、弁護士の交渉によって借金の元金を減額できた場合にかかる費用です。減額された金額に応じて歩合制で報酬額が決められるのが一般的です。
減額報酬は、減額分の10%以下でなくてはなりません。10%を超える減額報酬金の受け取りは禁止されています。減額報酬を請求しない法律事務所も多いですが、やはりトータルの費用を確認すべきことに注意してください。
任意整理の案件では過払い金が発生しているケースもあり、弁護士が過払い金を回収した場合には「過払い金報酬」がかかります。過払い金報酬は、回収した金額に応じて歩合制で報酬額が決められるのが一般的です。
過払い金報酬の目安は、交渉による場合は回収額の15%~20%以下、裁判をした場合は回収額の20%~25%以下です。
もっとも、平成20年以降の借金からはほとんど過払い金は発生しませんので、今では任意整理で過払い金報酬がかかるケースは少なくなっている傾向にあります。
任意整理を弁護士に依頼するにはそれなりの費用がかかりますので、依頼を躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。そこで次に、弁護士に依頼することでどのようなメリットが得られるのかをみていきましょう。
まず、弁護士に依頼すると債権者からの返済の催促がすぐに止まります。弁護士は任意整理の依頼を受けると、その旨を記載した「受任通知書」を債権者へ送付します。債権者が受任通知書を受け取った後は、債権者からの連絡はすべて弁護士の事務所にいくことになります。したがって、依頼人が債権者から直接催促を受けることはなくなるのです。
自分で任意整理を行う場合は債権者からの矢継ぎ早の催促に耐えながら交渉する必要があり、大きな精神的負担を受けてしまいます。弁護士に依頼することで、この精神的負担から解放されるでしょう。
任意整理を弁護士に依頼した場合、債権者との交渉はすべて弁護士が依頼人に代わって行います。
依頼人は自分で債権者と直接やりとりする必要がなくなるので、さらに精神的負担が軽減されます。交渉にかかる時間と労力も不要になるので、仕事や家事などの本業に専念できるようになります。
任意整理は基本的に将来利息(今後発生する利息)をカットする手続きですが、誰が行っても同じ結果が出るわけではありません。裁判所を介しない「任意」の交渉なので、交渉次第で結果が異なる可能性があるのです。
特に、法律の素人である債務者本人が自分で交渉する場合と、豊富な専門知識と交渉力を持った弁護士が交渉する場合では結果に大きな差が出る可能性があります。
自分で交渉した場合には、債権者から不利な和解案を一方的に押しつけられがちです。将来利息がついたまま、返済期限を少し延長しただけの内容で和解してしまうようなケースも少なくありません。このような和解では、返済を継続していくのは厳しいことでしょう。
しかし、弁護士が的確に交渉すれば将来利息をカットできますし、遅延損害金(借金を滞納する場合に発生する利息のようなもの)もカットできる可能性があります。さらに、より長期間の分割返済にも応じてもらいやすくなるので、毎月の返済額を無理のない金額にまで減らせる可能性が高くなります。
任意整理を弁護士に依頼することには大きなメリットがあり、実際にも任意整理をする人の多くは弁護士に依頼しています。とはいえ、現実に弁護士費用を準備するのが難しいという人もいることでしょう。
しかし、あきらめる必要はありません。任意整理の弁護士費用は、以下の方法で抑えることも可能です。
法テラスとは、正式名称を「日本司法支援センター」といい、資力が乏しい人でも弁護士による法的サービスを利用できるようにさまざまな支援を行っている組織です。その一環として、民事事件の弁護士費用を立て替えてくれる「民事法律扶助」という制度があります。
民事法律扶助を利用すれば、任意整理の弁護士費用は一般の法律事務所よりも低料金となり、法テラスが立て替えてくれますので初期費用を準備する必要はありません。立て替えてもらった弁護士費用は、法テラスに対して毎月1万円ずつ(5000円ずつにすることもできます)支払っていくことになります。
この制度を利用するには、収入が一定の基準以下でなければならないなど、いくつかの条件があります。条件を満たす場合には、法テラスの民事法律扶助を利用するのもよいでしょう。
着手金については、分割払いに対応している弁護士事務所も多くあります。
任意整理を弁護士に依頼すると、先ほどご説明した通り債権者からの催促が止まり、それと同時に返済も一時的に停止されます。
その後、和解が成立するまでは債権者へ返済する必要はありませんので、その間に着手金を分割払いで積み立てることも可能です。
分割払いの可否は弁護士事務所のホームページに記載されていることもありますが、記載していない事務所でも事情に応じて分割払いに対応するところが多くあります。弁護士費用の見積もりを取る際には、分割払いの可否についても確認しておきましょう。
弁護士費用は事務所ごとに独自の料金体系を定めていますので、実際の金額はどこの事務所に依頼するかによって異なります。あまりにも料金の低い事務所に依頼するのは慎重に判断した方がよいですが、目安の範囲内で、できる限り料金の低い事務所を選びたいところでしょう。
その場合は、複数の事務所に相談して見積もりを取るのがおすすめです。インターネットで任意整理の実績が豊富な弁護士がいる事務所を探して実際に無料相談を利用し、それぞれの事務所で見積もりを取って比較しましょう。
その中で、弁護士との相性が良く、料金にも納得できる事務所を選ぶとよいでしょう。
任意整理は自分で行うよりも弁護士に依頼することで成功する可能性が高まりますが、どの弁護士に依頼するかによっても結果が異なる可能性があります。したがって、任意整理の経験が豊富な弁護士を選ぶことは本当に大切なことです。
ベリーベスト法律事務所では、任意整理を含む債務整理の経験が豊富な弁護士で構成する債務整理専門チームの弁護士がご相談を承ります。借金問題については何度でも無料で法律相談をご利用いただけますし、着手金の分割払いにも対応しております。
弁護士選びで迷っている方は、ぜひ一度、当事務所までご連絡ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
任意整理は、債権者と将来利息の免除や返済期間の延長などについて交渉することにより、毎月の返済額を減らすことが可能な手続きです。
しかし、任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されるため、ETCカードも使えなくなるのではないかと心配する方もいらっしゃることでしょう。特に、仕事や生活などでETCの利用が必要な方にとっては、切実な問題です。
この記事では、任意整理をするとETCカードが使えなくなるのか、一般的なETCカードが使えなくなるとしても、他にETCカードを利用する方法はないのかについて解説していきます。
借金の返済が厳しくなってきたら「任意整理」という方法で、返済の負担を軽減できる可能性があります。
しかし、任意整理を検討している方の中には、弁護士に依頼した際の費用がどのくらいかかるかわからずに、依頼を躊躇しているという方もいるかもしれません。そのような方は、任意整理の費用相場をしっかりと理解しておくことで、安心して弁護士への依頼に踏み切ることができるでしょう。
今回は、任意整理の費用相場と費用の支払いが不安な場合の対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
任意整理は、借金などの債務の負担を軽減できる手続きです。借金返済が困難になってしまった方は、任意整理を検討するとよいでしょう。
なんとなくの印象で「任意整理はやばい」と言われることもあるようですが、決してそんなことはありません。正しい知識と情報をもとに、任意整理を行うべきかどうかを判断しましょう。
本記事では、任意整理のメリットとデメリットを踏まえて、任意整理は本当に「やばい」のかどうか、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。