債務整理 弁護士コラム
「消費者金融(サラ金)からの借金は怖い」と感じている人もいるかもしれません。しかし、貸金業法において、生活・仕事に影響するような取り立て行為は禁止されており、消費者金融から借金をしても、違法な利息や取立ての被害に遭う可能性はほとんどないといえるでしょう。
しかし、無計画に借金を繰り返してしまえば、返済が難しくなるリスクがなくなったわけではありません。
そこで今回は、消費者金融からの
●借金の特徴
●返済に行き詰まってしまった場合の解決方法
などについて解説します。
まずは消費者金融の借金の基本的な仕組み・特徴について確認しておきましょう。
消費者金融に限らず、金融機関からの借金には利息(金利)が発生しています。
消費者金融のカードローンの金利は、年14~18%に設定されるのが一般的です。かつてサラ金と呼ばれていた時代の利息が年29%近いものもあり、当時よりは利息は下がっていますが、年14%~18%という金利でもかなりの高利です。
そのため、消費者金融からの借金を返済する場合「毎月の返済は、できるだけ軽くしたい」と考える方は少なくないでしょう。実際、毎月の支払は消費者金融が設定している最低返済額(適用利率に応じて元金の一定割合の額が設定されるのが一般的です)だけという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、消費者金融の借金返済は、毎月の返済額は一定だが、利息への支払いが多くなる元利均等返済方式が採用されているケースがあります。そのため、返済額によっては毎月の支払いの大半が利息の支払いに消えてしまう場合があるので注意が必要です。
かつて、消費者金融(サラ金)は、かなり過酷な取立てが行われていたこともありました。しかし、いまでは消費者金融に対する規制も強化され、次の取立行為は貸金業法によって明確に禁止されています(貸金業法21条1項各号)。
したがって、行政庁に登録した消費者金融からの借金であれば、悪質な取立ての被害に遭う可能性はかなり低いといえるでしょう。
近年では、銀行カードローンの利用者が増えています。「消費者金融よりも銀行の方が安心できる」と感じている人が多いのかもしれません。しかし、どちらも無担保のフリーローンで、高利の借金であるという点では変わりがありません。
また、銀行カードローンの大半は、銀行傘下(もしくは提携関係)にある消費者金融を保証会社とし、融資に際する審査も保証会社が行っています。
①利息の負担は、ほとんど大差ない
借金に適用される金利の面では、銀行カードローンの多くは年15%以下となっているので、「若干安い」ということもできますが、完済までの支払総額に置き直すと消費者金融から借金した場合とほぼ変わらない場合の方が多いといえます。
適用利率が低い反面、毎月の最低返済額も低く設定されることで返済期間が長くなり、完済までの支払利息総額が増えてしまうためです。
②総量規制の適用
消費者金融と銀行カードローンの一番の違いは、「総量規制」の適用の有無にあります。総量規制というのは、貸金業法が定めている「過剰融資防止」のための措置で、顧客の年収の1/3を超える貸付は禁止されています(貸金業法13条の2)。つまり、年収600万円の人であれば、消費者金融からは200万円までしか借金することはできないというわけです。
この総量規制は、貸金業法の適用対象となる消費者金融・信販会社(クレジットカード会社)のみに適用され、銀行は適用対象外となっています。銀行ごとに自主的な規制ラインをもっているものの、借りすぎのリスクという点においては、銀行カードローンも危険であるといえるでしょう。
実際、銀行カードローンの過剰融資は社会的な問題となっていて、過去には実態調査のために金融庁がいわゆる3大メガバンクに立ち入り調査を実施したほどです。
消費者金融から借金をした場合には返済に不安を抱える人も多いと思います。消費者金融からの借金は利息の負担のために、「思ったよりも借金が減らない」という状況に陥りがちです。
そのような場合には次の方法によって解決するのが一般的な対処方法といえます。
繰り上げ返済とは、毎月の約定返済(契約で決められた返済)に追加して行う返済のことです。
「毎月きちんと返済しているのに借金がなかなか減らない」という場合には、毎月の約定返済額(契約上の返済額)が少なすぎる可能性があります。設定された返済額次第では、毎月の支払額の大半が利息の支払いで消えてしまうからです。
「毎月の返済額が少ない」ということは、消費者金融にとっては「利息を多く支払ってもらえる」ということにもなりますので、必ずしも顧客(債務者)に有利な条件とは限らないのです。
繰り上げ返済を実施すれば、その分は確実に元金の返済に充当されます。したがって毎月数千円であっても繰り上げ返済を続ければ支払期間を短縮でき、完済までの利息総額(全体としての返済負担)も軽減することができます。
「今よりも低い金利の借金で借り換える」ことも消費者金融の借金を返済する方法のひとつといえます。
たとえば、政府系金融機関やろうきんなどの他の金融機関や、組合・共済などの勤務先からより低い金利で借金できる、家族や親戚などから援助を受けられるのであれば、消費者金融の借金はできるだけ早く借り換えてしまった方がよい場合が多いでしょう。
借金は小口の借金であるほど金利も高くなりますし、小口の借金が複数あれば支払い日の回数もそれだけ増え、負担も大きくなりますので、小口の借金ひとつにまとめることも返済の負担を減らす有効な方法です。
繰り上げ返済や借り換えは、借金返済の負担を軽くするために有効な方法ではありますが、万能な方法ではありません。毎月の家計がギリギリであれば、繰り上げ返済の余裕はありませんし、信用力などの事情で借り換え先が見つからないという場合もあるでしょう。
自分の力では消費者金融からの借金を返すのが難しいと感じた場合には、できるだけ早く弁護士に債務整理の相談をすることをおすすめします。
債務整理には、下記3つの方法があります。
毎月の定期的な収入があるのであれば、債務整理のうちで最も簡易で費用の安い任意整理で解決できる可能性は高いといえます。任意整理をすれば、消費者金融の借金返済で最も大きな負担となる利息を免除してもらうことができるからです。
また、銀行カードローンなど、他の借金も抱えているために年収に迫るような借金となってしまった場合でも個人再生によって元金の一部免除を受けることで解決可能な場合もあります。
失職してしまった場合などのように毎月の返済能力がない場合は、自己破産を検討しましょう。自己破産をしたからといって財産のすべてを失うわけでもありません。自己破産は生活を立て直すためのひとつの手段です。一般のイメージほどの不利益は生じないケースも少なくありません。
債務整理を行う際には、それぞれのケースの事情に適した手続を選択することが重要となりますので、弁護士の支援が必須といえるでしょう。
借金の返済が苦しくなった人にとっては、毎月の支払い日や債権者からの取立て・督促は大きな悩みの種となります。弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者からの取立て・毎月の返済はストップさせることができます。
これらの不安から解放されれば、精神的負担のない生活を取り戻すことができますし、借金返済のために不安定になった家計を立て直す期間を確保することができます。また、債権者からの取立てがなくなれば、借金のことを望まないタイミングで他人に知られてしまうリスクも大幅に軽減することができます。
消費者金融からの借金をしても、違法な利息・取立ての被害に遭うことはないでしょう。しかし、金利においては、かなりの高利といえますので、利用に際しては慎重に対応する必要があります。
万が一、消費者金融の借金の返済が行き詰まってしまった場合には、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。借金問題は周りに相談しにくいため、返済のためにさらに借金を重ねるケースも少なくありません。そうなると、さらに誰にも相談しづらくなり、ヤミ金や悪質な詐欺被害に遭うリスクも高くなっていきます。
ベリーベスト法律事務所では、借金についての相談は何度でも無料でお伺いしています。早期に債務整理に着手できれば、解決のためのコストも低く抑えられる可能性があります。消費者金融の借金でお困りの際は、できるだけ早くお問い合わせください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
実は、主婦で借金を抱えている人は多く、それを言えずに悩んでいる方もたくさんいるのが現状です。もしかしたらこの記事をご覧のあなたも、そういった悩みをお持ちなのかもしれません。
一人で悩むことなく、主婦で借金をしている人は意外と多いということを知っていただいて、ぜひご自身の借金返済について前向きに考えていってください。この記事があなたにとって、ご参考になれば幸いです。
これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。