債務整理 弁護士コラム

借金を滞納すると取り立てはどうなる? 借金取り立ての流れと取り立てを回避する方法

2019年12月11日
  • 借金問題
  • 借金
  • 取り立て

借金を滞納すると取り立てはどうなる? 借金取り立ての流れと取り立てを回避する方法

「借金の取り立て」というと、さまざまな不安を感じます。

「借金が返せなかったことを怒られるのではないか」
「家族が取り立てられることはないだろうか」
「会社まで取り立てに来たらどうしよう」
と思っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、テレビやマンガなどで見るような借金の取り立ては実際にはありません。

金融機関の取り立てには厳しい規制があるからです。また、こちらがきちんと対応することで、取り立てを回避できる場合もあります。

そこで、今回は、

●借金を滞納してしまったときの取り立ての流れ
●借金の取り立てで禁止されている行為
●借金の取り立てを回避する方法

について解説していきます。
取り立てがコワイという不安な気持ちが原因で焦って対応をしてしまえば、状況をさらに悪化させてしまう可能性があるため、適切な対応をするようにしましょう。

1、借金を滞納したときの取り立ての基本的な流れ

まずは、借金の返済を滞納するとどのようになるかを、実際の流れに沿って確認していきましょう。

  1. (1)電話・メール・請求ハガキで「支払い遅れ」の連絡がくる

    毎月の支払日に返済ができないときには、債権者(消費者金融・銀行・カード会社)から「支払いが確認できなかったこと」について連絡があります。

    この段階での連絡方法は、電話・メール(ショートメール)・請求ハガキが考えられますが、それぞれの金融機関によって対応が異なります。

    必ず電話をしてくるという金融機関もあれば、JCBカードなどのように、初期の遅延は、「『請求ハガキ』を機械的に送付するだけで電話などはしない」という金融機関もあります。

  2. (2)滞納が続くと、最終支払期限を通告される

    「支払い遅れの連絡」をしても滞納が解消されないときには、さらに厳しい取り立てが行われます。

    債権者からたびたび電話による連絡があるだけでなく、内容証明郵便で「督促状」、「解約予告通知」、「一括返済予告通知」などのタイトルの文書が送られてきます。

    また、この期限までに滞納が解消されないときには「契約が強制解約される」ことも記載されているのが一般的です。

  3. (3)さらに滞納が続くと強制解約され残額全額の一括返済を求められる

    債権者が指定した最終支払期限までに滞納が解消されなかったときには、督促状で予告されていたように、借金やカードの契約が「強制解約」となります。

    ①強制解約されたことによって生じる不利益
    借金やカードの契約が強制解約されると

    • 強制解約されたことが「事故(ブラック)情報」として信用情報に記載される
    • 契約で認められていた「期限の利益」を喪失する


    期限の利益を喪失すれば、残っている借金(カード利用額)の残額を「一括」で返済しなければならなくなります。

    ②銀行カードローンを強制解約された場合
    銀行カードローンを強制解約されたときには、

    • 債権者の銀行が預かっている貯金と相殺するための口座凍結
    • 保証会社による代位弁済


    が行われます。

    たとえば、A銀行に20万円の貯金のある人が、A銀行からの50万円のカードローンを滞納によって強制解約されると、相殺後に残った30万円について保証会社が代位弁済を行います。

    代位弁済が行われると、債権者は、元々の貸し手(銀行など)から保証会社に代わります。

  4. (4)民事訴訟・支払督促といった法的措置をとられる

    借金を滞納してしまっている人は、期限の利益を喪失し、一括返済を求められても応じられない場合がほとんどでしょう。毎月の返済額すら滞納しているのですから、残額全額をまとめて返済できるはずがありません。

    したがって、一括返済を求められたときには、民事訴訟・支払督促といった法的回収が行われる可能性が高くなってしまいます。
    任意で返済されない借金は「給料差し押さえ」などによる強制回収を図る必要があるからです。

  5. (5)給料の差し押さえ(強制執行)で強制回収

    強制執行(財産差し押さえ)は、滞納した借金の取り立ての最終段階です。

    しかし、実際には「差し押さえにあった」という経験のある人は多くないことから、さまざまな誤解や思い込みがある場合も少なくありません。

    ①借金の滞納・強制解約だけで給料が差し押さえられることはない
    借金の返済で悩んでいる人には「給料が差し押さえられる」ことを心配する人は少なくありません。

    しかし、「借金を滞納しただけ」でいきなり給料が差し押さえられることはありません。借金を滞納(不履行)しただけでは、強制執行はできないからです。

    ②強制執行(給料差し押さえ)の要件
    通常のケースでは、滞納された借金を回収するための強制執行は、事前に裁判所の手続きを経なければなりません。
    強制執行を申し立てるために必要な「債務名義」と「執行文」を得なければならないからです。

    債務名義とは、「債権者と債務者との間にある確定した権利関係」を印した公的な文書のことをいいます。債務名義の典型例は、「確定判決」で、借金やカードの契約書・督促状は、債務名義ではありません。

    「執行文」というのは、債務名義が作成された後に、「債務名義に記載された権利内容が実現していない(債務者が支払いをしていない)」ことが確認できた場合に、債務名義作成者(裁判所・公証人)が付与するものです。

    なお、債務名義が確定した支払督促であるときには、執行文の付与は不要なので、判決よりも簡易迅速に強制執行をすることができます。

    ③カードローンの滞納でマイホームを差し押さえられることはない
    また債権者による個別の差し押さえは、「債務者の財産なら何でも差し押さえられる」というわけではありません。差し押さえは、債権者に認められた正当な権利行使ではありますが、公平に行われる必要があるからです。

    たとえば、50万円の借金を回収するために、2000万円の価値のある土地建物(マイホーム)を差し押さえることは、「超過差し押さえ」として禁止されています。

    過度な差し押さえを認めると、債権者の地位が必要以上に強くなってしまうからです。

    ④差し押さえは「事前通告なし」で行われる
    債務名義(裁判・支払督促)を経由しない差し押さえや、超過差し押さえが禁止されているとしても、安心すべきではありません。

    差し押さえが実施されるときには、「債務者に内緒」で手続きが進められるからです。これを、専門的には「強制執行における密行性」と表現します。

    つまり、強制執行をすることが債務者に知られてしまえば、財産隠しなどが行われる可能性があるので、強制執行は、債務者にバレないように手続きが進められるということです。

    たとえば、給料を差し押さえる場合には、次の手順で手続きが進められます。

    • 債務名義の作成(支払督促の確定)
    • 債権執行の申し立て(給料差し押さえの申し立て)
    • 債権差押命令の発令と給料支払者(勤務先)への送達
    • 給料を差し押さえたことを債務者に通知→異議申し立てが可能になる
    • 差し押さえた給料を債権者が受領する


    したがって、債務名義が作成されてしまったときには、「のんびりかまえている」と、知らないうちに給料が差し押さえられてしまう可能性があります。

2、コワイ取り立ては法律で禁止! 金融機関が禁止されている取り立て方法の具体例

借金の取り立てについては、「怖い思いをするかもしれない」と不安に感じている人もいるかもしれません。

テレビや映画などでは、乱暴な取り立てが描かれていることも少なくないからです。また、乱暴な取り立てとはいかなくても、家族や勤務先が取り立てに巻き込まれたら困ると思っている人も多いでしょう。

しかし、これから解説するように、乱暴な取り立ては禁止されていますし、取り立てに他人が巻き込まれることも、こちらがきちんと対応している限りはありません。

金融機関の取立行為は、法律(貸金業法21条など)や監督官庁の指導基準(貸金業者向けの総合的な監督指針)による厳しい規制があるからです。

  1. (1)債務者が「コワイ」と感じるような取り立ては禁止されている

    下記のような取り立ては、明確に禁止されています。

    • 取り立ての際に「威圧的な態度・言動」をとること
    • 深夜早朝などに取り立ての連絡を行うこと
    • 必要な程度を超えて1日のうち何度も取り立ての連絡・訪問をすること
    • 大人数で押しかけて訪問取り立てすること
    • 「帰ってください」と言われてもなお訪問先に居座ること


    たとえば、過去には、某商工ローンの取り立ての際に、「目んたま売って借金を返せ」などという暴言を吐いていたケースが大きな問題となったことがあります。

    しかし、このような暴言は、取り立て規制に明確に違反している行為です。また、大声をあげる、その他の暴力的な言葉を用いることも違反行為に該当するといえます。

    また、深夜早朝の時間帯に取り立てのための電話連絡(訪問)をすることも、債務者の生活に支障を来す可能性が高いので禁止されています(ただし、仕事の都合などで債務者が深夜早朝に連絡することを希望している場合は別です)。

    さらに、訪問取り立ての場合には、大人数で押しかけたり、訪問先に居座ることも禁止されています。

  2. (2)不必要に他人を巻き込む取り立ても禁止されている

    • 正当な理由もないのに勤務先などを訪問したり電話をすること
    • 債務者の連絡先を教えるように、家族や友人などに執拗に協力を求めること


    といった債務者以外の人を巻き込むような取り立ても禁止されています。

    ただし、「債務者が行方をくらませてしまった」、「債務者が債権者からの連絡を無視している」といった事情があるときには、債権者以外の者に事情を聞く、勤務先に電話するといった行為も正当化されてしまいます。

    延滞が深刻化(長期化)したケースでは、「債権者からの連絡を無視してしまう」ケースも少なくないので注意が必要です。

  3. (3)金融機関はさらに厳しい自主ルールを定めている

    金融機関は、法律・行政指導の基準に沿った取り立てを行うために、かなり細かい自社ルールを定めている場合がほとんどです。

    たとえば、「取立員は、パンチパーマをかけてはならない」、「紫のスーツで訪問することは禁止」、「督促電話は、〇時~✕時までの間に、1日あたり〇回まで」、「訪問連絡の際には、2名で訪問し、うち1名は車内待機」といった独自のルールがあります。

  4. (4)万が一、問題のある取り立てを受けたときはどうしたらよい?

    いまでは、きちんとした免許のある金融機関からの取り立てであれば「コワイ思い」をする心配はほとんどいらないといえます。

    悪質な取り立てが発覚すれば、行政処分の対象となり、営業停止・免許取消といったリスクがあるからです。営業停止・免許取消によって会社に損害がでれば、経営者は株主代表訴訟によって損害賠償を請求される可能性もあります。

    万が一、悪質な取り立てを受けたと感じたときには、

    • 金融庁
    • その金融機関の指導を管轄している行政庁(財務局・都道府県)
    • 日本貸金業協会
    • 全国銀行協会


    といった窓口に苦情を持ち込むことができます。
    また、弁護士・司法書士に相談をしてみることも有効でしょう。

3、金融機関から取り立てされたくないときの対処方法

金融機関からの取り立ては、暴力的、威圧的な対応をされなくても、やはり気持ちの良いものではありません。明確に叱責されていない場合であっても「返せないことが悪い」と責められてるような気分になってしまいがちです。

借金苦に陥っている人には、取り立ての電話が気になってしまい、鬱のような状態になってしまう人も珍しくありません。

また、取り立てを受けることで「早く何とかしなければ」と焦ってしまい、間違えた対応をとってしまうことも考えられます。
そこで、借金の取り立てを回避できる方法についても解説していきます。

  1. (1)支払期日の前にきちんと連絡する

    直近の返済日にお金が工面できないことが明らかなときには、返済日前に債権者に事前連絡することで、取り立てを回避することができます。
    債権者からの督促は、「滞納していることの確認(通知)」と「返済意思の確認」を目的とするものなので、債務者の方から「〇日までにきちんと滞納を解消します」という連絡があれば、そもそも督促をする必要がなくなるからです。

    「返済が間に合わないのは体裁が悪いから連絡しづらい」、「返済が遅れるなんて連絡しても怒られるだけ」と思っている人も多いかもしれませんが、実は逆です。
    約束を破ってしまうときこそ、誠実に対応することで、その後のリスクを最小限にすることができるのです。

    なお、この方法による督促の回避は何度も使えるわけではありません。

    たとえば、15日の返済に間に合わないということで「26日までには必ず返済します」と事前に連絡をいれた場合に、債権者からの取り立てを停止できるのは、「26日まで」に過ぎません。
    「26日までに遅延を解消する」と約束をさらに反故にした債務者から再度の申し出(「今度こそは31日までに返済する」)をさらに信用しろというのは、債権者にとっては酷といえるからです。

    また、7月15日の返済日に間に合わないときに、来年の2月末日までには返済しますというような連絡をした場合にも、取り立てを止めることができないといえます。一般常識に照らしてあまりにも解消期日が先であるときには、「返済する意思があるとはいえない」からです。

  2. (2)弁護士に債務整理を依頼する

    滞納をすぐに解消することができない場合には、弁護士などに債務整理を依頼することでも金融機関からの取り立てを回避することができます。 金融機関は、弁護士などに債務整理を依頼した債務者などに対する直接の取り立て(連絡)を禁止されているからです。

    また、弁護士などに債務整理を依頼すれば、取り立てだけでなく「返済」も一時的に停止させることが可能です。
    つまり、債務整理を依頼すれば、いったん借金のことを心配しなくて良い生活を取り戻すことができるというわけです。

4、借金の返済が苦しいときには弁護士の無料相談を利用しよう

金融機関からの「取り立てを停止させる」ことは、一時的な措置に過ぎません。 「自力では完済できない」と不安を感じている借金があるときには、借金問題を抜本的に解決するための対処を早めにとることがとても大切といえるでしょう。

その第一歩としては、「弁護士や認定司法書士に相談してみる」ことがとても有効です。

間違えた対応をしないためには、正しい知識が必要ですし、「とりあえずどうしたらよい」ということが明確になれば、精神的にも落ち着くことができるからです。

  1. (1)借金の相談は「無料」で受けられる

    借金の相談は、弁護士・司法書士などに相談をしても「無料」の場合がほとんどです。

    「無料相談」というと自治体などで行っている「法律相談会」がよく知られていますが、最近では、一般の法律事務所のほとんどが「借金の悩みの無料相談」に応じています。

    個別の事務所での相談は、相談の日時にも融通が利き、万が一の場合にはすぐに債務整理を依頼できるという点で、自治体の相談よりも優れているといえます。

  2. (2)手ぶらで相談することも可能

    借金で困っている人には、「契約書などは捨ててしまった」という人も多いと思います。

    契約書・明細書といった細かな資料がなくても借金の相談は可能です。
    とりあえずの見通しを立てるためには、「毎月の(大まかな)返済額」と「毎月の収入」、「毎月の支出」がわかれば十分といえるからです。

    また、債務整理に着手する場合でも、契約書なしでも弁護士が借金の状況は正確に調査できるので問題ありません。

  3. (3)相談をしたら必ず債務整理を依頼しなければならないわけではない

    債務整理するかどうかは、とても重要な決断です。

    したがって、弁護士などに相談したからといって必ず債務整理を依頼しなければならないというわけではありません。
    相談して得た知識を基に、再度冷静に考えてから決断することも可能です。

    それよりも、誰にも相談せずに、「どうしてよいかわからない」で右往左往してしまう状況や、「漠然とした不安」が原因で冷静に判断できない状況が続くリスクの方が高いといえるでしょう。

    「借金が返せなくなった」ということは、誰にも知られたくないことですから、弁護士であっても相談することはためらってしまう人が多いかもしれません。

    しかし、返済が苦しくなった借金を安全に解決するには、勇気を持って一歩踏み出してみることがとても大切といえます。

5、まとめ

借金が返済できなくなったときには「取り立てが不安」と感じる人は多いと思います。 実際にも、取り立てが原因で、予期せぬタイミングで家族などに「借金バレ」してしまうことは少なくありません。

しかし、取り立てがイヤだからといって間違えた対応を続ければ、借金の状況はさらに悪化してしまいます。
特に、自転車操業に陥れば、借金をさらに膨らませてしまう可能性も高くなってしまいます。

借金の取り立ては、きちんと対応することで、最小限にすることが可能です。

返済が苦しいと感じる借金があるときには、1人で悩まずにできるだけ早く誰かに相談することが大切でしょう。お悩みの場合は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

同じカテゴリのコラム(借金問題)

このエントリーをはてなブックマークに追加
自分の過払い金を気軽にチェック 5分ほどのお電話で無料相談
閉じる
  • 0120-170-316
  • ご相談の際はお近くの事務所へのご来所が必要となります。
    まずは電話かメールでお問い合わせください。

  • メールで無料相談
閉じる
  • 0120-170-316
  • ご相談の際はお近くの事務所へのご来所が必要となります。
    まずは電話かメールでお問い合わせください。

  • メールで無料相談
PAGE TOP