債務整理 弁護士コラム
銀行や消費者金融のカードローンやクレジットカードのリボ払いを返済中の人には、「借金・利用残額がなかなか減らない」と悩んでいる人もいるかもしれません。
「毎月きちんと返済しているはずなのに借金が減らない」と感じることは、精神的にもかなりつらいと思います。その理由がわからないことで、借金の返済のモチベーションが下がってしまえば、とても危険な状況に陥る可能性もあります。
そこで今回は
・借金が減らない原因
・借金が減らないと感じた場合にとるべき対応
などについてまとめました。
「借金が減らないのでつらい」と感じる状況を放置しておくことはとても危険ですから、できるだけ早く正しい対応を取るようにしましょう。
「借金が減らない」と感じることは、なにかしらの危険を示すサインであることが少なくありません。
たとえば、借金が減らないことが気になるときには、すでに次のような状況に陥っている可能性が高いといえます。
借金が減らなくてつらいと感じているにもかかわらず、その原因を突き止めずに何の対策も講じなければ、状況はさらに悪化してしまいます。
借金が思っているよりも減らないと感じる理由としては、次のようなことを挙げることができます。
借金が減らないのは、毎月の返済をきちんと行えていないからということが多いです。
たとえば、返済が1か月遅れになっているような場合であれば、遅延損害金の負担があるために、借金は通常よりもさらに減りづらくなってしまっています。
毎月の返済をきちんとしているのに「借金が減らない」と感じるときには、毎月の利息負担に対して毎月の返済額が少なすぎることが原因になっている場合が少なくありません。
「債権者との契約通りに返済しているはずなのに」と思う人も多いかもしれませんが、そもそも契約で決められている毎月の返済額(約定返済額)は、借金を早く減らすには不十分な金額設定となっている場合がほとんどです。
債権者は、利息を得ることで利益を上げるのであるから、「早く借金を返される」ことは必ずしもよいことではないからです。
借金50万円を借りた場合の返済額・利息額・元金充当額の比較
適用利率 | 月の最低返済額 | 初月利息額 | 元金充当額 |
---|---|---|---|
年15% | 10000円 | 6250円 | 3750円 |
年18% | 15000円 | 7500円 | 7500円 |
表は、たとえば借金50万円を年15%と年18%の利息で借りた場合の毎月の返済額と1か月(返済初月)に発生する利息額、初月の返済時に減る元金の額を比較したものです。
金融機関から借金をした場合の毎月の最低返済額は、借金に適用される金利に応じて設定されるのが一般的です(金利○%の場合には、借入額の△%以上というように決められます)。
借金50万円の場合であれば、年15%(銀行カードローンなど)の場合には月1万円、年18%(消費者金融カードローン)の場合には、およそ月15000円前後の金額になるのが一般的です。
また、多くの人は、適用金利の高い消費者金融カードローンの方が返済も苦しいと思っているかもしれませんが、「減りづらい借金」なのは、毎月の返済額の小さい銀行カードローンの方です。
借金が早く減るかどうかは、適用利率よりも毎月の支払額の左右される場合の方が多いわけです。
したがって、完済までに負担する最終的な利息額も毎月の返済額(完済までの返済回数)が少なくなるほど多くなっていきます。
たとえば、上の表の条件であれば、最低返済額だけで完済した場合には、年15%のケースの方が利息総額も約2万円以上高くなる計算となります。
「毎月の返済額が少ない」借金は、負担の少ない借金と思い込んでいる人も多いかもしれません。しかし最終的な負担額を比較したときには、逆の場合もあるため注意する必要があります。
借入れを繰り返してしまっている場合には、当然借金も減りづらくなってしまいます。
上でも説明したように、毎月の借金返済には利息の負担がありますから、毎月15000円ずつ返済していたとしても、その月に1万円の新規借入れをしてしまえば、借金を5000円減らせているのではなく、利用残額は増えてしまうことの方が多いといえます。
上で用いた例で示せば、年18%で50万円を借り、毎月15000円ずつの返済となった場合の初月元金充当額は7500円ですから、新規に1万円を借り入れれば、2500円借金を増やしたということになるわけです。
借金のトラブルを抱える人の多くは、実際の利息負担を「実際の金額」で把握できていないことが少なくありません。
毎月の返済をした際には、必ず利用明細書が発行され、そこには月の利息額、減らすことのできた借金額が明記されていますから必ず確認するようにしましょう。
なお、この理屈は、クレジットカードのリボ払いにもそのままあてはまります。
リボ払いは、毎月の支払額を定額にして分割返済する方法なので、返済設定額と毎月の利用総額の差が小さければ、利用残額が減っていかないのは当然だからです。
利用残額がゼロにならなければ、毎月の手数料負担もなくなりません。特に、リボ専用カードであることに気づかないまま毎月の固定費の支払いをカードで行ってしまうと、永遠に無駄な手数料を支払わされるリスクを抱えることにもなるので注意する必要があります。
借金が減らないと感じたときには、できるだけ速やかにきちんとした対応を取ることが重要です。
冒頭でも触れたように、「借金が減らない」と感じることは、危険な状況にあることのサインであり、対応が遅くなれば、取り返しのつかない状況に陥る原因となることもありうるからです。
「借金が減らないのはなぜだろう」と感じるケースでは、自分が抱えている借金の状況(残額・毎月の支払いにおける利息・元金の充当額・完済までの返済回数など)を正しく把握できていない場合が多いといえます。
特に、近年では、カードローン・クレジットカードの返済はATMや銀行引き落としで行われることが多く、「紙の明細書」を手に取って確認する機会が減っています。
ATMで返済をした際には、必ず明細書発行の要否を問われているはずですが、「いいえ(不要)」を選択している人の方が多いのではないでしょうか。
借金の状況を正しく把握しなければ、借金が減らない理由を知ることもできません。
まずは、返済に発行される明細書やウェブサイト(会員ページ・マイページ)などで、いまの取引状況をきちんと把握しましょう。
きちんと返済できているはずなのに「借金が減らない」という場合は、上でも説明したように「毎月の返済額が少なすぎる」ことが原因となっている場合が多いです。
この場合には「繰り上げ返済」をすることで、借金の減るペースを早くすることができます。繰り上げ返済というのは、契約で決められた毎月の返済に「追加して行う返済」のことです。
繰り上げ返済をする際には、振込手数料などの負担が発生することもありますが、毎月1000円、2000円の繰り上げ返済をするというだけでも、完済までに支払う利息総額を数万円単位で圧縮できる場合も少なくありません。
金融機関のウェブページには、返済シミュレーターが設定されていることも多いですから、実際に計算してみるとよいでしょう。
毎月の返済額を増額することが難しい場合には、現在の借金よりも利息負担の小さい借金で借り換えることも有効な方法のひとつです。
たとえば、共済組合から低金利の借り換え融資を受けることができれば、毎月発生する利息を大幅に減らすことができ、返済額を維持したままでも借金が減るペースを早くすることが可能になります。
繰り上げ返済や借り換えによる対応ができない場合には、債務整理をすることを検討するのもひとつの方法です。
特に、「借金が減らないので返済が苦しい」と感じている場合や「自力では完済できないかもしれない」という不安が少しでもあるときには、1日も早く弁護士に相談しておいた方がよいといえるでしょう。
債務整理を弁護士に相談すれば、借金を確実に減らせるようにさまざまな措置を講じてもらえます。
たとえば、任意整理では、今後発生する利息を免除してもらえるよう債権者と交渉することになりますし、自己破産・個人再生を利用すれば、利息だけでなく借金の元金についても免除を受けることが可能なケースもあります。
「借金が減らない」と感じることは、精神的にもつらいだけでなく、借金それ自体が危険な状況になりつつあるサインである場合も少なくありません。
特に、借金を確実に減らせるだけの返済ができない(毎月の返済額をこれ以上増やせない)という状況にある場合には、ちょっとした事情の変化で返済を滞納してしまう可能性も高いですから、慎重に対処する必要があります。
まずは、借金の現状を正しく把握し、弁護士などの専門家のアドバイスも受けながら、対処するようにしましょう。
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『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
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これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。