債務整理 弁護士コラム
これから債務整理をしようと考えている方の中には、「債務整理後にキャッシングできるのか」「債務整理中にお金が足りなくなったとき、キャッシングを利用することは認められるのか」と、お悩みの方もいるでしょう。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどの借入を法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると、信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
本コラムでは、債務整理後・債務整理中のキャッシングに関する注意点などについて、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。
この記事で分かること
まずは、債務整理やキャッシングといった言葉の意味について整理しておくことが重要です。1章では、押さえておくべき基本的な事項を説明します。
債務整理とは、自分の力では返済することが難しくなった借金について、利息や元金のカットなどの方法で返済しやすくする、または返済を免除してもらうための手続きのことです。
裁判所で行われる債務整理には、自己破産や個人再生、特定調停といった方法があります。また、任意整理といって、裁判所を利用せずに、債権者(消費者金融などのお金を貸している側)と直接交渉して返済条件を定め直すことも可能です。
債務整理は、債務者(消費者金融などでお金を借りている側)が自分の力で行うこともできます。しかし実際には、専門的な書面を作成したり、債権者・裁判所とも難しい交渉を行わなければならないため、弁護士に依頼して手続きを進めることがおすすめです。
債務整理の詳細を知りたいという方は、「債務整理とは? 手続きの進め方やメリット・デメリットについて弁護士が解説」をご一読ください。
キャッシングとは、厳密にはクレジットカード会社からショッピング枠以外に現金の借入枠を設定してもらうことを指しますが、より広く「金融機関からお金を借りること」を指すこともあります。本コラムでも、キャッシングは広く「借金をする」という意味合いで用いていることにご留意ください。
キャッシングでは、期限までに利息をつけて、借りたお金を返済しなければいけません。キャッシングに適用される利息は決して安い金額ではなく、無計画にキャッシングを繰り返したことで、返済に行き詰まってしまうことは珍しくないといえます。
特に、近年ではアルバイトやパート、派遣社員や契約社員といった形で生計を立てている人でも手軽にキャッシングを申し込めてしまうため、ちょっとした油断や借りすぎが原因で返済に行き詰まってしまうケースも少なくありません。
債務整理は、このように借金で行き詰まった状況を解決するための手段です。
返済することができなくなった借金を抱え続けることは、とても危険です。お金がない状況は精神的な負担も掛かり、気持ちが追い詰められることで、場合によっては自死を選択してしまう方もいます。
債務整理を行えば、借金の負担軽減を認めてもらうことができますが、債務整理の手続きをした後も生活していかなくてはなりません。
そのため、債務整理手続き後にお金が足りなくなって、また新たにキャッシングやカードローンを利用せざるを得ない……という状況になってしまうことも考えられるでしょう。
債務整理の手続きを行うと、金融機関が加盟している信用情報機関のデータベースに事故情報が登録されます。これが、いわゆる「ブラックリスト入り」と言われているものです。
金融機関は、融資を行う際の審査では必ずこのデータベースに照会するため、事故情報が登録されると、債務整理手続き後にキャッシングすることは難しくなります。
一方で、ブラックリストに登録されている人を主な顧客層として、貸付業務を行っている業者も少なからず存在しています。
たとえば、中小の消費者金融の中には、「過去の債務整理歴は不問」という業者もいないわけではありません。中小の消費者金融では、大手とは異なる方針で事業を行わなければ太刀打ちできないからです。
ただし、「ブラック可能」と謳っている貸金業者には、悪質業者や闇金(違法業者)も少なからず存在しているため、慎重に選ぶようにしてください。
債務整理手続き後にキャッシングできる金融機関として、どのようなところがあるのかと気になっている方も多いでしょう。2章では、ブラックリストに登録されている人が利用できる借入先の選択肢について、解説します。
債務整理によってブラックリストに登録されてしまった場合、大手の金融機関では、キャッシングやカードローンを利用するのがほぼ不可能となります。
アコムやレイクといったCMでよく名前を目にするような消費者金融やクレジットカード会社、銀行や信用金庫のローンは、ほぼ利用が不可能になると考えておきましょう。
一方で、中小規模の消費者金融では「大手の金融機関ではお金を借りられない人」を主な顧客層としていることが多く、独自の審査基準を採用していることがあります。
お金を貸す側からすると、ブラックリスト登録されている人にお金を貸すことはリスクが高いため、貸付利率も高くなる傾向です。そして、きちんと法律のルールの範囲内で活動している業者は少なくありません。
そのため、法を遵守している中小金融機関が選択肢となるでしょう。
なお、事業者であれば、ソーシャルレンディングといった新しい資金調達方法や、個人的に出資を受けるなどの方法もありますが、これらはあくまでも事業内容に賛同してもらえることが絶対条件となります。
個人事業主として債務整理をした人が新たに法人を設立し、その法人名義でお金を借りるということも選択肢としては考えられますが、その場合にも代表者の保証を求められる(代表者の信用情報が調査される)のが普通です。そのため、自分以外の人に経営者になってもらうなどの方法をとらなければなりません。
債務整理の手続きをした後に、キャッシングによってお金を借りる場合には、いくつか気をつけておくべきことがあります。具体的には、再び多重債務とならないようにすることや、闇金で借りないことに注意が必要です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
債務整理によって借金の負担を減らしてもらった後には、再び多重債務の状態に陥らないように気を付けましょう。
ブラックリストに登録されている人が資金調達を行うことは非常に困難なことですが、苦労して調達したお金をまた返せなくなったとなると、あなたの社会的な信用は大きく損なわれてしまいます。
債務整理後には、外部からお金を借りるのが非常に難しくなることを理解したうえで、手続きを行う前にその後の生活資金のめどをある程度立てておくことが大切です。
なお、自己破産によって債務を免除してもらった場合には、7年以内の再度の自己破産は免責不許可事由に該当してしまうことにも注意しておきましょう。
絶対にやってはいけないこととして、闇金からお金を借りることがあげられます。
闇金はそもそも法律のルールに従って営業する意思がない業者であり、法外な利息を徴収したり、嫌がらせなどの形で取り立てを行ったりということをしてきます。
当然ながら、法律を最初から守るつもりのない人たちに対して、債務整理などの法律手続きをしても意味がありません。
もし闇金からお金を借りてしまった場合には、闇金対策を専門にしている弁護士が解決してくれるケースもあるため、まずは一度ご相談ください。
債務整理後も生活していくために、どうしてもキャッシングが必要となるケースはあるでしょう。その場合には、まず公的融資制度を調べるようにしてください。
「お金が必要=消費者金融」と考えてしまいがちですが、国等でも融資をしています。生活福祉資金貸付制度をはじめとして、教育ローンもありますし母子家庭・父子家庭専用の貸付制度もあります。実施主体はさまざまですが、インターネットで検索するとまとまった情報を入手することができるでしょう。
一方で、「債務整理の手続きを行っている期間中」にはキャッシングで新たな借り入れを行うことは避けるべきです。
特に、弁護士に債務整理の手続きを依頼している場合は、手続き期間中に新たに借金を作ってしまうと、依頼している弁護士との信頼関係を崩してしまう可能性があります。
債務整理は、債権者にも無理な条件をのんでもらって借金問題を解決する手続きです。債務整理の最中にさらに借金を増やしてしまうことは、債権者に対してだけでなく、弁護士・裁判所に対しても不誠実な行為といえます。
借金の原因や金額によっては、債務整理途中で手続きが中止されたり、弁護士に辞任されてしまう可能性もゼロではありません。
弁護士はあなたの借金問題を解決するために仕事をしているため、債務整理手続き中にどうしてもお金が足りなくなってしまったような場合には、キャッシングを利用する前に依頼している弁護士に相談するようにしましょう。
債務整理の手続きが必要な状況に陥る原因は人それぞれですが、借金を繰り返しては債務整理をする……という状況は、決して望ましいものではありません。
特に、生活上特に大きな出費(医療費の出費など)がないのにもかかわらず、浪費やギャンブルによって借金を負ってしまったようなケースでは、そうした生活スタイルの改善から考えていく必要があります。
債務整理を行うことでブラックリスト登録されることは、一見すると大きなデメリットといえますが、強制的に借金ができない状況を創り出すことは、これまでの生活の仕方を見直す良いきっかけになるかもしれません。
債務整理中はキャッシングをするべきではありませんが、どうしてもお金が必要な場合には、その都度、依頼している弁護士に相談をするようにしてください。
また、債務整理後のキャッシングは中小規模の貸金業者であれば可能なこともありますが、実際にお金を借りる業者の選定は慎重に行わなくてはなりません。万が一、借りた相手が闇金だった場合には、あなたの人生に大きな影響が出てしまいます。
弁護士は、あなたの状況に合わせてもっともメリットがある解決策をご提案することが可能です。
借金や債務整理のことでお悩みの際は、弁護士に相談してアドバイスをもらうようにしましょう。
これから債務整理の手続きを行うことを検討している方は、債務整理手続きの前後にキャッシングやカードローンを利用する場合、いくつかの注意点があることを知っておくべきです。
現在、債務整理中でキャッシングを考えている場合は、依頼している弁護士との信頼関係を傷つける可能性があるため、避けるようにしましょう。
弁護士は、あなたの借金問題を解決するための具体的かつ適切な方法をアドバイスしてくれます。
借金や債務整理のお困りごとがあった際はベリーベスト法律事務所までご相談ください。債務整理専門チームを編成している当事務所では、借金に関するご相談は、無料で何度でも受け付けております。
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債務整理中は、基本的に借入をすることはできません。信用情報機関に事故情報が登録されているため、一般的な金融機関や消費者金融などに借金を申し込んでも、審査に通らないからです。
しかし、債務整理中であっても、生活費の不足などでお金が必要になることもあるでしょう。そのようなとき、一部の業者や個人から借入できることもありますが、安易な借入は控えるべきです。
本コラムでは、債務整理中に借入をしてはいけない理由と、借入をした場合に生じるリスク、どうしてもお金が必要なときの対処法について、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。
ショッピングローンは、手持ちのお金が厳しい状態であっても買いたい品物を購入できる、とても便利な仕組みです。
たとえば、パソコンや冷蔵庫といった電化製品などを家電量販店で購入するとき、分割払いのほとんどは提携する信販会社のショッピングローンとなっています。
また、テレビ通販・ネット通販などの分割払いの多くも同様です。
しかし、便利だからといって、高額な買い物を無計画に続けてしまえば、返済に行き詰まってしまうことも少なくありません。そのような場合には、債務整理で解決することが可能です。
本コラムでは、ショッピングローンのメリット・デメリットや返済できなくなったときに債務整理する際の注意点、債務整理中の利用可否などについて、ベリーベスト法律事務所 債務整理専門チームの弁護士が解説します。
借金を調べる方法としては、契約書の確認・取引履歴の取得・信用情報の開示などが挙げられます。
自分で調べるのが難しいなら、弁護士に調査を依頼しましょう。
本記事では、自分や家族の借金を調べる方法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。