債務整理 弁護士コラム

任意整理しても住宅ローンは組める! 審査通過のケースと落ちる場合

2020年03月05日
  • 任意整理
  • 任意整理
  • 住宅ローン

任意整理しても住宅ローンは組める! 審査通過のケースと落ちる場合

多くの人にとって、住宅ローンを組んでマイホームを購入することは、人生でもっとも大きな買い物です。実際に住宅ローンを組んだ人の中には、次のような不安や不満をお持ちの方もひょっとしたらいらっしゃるのではないでしょうか。

住宅ローンを組んだときには余裕があったけれど、その後に転職などがあって毎月の返済が苦しくなってしまった……。
不動産会社の営業マンに「賃貸で家賃を払うぐらいなら、マイホームを買ってしまって家賃と同じ金額の住宅ローン返済をしたほうがお得」といわれて住宅ローンを組んだけれど、実際に借金返済の生活をしてみてその苦しさに耐えかねている……。

どうしても返せなくなってしまった借金の負担を減額する方法としては、任意整理という方法があります。
しかし、住宅ローンを組んでいる人が任意整理を選択する場合は、慎重に手続きをしないとマイホームを失うことにもなりかねません。
また、任意整理をした後、一定期間が経過しないとまた新たに住宅ローン審査を通すことは難しくなってしまうことを理解しておくことが大切です。

今回は、住宅ローンと任意整理の関係について、

●現在組んでいる住宅ローンについて、もし任意整理をしたらどうなるのか
●任意整理の手続きをした後に、住宅ローンの申し込みをした場合に審査が通るのか
●住宅ローン審査に落ちてしまう人の特徴と対策

といった内容を解説します。
この記事が、住宅ローンの返済負担を減らす方法についてくわしく知りたい方の参考になれば幸いです。

1、任意整理と住宅ローンに関する豆知識

任意整理と住宅ローンの関係については、次のような点を理解しておくことが必要です。

  1. ①任意整理をしても、完済して5年たてば住宅ローンを組める可能性はある
  2. ②現在組んでいる住宅ローンに影響しない形で任意整理を行うことができる
  3. ③任意整理をしたのが自分でも、配偶者が住宅ローン審査を受けるなら影響はない


それぞれの項目について、順番に説明していきます。

  1. (1)任意整理をしても、完済して5年たてば住宅ローンを組める可能性はある

    任意整理の手続きが完了してから一定期間が経過したら、住宅ローン審査に通る可能性があります。

    任意整理を行った後、減額してもらった借金を完済して5年間が経過すると、信用情報機関のブラックリスト情報が削除されるからです。
    ※信用情報機関:あなたのクレジットカードやローンの申し込みや契約、借り入れなどの履歴を管理している情報ネットワークのことです。

    もちろん、その場合にも審査を申し込みした時点でのあなたの年収や、頭金として支払う金額から審査が行われることになりますが、審査で過去の削除済みのブラックリスト情報を参照されることはありません。

    過去に任意整理をした人は、借金を完済して5年がたったら住宅ローン審査にチャレンジしてみる価値があります。

  2. (2)現在組んでいる住宅ローンに影響しない形で任意整理を行うことができる

    現在、住宅ローンを組んでいる人は、その住宅ローンについて任意整理をしてしまうと、マイホームに設定されている抵当権が実行されてしまうおそれがあります。

    一方で、任意整理では「どの借金について手続きを行うか」を自由に選択することができますから、住宅ローンについては今まで通り返済を行い、その他の借金についてのみ任意整理を行うという方法を選択することができます。

    つまり、あなたが住宅ローンを負っていたとしても、その住宅ローンは手続きを行う対象から外せば、マイホームを失うことなく任意整理を行うことができるのです。

    住宅ローン以外の借金がたくさんあるという方は、任意整理によって借金減額を行うことも選択肢に入れてみましょう。

  3. (3)任意整理をしたのが自分でも、配偶者が住宅ローン審査を受けるなら影響はない

    「借金の減額手続きをしたいけれど、5年間も住宅ローンを組めなくなるならあきらめざるを得ない……」という方は、あなた以外の人(奥さんや旦那さんなど)の名義で住宅ローンを組むことも検討してみましょう。

    住宅ローンで審査の対象になるのは、申し込みをした本人だからです。
    夫婦共働きという人であれば、こうした方法でマイホームを手に入れる方法があることを知っておきましょう。

2、住宅ローン審査の基準

上でも見たように、任意整理の手続きをした後、減額してもらった借金を完済してから5年間が経過すれば、ブラックリスト情報が抹消されるので住宅ローン審査に通る可能性があります。

しかし、実際には「完済5年経過後に住宅ローン審査を申し込んだけれど、審査落ちになってしまった」という人も少なくないでしょう。

そのような場合には、ブラックリスト情報以外の理由で審査落ちとなってしまった可能性が高いです。

「住宅ローン審査に通らない理由がわからない」とお悩みの方は、次のような項目についてチェックしてみてください。

  1. ①安定した収入
  2. ②雇用形態
  3. ③勤続年数
  4. ④信用情報
  5. ⑤健康状態
  6. ⑥税金の滞納の有無


各項目について、順番に見ていきましょう。

  1. (1)安定した収入

    住宅ローン審査で重要なのは、毎月一定の安定した収入があることです。
    言うまでもなく、毎月の収入の金額が多いほど、住宅ローン審査では有利になるでしょう。

    ただし、安定した収入があるといっても、返済比率(返済負担率)の基準を満たしていないと審査に通らない可能性があります。

    返済比率とは、簡単にいえば年収のうちどれだけを住宅ローン返済に回す必要があるか?のことで、「年間の返済合計額÷年収」で計算できます。

    住宅ローン審査の基準としては、20〜35%が求められることが多いでしょう。
    たとえば、年収500万円の人が、年間返済額150万円(毎月返済で12.5万円)の住宅ローンを組んだ場合、返済比率は150万円÷500万円×100=30.0%となります。

    住宅ローン審査が通らない方は、あなたの収入が返済比率35%以上になっていないかどうかを計算してみてください。

  2. (2)雇用形態

    住宅ローン審査では、あなたの雇用形態がどのようなものであるかも重要です。

    雇用形態は、アルバイトより契約社員、契約社員より正社員の方が、安定した収入を得られると判断され優遇されます。
    住宅ローン審査の場合は、多くのケースで正社員であることが求められるでしょう。

  3. (3)勤続年数

    住宅ローン審査では、会社に勤めている期間(勤続年数)が長いほど有利です。
    日本は、勤続年数が長いほど収入が上がる傾向にありますし、会社を辞めない人は信頼感のある人とみなされます。

  4. (4)信用情報

    住宅ローン審査で、信用情報は非常に重要です。
    上でも見たように、信用情報としてブラックリスト情報(任意整理後の借金完済から5年間が経過していないなど)が登録されている場合は、ほぼローン審査に通りません。

    信用情報にブラックリスト情報が登録されている人は、金銭面で信用できないと判断されますから、住宅ローン審査にはまず通りません。

    なお、ブラックリスト登録されるのは任意整理などの債務整理だけに限らず、返済遅延や過剰な回数のローン申し込みなども含まれますから、注意が必要です。

  5. (5)健康状態

    あなたの健康状態の良しあしも住宅ローン審査でチェックされるポイントです。
    健康状態が悪いと、働けなくなり住宅ローンの返済ができなくなる可能性があるからです。

    銀行側は、毎月滞納しないで住宅ローンを返済する人にお金を貸したいと考えているため、住宅ローン審査では健康状態に関する告知などが求められます。

  6. (6)税金の滞納の有無

    住宅ローン審査では、税金の滞納がないかどうかもチェックされます。
    納税を収めていない人は、金銭面がしっかりしていないと判断されてしまい、銀行から融資してもらえないのです。

    銀行は住宅ローン審査のときに、源泉徴収票や納税証明書で納税状況を確認します。
    住宅ローン審査を受ける際には、未納になっている税金を納めてから申し込みをするようにしましょう。

3、任意整理の後に住宅ローン審査を通過するためのポイント

ここからは、過去に任意整理をしたことがある方向けに、住宅ローン審査を通過させるためのポイントを解説しましょう。

具体的には、ローン審査を申し込む前に次のようなポイントを押さえてみてください。

  1. ①任意整理をした金融機関とは別の銀行で審査する
  2. ②住宅ローンの20%の頭金を準備しておく
  3. ③地方銀行で審査を受ける
  4. ④ペアローンを活用する
  5. ⑤信用情報の開示請求をする
  6. ⑥借り入れがあるなら完済しておく


以下、順番に説明します。

  1. (1)任意整理をした金融機関とは別の銀行で審査する

    住宅ローンに申し込む金融機関は、過去に任意整理を行っていないところから選びましょう。
    すでに解説したように、任意整理をした後に減額してもらった借金を完済して5年間が経過すれば信用情報機関のブラックリスト情報は抹消されます。

    しかし、これはあくまでも信用情報機関のブラックリスト情報が消えるというだけで、実際にお金を借りて任意整理をした金融機関には、あなたの情報が半永久的に残る可能性があるのです。(これを「社内ブラック」とよびます)

    たとえば、過去に銀行Aからの借金を任意整理した場合、その借金を完済して5年がたてば別の銀行である銀行Bや銀行Cのローン審査は通る可能性があります。

    一方で、銀行Aについてはブラックリスト登録期間が経過したとしても、あなたが過去に借金を返済できなかった人であるという情報は残る可能性が高いのです(※銀行Aのグループ会社含みます)

    したがって、住宅ローン審査は過去に任意整理をした金融機関に申し込むのではなく、これまでに取引記録のない金融機関に申し込むのが良いでしょう。

  2. (2)住宅ローンの20%の頭金を準備しておく

    住宅ローンを組む際に、頭金として準備する自己資金は大きいほど審査に通りやすくなります。

    相場としては、物件購入価格の20%程度の頭金を準備しておくと良いでしょう。
    たとえば、2000万円の住宅ローンを借りるなら400万円程度の頭金を準備できるとローン審査に通りやすくなります。

    その際、最終的に借りるお金が、上で説明した返済比率(年間の返済合計額÷年収)で20~35%程度になるように設定しましょう。

    物件購入価格が2000万円で、400万円を頭金として入れたとしたら、1600万円を住宅ローンとして借りることになります。
    30年間の返済期間とした場合、年間の返済額は1600万円÷30年間=53万円程度です(単純化のため利息は度外視しています)。

    この場合に、返済比率が20%になるようにするとしたら、あなたの年収は53万円÷20%=265万円ぐらいあればOKということになります。

    返済比率と頭金の金額から、現実的なローン申込額を事前に計算しておくと、住宅ローン審査に通る可能性がとても高くなるでしょう。

  3. (3)地方銀行で審査を受ける

    地方銀行はメガバンクと比べて、住宅ローン審査に通過しやすいといわれています。

    地方銀行は、メガバンクよりも年収などの条件より、購入する物件の価値を重視する傾向がありますから、年収面で不利という人でも審査に通りやすくなるのです。

    住宅ローンを組む際に、地方銀行を選択肢に入れる人は意外に少ないのですが、審査に自信のない人は地方銀行に申し込みをしてみましょう。

  4. (4)ペアローンを活用する

    ローン審査時の収入条件を、配偶者と合算できるペアローンもおすすめです。
    2人の合算した年収で審査を受けることになりますから、必然的に審査に落ちにくくなります。

    もちろん、ローンの返済義務を夫婦の両方が負うことになりますが、共働きの夫婦なら選択肢に入れてみる価値はあるでしょう。

4、住宅ローン審査をする前にやるべきこと

住宅ローン審査を通過しやすくするために、事前にできることをまとめました。

  1. (1)信用情報の開示請求をする

    過去に任意整理をした経験がある方は、事前に信用情報の開示請求をして、ブラックリスト情報が抹消されているかを確認しておきましょう。
    任意整理をした借金を完済して5年たっていないと、住宅ローン審査に申し込んでも落ちてしまいます。

    審査に落ちた記録が残ってしまうと、他の銀行での住宅ローン審査に申し込みをした際に不利になりますから、事前に確認を行っておくのが適切です。

    信用情報機関にはJICC・CIC・KSCの3つがありますから、それぞれについて開示請求をしておきましょう。

    それぞれの信用情報機関への開示請求方法は、ホームページを見れば確認できます。

  2. (2)借り入れがあるなら完済しておく

    住宅ローンの審査を受ける際には、できれば他の金融機関からの借り入れがない状態にしておきたいところです。

    借金の金額にもよりますが、銀行に住宅ローンと借金の両方の返済は困難だと判断される場合もあるからです。

    現在負っている借金が少額で、「少し頑張れば完済できる」という状態なら、住宅ローン審査前に完済しておくのが良いでしょう。

5、まとめ

今回は、任整理と住宅ローンの関係について解説いたしました。
本文でも見たように、任意整理の影響で住宅ローン審査に落ちてしまうのは、任意整理をした借金の完済から5年たっていない場合である可能性が高いでしょう。

過去に任意整理をした方は、新たに住宅ローン審査に申し込みをする前に信用情報機関へ信用情報の開示請求をしておきましょう。

「これから任意整理を行う予定」という方は、住宅ローンへの影響も検討したうえで手続きのやり方を検討するべきです。

任意整理の具体的なやり方について不安がある方は、ベリーベストへお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

同じカテゴリのコラム(任意整理)

このエントリーをはてなブックマークに追加
自分の過払い金を気軽にチェック 5分ほどのお電話で無料相談
閉じる
  • 0120-170-316
  • ご相談の際はお近くの事務所へのご来所が必要となります。
    まずは電話かメールでお問い合わせください。

  • メールで無料相談
閉じる
  • 0120-170-316
  • ご相談の際はお近くの事務所へのご来所が必要となります。
    まずは電話かメールでお問い合わせください。

  • メールで無料相談
PAGE TOP