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銀行の借金を債務整理するには? 3つの方法と4つのデメリット

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更新日:2023年06月30日 公開日:2020年11月18日

銀行の借金を債務整理するには? 3つの方法と4つのデメリット

最近では、インターネット経由で簡単にお金を借りられることができる銀行が増えています。また、銀行からの借金は、消費者金融からの借金よりも、なんとなく安心感があると思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、「お金を借りやすい」ということは、メリットであると同時にデメリットでもあります。

便利だから・・・とお金を借りすぎてしまって、銀行からの借金を返済ができなくなったというトラブルは、いまでは珍しいことではありません。

今回は、銀行の借金を債務整理する方法、銀行の借金を債務整理・滞納したときのデメリットなどを紹介します。

銀行からの借金の返済に悩んでいるという方の、お役に立てれば幸いです。

1、銀行からの借金を返せない人が急増中!銀行からの借金 3つの落とし穴

銀行からの借金というと、「審査も厳しく返せる分しか貸してくれない」と思っている人も多いかもしれません。

しかし、近年では、銀行からの借金の返済に行き詰まってしまう人が、急激に増えているといわれます。

そのような状況には、どのような背景があるのでしょうか。

  1. (1)突然の収入減で借金が返せなくなる

    毎月安定した収入があり銀行から借金できたという人でも、病気や事故にあい、働けなくなってしまったり、今回の新型コロナウイルスのように、不況が原因で突然収入が減ったり、失業してしまうという人もいるでしょう。

    このような状況になると、借金が返済できないというケースが、いつでも誰にでも起こる可能性があります。

    特に、住宅ローンは毎月の返済額も小さくないため、ちょっとした事情の変化がきっかけで完済が難しくなってしまうことも珍しくないといえます。

  2. (2)銀行カードローンの過剰融資

    近年では銀行カードローンを利用する人がとても増えています。

    いまでは、銀行カードローンは、貸付件数・貸付総額ともに消費者金融カードローンを上回っていますので、個人の無担保借金の中心といってもよいでしょう。

    実際に、「消費者金融は怖いけど、銀行なら安心」と考えている人もいるのではないかと思います。

    たとえば、「銀行は(厳しい審査の上で)確実に返せる金額しか貸してくれないから消費者金融よりも安全」というイメージを持っている人も多いようにも思われますが、近年では、このようなイメージとは逆に「銀行カードローンにおける過剰融資」が大きな問題となっています。

    なぜなら、銀行は貸金業法の適用を受けないため、年収の1/3を超える金額の融資を禁止とする「総量規制」の対象外となっています。理屈の上では年収を超えるような金額を無担保で融資することも不可能ではありません。

    銀行カードローンの過剰融資を調査するために、平成29年に金融庁が3大メガバンク(みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行)への立ち入り調査を実施した際には、年収をはるかに超える貸し付けも数多く発覚しています。

    なお、銀行からの借金の審査は、「保証会社」が行っている場合がほとんどです。したがって、カードローン契約の審査は、保証会社となる当該銀行の傘下(系列)にある消費者金融や信販会社(クレジットカード会社)が行っていますので、「銀行の審査だから安心」というのは必ずしも正しい認識とはいえないでしょう。

  3. (3)銀行カードローンは金利の負担も軽くない

    「銀行カードローンは消費者金融よりも利息も安いから安心」と思っている人は多いと思います。

    たしかに、名目上の適用利率だけを比較すると、銀行カードローンの利率の方が、消費者金融の利率よりも低い場合が多いといえます。

    しかし、「実際に借金を返済する(利息を支払う)」という側面でみてみると、銀行カードローンと消費者金融カードローンには大きな違いはないといえますし、むしろ、銀行カードローンの利息負担の方が重くなってしまう場合もあります。

    消費者金融カードローン 銀行カードローン
    適用利率(実質年率) 18% 14.6%
    毎月の最低返済額 1万5000円 1万円
    完済までの返済回数 51回 78回
    完済までの支払総額 75万0686円 77万5050円


    上の表は、一般的な銀行カードローン・消費者金融カードローンでそれぞれ50万円を借り入れたときの返済条件・完済までの支払総額などについて比較したものです。

    表でも示されているように銀行カードローンは、適用金利が低い分だけ毎月の返済額を抑えることができるといえますが、その分だけ完済までの期間が長くなってしまい、完済までに支払う利息の総額では消費者金融カードローンを上回ってしまいます。

    「ATMで借り入れできるのが便利」と繰り返し借り入れを行えば、その分だけ完済までの期間も長くなり、余計な利息を支払うことにもなってしまいます。

    「借りやすい」というのは、余計な借金を抱える、余計な利息を負担する原因にもなりかねない点で注意しておく必要があるでしょう。

2、銀行の借金を債務整理する3つの方法

銀行からの借金が返せなくなったときには、債務整理で解決するのが最も安全な方法といえます。

債務整理には

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産


の3つの種類がありますが、それぞれの状況に合った方法で解決することが大切といえます。

  1. (1)銀行カードローンには任意整理が有効

    すでに解説したように、銀行カードローンは利息の高い借金です。
    高利の借金は、借り入れ元金が少し膨らんでしまうだけでも返済の負担が一気に重くなってしまうリスクがあります。

    その点、任意整理は、債権者との交渉によって、今後発生する将来利息を免除してもらうための手続きなので、高利の借金を解決する方法として有効です。

    任意整理では、借り入れ元本をカットしてもらうことはできませんが、裁判所の関与のない手続きであることから簡易な手続きで費用も安く済ませられるメリットがあります。

    また、すべての手続きを依頼した弁護士に任せきりにできますし、財産・収入の状況などを公的に申告する必要もないため、家族に内緒で借金を解決することも不可能ではありません。

  2. (2)住宅ローンの返済が行き詰まったら個人再生

    銀行から借り入れた住宅ローンが返せなくなった場合には、任意整理では対応しきれない場合がほとんどです。

    住宅ローンは、金利が安く設定されているため任意整理の効果が薄いだけでなく、「担保」を提供しているため、債権者としても任意の話し合いに応じるメリットがほとんどないといえるからです。

    このような場合には、「個人再生」を裁判所に申し立てることで借金を解決することが考えられます。

    個人再生では、裁判所の決定に基づいて、住宅ローン以外の借金元本の大幅カットが期待できます。
    また、住宅ローンが返済できないというケースでは、債権者(保証会社)による抵当権の実行(マイホームの差し押さえ)を回避しながら、返済条件を見直してもらうことも可能です。

    さらには、滞納によってすでに期限の利益を失っている場合や、差し押さえ(競売)されてしまったという場合でも、「住宅資金条項(いわゆる住宅ローン特則)」を適用することで、住宅ローンを「滞納前の状態」に巻き戻すことができる場合もあります。

    また、収入不足、過剰融資などが原因で任意整理では解決できないカードローンの借金も元本カットを認めてもらうことで、自己破産せずに解決可能となる場合があります。

  3. (3)どうしようもないときは自己破産で免責

    勤務先の倒産などが原因で収入が完全に途絶えてしまったようなケースでは、個人再生で元本カットが認められても、その残額を返済できない場合が多いといえます。

    このように、「自力ではどうしようもない状況(支払い不能の状況)」に陥ってしまった場合には、自己破産を申し立てる(破産免責を得る)ことで、その時点の借金返済を完全に免除してもらうことができます。

    しかし、よく知られているように自己破産による借金免除は無条件で認められるわけではありません。免除を得る前提として、法律上処分可能な財産を換価(売却)して、債権者への配当(返済)に充てなければなりません。

    とはいえ、自己破産をしたからといって、家の中のものをすべて差し押さえられてしまうわけではありません。

    生活に必要とされる財産(生活家電・家具など)は差し押さえが禁止されています、当座の生活に必要な現金(99万円)も手元に残すことが認められています。

    また、自己破産によって戸籍・住民票に自己破産の事実が明記されたり、一生クレジットカードが使えない、ということもありません。

3、銀行の借金を債務整理・滞納したときのデメリット

銀行からの借金を債務整理・滞納したときには、どのようなデメリットがあるのか、確認してみましょう。

  1. (1)信用情報の悪化

    債務整理をすると、信用情報に「事故情報」が登録され、新規のローンやクレジットカードの申し込みをした際の審査で不利となったり、今利用しているカードでも利用停止となる、限度額が引き下げられる、更新できなくなるといった不利益が生じることがあります。

    また、銀行からの借金を個人再生・自己破産した場合には、任意整理した場合に比べ、事故情報の保存期間が長くなる(10年)デメリットがあります。

    銀行が加盟している信用情報機関(KSC)は、官報に掲載される事故情報の保存期間を10年としているためです。

  2. (2)他のローンの強制解約(巻き込み)

    カードローンと住宅ローンを同じ銀行から借りている場合には、「カードローンだけを任意整理する」ということはできません。

    ローン契約では「顧客(債務者)の信用状態が悪化したときには銀行(債権者)は残額を一括請求できる(ローン契約を強制解約できる)」という条項が必ず盛り込まれているからです。

    また、銀行からの借金には原則として「保証会社」が設定されています。
    したがって、銀行からの借金を債務整理した場合には、その後の交渉は保証会社と行うことになりますので、保証会社との関係も悪化する可能性があります。

  3. (3)銀行口座の凍結と預入預金との相殺

    銀行カードローンを申し込む際には、普段から取引のある銀行を選択する人が多いと思います。給料振込口座などのある銀行であれば、適用利率などの貸し付け条件で優遇される場合が多いからです。

    しかし、預金のある銀行の借金を債務整理すると、その預金口座が凍結される可能性が高いことに注意する必要です。

    銀行とのローン契約には、ローン顧客が信用不安に陥った(返済を滞納した)場合には、「銀行がローンの残額と預金とを相殺できる」という条項が必ず盛り込まれているからです。

    相殺には、法律上「担保としての機能」があることが認められているので、預金がある場合に相殺を阻止することはできません(相殺は自己破産手続きにも優先します)。

    また、銀行による相殺は、ローンを申し込んだ本支店の口座だけでなく、当該銀行の、すべての本支店の口座を「名寄せ」して行われます。

    したがって、銀行からの借金を債務整理する際には、相殺実行を回避するために、弁護士からの受任通知を送付前に当該銀行の預金をすべて引き上げるのが一般的です。

    さらに、銀行による口座凍結は、保証会社からの代位弁済が実行されるまで続くため1~2か月ほどの期間になるのが一般的です。

    そのため、給料振込口座、公共料金の引き落とし口座になっている場合には、それらを変更する必要も生じます。

    その意味では、銀行からの借金の債務整理は、消費者金融会社やクレジットカード会社からの借り入れを債務整理する場合に比べて、手間がかかるといえるでしょう。

  4. (4)代位弁済の実行~債権者が保証会社に代わる

    すでに述べたように、銀行からの借金は原則として「保証会社」が設定されます。
    銀行からの借金を整理すると、銀行からの要請に基づいて保証会社がローン残額のすべてを代位弁済します。

    そのため、代位弁済が実行された後は、債務整理の手続きも保証会社を相手に進めていくことになりますし、保証会社がその債権をサービサーなどに譲渡すれば、さらに債権者が変わることになります。

    また、この点もすでに触れたことですが、保証会社が設定されている借金は、それにかかる審査も保証会社が行うのが一般的です。

    したがって、「銀行からの借金は保証会社からの借金である(銀行カードローンは事実上消費者金融からの借金である)」と理解しておいた方がよいのかもしれません。

4、借金問題は1日も早い相談が重要

借金の返済に苦しんでいる場合には、1日も早く弁護士に相談をすることが大切です。

相談が遅れたことで状況が悪化してしまえば、その分だけ借金解決の選択肢が減ってしまうからです。

  1. (1)自転車操業などの対応はとても危険

    「銀行の借金を債務整理する」ことは、消費者金融からの借金を債務整理するよりも心的なハードルが高い場合が少なくないといえます。

    「銀行からの借金すら返せないのは体裁が悪すぎる」と感じる人や、口座凍結などのために生活それ自体に支障が生じることを懸念する人も少なくないと思われるからです。

    そのため、銀行カードローンの返済が行き詰まってしまった場合には、消費者金融カードローンの返済ができなくなった場合よりも「自転車操業」などの危険な対応を選択してしまう人が多いといえます。

    しかし、消費者金融などからの借り入れで銀行カードローンを返済することは、「より金利の高い借金での借り換え」になる場合がほとんどですから、さらに状況は悪化してしまいます。

    また、借入額がすでに膨らんでしまっているケースでは、総量規制のために消費者金融(クレジットカード)からは借金できないという可能性も高いでしょう。
    そのため、自転車操業(自力でのやりくり)にこだわってしまえば、ヤミ金と関わるリスクも高くなるといえます。

    他にお金を借りる手段がないからといって、ヤミ金に一度お金を借りてしまうことは、まさに悪循環の原因です。

    ヤミ金業者は、一度貸し付けた顧客からの完済には簡単に応じてくれませんし、利息を支払えなくなった債務者に銀行口座やスマホ・携帯端末の違法譲渡などの犯罪行為を強要するケースも増えています。

    ヤミ金被害で苦しむだけでなく、自分が犯罪者となってしまっては取り返しのつかないことになってしまいますので、どのような理由があろうともヤミ金とは絶対に関わってはいけません。

  2. (2)借金の相談は無料で受けられる

    「弁護士への相談」というと「費用」を心配する人もいらっしゃるでしょう。
    しかし、借金・債務整理の相談は、多くの事務所が「無料相談」で対応してくれます。
    ベリーベスト法律事務所でも、相談料は何度でも無料です。また、かかった弁護士費用の分割払いも可能です。

    まずは、安心して、勇気を出して相談の申し込みをしましょう。

5、まとめ

今の時代、銀行からの借金が返済できなくなることは、誰にでも起こり得ることです。
債務整理を行えば、今の生活を立て直すこともできます。

しかし、債務整理には少なからずデメリットもありますので、債務整理の専門家である弁護士に、それぞれのケースに応じた、最適な債務整理の方法を選択してもらいましょう。

「銀行からの借金も返せないなんて恥ずかしい」と思わずに、まずは無料の法律相談を利用して、弁護士に相談することをおすすめします。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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