債務整理 弁護士コラム
意外に思う人も多いかもしれませんが、近年では闇金被害に遭う人が増えています。借金問題の専門家の間では、「闇金は増えている」という認識が一般的です。
闇金からの借金は、借りている側にも後ろめたい気持ちがあることが多く「恥ずかしい」、「怒られるかもしれない」といった感情から他人に相談することが遅れる場合も珍しくありません。また、元金それ自体は少ないことが多いので「すぐに返せる」、「返してしまえば問題ない」と考えている人もいるかもしれません。
そこで、今回は
・闇金と関わってしまったときにはすぐに弁護士に相談すべき理由
・なぜ弁護士などの法律家が闇金問題を解決できるのか
について解説します。この記事がお役に立てば幸いです。
闇金と関わりを持ってしまった方の多くが、「自分から積極的に闇金から借金をしている」というケースではないでしょう。
そうせざるを得なかったほとんどのケースは、「金融機関から借金できなかった」という事情があるのではないかと考えられます。また、「金融機関の審査を待つ時間がない」という場合や、「そもそも闇金とは知らなかった」ということもあるかもしれません。近年では、闇金の手口も多様化しているので、一般人がイメージするような「闇金=暴力団風の金融屋」という構図が崩れているためです。
いかなる事情があるにせよ、闇金と関わってしまった場合には、1日も早く弁護士に相談し、解決に向けた行動をとるべきです。その理由は次のようにまとめることができます。
以下では、それぞれについて詳しくみていくことにします。
闇金から借金をしてしまう方のなかには、「すぐに返せば問題ない」と考えている人も少なくないと思います。闇金からの借金は、数万円程度の小口の借金から始まることの方が一般的なので、「その気になったらすぐに完済できる」と考えてしまいやすいからです。
たしかに「5万円」、「10万円」という程度のお金を用意することは、消費者金融・銀行のカードローンの残債を完済するよりは簡単なのかもしれません。
しかし、実際の闇金からの借金は、「お金をそろえられた場合」であっても完済することはできません。なぜなら、闇金は「少額の貸し付け」で暴利をむさぼり取ることで利益を上げることを目的としている業者である可能性があります。したがって、「完済される」ことはもっとも避けたいと考えているケースが多い傾向があるのです。
上で触れたことは、闇金への返済方法からも見て取ることができます。一般的な闇金の場合には、毎回の返済期日にはその期間分の「利息」しか支払わない方法がとられます。よく「飛ばし」とか「ジャンプ」とよばれる手口です。この飛ばし(ジャンプ)というのは、「元金の返済を飛ばす」という意味です。
たとえば、闇金から5万円借りているような場合には、10日~2週間で「1万円の利息」を支払うようなことになるのが一般的です。この場合の利息は返済期間が10日であれば10日で2割のいわゆる「トニ」とよばれるものです。
一般の人にとっては闇金というと「トイチ(10日で1割)」の利息をイメージする人が多いかもしれませんが、最近の闇金相場は、トニ・トサンというケースもあるようです。仮にトニであれば、5回利息を支払えば、元金と同じ金額の利息を支払うことになります。
この仕組みだけでも理解してもらえると思いますが、闇金にとっては、「元金が減る」ことは、「受け取れる利息が減る」ことになります。そのため、完済されれば「その顧客からもう利息を取れない」ということになるので、好ましいことではないのです。むしろ、毎回1万円の利息を10回、20回、30回とむさぼり取れることに意味があるとも言えます。
実際に闇金に完済しようとしても、闇金はさまざまな手口で完済を防止してきます。もっとも典型的な手口は、「難癖を付けてお金を受け取らない」という方法です。たとえば、支払いのために電話連絡をした際に「元金を完済したい」と申し出ても、「事前に連絡してくれないと返済には応じられない」といった難癖を付けられるという手口が代表的でしょう。
借りた相手が闇金だった場合、毎回の支払いの直前に、指定の電話番号などに電話をして、返済するための方法の指示を受けるケースが多いようです。闇金は違法業者なので、通常の銀行口座を利用するわけにはいかないことが一般的です。したがって、闇金の返済には、闇市場で違法に売買された銀行口座が用いられることが多いといえるでしょう。「毎回返済口座が変わる」ということも珍しくないようです。
また、次回以降は、「返済の申込期日に間に合わなかった」、「わざと間違えた口座を教えて期日までに返済できなかったから次回まで受付けない」など、実にさまざまな手口で完済することを邪魔することもありえます。
さらには、完済された場合にも、押し貸し(勝手にお金を振り込んできたり、無理やり渡されたりすること)をしてくる場合もあるでしょう。
闇金への返済は「いつまでも続けられる」ものではありません。トニ・トサンといった利息を永遠に支払い続けるなんてことは、普通の方には無理なことだからです。
毎回の利息の支払いが間に合わなくなると、闇金業者はさまざまな方法で、プレッシャーをかけてきます。いまでは、テレビや映画でみるような、暴力的な取り立て(自宅に怖い人がやってくる)は、ほとんど行われない可能性が高いと考えられます。しかし、SNS、携帯・スマホへの電話連絡・メール送付などを駆使して、顧客を精神的に追い詰めようとすることがありえるでしょう。
最終的には、下記のような犯罪行為に加担することと引き替えに、「完済」という扱いになる場合が多いようです。
薬物や詐欺に関係する行為が犯罪なのは、誰もがすぐにわかると思いますが、「銀行口座の他人への売却・譲渡」も法律で禁止されている行為ですので、注意する必要があります。
闇金業者に売却した銀行口座は、「その顧客の名義のまま」、振り込め詐欺などの犯罪行為に利用されます。暴力団のマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されることもあるかもしれません。
ある名義人の銀行口座が犯罪行為に利用された場合には、その名義人のすべて(他行・他支店関係なく)の銀行口座が凍結の対象となります。また、犯罪に利用された口座の情報は、すべての銀行で共有されるので、最悪は、「一生銀行口座を持てなくなる」可能性があります。
以上、ここまで闇金の危険性と関わりを持ってしまったら弁護士に相談しなくてはならない理由を列挙してきました。では、なぜ弁護士に相談することで問題が解決するのでしょうか?
これは法律家の介入があった時点で、その顧客に執着することが闇金業者にとって損にしかならないからです。
具体的には、闇金業者にとって以下のような危険性があるためです。
したがって、弁護士が介入した時点で大方の闇金業者は手を引いてくれる可能性が高いと考えられます。また、そもそも闇金は違法業者であるために仮に裁判で弁護士などを敵にまわしても勝てる見込みはないといえます。
弁護士の介入で闇金が手を引けば、闇金と手を切ることができるはずです。警察への通報でも同様の理由を得られることがありますが、他の借金の相談にのってくれることもありません。しかし、弁護士であれば他の(正規の金融機関からの)借金も含めた総合的な解決方法を一緒に考えることができます。
闇金被害に遭ってしまった方は、他にも深刻な借金がある場合が少なくありません。状況によってはまとめて対応できることが多い点も、弁護士に相談する最大のメリットといえるでしょう。
何らかの事情で闇金と関わってしまった場合には、債務者が自力で闇金との縁を切ることは簡単でないケースが多いようです。場合によっては、報復などのリスクも抱えなければなりません。
弁護士に相談・依頼をすれば、報復リスクを回避しながら闇金とすぐに手を切るためのアドバイスを行えます。また、他の借金も含めた総合的な対処ができるでしょう。もちろん、「闇金と関わってしまったことを怒られる」ということはありません。ご安心ください。
闇金被害は早期に対応すれば、大事にならずに済むケースも少なくありません。「お金を借りている相手は闇金業者かもしれない」と感じたときには、1日も早く弁護士に相談することをすすめします。
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『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
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これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。