債務整理 弁護士コラム
借金問題で悩む方の中には、任意整理をしたいけど、「色んな書類を集めなければ手続きできない」「書類を紛失してしまったからできない」と思い込んでいる方もいるかもしれません。特に、何年も借金を抱え続けていた場合には、書類が手元に残っていないことも珍しくなく、「契約書、明細書がないから弁護士に依頼できない」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「たくさんの金融会社から借金していて、すべて把握できていない」というような状況でも、弁護士に任意整理を依頼することは不可能ではありません。
そこで今回は、任意整理する際の必要書類について、わかりやすく解説していきます。
まずは、任意整理という債務整理の方法について簡単に確認しておきましょう。
任意整理の特徴は、裁判所の関与が一切ないという点にあります。
そのため手続き実施について法律で細かなルールが定められているわけではなく、作成が義務化されている書類というのも厳密にはありません。
実際の任意整理は次のような流れで進みます。
任意整理は、債権者と代理人弁護士の直接交渉で行われるため、弁護士に依頼さえすれば、あとはほぼ任せきりで大丈夫というケースが多いといえます。
任意整理を弁護士に依頼して行う場合に必要となる書類などは下記のものになります。
本人確認書類は、弁護士に任意整理を依頼する際に必要となる書類です(債権者との交渉に用いられるわけではありません)。
行政の手続きなどで本人確認書類が必要となる場合と同様に、運転免許証などの顔写真付きの身分証明書を用意するのが最も一般的といえます。
印鑑も弁護士に任意整理を依頼する契約をする際に必要となります。実印(印鑑証明書)は必要ではありませんが、シヤチハタは不可という事務所が多いので注意する必要があります。
弁護士に任意整理を依頼する場合には、現在利用中のカードローンやクレジットカードを預け入れる場合も少なくありません。任意整理の対象外となっているカードについても預かりの対象となる場合がありますので、それぞれの事務所からの指示にしたがって対応していきます。
弁護士に任意整理を依頼するときには、以下の書類もあわせて用意できると好ましいといえます。
任意整理の相手方となる債権者と取り交わした借金の契約書(借用書)が手元に残っている場合には、弁護士との相談の際(任意整理の依頼時)に持参した方がよいでしょう。
これらの書類があれば、契約内容を正確に把握することが可能となるからです。
借金返済時に債権者から発行される領収書も借金の現状を把握するための重要な資料となります。特に金融機関の債権者から発行される領収書(利用明細)には、借金残額などの重要な情報が記載されているため、任意整理をスムーズに進める上で重要となることが多いです。
任意整理が成功した場合には、債権者との和解内容に基づいて、借金の残元金を分割で返済していくことになります。
和解の内容は、依頼人である債務者が支払い続けられる(確実に完済できる)ものにしなければいけませんので、給料明細や家計簿・預金通帳(の写し)などは、家計状況を正確に把握するための資料として非常に重要です。
上であげた契約書や領収書、利用明細などの書類は、弁護士との相談・任意整理の依頼の時点ではすでに手元にない(処分してしまった、どこにあるかわからない)ということも珍しくありません。
しかし、これらの書類がない場合であっても任意整理を依頼することは可能です。
たとえば、「件数が多すぎてどこから借金しているのかもわからない」というような状況でも弁護士に任意整理を依頼することは不可能ではありません。
借金の状況は、弁護士への依頼後、信用情報の開示請求などを利用することで確認することもできますし、個々の借金の残額については、債権者に対して取引履歴の開示を求めることで確認・調査することができるからです(金融機関には取引履歴の開示に応じる法的義務があります)。
手元に資料がないからとあきらめず、まずは弁護士に相談してみましょう。
任意整理を弁護士に依頼するメリットとしては次のような点をあげることができます。
任意整理をはじめとした債務整理を実施する際には、借金の状況を正しく把握することが重要です。しかし、実際にたくさんの借金を抱えているケースなどでは、債務者本人も借金の正しい件数や残額を把握していない場合も珍しくありません。
しかし、借金の状況は、信用情報機関や債権者に対する情報開示請求によって、調査できます。借金に関する情報の取得は債務者本人でも可能ですが、開示された情報から借金の正確な状況を把握するためには、やはり専門的な知識が必要となる場合が多いといえます。
特に、10年以上前から継続して借金があり、過払い金が発生している可能性のあるケースでは、弁護士の手で過去の返済状況を正確に検証しなおす必要があります。
任意整理は当事者である債務者と債権者との直接の話し合いによって行われるものです。また、裁判所を介さないことから、出席しなければならない手続き期日のようなものもありません。したがって、弁護士に依頼すれば、債権者との対応の一切を任せることができます。
他方、任意整理を自分で行う場合には、債権者と直接コンタクトをとり何度も話し合いを行わなければなりません。債権者との交渉は平日の日中に行う必要がある場合がほとんどですから、普段のお仕事などにも影響が出てしまうことも考えられます。
借金のトラブルや悩みを「誰にも知られたくない」と思うのは当然の感情といえます。弁護士に任意整理を依頼すれば、家族にバレることなく返済の苦しくなった借金を解決できる可能性が高いでしょう。
また、弁護士には職務上の守秘義務がありますので、ご依頼の内容を無断で家族に知らせたりすることもありません。
他方で、ご自身で任意整理を行う場合には、債権者ともご自身が直接のやりとりをしなければなりませんので、債権者から電話がかかってくる、債権者から取引履歴などの郵便物が送られてくるといったことをきっかけに、バレてしまうリスクも高くなるといえます。
任意整理は、裁判所を介さず債権者との話し合いだけで進められる手続きです。そのため、必要書類も少なく簡易・迅速に手続きを進められ、プライバシーも保護されやすい点に大きなメリットがあるといえます。
しかしその他方で、裁判所の介入がないことから債権者との交渉を行う人の力量がその結果にもストレートに反映されやすいといえる点に注意が必要です。
弁護士に任意整理を依頼すれば、手続きの一切を任せられるだけでなく、銀行や金融会社などの債権者と対等に交渉できることから、個人で対応するよりも有利な和解ができる可能性も高くなるでしょう。まずはお気軽に弁護士へご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
任意整理をすると、信用情報に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」に登録された状態となり、その後はローンなどの借り入れやクレジットカードなどの利用が難しくなってしまいます。
しかし、一定期間が経過すると事故情報が削除されるので、その状態は解消されます。本コラムでは、任意整理によってブラックリストに登録されるのは、いつからいつまでなのかを解説します。登録期間中に生じるデメリットと対応策も具体的にご紹介しますので、参考になさってください。
弁護士に任意整理を依頼した方のなかには、費用の滞納や、弁護士からの連絡を無視するなどの不誠実な態度をとってしまった方もいるかもしれません。そのような状況では、担当する弁護士に辞任されてしまう可能性があります。
弁護士に辞任されると、債権者から借金返済の督促が再開します。そして督促に対して支払いが滞ったままだと、家や車などの財産を差し押さえられてしまうリスクにつながります。
弁護士に辞任されてしまったとしても、別の弁護士に再度任意整理の依頼をすることは可能です。ただし、再度の依頼には注意点がありますので、しっかりと押さえておきましょう。
今回は、任意整理で弁護士に辞任された場合のリスクや、その場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
任意整理は、債権者と将来利息の免除や返済期間の延長などについて交渉することにより、毎月の返済額を減らすことが可能な手続きです。
しかし、任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されるため、ETCカードも使えなくなるのではないかと心配する方もいらっしゃることでしょう。特に、仕事や生活などでETCの利用が必要な方にとっては、切実な問題です。
この記事では、任意整理をするとETCカードが使えなくなるのか、一般的なETCカードが使えなくなるとしても、他にETCカードを利用する方法はないのかについて解説していきます。