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借金300万円、完済できる? 返済が苦しいときに知って欲しいこと

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更新日:2023年10月30日 公開日:2020年08月25日

借金300万円、完済できる? 返済が苦しいときに知って欲しいこと

「借金が300万円もあって完済できるか不安」、「借金が300万円まで膨れ上がってしまい、毎月の返済がつらい」と感じている人は注意が必要です。

返済に不安を感じている場合にはすぐに対処しなければ、とても危険な状況に陥ってしまう可能性が高いでしょう。

本コラムでは、借金を自力で返せるかどうかを判断するためのポイントや、借金が返せないという場合の対処方法などについて解説します。

1、借金300万を完済できるか判断するための3つのポイント

借金300万円は、人によっては年収額を超えてしまうようなこともある、かなり多額な借金といえます。
借り入れからこれまで問題なく返済を続けられていて、今後の返済に少しでも不安があるときには、特に慎重に対応する必要があるといえるでしょう。

借金300万円を、自力で完済できるかどうかを判断するために確認しておいた方がよいポイントとしては、次のような事柄を挙げることができます。

  1. (1)借入件数

    自分が抱えている借金を評価する場合に、特に注意すべきは借り入れの件数です。

    たとえば、300万円の借金であっても、次のような状況の違いによって返済の負担や完済できる可能性も大きく違ってくるといえます。

    • 奨学金、車のローン、住宅ローンといった高額な借金が1件残っているだけ
    • 銀行カードローンが100万円あり、さらに車のローン、クレジットカードのリボ払い残額の合計が300万円になっている
    • 消費者金融のカードローンが50万円×6件ある


    借金の返済負担は、基本的に借入件数が増えるほど重くなるといわれますので、上の3つの例では、消費者金融のカードローンが6件あるというケースがもっとも危険な状況にあるといえるでしょう。

    50万円が6件というケースで、限度額一杯の借金が重なっているという場合は、すぐに債務整理を行うべきケースだと考えられます。

  2. (2)毎月の返済総額

    借金の負担の重さは、借金総額よりも毎月の返済額に比例して重くなる傾向が強いといえます。

    同じ300万円の借金であっても、毎月20万円ずつ返済しなければならない場合と、毎月5万円ずつ返済する場合では、返済を続けることの負担の程度は全く違うからです。

    この点についても、基本的には借入件数が多いほど、毎月の返済額は増えていくのが一般的です。

  3. (3)今後の家計見通し

    300万円の借金は、長期間の分割返済になることも少なくありません。返済期間が長くなれば、その間に突発的なトラブルに巻き込まれる可能性も高くなります。

    たとえば、300万円の返済期間が10年であるときには、借金をしたときには独身だったとしても、結婚をして子どもが生まれ小学校に進学するという過程で家計支出が増加していくかもしれません。その間に勤務先が倒産したり、自分が病気になって働けなくなったりするリスクもあるわけです。

    将来のことは誰にもわからないことではありますが、起こりうるリスクを分析した上で、「確実に返せる可能性がどれだけあるのか」ということを客観的に検討しておくことは、とても重要といえます。

2、借金300万円の完済が苦しい3つのパターン

次の事情を抱える場合には、借金300万円を自力で返済するのは難しい可能性が高いです。「借金が返せないかもしれない」ということは、自分では簡単に認めづらいことかもしれませんが、これから解説するケースに当てはまる人は、一日も早く弁護士などに相談した方がよいでしょう。

  1. (1)すでに借金返済に滞納がある

    すでに毎月の借金に遅れがある、遅れがちになっているという人は、かなり危険な状況にあるといえます。

    特に、滞納が1か月を超えている借金を抱えている人は、すぐに債務整理などの解決策を講じた方がよい場合が多いでしょう。

    「今後は収入が増えるかもしれない」、「来月から節約するから大丈夫」と考えることがあるかもしれませんが、収入を短期間で増やすことは決して簡単なことではありませんし、借金が膨れ上がっている状況では、節約したくても節約できる部分がないというケースも珍しくありません。

  2. (2)毎月借金を繰り返さないと返済できない

    毎月の返済に遅れはないけど、借金を繰り返さなければ、借金返済や生活費の工面がおぼつかないという状況にある場合も、滞納してしまっているケースと同程度に危険な状況といえます。

    なぜなら、借金が必須となっている以上、毎月の収入では、返済と生活を両立させることができていないからです。その月の支払いができていたとしても、借金残額が減っていかないのであれば、借金を完済することは難しくなります。

  3. (3)繰り上げ返済できる余裕がない

    金融機関からの借金の返済を、約定返済(契約で決められた内容)どおりに行うことは、借り主にとって不利な結果になる場合が多いです。

    なぜなら、金融機関との契約内容は、貸し倒れを回避しながら最大の利息を受け取れるような内容になっているからです。したがって、借金の返済においては約定返済に追加の返済(繰り上げ返済)を実施するのが基本です。

    特に、借金300万円を抱えているという場合では、1か月数千円の繰り上げ返済を実施するだけで、完済までの利息総額を数万円単位で減らせる可能性があります。

    他方で、繰り上げ返済を実施することが難しいという状況は、毎月の収支がギリギリである場合が多く、多額の借金を長期間の分割で返済していくには不安のある状況といえます。
    現時点できちんと返済できている場合でも、万が一の場合に備えて、必要な情報などを入手し、返済に行き詰まったらすぐに正しい対応をとれるようにしておくべきでしょう。

3、借金300万円を債務整理で解決するとどうなる?

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。

以下では、300万円の借金をこれらそれぞれの方法で解決した場合の毎月の返済額などについて確認しておきたいと思います。

  1. (1)任意整理した場合

    任意整理は、債権者と直接交渉することで、今後の返済条件をいまよりも緩やかにしてもらい借金を返しやすくするための方法です。

    具体的には、今後の利息の免除と分割回数の見直しを行います。
    また、すでに滞納によって期限の利益(分割返済の権利)を失っている場合でも、債権者との和解によって期限の利益が回復される可能性もあります。

    特に、カードローン、キャッシング・リボ払いといった高利の借金を多数抱えている場合には、利息免除によって毎月の返済額(完済までの返済総額)を大幅に減らすことができますので、有効な解決方法といえます。

    しかし、利息の免除を受ける以上は、元金の返済回数には一定の制限が生じます。
    利息を免除する以上、返済期間が長くなるほど債権者にとっては損失となるからです。実務の上では、3年から5年までの返済期間が任意整理の相場とされています。

    したがって、借金300万円を任意整理で解決しようという場合には、最低でも毎月5万円の返済は続けられるだけの返済能力(家計の余裕)が必要でしょう。

  2. (2)個人再生した場合

    個人再生は、裁判所の認可決定により、利息だけでなく借金元金の一部について免除を受けられる手続きです。
    認可決定後は、元金の一部を原則3年の分割で返済し、これを完遂すると残額の返済を免除してもらえます。元金免除の可能性があるので、奨学金のような低利の借金を解決したいときに特に有効な方法といえます。

    借金300万円を個人再生した場合には、最大で200万円の元金免除を認めてもらえる可能性があります。

    また、個人再生の手続きの中では財産の差し押さえが予定されていないこと、住宅ローン残があっても、抵当権者による差し押さえを回避できる余地がある(いわゆる住宅ローン特則付き個人再生を申し立てる)ことも大きなメリットといえます。

    しかし、個人再生を利用する際には、次の2点に特に注意する必要があります。

    • 保有財産が多い(100万円以上)ときには、それに応じて減額幅が小さくなる
    • 債権者に反対されると個人再生は認められない


    個人再生によって借金を解決するときには、個人再生の時点で自己破産した場合の債権者への配当額よりも多い金額を返済しなければなりません(清算価値保証の原則)。

    そのため、住宅ローンがアンダーローンの場合や、勤続年数が長く多額の退職金見込み額があるような場合には、思ったように借金を減額してもらえない場合があります。
    また、個人再生の多くは、小規模個人再生という方式で進められますが、この場合には債権者の同意が必要となります。

    債権者の頭数もしくは債権額の過半数の反対があるときには個人再生は認められません。特に大口債権者がいるときには、その債権者のみの反対で、個人再生に失敗するリスクがあるので注意しておくべきでしょう。

  3. (3)自己破産した場合

    自己破産は最終的な借金の解決方法です。
    自己破産した後に破産免責を認めてもらえれば、自己破産した時点での借金全額について返済を免除してもらえます。

    しかし、自己破産をした場合には、一定額を超える財産について差し押さえがなされてしまいます。また、生命保険の解約返戻金、退職金の見込み額なども差し押さえの対象となります。

    さらに、詐欺的な借り入れ(年収などを偽って申し込んだ借金やクレジットカードの現金化によるカードの支払残、借り入れ後返済していない借金)がある場合や、裁判所の手続きに協力しなかった場合(期日の欠席、財産隠匿、虚偽申告)があった場合には、免責を認めてもらえない可能性もあります。

4、返済がつらいと感じたときには一日も早く弁護士に相談

借金300万円の返済に行き詰まってしまった、行き詰まりそうになってしまったという場合には、一日も早く債務整理に踏み切るべきです。
借金の問題は、対応が遅れるほど深刻になっていくことが多いからです。

正しい対応をとらずに先延ばしすることは、借金を膨らませる原因にしかなりません。

他方で、早期に借金解決に着手できれば、解決のための選択肢も多く残せ、自分にとって少しでも有利な方法で借金を解決できる余地が生じます。

借金問題については、無料相談を行っている弁護士事務所もあるので、上手に活用することを、おすすめします。

5、まとめ

日本人の平均年収が400万円強といわれることが多いことを考えると、借金300万円というのは、かなり多額の借金といえます。

特に、借入件数が多いという人の場合には、ちょっとしたことで返済が行き詰まってしまう可能性も高いです。

借金の問題は、早めに対応することがとにかく大切です。返済に不安を感じた場合には、無料相談を上手に活用して、一日も早く弁護士のアドバイスを受けておいた方がよいでしょう。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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