債務整理 弁護士コラム
膨れ上がった借金の完済を借金問題の「解決」というのであれば、おすすめする方法はただひとつ。「債務整理」です。
広告などで見慣れたワード、しかしながらわが身に関係すると思われていない方も多いかと思います。
「債務整理」は、あなたが想像する以上に身近な手続きなのです。
今回は借金問題を解決することができる、「債務整理」とはどのような手続きであるのかを詳しくご説明していきたいと思います。
また併せて、債務整理の相談先についてもご紹介していきたいと思います。
借金問題を本気で解決したいという方必見です!
借金が悩みになるとき。それは「返済ができないとき」です。
借金の総額がいくらになったとき、とか、借金歴が何年になったとき、などではありません。
そのため、借金のその悩みに対する「解決」とは、「返済できるようになること」ということができるでしょう。
返済できるようになるために整理しなければならないことがあります。
これらさえ明確になれば、あとは返済していけばいいのです。
これを可能にするのが「債務整理」なのですが、債務整理の手前段階においては、「一本化」ということが挙げられます。
「一本化」とは、いわゆる「おまとめローン」です。
借金でアップアップしてくるのは、「借り先がいくつもあり、返済日が月に数度あって精神的な混乱をきたす」という状態であることがほとんどです。
そのため、借り先を一本化し、返済日を月に1回にすることにより、「月々の返済額」が明確になり、自分の返済可能額内であれば返済していけばいいだけですので、精神的ダメージはかなり減ってくるでしょう。
一本化では、明確になった月々の返済額が自分の返済可能額内であることが要求されます。
返済可能額を超えているときが、本当の借金の恐ろしい場面ではないでしょうか。
この場合の解決方法が「債務整理」なのです。
債務整理とは借金の支払金額を減額したり、借金を「ゼロ」にしてもらったりすることができる借金問題の解決手段です。
債務整理と聞いてみなさんが想像するのは、
企業の社長や、多大な借金を抱えた特別な人への救済制度、というイメージではないでしょうか。
それは全く違います。
ギャンブルで借金が膨らんでしまった人も、買い物依存で借金が膨らんでしまった人も、ホストに貢ぎ過ぎてしまって借金が膨らんでしまった人も、無職で返す原資が全くない人も。みんな「債務整理」制度の対象なのです。
債務整理は、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類の方法が存在します。それぞれ、特徴やメリットやデメリットが異なりますので、次項以下で詳しくご説明していきたいと思います。
任意整理は将来に向けて発生する利息をカットしてもらうことで、借金の支払総額を大幅にカットすることができる債務整理です。他の債務整理と違い、裁判所を通すことのない手続きであるため、もっとも利用されている債務整理だといえます。
①手続きが簡単
任意整理は裁判所を通すことなく、金融機関との話し合いで行う手続きです。弁護士に依頼してしまえば任意整理は比較的忙しい方でも手軽に活用しやすい債務整理方法であるといえます。
②借金の将来利息をカットできる
任意整理では元本(借りた金額)のカットはできません。できるのは将来発生するはずであった利息です。
「なんだ、利息だけか」とお思いかもしれませんが、消費者金融で適用になる最大の利率は18%です。100万円を借り入れた場合、どれだけの利息が発生するのでしょうか?
3年で返済すると仮定すると、毎月の返済金額は3万6152円、支払利息総額はなんと30万1468円にもなってしまうのです。
この将来発生する30万1468円をカットすることができるのですから、借金の返済総額はかなり減少することがお分かりいただけると思います。
また、返済期間についても話し合うことが可能なため、延長できれば月々の返済金額も減らすことができ、日々の生活にゆとりも持てるようになるのです。
③利息制限法の上限以上の利息をカットすることができる
10年以上前の古い契約で利息制限法の上限を超える利率が設定されていた場合、同法の上限まで引き下げて計算し直されます。
この場合、これまで払ってきた利息が、とんでもない額に上ることは珍しいことではありません。この払い過ぎた利息を「過払い金」といい、現在残っている元本に充当されるのですが、充当して元本がなくなった後もまだ払い過ぎた分があれば、それは返還請求することができます。これが世に言う「過払い金返還請求」です。
過払い金返還請求では、百万、千万円単位でお金が戻ってくることも実際にあります。
長期にわたり借金を繰り返している方は、ぜひ弁護士に相談してみてください。
金融機関のブラックリスト(信用情報機関)に登録されてしまうため、新規でのクレジットカード作成や借金が5~10年難しくなります。
任意整理を選択すべき人は、借金の金額がそれほど大きくなく、月々の返済金額を減らすことで借金を完済することができる人であるといえます。
個人再生とは、裁判所を通して債務を減額してもらう債務整理方法です。
①最大9割もの債務を免除してもらうことができる
借金額(住宅ローンを除く) | 最低弁済額 |
---|---|
100万円未満 | 借金全額 |
100万円~500万円未満 | 100万円 |
500万円~1500万円未満 | 借金額の5分の1 |
1500万円~3000万円未満 | 300万円 |
3000万円~5000万円 | 借金額の10分の1 |
一般的な小規模個人再生手続きの最低弁済額をみると、借金の総額が3000万円~5000万円のケースでは借金額の10分の1であることがわかります。つまり、最高で9割もの債務が免除されるということです。
②住宅を手放すことなく、債務を大幅に減らすことができる
個人再生では住宅ローン特則*が適用になるため、マイホームを手放すことなく、住宅ローン以外の債務を大幅に圧縮することができます。
*住宅ローン特則とは
住宅ローン等の住宅資金貸付債権についてはローンの支払いをそのまま継続することによって、自宅・マイホームを処分されないようにしつつ、住宅ローン以外の借金だけを個人再生によって減額・分割払いとすることができる制度のことです。
④職業の制限がない
自己破産の場合、手続き期間中に就ける職業に制限がありますが、個人再生では職業制限がないため、誰でも活用することができます。
①ブラックリストに登録される
金融機関のブラックリスト(信用情報機関)に登録されてしまうため、新規でのクレジットカード作成や借金が5~10年難しくなります。
②官報に掲載される
個人再生は裁判所を通した債務整理方法であるため、利用した場合、官報に掲載されてしまいます。
③保証人への影響が大きい
個人再生を行うと保証人付きの借金は保証人に請求が行くことになります。
④手続きが煩雑
個人再生では「再生計画」という計画を立てる必要があるなど、手続きが煩雑ですから、一人で行うことは難しいでしょう。
マイホームを手放すことなく、住宅ローン以外の借金を大幅に減額したい方向けの債務整理方法であるといえます。
また、自己破産の職業制限に該当するケースも、個人再生を利用することで職業制限にかかることなく、借金を大幅に減額することが可能です。
特定調停は費用を抑えたうえで、債務整理を行うことができます。
①何より債務整理にかかる費用が安い
特定調停最大のメリットは債務整理を行うために費用が非常に安い点にあります。おそらく1万円程度で債務整理を行うことができる可能性が高いです。
②債務者を選んで債務整理を行うことができる
車を残したいから、車のローンの債権者を外すなど、自分で整理をする債務を選択することができます。
③強制執行を停止させることができる
現在行われている強制執行を停止することも可能です。
①自分で書類を作成し、裁判所に出頭する必要がある
特定調停の費用が安い理由は、自分で書類を作成し、自分で裁判所に赴き手続きを行うからです。ですから、全て自分ひとりで行う必要があり、手間もかかります。
②調停調書は判決と同じ効力がある
調停調書は判決と同じ効力があるため、債務の支払いが滞った場合、即強制執行をされるというデメリットも存在します。
③ブラックリストに登録される
金融機関のブラックリスト(信用情報機関)に登録されてしまうため、新規でのクレジットカード作成や借金が5~10年難しくなります。
④話し合いがまとまらない場合もある
債権者が特定調停に同意せずに、話がまとまらないといったリスクも存在します。
とにかく費用を抑えて債務整理をしたいといった方向けの債務整理方法です。
特定調停の場合、手間と時間が大幅にとられるにもかかわらず、債権者の同意が取れずに、他の債務整理方法で債務整理をやり直さなければいけなくなるケースも存在します。
よって二度手間にならないように、専門家に全てお任せできる任意整理を選択したほうが、早期に借金問題を解決することが可能だといえます。
自己破産は借金の返済がどうしても不可能である人に認められる、借金が全額免除される債務整理方法です。
他の債務整理では、借金が全額免除になることはありません。しかし自己破産なら債務が全額免除になるため、完全に借金問題から解放されることになります。
①ブラックリストに登録される
金融機関のブラックリスト(信用情報機関)に登録されてしまうため、新規でのクレジットカード作成や借金が5~10年難しくなります。
②官報に掲載される
自己破産は裁判所を通した債務整理方法であるため、利用した場合、官報に掲載されてしまいます。
③職業制限が存在する
自己破産をした場合、免責が確定するまでの期間は就ける職業に制限がかけられることになります。具体的には、弁護士、司法書士、会計士、税理士などといった士業や質屋、古物商、保険外交員、警備員、宅地建物取引主任者などといった職業の場合は制限がかかるため注意が必要です。
④保証人への影響が大きい
自己破産を行うと保証人付きの借金は保証人に請求が行くことになります。
⑤財産を失う
破産では、最低限のもの(現金では99万円まで)は残すことができますが、車や自宅、保有している株式等々、あらゆる資産価値のあるものは所定の方法により換金され、借金の返済に回されてしまいます。
自己破産を行うべき人は借金の金額が大きく、収入の見込みもなく今の借金に対して歯が立たない状態である方です。
借金問題は、債務整理で解決することができることがわかりました。
では実際に、債務整理はどのように進めればよいのでしょうか。
借金問題は、まず弁護士に相談すべきです。
ここではなぜ借金問題は弁護士に相談すべきなのかをご説明していきます。
①お悩み解決! 最短即日で止まる督促・催促
借金問題を弁護士に依頼した場合最短即日で金融機関からの督促の電話や、催促の手紙などがストップします。ですから、借金問題におびえることのない、平和な日常を取り戻すことができます。
②どれにすればよい? 自分にピッタリな債務整理を提案
債務整理方法は、債務整理は、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類の方法が存在します。それぞれ違った特徴やメリットデメリットがあり、どの債務整理方法を選択すべきなのか、そのベストな方法を判断するのは難しいことです。
その点、借金問題の専門家である弁護士であれば、その人にあった債務整理方法を提案してくれます。
③借金が大幅に減額!? 減額できる借金を計算してくれる
どのくらいの借金を減額することができるのか、自分で計算するのはかなり難しい作業です。その点、借金問題の専門家である弁護士であれば、正確にどのくらいの借金を減額することができるのかを算出してくれます。
借金問題を解決するためには、弁護士に相談することがもっとも有効な手段であることがお分かりいただけたと思います。
債務整理は借金問題に悩む方が借金問題をいったんクリアにし、あらたな人生をスタートされるようにするための制度です。借金問題の専門家である弁護士とともに、借金問題を解決し、人生をやり直してみませんか。人生は何度でもやり直しがきくものです。
今回は、借金問題を解決することができる「債務整理」とはどのような制度であるのかを、詳しくご説明してきました。
借金問題を根本的に解決するには、本当はその「原因」に向き合うことです。
あなたはなぜ多額の借金を背負っているのでしょう?
収入が低いから?
知人の保証をしたから?
買い物やギャンブルに依存しているから?
これらの原因に向き合い、その改善を図ることが大切なのです。
しかし、現在背負ってしまった借金の返済自体は、比較的簡単に解決することが可能であることをお分かりいただけたかと思います。借金を返済していくと共に、原因を克服しながら新たな人生をスタートさせてみませんか。
そのお手伝いを弁護士がさせていただければと思います。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
実は、主婦で借金を抱えている人は多く、それを言えずに悩んでいる方もたくさんいるのが現状です。もしかしたらこの記事をご覧のあなたも、そういった悩みをお持ちなのかもしれません。
一人で悩むことなく、主婦で借金をしている人は意外と多いということを知っていただいて、ぜひご自身の借金返済について前向きに考えていってください。この記事があなたにとって、ご参考になれば幸いです。
これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。