債務整理 弁護士コラム
「自分は買い物依存症かもしれない」と感じている人は少なくはありません。買い物が大好きな人や、買い物に出かけるとつい買いすぎてしまう方は買い物依存症の不安を抱えていることでしょう。
ですが、ショッピング好きと買い物依存症は違います。買い物依存症の場合には中毒症状があるため、治療が必要な状態。対して買い物好きの人は買い物が趣味なだけで買い物に依存しているわけではありません。
買い物依存症の患者数は正式には発表されていませんが、昨今の後払いシステムやクレジットカード払いの増加によって患者数も増加していると推定されています。買い物依存気味の方は早めに自覚し、適正な対処をしていきましょう。
この記事で分かること
初めに、買い物依存症が疑われる症状を10個見ていきましょう。
買おうと思っていた物があって外出しても、ついいらない物を購入してしまうケースがあるでしょう。十分に考えずに衝動で買ってしまう方は要注意。いらない物を買ってしまっても、結局使わずに新品のまま放置されるケースがあります。
買った物をよく覚えていなかったり、結局使わない物が多かったりする方は買い物依存症かもしれません。本当に必要ではなく欲しい物でもないために買った物を覚えておらず、使われることはないのです。あるとき未開封の袋を見つけて「何かな?」と開けてみて思い出すケースがある方は注意してください。
買い物の中や買い物の後にやけに高揚感がある方も買い物に依存し、中毒症状を起こしている証拠です。当然新しい物の買い物や欲しかった物を手に入れた瞬間には誰にでも高揚感はあります。しかし、何を買っても高揚を感じてしまう方は物に対する高揚感ではなく、買い物している自分に高揚している可能性があるでしょう。
買い物依存症の方は、買い物の後に後悔する傾向にあります。「また、いらない物を買ってしまった」「また、無駄遣いをしてしまった」などと後悔する気持ちが沸き起こるなら買い物依存症かもしれません。
買い物依存症の方は、一度買い物に出てしまうとたくさんの買い物をしてしまう傾向があります。買い物に依存しているため、とにかく不要でも色んな物を買って満足しようとします。物に対する執着ではなく、お金を使うことに執着している証拠です。
買い物をしない日が続くとイライラしてくるのは、買い物中毒の症状の可能性があります。買い物中毒の方は、買い物をしていないと高揚感が切れてしまい、イライラし、落ち着かないのです。
買い物をしているときに手持ちがなくてもクレジットカードや、ローン、後払いなどで買い物をしてしまうのも買い物依存症の症状です。ネットショッピングが好きな傾向もあるかもしれません。実際に物を確認しなくても買い物がしたくなり、ネットならすぐに現金が必要にならないからです。気がついたら借金がかさんでいた、という場合もあるでしょう。
買い物は大好きで買っている最中や直後には高揚感を得られるものの、帰宅後すぐに罪悪感に襲われるのも買い物依存症の症状です。買い物している自分を想像するのはワクワクして楽しいけれど、心の奥底では「これ以上買い物をしてはいけない」と感じているなら買い物依存症の可能性が高いと言えるでしょう。
ショップ店員は客の購買意欲をそそるために褒めたたえます。一般の方なら「お世辞がうまいな」と感じるシーンでも「やっぱり? 似合うよね!」などと感じてしまうのは買い物依存症気味の方の特徴です。自分の意思ではなく、店員にすすめられて仕方がなかったと買い物を正当化し、「自分は悪くない」と感じたいのです。
買い物依存症の人は自分が買い物にいくら使ったか把握していません。現金がなくても買い物をしてしまう傾向と一度にたくさんの買い物をする傾向があるため、実際にいくらの買い物をしたのか記憶にないのです。また、把握するのが怖いためあえて目をそらしてしまいます。後から高額な請求額が来て後悔してしまうのです。
では、買い物依存症になってしまう原因について見ていきましょう。少しでも当てはまるなら買い物依存症になる可能性がありますので、上手に対処していかなければいけません。
ストレスが多く、ストレスを解消したいがために買い物をしてしまう方が多いかもしれません。ストレス発散のために、お酒を飲む、ギャンブルをする、などと同様です。依存する物があるとストレスから目を背けられますので、ストレス社会では何かしらの依存症になる方が多いのかもしれません。
自分に自信がないからこそ何かに依存しようとします。ショップ店員の言葉が気持ちいいのも承認欲求が強い表れでしょう。また、自信がないからこそ、きれいで高級な物に包まれて自信を持とうとします。ですが、何を周りに置こうと自信にはつながらないため、また買い物をしたい欲求が出てしまうのです。
買い物依存症の人は、はやりの物やきれいな物に身を包み、少しでも見栄を張りたい欲求が強い傾向があります。また買い物をし、たくさんのショッピングバッグを持ち歩くことがステータスのように感じることもあるでしょう。少しでも周囲によく見られたいがために買い物を繰り返してしまうのです。
真面目な人ほど、普段は我慢を重ねてストレスがたまる傾向があるようです。買い物をすること自体は悪いことではありません。誰にも迷惑をかけずにストレスの吐け口にできるものとして買い物を自然に選んでしまう可能性があります。
自分は買い物依存症かな? と自覚したなら適切な対処法で買い物依存から脱却していきましょう。
まずは、現金がなくても買い物を続けてしまう状態から抜け出す必要があります。お金がなければ買い物はできません。ですから、借金してしまう可能性のあるクレジットカードやカードローンなどのカード類を破棄してしまってください。そうすることで今後借金することもなくなります。
衝動買いをするのも買い物依存症の症状です。本当に欲しい物なのか? 必要な物なのか? を熟考する必要があります。そのために買おうかな? と感じる物を見つけたなら、一呼吸おいて、いったんお店を出てみてください。カフェに寄ったり違うお店を見たりして、冷静さを取り戻してから再度お店に戻ってみましょう。最初に見たときよりも魅力を感じられず、購買意欲が減少しているなら、本当に必要な物ではないという証拠です。買わずにそのままお店を後にしましょう。
ショップ店員の言葉をうのみにするのをやめてみましょう。セールストークに乗せられてあれもこれもと買うこと自体が間違いだと気がつければ、買い物をする高揚感は激減します。気がつくことができれば購買意欲もうせることでしょう。
家計簿をつけて自分がいくら使っているのかを把握することも大切です。買い物依存症の人は自分が買い物している金額から目をそらしがちです。まずは自覚することから始めてください。できれば家族や配偶者には高額な買い物をしていることを秘密にしたいかもしれません。しかし、買い物依存の症状から抜け出すためには第三者に家計簿を見てもらい、買い物の衝動を抑えるためのサポートをしてもらうのが良いでしょう。
ネットショッピングを閲覧し買い物をよくしていた方なら、ネットショッピングの利用を控えましょう。ネットショッピングは手軽で、外出していなくても自宅で購入ができてしまいます。買い物をするタイミングを減らすためにも、閲覧しないことをおすすめします。
真面目なあなたですから、ストレスがたまっていることでしょう。買い物でストレスを発散していたなら買い物以外でストレスのはけ口を見つけ出すことが先決です。真面目な分、愚痴や文句を言えないこともあるでしょう。ですが、多少の愚痴は親友や家族にこぼしても問題ありません。また、買い物に費やしていた時間とお金で新たな趣味を始めて見てもいいでしょう。自分に合ったストレス発散方法を見つけ出してください。
買い物にひとりでは出向かないことも買い物依存から抜け出す方法です。ひとりで買い物に行くことで、お金がなくても不要でも買ってしまう行為につながります。買い物に出るなら休日に家族と一緒に出掛けるなど工夫をしてみてください。それだけで買いすぎ防止につながります。
生活習慣の乱れもストレスの蓄積につながります。まずは、栄養バランスの取れた食事を規則正しく摂取し、睡眠時間を十分に確保することを始めてみてください。そうすることで自律神経の乱れを改善し、余計なストレスに苦しむこともなくなります。
買い物依存症の方は、得てして不要な物でも購入し「お得だったから」と自分に言い訳をしがちです。しかし、半額などはお得かもしれませんが、不要な物を購入する理由にはなりません。無駄遣いです。結局使わないなら必要ないと気がつきましょう。
最終的には依存症専門のカウンセリングを受けることをおすすめします。買い物依存症は病気の一種です。努力をして治る場合もありますが、何をしても改善されないなら専門の依存症外来を受診するべきでしょう。病気を自覚し、適切な治療を受ければ依存症から抜け出せる可能性が高まります。勇気を出して家族に相談し、一緒に通院してもらうのも良いでしょう。
買い物依存症に悩んでいる場合の相談先をご紹介します。依存症で苦しむ本人も相談できますが、ご家族が依存症から抜け出せずに悩んでいる方でも相談することができます。
ひとりで悩まずに専門機関に相談してみるといいでしょう。
厚生労働省では各種依存症対策の一環として精神保健福祉センターを相談先に指定しています。精神福祉保健センターは全国各地にありますので、お住まいの地域の情報を調べてみましょう。
全国精神保健福祉センター一覧 (全国精神保健福祉センター長会(事務局))
自治体の保健所では、精神福祉相談が可能です。買い物依存症ももちろん相談できますので、一度足を運んでみてください。保健所では医師や保健師、精神保健相談員などに相談し、悩みを聞いてもらうことができます。
依存症外来のある専門の病院を受診し、カウンセリングを受けることも有効です。専門のカウンセラーであれば依存症の患者の心に寄り添ったアドバイスをくれるでしょう。また投薬治療などで根本から治療できることもメリットです。
買い物依存症が悪化し、借金を多く抱えてしまった場合にはどうしたらいいのでしょうか。この場合には、家族にも正直に打ち明けていく方が無難です。
まずは家族に相談してみましょう。家族に相談することで一緒に借金を返済したり、返済のプランを一緒に考えたりしてくれることが期待できます。借金を返すためにさらなる借金を繰り返してはいけません。どんどん多重債務が増えて、取り返しのつかない事態に発展する恐れがあります。
安い金利に借り換えることもひとつの手段です。借金している先が消費者金融や闇金なら銀行のカードローンで借り換えを行う方が、金利は安く済むでしょう。クレジットカードのショッピングをリボ払いにしているなら、金利の安い銀行から融資を受けて一括で支払ってしまった方が金利は安い可能性があります。銀行にはおまとめローンなどの商品もありますから、銀行の融資窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
返済ができないほど借金が増えてしまったら、自分ひとりで解決しようとはせず、弁護士に相談しましょう。弁護士なら、借金を解決するための方法(債務整理と言います)について適切なアドバイスが可能です。
債務整理には主に、「任意整理」「個人再生」「自己破産」という方法があります。
「任意整理」とは、銀行や消費者金融など債権者と個別に交渉して将来払う利息を圧縮してもらい、借金の総額を減らす方法です。
「個人再生」とは、持ち家を残しつつ、借金を減額する裁判所の手続きです。
「自己破産」は、すべての借金をゼロにする裁判所の手続きです。
どの方法もメリットとデメリットの両方があるため、債務整理をしたいと考えた場合は弁護士への相談をおすすめします。
参考
真面目な人ほど依存症に陥りやすいともいわれますが、誰でもなる可能性はあります。買い物依存は、ひとりで悩まずに家族などに相談しながら克服していきましょう。
買い物依存から借金問題を抱えているなら弁護士に相談することをおすすめします。ベリーベスト法律事務所では、債務整理に関するご相談は何度でも無料です。お気軽にご連絡ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
「自分は買い物依存症かもしれない」と感じている人は少なくはありません。買い物が大好きな人や、買い物に出かけるとつい買いすぎてしまう方は買い物依存症の不安を抱えていることでしょう。
ですが、ショッピング好きと買い物依存症は違います。買い物依存症の場合には中毒症状があるため、治療が必要な状態。対して買い物好きの人は買い物が趣味なだけで買い物に依存しているわけではありません。
買い物依存症の患者数は正式には発表されていませんが、昨今の後払いシステムやクレジットカード払いの増加によって患者数も増加していると推定されています。買い物依存気味の方は早めに自覚し、適正な対処をしていきましょう。
ソーシャルゲーム(ソシャゲ)などのスマホゲームで、多額の課金をしてしまう方は少なくありません。
「今回だけ…」とおそるおそる少額で始めたはずの課金も、いつも間にか抵抗がない状態に陥っている方も多いのではないでしょうか。
スマホゲームの課金は、一種の中毒症状をもたらします。「やめよう」と思っても、自分の意思では上手にコントロールできないものです。
本コラムでは、ソシャゲなどのスマホゲームで課金をやめられない心理、課金に制限をかける方法、課金をやめる方法、課金が原因で借金に悩んでいるときの対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士がご紹介します。
廃課金とよばれるような過度な課金は、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。できるだけ早めに課金をコントロールしたり、借金問題を解決したりして、通常の生活に戻していきましょう。
「必死に働いても生活が苦しい」「働きたいのに働けない」「借金返済でどうすればよいのか分からない」などの悩みを抱える人は少なくありません。
このような生活苦には、働けない・給料が低い・借金を抱えていることが大きな原因となっているケースも多くあります。
本コラムでは、生活が苦しい状況から抜け出すための対処方法や相談先、支援制度について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。