債務整理 弁護士コラム

任意整理にかかる費用はどれくらい? 任意整理の費用の仕組みとお金がないときの対処法

2020年03月18日
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任意整理にかかる費用はどれくらい? 任意整理の費用の仕組みとお金がないときの対処法

任意整理は、最も費用の安い債務整理の方法です。
しかし、任意整理を依頼する人にとっては、安いといわれても弁護士・司法書士費用を支払うことに不安を感じている人は多いと思います。

そもそも、弁護士費用の詳しい仕組みもわかっていないため、何について、どのような費用が発生するのかよくわからないという人の方が多いのかもしれません。
そこで、この記事では、

任意整理の場合に発生する弁護士費用の決まり方
弁護士費用の比較をする際の注意点
弁護士費用の支払いに不安があるときの対処方

について解説します。
任意整理で借金を解決したいけど、費用が払えるか不安、弁護士費用はどのように決まるのだろうと思っている人は、参考にしてみてください。

1、任意整理とは?

任意整理とは、文字通り、「債権者と債務者の任意の話し合い」で、これからの借金の返済方法について条件を見直す(返済の負担を今よりも軽くしてもらう)債務整理の方法のことです。

話し合う内容(返済条件)も当事者間の同意で自由(任意に)決めることができます。

そのため、複雑な書類も裁判所も利用も必要がないため、債務整理の中では最も費用の安い方法となります。

2、任意整理するときにかかる費用の決まり方

任意整理では裁判所を利用しないため、裁判所に納める費用が全く発生しません。

したがって、任意整理に必要な費用は、手続きを依頼した専門家(弁護士・司法書士)の報酬のみとなります。

任意整理を行ったときに、弁護士・司法書士に支払うことになる報酬などは、次の項目から構成されるのが一般的です。

  • 着手金
  • 報酬金
  • 事務手数料
  • 日当・実費など


ここでは、上の報酬費目のうち、特に重要な着手金と報酬金について解説を加えます。

※なお、この記事で解説するそれぞれの報酬費目の定義などは、日本弁護士連合会が定めている「債務整理事件処理の規律を定める規程」に基づいています。事務所によっては、この記事の定義とは異なる報酬規程を定めている事務所もあるかもしれません。個別事件を依頼した際に発生する報酬費目およびその金額については、委任契約締結前に必ず確認するようにしてください。

次の章で、それぞれの費用について詳しく解説します。

3、着手金

「着手金」とは、弁護士報酬のうち、依頼した事件の結果に関わらず必ず発生する報酬のことをいいます。つまり、仮に任意整理に失敗した(債権者と和解できなかった)場合でも支払う必要のある報酬ということです。

エントリーフィー・契約金のようなものとイメージしておけばわかりやすいかもしれません。したがって、弁護士を任意整理の途中で解任した場合でも返金してもらうことはできません。

  1. (1)着手金はいつ支払うのか?

    着手金は、通常、弁護士に事件を依頼するときに支払うものです。
    まさに、「事件に着手してもらうための報酬」というわけです。

    弁護士報酬が完全自由化されて以降、「着手金の分割払い可能」、「着手金不要」といったさまざまな報酬体系の事務所が増えています。

    特に、着手金を分割払いするときには、「実際の業務着手の時期(特に受任通知送付の時期)」を必ず確認しておきましょう。

  2. (2)着手金に含まれる費用

    着手金は、依頼事件について包括的に発生する報酬と考えられています。

    任意整理の場合であれば、下記の業務のすべてが、当初の着手金でカバーされる業務であると理解されています。

    • 債権者に対する受任通知の送付
    • 債権者に対する支払い停止の通告
    • 債権者に対する取引履歴の開示請求
    • 利息の引き直し計算などの債権額の調査
    • 取引履歴の開示が不十分な場合に債権者と引き直し計算の方法について交渉すること
    • 引き直し計算の結果に基づいて、債務者(依頼人)が負担すべき債務の返済について、債権者と分割弁済の交渉を行い和解すること
    • 上記和解の結果に基づく弁済金の送金代行を受任する場合のその事務手続き
    • 過払い金の返還請求を裁判または裁判外で争い回収すること
    • 当該依頼事件に関する業務を遂行する上で当然に付随する事務手続き


    つまり、それぞれの業務内容ごとに別個に着手金・手数料を請求されることはないということです。

    なお、弁護士の業界では、着手金は、「審級ごと」に発生すると考えるのが一般的です。つまり、過払い金請求を訴訟で行い、相手方が控訴してきたという場合には、控訴審では新たな着手金が必要となります。

    また、相手方から「反訴」を提起されそれに応じる場合にも、「別事件」となり別個の手数料が必要となります。

  3. (3)任意整理の場合の着手金の決まり方

    着手金は、「事件ごと」に発生すると考えるので、任意整理の場合には、「債権者の数」に応じてきまります。たとえば、アコムとの任意整理と、プロミスとの任意整理は、別事件となるので、着手金は2件分必要となるというわけです。

    どこの事務所のホームページなどをみても、「債権者1社あたり〇〇円」と記載されているはずです。

4、報酬金

「報酬金」は、弁護士に依頼した内容に「成功・不成功」がある場合に、結果が成功となった(たとえば勝訴した)時に発生する報酬のことをいいます。

任意整理を依頼したときの報酬金には、以下の3つがあります。

  1. ①解決報酬
  2. ②減額報酬
  3. ③過払い金報酬


  1. (1)解決報酬

    任意整理の場合の成功報酬は、「債権者との和解が成立したとき」に発生する報酬です。
    着手金と同様、和解の件数(債権者)ごとに発生します。

    成否という結果に対して発生する報酬なので、金額は1件につき〇円と固定の金額になります。

  2. (2)減額報酬

    減額報酬は、債権者が主張する請求債務額を減額させられることができた場合に、その減額の程度に応じて発生する「歩合制の報酬」のことです。

    一般的には、「借金の元金」を減らせた場合に発生する報酬と理解しておけばよいでしょう。

  3. (3)過払い金報酬

    過払い金報酬は、債権者から過払い金を回収できたときに、その金額に応じて発生する歩合制の報酬です。

    たとえば、債権者は200万円の借金残額があると主張している場合に、弁護士が300万円の過払い金の存在を認めさせることができたときには、現実に回収できた100万円の部分について過払い金が発生します(元金と相殺された部分は減額報酬の対象となります)。

    とはいえ、2008年以降の借金には原則として過払い金は存在しないので、いまの任意整理では過払い金報酬(減額報酬)が発生することは、あまりありません。

5、任意整理の報酬額はいくらが妥当なのか?

現在では、弁護士(司法書士)報酬は、事務所がそれぞれ自由に定めるのが原則です。かつては、弁護士会(司法書士会)が個別の業務について報酬額を定める規程を設けていたのですが、独占禁止法に抵触するおそれがあるため撤廃されたものです。

しかし、任意整理については、その後悪質事務所によるいわゆるぼったくり事例が問題視されたこともあり、報酬自由化の特例として、弁護士会も司法書士会も一定の目安とすべき報酬額を以下のように定めています。

  • 着手金:制限なし
  • 解決報酬金:債権者1人あたり4万円まで
  • 減額報酬金:減額できた金額の10%まで
  • 過払い金報酬:回収できた金額の24%まで


参考:日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(PDFファイル)

6、任意整理の費用を比較するときの注意点

いまでは、ネットなどを通じて多くの弁護士・司法書士事務所の報酬を比較することができます。

その際に特に注意してもらいたいポイントをまとめておきます。

  1. (1)必ず複数の事務所の料金を比較すること

    任意整理を依頼する弁護士(司法書士)事務所を探すときには、必ず複数の事務所を比較すべきです。

    弁護士に任意整理を依頼するということは、既製品を買うこととも、普段から扱いなれた商品を購入することとも違います。
    依頼人の多くは、これまで弁護士・司法書士とは接点のなかった人たちでしょうから、さまざまな角度から慎重に検討した上で、最終的に依頼する事務所を決めるべきです。

  2. (2)総額を必ず確認! 「〇〇金無料」のコピーに惑わされない

    最近では、「着手金不要」、「報酬金不要」といった事務所も増えています。

    依頼人側からしてみると、「着手金(報酬金)がいらない」といわれれば、その事務所は費用も安く良心的な事務所のような印象を受けます。実際にも、良心的な事務所もあるかもしれません。

    しかし、着手金や報酬金が不要だからといって、最終的な支払い額が安いとは限らないことに注意しておく必要があります。

    着手金が不要となる代わりに報酬金が高い事務所(またはその逆)も存在するからです。

    「〇〇不要」という宣伝文句だけに惑わされずに、「最終的に支払う金額はいくらか?」ということを意識することを忘れないようにしましょう。

  3. (3)表面上の金額よりも「丁寧に説明してもらえるか」を重視

    事務所のホームページで示される報酬額は、基本的には「計算の基準」に過ぎません。

    したがって必ず自分のケースでは具体的にいくら位になるのかということをきちんと試算してみるべきです。

    最近では、過払い金の発生する任意整理はほとんどありませんから、報酬額の試算それ自体は、さほど難しくないはずです。

    また、費用が高いか安いかという点だけで弁護士事務所を選ぶのは、あまり好ましくないことにも注意しておくべきです。

    任意整理をはじめとした債務整理は、「どの弁護士に頼むか」によって結論が大きく変わる可能性が高いからです。

    特に、滞納状況が悪いケースや、負債総額が多いために4年を超える分割払いが必要なケース、過払い金の回収も発生するケースでは、目先の費用額よりも、「自分が本当に信頼できる弁護士かどうか」ということを基準に弁護士を選ぶべきでしょう。

    他方で、報酬額の説明を丁寧に行ってくれない事務所には、任意整理を依頼すべきではないといえます。

    依頼人が負担しなければならない問題について、わかりやすく誠実に説明できない事務所(弁護士)には、今後の人生を大きく左右させるかもしれない重要な業務を依頼するのはとても危険といえるからです。

7、費用の支払いが不安……分割払いで依頼しよう!

任意整理を依頼する人のほとんどは、お金に困っている人です。当然、弁護士費用の支払いにも不安を抱えていることが多いと思います。

そのため、弁護士事務所のほとんどは、依頼人が費用を負担しやすいように分割払いに応じてくれますし、収入が少ない人の場合には、公的な支援を受けられる場合があります。

  1. (1)ほとんどの事務所で分割払いに対応してくれる

    債務整理にかかる弁護士・司法書士費用は、ほとんどの事務所で「分割払い」が可能です。

    債務整理を依頼すれば、債務整理の対象となる借金の返済は、債務整理が終了するまで停止されます。弁護士は、受任通知の送付のときに、支払い停止の通告も行うからです。

    したがって、それまで借金返済に充てていた金額を弁護士費用の積み立てに充てることで、弁護士費用を積み立てることができるようになります。

  2. (2)弁護士費用を分割払いにするときの注意点

    弁護士は、着手金を受領しなければ、「業務に一切着手しない」のが一般的です。まさに、着手金が着手金といわれる所以です。

    「着手金を分割払い」にするという場合には、委任契約を締結する前に、「受任通知送付はいつの時点か」、「和解交渉を開始してくれるのはいつか」ということは、必ず確認しておきましょう。

    基本的には、1円も着手金を支払っていない(契約時に初回分割分は払うところが多いはずです)のに、受任通知を送付してくれる事務所は少ないと思います。

    また、和解契約の交渉がスタートするのは、着手金の分割払いが完全に終わってからというところが多いようです。

    着手金を支払ったはずなのに、弁護士が仕事をしてくれないと、弁護士会などに苦情が入るケースは意外と多いのですが、多くは、着手金の分割払いについての依頼人の不理解(または弁護士側の説明不足)が原因です。

    なお、債務整理の分割費用について解説している他のサイトでは、「分割払い」と「後払い」をあまり区別していないサイトもあるようですが、「後払い」は厳密には、着手金を支払いきる前に、弁護士が業務に着手してくれるということを意味しています。

    この点は、ものすごく大事なところなので、必ず事務所ごとに確認してから依頼された方がよいでしょう。

  3. (3)着手金不要で報酬金の分割払い可能な場合

    一般的な弁護士費用の考え方に基づけば、「着手金不要&報酬金分割払い可能」という事務所であれば、報酬を支払う前に業務に着手してくれる事務所と理解することができます。

    ただし、その場合でも、報酬を前倒しして分割払いするようにお願いされることはあるかもしれません。その場合には、支払う報酬が「解決報酬」なのか「実費・手数料」の支払いを求められているのかは、しっかり確認しておくべきでしょう。

    解決報酬の前払いであれば、仮に任意整理が失敗した場合や、依頼途中で弁護士を交代する場合などには返金してもらえる報酬となるからです。

8、法テラスで費用を立て替えてもらえる場合もある

毎月の収入などが一定額以下の生活の苦しい世帯の場合には、任意整理にかかる弁護士・司法書士費用を、法テラスが行っている民事法律扶助事業によって立て替えてもらうことができます。

民事法律扶助を用いるための収入・資力額は、居住地域や世帯人数・家賃負担の有無によって異なります。

たとえば、大阪市の賃貸物件で1人暮らしをしている人であれば、毎月の手取り月収が243,200円以下、保有資産の合計が180万円以下の両方を満たしていれば、民事法律扶助を利用することができます。

立て替えてもらった費用は、毎月1万円(もしくは4,000円ずつ)の分割で返済します。
生活保護(に準ずる所得の)世帯の場合には、この返済が完全に免除されます。低所得世帯の場合にも、返済の猶予などの措置があります。

ただし、「和解成立の可能性が全くない案件」の場合には、民事法律扶助を利用することができないので注意しましょう。

9、任意整理の費用を安くするためには、早めの相談・依頼が大切!

任意整理の費用を少しでも安くするには、「借入件数が少ない」うちに相談・依頼すべきといえます。任意整理の費用は、「借金の金額」は少なくても、「債権者の数」が多ければ高くなってしまうからです。

逆にいえば、「債権者の数が1社しかない」というケースであれば、借金額が多い場合であってもかなり安い費用で任意整理を依頼することが可能というわけです。

借金の返済に行き詰まってしまったときには、決して自転車操業に手を出してしまわずに、できるだけ早く弁護士に任意整理の相談・依頼をしてみましょう。

10、まとめ

任意整理で借金を解決しようと考えている人の多くは、「費用を支払えるだろうか」という不安をもっていると思います。

しかし、債務整理は、お金に困っている人のために行うものですから費用を支払いやすくするための工夫をほとんどの事務所がしてくれています。
実際にも借金で困っている多くの人が、何とか費用を工面して、借金問題を解決させています。

弁護士費用の問題は、「払えるかどうか」ということよりも、実は「内容をきちんと理解しているかどうか」の方が本当は重要です。

依頼人と弁護士との間で生じるトラブルの多くは、費用の支払い(不理解・誤解・勘違い)に関するものだからです。

弁護士には、費用について丁寧に説明する義務があります。

お金の話をするのは気が引けると感じている人も多いと思いますが、わからないこと、不安なことがあるときには、遠慮せずにベリーベスト法律事務所までご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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